イナズマイレブン ラストリベリオン(現在募集中)   作:チェリブロ

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だいたい二、三話ぐらいまでは順調に書ける気がします。なぜならそこらへんまでの流れは基本の流れなので難しく考える必要がないから。

まだ募集のキャラは出てきておりません。次か次の次ぐらいから出していく予定です。まだ空きだらけなのでぜひ参加してみてください。


真に必要なモノ

「……なんや、見慣れへんやつがえらっそーなことぼざきよるやん。ひゃひゃひゃ、おもろいやつやのう自分?」

 

先程の発言、直接的な表現は避けてこそいたが反逆という風に捉えられる。当然この件は表沙汰にはしていない。もし本校に知られれば間違いなく何かしらの対応をしてくるからだ。

 

つまりこの男はなんらかの手段を使い漏れ出た情報を得てきた、もしくは自分で反逆という考えに至ったかの二択だ。

 

「聞かせてもらえるか?さっきの言葉……本校への反逆、と考えていいか?」

 

「まあ、それで構わん。それでどうする?運命を決めるのは貴様らだ。別に入れない、という方向でも構わんよ。他にやり方などいくらでもある」

 

ここはストレートに聞いてみる。少し気になる言い方ではあるが、本校を倒す意思はあるようだ。このことを報告してどうこうしようというわけではないらしい。もちろん嘘の可能性もあるが……。

 

「で、どうすんだよ?こいつ入れんのか?」

 

「……態度は気になるけどやる気があるのはいいことなんじゃない?そもそも贅沢言ってられないでしょ」

 

「いいんじゃないのー。私はさんせー」

 

人数に余裕があるわけではない。分校は多いためわりふられる人数は少ない。来ても落とされたという事実から立ち直れない人間も多い。そういう人間は部活には参加しない。当然だが全員がサッカー部に入るわけでもない。

 

この状況で最初から本校を打倒するという意志があり、なおかつサッカー部希望の選手。条件は完璧に満たしている。願ってもない話だ。

 

「うん、そうだな。わかった。それじゃあ入部を許可する……と言いたいところだけど、少しテストをさせてもらおうか」

 

こうして深帝統邪の入部が決まった……というわけではない。サッカー部として活動するためにはテストが必要だという。

 

「ほう、テストだと?」

 

少しだけ驚いた様子。だが、特に不満ががあるわけではないらしい。むしろどんなことをするのだと興味があるようだ。

 

「まあテストとは言ってるけど大したものじゃない。実力がないから不合格、なんてことにはならない。どちらかといえば測定とか診断とかそっちのニュアンスに近いか」

 

「ほう?まあ入部するために必要なのであればなんでも構わんよ。そのテスト、受けようか」

 

どうやら力を試すものではないらしい。深帝はおおよそ納得したようでテストを受けることも文句はないようだ。

 

「じゃあ俺はテストの準備してくるから、しばらく待機で!」

 

「はいよ。いってらっしゃい、キャプテン」

 

そう言ってキャプテンの皆原 春樹は部室から急いで出ていき、部室には数人が残された。

 

「テストかぁ。懐かしいなぁ……あっ、俺は朱井 紅蓮だよ。君と同じ一年生なんだ。テストは俺も受けたけど、別に難しいものじゃないから大丈夫だと思う。頑張ってね」

 

「なるほど、俺様と同期というわけか……」

 

少し頼りなさそうだが優しそうな少年、朱井 紅蓮が挨拶すると深帝は腕を差し出してくる。握手しようとしているようだ。

 

「(そこは礼儀正しいんだ……)」

 

少し意外に思いつつも握手に応じる。今度は先ほどおにぎりを渡していた少女が深帝に声をかける。

 

「私は愛贈 優無。マネージャーだよ。私も同じ一年生なんだ」

 

彼女は選手ではなくマネージャー。話を聞くと元々はプレイヤーだったらしいが、怪我をして回復の見込みがなかったため分校送りになったらしい。

 

「なるほど、ところで他の部員はどうした。サッカーをするには少ないようだが?」

 

「まだ来てないだけでもう少しいるよー。といっても大所帯ではないけどねー」

 

「結構自由で元気なやつらだからな!!どうせ道草でも食ってんだろうよ!!」

 

