イナズマイレブン ラストリベリオン(現在募集中) 作:チェリブロ
案の定というかやっぱり人数的に厳しそうだったのでもう一話投稿して様子を見ます。
加えて今回は試験的に新しい募集を増やしました。初心者の方にも参加しやすいような形をとっているので読者参加気になるけど難しそうという方は以下二個目のリンクから募集ページへ飛んでみてください。
以下通常の募集参加用リンク
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=313653&uid=233843
以下簡易版募集参加用リンク
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=321297&uid=233843
寮内の散策。見たことない場所を歩き回るというのはちょっとした冒険のようで結構楽しいもの。所々うっすらと修理後のようなものが見えるが、そんなものは些細な問題である。なんならそれも味があっていいという人もいるだろう。深帝はわりとそういうタイプである。
「なるほど、ここは……食堂か」
目的もなくフラフラと歩き、たどり着いたのは食堂。なんだかんだお腹が減ったので無意識のうちに匂いに釣られて来てしまったのかもしれない。この場所も懐かしい雰囲気がある。懐かしいというより古いという表現の方が適切かもしれない。
「いらっしゃい!……あれ、転入生?」
「ほう、よくひと目でわかったな」
「人数が少ないからね。新顔が来たらわかるよ。で、ご飯を食べに来たのかい?ならもう少し待ってくれるかな。今準備中なんだ」
さすがに釜を使って米を炊くというスタイルではないが、古いタイプの炊飯器。オブラートに包んで表現すると米を炊く以外の無駄な機能が一切ない、といったところだろうか。
コンロもいわゆるIHではなく、ガス栓を開けてから火を点けるタイプ。手入れはされているようでかなり綺麗に見える……が、古くからの汚れは消すことができていない。
「料理は家庭科部が作っているのか?」
「さすがに全部とは言わないけどね。何人かのボランティアの子と手分けして作ってるよ」
ここにいたのは教師と家庭科部、あとは一部手の空いている生徒。基本的にはこのメンバーで作業しているらしい。本校には各部活に専属の栄養士が一人はおり、複数名のシェフで料理していたが、分校には人を一切回さず生徒と教師に任せているようだ。
「あー、そのユニフォームならサッカー部か。なら優無ちゃんのところだね」
「知り合いか?」
「たまに手伝いに来てくれるんだよ。あの子はなかなか家庭的な子だ。サッカー部でもユニフォームの補修をやってるみたいだし……ちゃんと褒めてあげなよ?」
「ならキャプテンへの伝言として預かっておこう」
「ははっ、言葉のおつかいってわけだ」
サッカー部のマネージャーだけでなく生徒達の料理も作るとは、人に尽くすのが好きなタイプの人間なのだろう。もしくは困っている人を放っておけないタイプだろうか。どちらにせよ大したものである。
「これは……材料か?」
室内の様子を見てなんとなく予想はしていたが、これまた綺麗とは言えない。しかもどれを見ても消費期限ギリギリ……
「おい、期限が切れているぞ。まずいのではないか?」
ギリギリどころか普通にオーバーしてるものがあった。まあ実際の所切れていても存外問題なかったりするし、一人で食べる分には自己責任のため別に何も言うまい。
しかしここは学校。個人どうこうで済む話ではない。これだけの人数にふるまうとなると誰かしら異常をきたしそうだ。そうなれば問題になるだろう。
「あー、うん。まあ……一応それは賞味の方だからまだいける。それに切れてても使い方次第ではなんとかなるよ」
それに選択肢なんてないし、と付け加える。
「……本校の方には全部いいものを送られてる。代わりに虫が食べた後があったり、痛んでたり、形が悪かったり……商品にならないものはこっちで回収してるの」
