イナズマイレブン ラストリベリオン(現在募集中)   作:チェリブロ

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とりあえず三話目です。ここから先をどうしていくかは来たキャラ次第なので安定するのはここまで。募集はまだまだ開催中です。現状枠も多く、締め切りなどは設けておらず、早い者勝ちでもないので参加したいなぁというかたはぜひ送ってみてください

以下参加用リンク
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=313653&uid=233843


住めば都……とは言うが

無事に試験に合格した深帝。まだ余力はあるが、日は暮れてきている。持ってきたボールを持ち、完全に暗くなる前に学校へと戻る。

 

「さて、それじゃあ明日から本格的に練習するわけだが今日はどうする?家に帰るか?」

 

「いや、この場所は遠い。寮に泊まるつもりだ」

 

「だよな。いや、そうなるんだよ。家に帰る生徒の方が少ないんだ」

 

分校の生徒は大半が寮生活。というのも入学するほとんどの生徒が本校に入学する予定で来ている。当然落ちると思って入学はしない。分校に入る想定などしておらず、分校に飛ばされると大半の生徒は元より遠くなる。

 

全体を見てもそうなのだが、特にこの訝刻分校は遠いのに加えて立地も悪い。家に帰るのも時間がかかる。故に寮生活をせざるを得ないというのが実情だ。

 

「多分下手に帰らせるより寮とかに押し込んだ方がいいって判断だろうねー」

 

「情報が漏れるのを防ぐためか。だが限度があるだろう。外に出ることを禁じられているわけではあるまい」

 

たしかに家に帰せば本校の愚痴やら悪行が家族や昔の友人、あとは親戚やご近所さん……様々なところから流出するだろう。だから寮に押し込む用に仕向けるというのはわからないでもない。

 

かといっていくら寮に入れたとしてもすべての情報を漏洩させずしまいこむなど無理がある。やろうと思えば情報などどこからでも流出させることができる。

 

「よぉ考えてもみなはれや。こないぎょーさんの中学を分校として取り込むだけの銭と力あるわけやん。ただの学校やない。多方面にコネやなんやがあるんや。都合悪いことは全部消しとるわ」

 

しかし凶条いわく、それは違うとのこと。莫大な資金、多方面へのコネ、周りからの評判……様々なものが盾となり本校のことを守っている。

 

「……そうだな。これもそのうちの一つだ」

 

「入学時に渡される携帯か。大した機能は備わっていなかったが」

 

分校の生徒にも渡される携帯。市販のものではなく、本校と仲の良い企業から提供されたものである。情報リテラシーを高めるに携帯を早いうちから持たせて学ばせようというのが建前だ。

 

「あるのは予定表と時計、あとは連絡用の機能とその他諸々。一応グループを作ってチャットができる機能もあるが……」

 

機能面では最低限のものが備わっている。セキュリティを学ぶのも大事だが、学業を疎かにするのはよくないということで機能面は控えめになっているらしい。

 

「本物の携帯持たせたら写真とか動画、SNS通じて実態がバレるって考えたんだろうな。さすがにリアルを全世界に発信されたんじゃ隠しきれない。だからそれっぽい理由をつけて機能を制限した携帯を渡すって寸法さ」

 

「愚痴なんてもん書いたりしてみぃ。即刻バレるっちゅーわけでんがな。それこそ反逆なんて書こうもんならえらいこっちゃで。そこんとこには書いたぁアカンでぇ?」

 

たしかに理に叶っている。中学生ぐらいになれば携帯が欲しいと思う学生も多い。しかし親からすればいきなり買い与えるのは様々な観点から見て怖いし高い。

 

本校が安全な携帯を与えてくれるというなら願ったり叶ったりだ。まずは仮のもので使い方を学べる上に必要ではない機能は元から備わっていない。あとはこの携帯で使用上の注意をゆっくり学べばいい。

 