と、話をしているとキャプテンが戻ってきた。彼の手にはボロボロのボールがあった。準備といってもボールと筆記具、加えてメモ帳を取ってくるだけだったらしい。

 

「っと、それじゃあ来てくれるか?狂条と鋼鉄、あと矢車。悪いけど手伝ってくれ」

 

「くひゃひゃひゃ、人使いの荒いキャプテンでんなぁ。まあしゃーないわな。ほないきましょか」

 

「……キミの力、見極めさせてもらおう」

 

「おー、お手伝いだー。行ってくるねー」

 

黙っていればイケメンであろうゲス顔が似合う女子と見るからに寡黙という言葉が似合う厳しそうな男、そして口調からしてのんびりした様子の女の子が立ち上がる。

 

「よっしゃぁ!残ったやつらはいつも通り練習だかんな!気合い入れろよ!!」

 

「チッ、耳元でデカイ声出すな。耳が痛いのよ。第一全員来てないのに言ってどうすんのよ」

 

残った面々は普通に練習するようだ。深帝がここに混ざることができるか否か。それは今から行うテスト次第である。

 

「部員と会うのはまた次の機会かな?」

 

「ふん、テストなど容易い。すぐにでも戻ってくる」

 

そうして深帝は彼らと別れ、テスト会場へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで何を行う。わざわざこんなところまで来たのには意味があるのだろう?」

 

やってきたのは学校のグラウンド……ではなくそこらにある何の変哲も公園。人は誰もおらず、遊具も破損こそしていないものの手入れがされていないのかあまり綺麗とはいえない。

 

「まあまあ、まずは準備運動として軽くパス回しをしてもらおうかな。それじゃ、いくぞー」

 

皆原は深帝に向けて緩いパスを出す。特に何の技術もなく、鋭いわけでもない。本当に準備運動として行うようなパスだった。

 

「ふん、たしかに準備運動は必要か……いいだろう。こちらからもいかせてもらおうか」

 

「オッケー、ナイスパス!で、深帝君は好きな食べものはあるかい?折角だし歓迎会で出そうと思ってるんだけど」

 

とりあえず指示に従ってパスを出して、受けとる。その最中に皆原は雑談を始めた。

 

「ほう?準備運動とはいえすでにテストは始まっているのだろう。もう合格後の話をするのか?……そうだな……特にない。だが強いて言うなら今は唐揚げが食べたい気分だ」

 

「唐揚げか。たしかに美味しいよな。ちなみにレモンはかける?かけない?」

 

「かけん。本来の味が一番だ。……何の時間だこれは」

 

「まっ、いいからいいから。気楽にいこうな」

 

そうして軽いパスを出し合う。特に難しいことはない。軽く雑談も交わしながらパスを続ける。テストとは思えないぐらいほのぼのしている。

 

「……っと、こんなものかな。じゃあ本格的に始めていこうか」

 

「やっとか。待ちくたびれたぞ」

 

ほとんど雑談だけで終わったパス回し。たまには悪くないが、これだけでは身体が鈍る。

 

「それじゃ鋼鉄。いける?」

 

「もちろんです。いつでも問題ありません」

 

今度は先程呼ばれた漢、鋼鉄 堅地が壁の方へと移動する。丁度深帝が真ん前で壁を背にして相対する。

 

「よし、まずはシュートだ。キミのシュートを見せてくれるか?打つのは十本。技は使わない、オーケー?」

 

「いいだろう。では始めよう。俺様のシュートを受けられること……光栄に思うがいい!!」

 

相変わらず尊大な口調からゆっくりと身体を動かし、狙いを定める。今はコースを狙う必要はない。力を溜め、体重を乗せ、ボールにすべての力を注ぎ込む。

 

「……ハァッ!!」

 

繰り出されるシュート。鋭く、重い一発。キーパーである鋼鉄はこれに瞬時に反応して両腕で掴み、足に力を入れて大地を踏みしめる。ギリギリで止まった。

 

「いいぞ!ナイスシュート!やるじゃないか!鋼鉄も良く止めた!いいプレーだぞ!」

 

「まだ本調子ではないが……俺様のシュートを止めるとは見事である。なるほど、どうやら落ちて腐っているわけではなさそうか」

 

