よく染みたおでんを一つ。   作:吉野リョウ

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とある日の翌日

少し目元が腫れた状態で、私は目覚める。

隣でスゥスゥと寝ている先生を横目に現在の時刻を確認する。

6:30

準備するには多少早いが、先生を遅刻させるわけにはいかないので起こす。

「先生、起きてください。朝ですよ。」

「ん、カンナ。おはよう。」

「えぇ、おはようございます。」

先生は朝に弱いのか、顔が梅干しのようになっていた。

「朝ごはん、作りましょうか?」

「え、いいの?それより、頭痛は大丈夫?」

「はい、収まったと思います。」

「よかった。じゃあ朝食お願いしようかな。シャワー浴びる?」

「あ、そうですね。お借りしてもいいですか?」

昨日の夜の出来事が嘘かのように淡々と準備を進めていく。

「そうだ。カンナ。」

「はい。なんでしょうか、先生。」

「昨日のこと、本当だから。」

「!」

私の頭の中を覗いているのかと一瞬驚いた。

「はい...その...嬉しいです。」

「あぁだけど、他言無用でね」

口元に人差し指を持ってきて、シーッというポーズをして風呂場へと戻っていった。

「もう...」ハァッ

嬉しさと先生らしさにため息が出る。

そうして私は料理をする手をすすめた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「おぉ、朝ごはんは卵焼きかぁ」

「私はあまり料理ができなくて、不格好ですいません。」

「いや...できる方だと思うよ...」

_____________________________________________

そう呟いた私は、目の前にある料理を見て感心する。

綺麗に整えられた卵焼き、ちょうどいい焼き加減のベーコン...

まさに『完璧な朝食』と言って差し支えない物だった。

そして昨日の主人からもらったパックの中身のおでんを添えて...

「実はお腹減ってるんだ。早速いただいてもいいかな?」

「えぇ、じゃあ食べましょうか。」

『いただきます。』

そうしてカンナと軽い雑談をしながら朝食を始めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「本当に送っていかなくて大丈夫?」

「はい、大丈夫です。先生もお気をつけて。」

玄関に鍵を閉め、カンナと別れた。

「今日もシャーレで仕事か」

なんて呟きつつ、いつもの仕事場へと向かった。

 

シャーレにつき、私の部屋の前に誰かがいるのが見えた。

「あ、先生。おはようございます。」

「うん。おはよう。」

(トリニティの生徒が今日は当番だったな。)

よいしょっと自分の席に座り、書類仕事を始める。

 

「・・・」フゥ

当番の子が離席しているのを見計らい、窓際で一服をする。

昨日のことが未だ鮮明に覚えている。

尾刃カンナは生徒としても一人の女性としてもとても好いている。

しかし生徒である彼女と同衾してしまったのも事実。

(連邦生徒会にバレてクビとかになったら...)ブルブル

あぁ怖い怖いと身震いをし、灰皿に吸い殻を落とす。

ふと、スマホを取り出しモモトークを確認する。

こまめに確認しているので未読はゼロだ。

しかし、今回は目的が違った。

画面を少しだけスワイプし、昨日会ったばかりの生徒のチャットを開く。

そして、軽い挨拶を添えて文章を送った。

そろそろ当番の子が帰ってくると思い、急いでタバコを吸う。

「先生、ただいま戻りました。」

「うん、おかえり。じゃあ早速再開しようか。」

 

喫煙を誤魔化すように普段通りを装って仕事を再開した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ん〜っと、よし今日の分は一通り終わったかな。」

「はい、そうですね。終わったかと。」

「今日はありがとう、次もよろしくね。」

「はい、いつでもお呼びください!」

入り口まで当番の子を見送り、執務室へと戻る。

身支度を整えながら、彼女の到着を待つ。

コンコン、とノックの音がした。

「どうぞ〜」

「失礼します。先生。」

大方片付けが終わり、呼びかける。

「それじゃ、行こうか。」

「はい。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

シャーレを出て、二人で少し歩いた先に見慣れた屋台が出ていた。

「らっしゃい。」

「主人、昨日はすいません。」

「おう、こっちのミスだから気にすんな。

 それより嬢ちゃん、体調はどうだ。」

「えぇ、すこぶる良くなりました。」

「そうかい。そんじゃ、注文は。」

『よく染みた、おでんを一つ。』

「・・・あいよ。」

 

そうして、日々の疲れと今後に向けての晩酌がまた始まった。




これで完結です!
書きたいことだけをダラダラ書いたので満足です!
またカンナの話書きたいなぁ...
それではまた別の話で会いましょう!
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