独自のパイプを持つ本校は飲食関連にもある程度繋がりがある。売られているものはまとめ買いして少し安めにして本校へ。代わりに商品にならず、廃棄になるものをリサイクルやエコロジーやら表向き用の適当な理由をつけて安値で回収。あとは農業メインの分校もあるようでそこからも回収し、いいものは本校へ。あとは分校で配分する。
「本校の人達は贅沢だね。まだまだ食べれるところも多いのに。形が悪いなんて大したことじゃないのにね」
マトモに食べられないものを送ってこられるよりはマシだけどね、と追加で皮肉交じりの言葉。
「……楽しいのか?」
「うーん、なんとも。でも料理の腕は上がった気がしてる。裁縫も元から嫌いじゃないの。だから悪くはないかな。環境は最悪だけども」
「本校の生徒は一流のシェフから色々学んでるらしいよ。まあ料理人目指すならアリだけど私達はそこまで望んでないしー」
話を聞いて少し時間を潰したが、料理はまだできていない。本校より人数がはるかに少ないとはいえ、全員分の料理を作るとなると時間がかかる。まだまだ待ちそうだったので、深帝は別の場所へと足を運んだ。
「おーし、じゃあ今日はここまで。解散!練習したいやつは残ってもいいけどちゃんと最後に片付けるようにな!」
「野球部か……」
外の方から声が聞こえてきたため、いったん寮から出て声のした方へ向かったところ野球部が練習していたらしい。深帝は野球に詳しいわけではないが、他のスポーツと比べても道具が多いことぐらいは知っている。バット、グローブ、スパイク、ボール、ヘルメット……あとはグラウンドに配置するものも必要なはず。
どこまでが最低限必要なものなのかわからないが、限界ギリギリまで削ったとしてもバットとボールがないと話にならないのではなかろうか。それに試合となれば道具を用意しないというわけにもいかない。
「ん?あんた誰だ?」
一人が怪訝そうな顔でこちらを見る。学年はわからないが、かなりガタイがいい。三年生だろうか。こんなところでも腐らずに鍛えているようだった。
「気にするな。通りすがっただけだ。邪魔なら退く」
「おー、そうか。意地の悪い本校の連中がからかいにでも来たのかと思ったぞ。そうじゃないなら好きにしてくれ。こんなところに見に来る客なんて他にいないし」
といっても、もう練習は終わったから片付けしてるだけだけどな!と笑ってみせる。どうやら最初は本校の人と思われていたようだ。そうでないとわかったようで警戒心を解いてくれたようだ。
「随分と威勢がいいな。良いニュースでもあったのか?」
全体的に暗い雰囲気が流れている学校の中では珍しい。だが彼らは他の部活と比較してもよく声が出ていた。
「良いニュースはないが俺たちゃ何一つとして諦めてねーからな。常に全力、気合一番。本校をぶっ倒して大恥かかせてやるよ」
「勝算がある、ということか?」
「あー、なんだ。作戦……はねぇけどな。でもどんなスポーツだって最後まで諦めなければ勝ち目はあるぜ」
ほら、見てみろよとグラウンドの方を指差す。そちらに目をやると何人か残ってバットを振って練習していた。全員というわけではないが、落ちてなお、心の炎は消えていない。
「……努力ってやつは絶対裏切らない、とは限らねぇ。平気で裏切ってくる時もある。でも逆もあるんだ。あの時もっと努力していればきっお届いたんだろうなって時もある。チャンスは一瞬。僅かなチャンスを確実にモノにする。そのためには努力して、いつ、どんな状況でも100パーセントの力を即座に出せるようにするんだ。そうすれば誰にも負けることはねぇ!!」
……かもしれねぇな。と言うと、今度は振り向いてニッと笑った。
「ああいう諦めの悪いやつらがいる限りは問題ないさ。たとえ今すぐでなくとも、いずれ来るその時に必ず結果を残してくれる。いつか来る勝負どころで結果を残してきてくれるさ」
そう言い残すと自らもバットを持って、居残り練習を始めた。
「バスケ部入部希望者か!?」