「当然だ。どんな場所であろうと技術を磨くこはできる。。しかし……驚いた。実力は本物ということか」

 

深帝のシュートはなかなか悪くない。どうやら口だけの選手というわけではないのが今の一発で充分に伝わってきた。たしかに強い。反逆を口にするだけある。

 

「反逆を目指すならこの程度は当然よ。それで、あと九本あるわけだが?まだいけるだろうな」

 

「……さっき本調子ではないと言ったな。それが本当であることを願おう」

 

「元気そうで何よりである。ならば少し威力を上げてやろう」

 

「おー、お互いに煽るねー」

 

残り九本のシュート。互いに煽り、空気は張りつめる。鋭い目でゴールを見据える深帝と常にボールから目を離さず構える鋼鉄。静かな公園、二本目のシュートを放つ音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

さて、テストは順調に続いた。といっても正直テストというより遊んでいるに近い。普通のパス回し、一対一のシュートのあとは特に経験があるわけではないが、立場を逆転してキーパーに。それが終われば三角コーンを並べてドリブル。そのあとは一対一でミニゲームなど。

 

何か課題があったり制限があったりはしない。別に難しいお題などもなく、普通にサッカーをしているだけ。それでテストは終わった。

 

「よーし、それじゃあここまでだ!お疲れさま!ナイスゲームだったぞ!」

 

「…………」

 

「はははっ、テストの結果が気になるか?安心してくれ。テストは合格だ!おめでとう!!……どうかしたか?まだ何かあるのか?」

 

テストが終わり、無事に合格を告げられた。しかし合格だと言われたのに深帝の表情は嬉しそうには見えない。かといって不満、というわけでもない。どちらかといえば……腑に落ちないといったところだろうか。

 

「一つ質問するぞ。お前はいったい何を見ていたのだ?」

 

深帝が疑問に思っていた。テストと言っているが……このテストで何を調べていたのかまったく掴めなかった。

 

「今回のテスト、すべて基礎的なものだ。たしかに基礎は大事だ。見るものとしては間違っていない。しかし、ここに来るやつらならそれぐらいできて当然のことであろう?貴様は何を見て、何を持って合格としたのだ?」

 

落ちてきたとはいえ本校に来る人間はスカウトがかかっているのだから、まったくの素人ということはほぼありえない。基礎ぐらい見なくたってできているのはわかっているはずだ。

 

もちろん中にはそうじゃないものもいるかもしれない。だからいってこんなに入念にみる必要があるとは思えない。だとするなら何か別の思惑がある。彼はそれが知りたかった。

 

「あぁなるほど、そういうことか。たしかに何か裏があると思うかもなー。いや難しいことじゃないんだよ。サッカーしてる時に笑ってたでしょ。だから合格だよ」

 

「……なに?」

 

返ってきたのは随分と軽い返事だった。想像より簡単な理由で、あっさりとした返事に思わず呆気に取られた。

 

「楽しんでるから合格だ。それでいいんだ。……本校から落ちてきた子は戻ろうと躍起になったり、もう戻れないと嘆いて周りが見えてない」

 

本校は勝つことが第一、何よりも実力主義である。基本的に本校から落ちてきた生徒の大半は絶望するか、本校に戻るために躍起になる。

 

前者は一度落ちたら戻れないから終わりだと嘆く。何もかもが揃った本校と何もない分校では差は開くばかり。落ちたら終わりだと諦めてしまう。

 

後者は負け組にはなりたくないと必死になる。本校にさえ戻ることができればまた輝けると信じて力を得ることに固執する。

 

「勝つこと、力を付けることに固執している。もちろんそれも大切なことだ。でもサッカーをすることが苦しくなってしまったら勿体ないと思わないか?だってこんなに楽しいスポーツなんだ

 

だからまずは楽しむことを思い出してもらうようにしてるんだ。楽しむサッカー、少なくとも俺がキャプテンの間はこれを第一として考えてるから。まあ深帝君はテストするまでもなかったか?ずっと楽しそうだったから」

 

楽しむサッカー。これが現キャプテン、皆原 春樹の考える理想のサッカーであり、彼の方針だった。このテストは厳密に言うと合格不合格を決めるものではない。

 