そして本校からすれば情報を統制することができる。うわべも裏も繕える。よく考えたものだ。相当な金額がかかっていそうなものだが。

 

「色々崩す方法は考えたんだけどねー。世間の評価も盾になってるからさ。難しいんだよー」

 

「歴史を変えるチーム。次世代を担う若者たち。証拠を用意できないまま何か言ったところで世間は努力が足りない人間達の僻み、妬みだって思うだろうさ。だから━━━━」

 

「やつらを倒し、地につけたところで悪評を広めよう……といったところか」

 

「言い方は悪いけどそうなるな」

 

それでどこまで変わるか。本当にすべてが改善されるかわからない。まず反逆が成功するかもわからない。もし成功して徒労に終わるかもしれない。それでもやれることをやる。指を加えて待っているだけでは状況は好転しない。前に進むにはこれしかなかった。

 

「ふぅ、疲れたなぁ……あっ、おかえり!テストどうだった?」

 

「無論、受かった。練習は終わったのか?」

 

「今日は軽めの内容なんだ。毎日ハードな練習ばかりじゃ怪我するかもしれないから」

 

学校につくなり朱井が練習を終えた朱井が話しかけてくる。どうやら受かったかどうか気になっているようだったので、無事に入部できたことを告げる。

 

「……それでここが寮か?」

 

「ここで合ってるよ」

 

寮の場所がここで合っているか念のため確認する。やはり合っているらしい。

 

「校舎がアレゆえあまり期待はしておらんかったが……想像を越えてきたな」

 

「えっと、悪い方に?」

 

「それ以外にあると思うか?」

 

思わずそう言わずにはいられないほどにボロい。一応穴が空いているだとか壊れている箇所があるなどは見たところはない。ただボロい。シンプルにその感想が出てくる。

 

「元々は別の学校の寮だったけど、随分昔に学校が潰れたらしいよ。寮だけは残ってたんだけど、改装したところで使い道がないってずっと放置されてたところを本校が安値で買い叩いたんだってさ」

 

「一応改装はしたんだってー。改装といっても最低限の補修をしたぐらいなんだけど。まあされてないよりかはマシかもねー。……たまに雨漏りするけど」

 

「まあまあ……住めば都ってやつだよ。で、部屋割りはどうするか……」

 

今日来た深帝はまだ部屋が決まっていない。この寮には細かいルールが決まっておらず、みんな自由に使っている。ゆえに新しく来た人はここ、というフローもなかった。

 

「よし、いったん俺の部屋に来るか?俺しか使ってないから比較的広いぞ」

 

「どこでも構わんよ。野晒しでさえなければな」

 

というわけでこの日はキャプテンの部屋で過ごし、具体的にどうするかは後日に決めるということで決定し、深帝は荷物を持ってついていく。

 

「あっ、そうだ。言っとくが女子部屋に侵入するとかはやめとくんだぞ」

 

「俺様を誰だと思っている。無論、そんなことはせん。……が、わざわざ注意するということは過去にいたのだな?」

 

「……あぁ、いいヤツだったんだけどな」

 

と、軽く冗談をかわしつつ部屋に入る。わかってはいたが広くはない。荷物を置くとさらにスペースがなくなる。まだ二人だからいいが、三人ともなればかなり狭苦しい生活を送ることになりそうだ。

 

「よーし、荷物は置いたな。それじゃあ改めて訝刻分校および我らがサッカー部へようこそ!歓迎会はまた後日するとして、今の状況で質問はあるか?」

 

質問。あるといえばある。なんなら聞きたいことは山ほどある。しかしほとんどは生活していくうちにわかるようなこと。そんなことをすぐに聞く必要はない。

 

「……寮のことではないが、構わんか?」

 

「ああ、もちろんだ」

 

彼が知りたいのはもっと別なこと。もちろんキャプテンは許可を出す。

 