野球部の居残り練習を少しだけ見学し、再び寮内へ場所を移す。部室らしいところに入ると早々に詰め寄られて面を食らった。誤解されていることはすぐにわかった。
「悪いな、もう既にサッカー部に加入した後だ」
「あ、あぁ……そうか……。悪いな、気にしないでくれ」
周りにはボールが散らかっている。ユニフォームなども見る限り……そういうことだろう。
「ここはバスケットボール部の部室か」
「ああ……今のところはな」
随分と歯切れが悪い。今のところはという言葉に引っかかる。どういうことだと聞いてみる。最初は話すのを躊躇っていたが、少しずつ話してくれた。
聞くところによると、今年はバスケ部に入部希望者が来なかったらしい。人数は今でもギリギリ足りていない。このままでは試合もできずに引退する。さらに三年が引退すれば残るのは数人だけ。来年だって部員が確保できるかわからない。となれば……廃部しかない。
「なるほど、それで来てほしい気持ちが先行して早とちりしたといったところか」
「まったくもってその通りだよ。試合すらできずに引退なんてしたくはないが……駄目みたいだな……」
負けてもいい。それこそ本校の人間が聞いたら鼻で笑いそうな言葉だが、彼らにとってはそれだけでも精一杯、せめてもの願いなのだ。
「俺達だけじゃない。他にも機能してない部活もたくさんある。去年なんかは剣道部がどうしようもなくなったせいで廃部した。一度そういう連鎖に入ると止まらないんだ。そうなったら諦めて他の部活に行くか、帰宅部になるか……数人だけでも頑張るか……だな」
彼らは数人だけになっても足掻いてみたものの、何も変わらなかった。試合もできない人数になり、そのせいでまた一人抜け、新しく入部してくれる人もいない。完全にぬかるみに嵌って抜け出せなくなってしまった。
「なあ、サッカー部はどうなんだ?まだいけるのか?」
「俺様は入ったばかりだ。まだ全員と会ったこともないし、人数が足りてるのかも知らん」
とはいえいないにしては余裕がある気がする。恐らくは足りているのだろうか。何にせよ続けられそうだという雰囲気に気づいたのか、少しだけ笑みを浮かべてみせた。
「そうか、まだ活動できるといいな。……俺達みたいにはなるなよ」
「……お前達は足掻かないのか?」
「もう充分やったさ。やれることはやった、と信じてる。その結果だ。致し方ないさ」
「ふむ、ならばなぜ……いや、邪魔したな」
「ああ、こんな場所で良かったらいつでも来てくれ。出せるものはないけどな……じゃあ、頑張れよ」
本当に諦めていたのなら、部室に入った時の反応に説明がつかない。あの時の表情は来てくれた、まだ続けられるという顔だった。まだ諦めたくない。それが本当の気持ちなのだろうが……何も聞かない。いや、聞けるわけがなかった。
色々な場所を回ってみた。足掻くもの、諦めるもの、今をそれなりに過ごすもの。この環境下でどう動くか。どれが間違っているというわけでもない。それぞれが考えた末に出した結論。
「真の気持ちを押し殺してでも……か」
それらに間違っているだの正しいだの言う気はない。それぞれの結論を否定するなんてことはしない。なぜなら深帝もやりたいようにやるからだ。幸いサッカー部は同じ志のようなのでそこは手間が省けた。
「おう、おかえり。どうだった」
「色々とわかった、とでも言っておく」
キャプテンはノートに何かを書き込んでいる。どうやら今日の練習内容を踏まえて明日からどうするかまとめていたようだ。
「そろそろ飯にするか。あっ、飯食うところはわかるか?」
「ああ、寄ってきた。……マネージャーに感謝しろよ、とのことだ」
「ははっ、そうかそうか。たしかに怪我して悔しい思いをしてるのによくやってくれてる。労わないとな」
なんか買ってくるかー、とキャプテンは財布を持って部屋を出た。一人残った深帝は今日のことを思い返し、過酷な日々に備えて夕食を食べに向かった。
次回は募集キャラを出します。さすがに出します。一応最低限出せるだけのキャラは集まっているので少しずつ書いております。