苦しみながら進む必要なんてない。楽しむことを思い出すための遊び、初めてサッカーをした頃を思い出す。もしくはサッカーの楽しさを知るためのものだ。ほんの少しでも楽しむ心があれば、それでいい。

 

「まっ、これはあくまでキャプテンとしての方針。強要はできないけどさ。少しだけでも楽しむ心を残しといてほしいって話。答えはこれでいいかい?」

 

「……なるほど。考えはわかった。頭には留めて置くとしよう。それで、とにかく合格ということで問題ないな」

 

「もちろんさ。これから頑張ろう。そして本校に見せてやろうじゃないか。楽しむサッカーこそ、本当に強いんだってさ」

 

こうして深帝は訝刻分校サッカー部員として正式に迎え入れられることとなった。その様子を見ていた残りの三人、うち一人の凶条は何やら難しい顔をしていた。

 

「どったのきょーじょーちゃん。珍しく真剣な顔してるねー。お医者さんのところに連れていこうかー?」

 

「なんちゅー失礼な先輩や。まっ、ええわ。いやねぇ、あれやこれや探ってみたんやけど……こらえらいこっちゃでんがな。ありまへんなぁ」

 

「データがないということか?そういうこともあるだろう」

 

彼女がどこまでデータを持っているのかはわからないが、すべてを知り尽くしているというわけではないだろう。ましてや新一年生、ないのはむしろ自然である。

 

「いやいやそんなことないですがな。本校かて誰かれ構わず入学させてるわけやないですて。全国にスカウト張り巡らして、適正があると判断すればしばらく観察。ほいでいけると判断されれば本校へスカウト。あとはテストを受けさせ、仕上がりで本校になるんか分校になるんか決めるってのが大筋ってなわけや」

 

「つまり……普通なら何かしらの情報がある」

 

「そういうこったがな。分校に落ちてきたモンでも基本的に名のある選手、まあピンキリってゆーたらそうやが。まーでも調べりゃ最低限は出てくるし、向こうから情報が転がり込んでくることもあんねん。それに見た感じそれなりのモンを持っとるようやから普通に名前は通ってそうやがな。第一実力あるなら本校も落とさんはず。何がどないなってまんねん」

 

無名の男、深帝 統邪。データのない不明な男がこの捨てられた分校に何をもたらすのか。まだ誰も知らない。




キャラクター紹介。今回は二話目ということでサッカー部の二人を簡単に紹介します。

深帝 統邪(しんてい とうじゃ)
今作の主人公、やたらと尊大で口調も悪い。目付きも悪い。悪いことだらけ。ただし一応握手したり、礼をしたりもする。なんだかよくわからないやつ。

反逆を企んでいるらしいが、どこか不審な点も多く、過去のデータもないなど謎が多い。ただ反逆するという心は本心のようで、反逆を目論む訝刻分校サッカー部はなかなかに好印象だったらしい。

なぜ分校に落ちてきたのかは不明。少なくとも入学できているため試験はパスしている。特に怪我しているわけでもなく、明確に調子を落としているということでもなく、本校と確執があるという話もない。普通に考えれば実力のある生徒を本校が手放すわけはないが……。

実力はかなり高く、能力は全体的に高い。バランスのいい選手で本校でもやっていけるだけの力はある。なおさら手放す理由がわからない。


凶条 騎羅(きょうじょう きら)
高身長でイケメン系の顔の女子。ただし度々舌を出してゲスっぽい顔をしたり、特徴的な笑い方をする。さらに反骨精神たっぷりの変わり者。バカっぽいエセ関西弁も相まって変人にしか見えない。

しかし口調などに似合わずしたたかで冷酷な一面もある。もしかすると相手を油断させるためにわざとこのような言動をしているのかもしれないが真相は不明。

普段は青のトレンチコートを羽織っている。さらに右目には黒い眼帯を取り付けており、左手には青のロンググローブを装着しており、変人さに拍車がかかる。黙っていれば美人の典型例。

分校に落ちてきた理由は不明だが、本人曰く本校はこない素晴らしい人材を落とすっちゅーんか。見る目もあったもんやありゃしまへんわ、とのこと。

基本的には守備メイン。独自のコネで手に入れた情報を元に作戦を立てる。試合では自身の持つ情報と後ろから実際の相手の動きを眺め、整合を確認してから精度の高い戦略を組み立てて行動する。
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