「知りたいのはここが分校になるまでの経緯だ。なにゆえ分校として取り込まれることになった」

 

「なるほどな。そうだなぁ、俺が入学した頃はすでに分校だったから伝え聞いた話になるけどいいか?」

 

絶対に正しい情報でなければならない、ということでもないので深帝は黙って頷く。その反応を見てキャプテンも話を始めた。

 

「俺の先輩達の世代はまだ訝刻中学として活動していた。と言っても強いチームってわけじゃない。どちらかというと昔は強かったの典型例だな」

 

その頃はまだ普通の中学だった。強いて言うなら昔は普通ではない。サッカー部がとても強かった。ゆえに過去の栄光が忘れられなかったらしい。かつて輝きを取り戻すため、見苦しく足掻き、再び全国に行こうと必死だったとのこと。

 

幸いにも数人の優秀な選手が自分から入りたいという選手がいた。さらに自力で粒揃いの選手をスカウトし、準備をしていたとのこと。

 

「多分それで本校に目をつけられたんだろうな。ある時に本校から分校にならないかって誘われたんだってさ。で、後は……わかるだろ?」

 

「この状況を見ればな。その誘いを受けたということだろう」

 

今最も勢いのある聖英学園。彼らの元につけば自分達も栄光を取り戻せるのではないかと考えた。それは本当に望む栄光なのかわからないが、彼らはとにかく過去の輝きを取り戻そうと躍起になっていた。

 

分校として取り込まれると、すぐに徴収が始まった。訝刻中学あった機材や有望な指導者、資金などが本校へと流れていった。

 

もちろん抵抗した。本校も拒まなかった。野球、サッカー、バスケット、バレー……とにかく様々な競技で試合を行い、勝つことができれば徴収はやめるとの契約で勝負した。

 

「結果は惨敗。本校の選手には手も足もでなかった。それが更なる悲劇を生んでしまった」

 

ここへ入学した選手は、この学校に思い入れがある選手ばかりではない。むしろ頼まれたから来たという選手がほとんどだった。頼られて来たにも関わらず、本校の選手にあっさりと打ち倒され、プライドがへし折れた。戦う気力の失せる選手も数多く出てきた。

 

それだけではなく、強さに魅せられた。自分達もああなりたい。自分達も適切な指導が、整った設備が、圧倒的な力を持つ仲間がいれば、もっと強くなれる。本校の選手として圧倒的力を得られる。優勝だって夢ではない。次世代を作る……伝説になれるかもしれない。

 

もうこの場所に留まる理由などなかった。

 

「結局本校に行った人達も大半がレギュラーどころかベンチ入りすらできず、また分校に戻されたみたいだけどね。あとは何も起こらなかった。分校としての日々が今もずっと続いてる……ってとこだな」

 

「ふむ、結局この中学も出ていったやつらも甘言に惑わされたわけか。当然の結果だな」

 

「周りが見えないところで光が見えたらそこに行くしかないさ。少なくとも訝刻中学側には他に選択肢を考える余裕はなかったんだと思う」

 

焦りがあったのだろう。早く結果を出したいと思うのは普通の思考だ。まして結果を出せていないのなら余計にその思いは強くなる。

 

「しかしここに残ったやつらもいたのだな。そいつらはなぜ残ったのだ。本校から来てもいいという打診はあったのだろう?」

 

「さあ、そこまでは聞いてないな。でも昔は強かったって話だったから親か祖父母に話を聞かされて憧れたとかじゃないか?……よし、この話はここまで。他に聞きたいことは?」

 

「今のところはない。聞きたいことは聞けた」

 

「そうか。ならこの辺りを適当に歩いてみたらどうだ?ボロいけど面白いところもあるぞ?」

 

今のところやりたいこともするべきこともない。深帝は言われた通り自由な時間を謳歌することにした。




次回から少しずつ採用キャラも出していく予定。難しそうだったらもう一話だけずらすかもです。
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