籾岡里紗の弟です。   作:マルマイン

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第一話

「お姉ちゃん、起きて!」

 

朝、陽が昇り一日が始まります。

 

「んぅ〜」

 

部屋の一室では里紗を起こそうと光が体を揺すります。

 

「うわぁ」

 

そんな光をベッドに寝ていた里紗は引き寄せます。

 

「くぅ〜」

 

「んぐぅ、毎回起こしにくると引き寄せられるのはなんでなんだろう」

 

引き寄せられた光はいつものことなのかあまり慌てた様子はなさそうです。

 

「こういう時は、へへへ」

 

光は抱きしめられている里紗の腕の中から抜け出すと里紗の耳元に顔を近づけます。

 

「ぺろ」

 

「んんんん!!!」

 

耳を舐めらた里紗は飛び起きます。

 

「あはは、起きないお姉ちゃんが悪いんだからね」

 

光はそんな光景を見て満足したのか笑みを浮かべます。

 

ガシ

 

「え」

 

「ふん、お返し!」

 

「んんんん!!!」

 

里紗は光の顔を両腕でガッチリ逃げられないように固定すると、耳を舐め返します。

 

「ぐぅ」

 

しばらくして里紗のベッドにはピクピクと痙攣する光と満足そうな清らから表情をしている里紗がいました。

 

「私に勝とうなんて百年早いわ!!」

 

「なんで、僕こんなに耳弱いと思わなかった」

 

「それは姉弟なんだから同じ場所が弱くておかしくないでしょう?」

 

「やっとお姉ちゃんの弱点見つけられてと思ったのに」

 

「私の弱点はイコール光の弱点だからね」

 

「あ、あんまりのんびりしてると学校遅れちゃうよ。お姉ちゃん」

 

「うわ、本当だ着替えないと」

 

「お姉ちゃんって学校で大丈夫なの?」

 

「何が?」

 

光は自身が部屋にいる状態でも関係なしに着替え始める里紗を見ながら話しかけます。

 

「学校で他の男の人の前で着替えたりとかしてない?」

 

「そんなことする訳ないじゃん!光の前だけ!」

 

光の質問に頬を赤らめます。

 

「なら良かった。朝ごはん作ってくるね」

 

里紗の返答を聞いた光はベッドから降りると部屋から出ていきました。

 

ーーー

 

「おはよう、美柑!」

 

「おはよう光」

 

「なんだか元気ない?」

 

光は少しやつれ気味の蜜柑を見て気にかけているようです。

 

「うん。家に同居人が増えちゃって大変なんだ」

 

「同居人が増えたの?」

 

「うん。ララさんの妹さんが2人新たに」

 

「へぇ、でも楽しそうだね!」

 

「まぁ、賑やかにはなったけど」

 

放課後〜

 

「ごめん、光今日はちょっと急いで帰らないとだから先に帰るね」

 

「うん。わかった」

 

美柑は光にそう告げるとそそくさと教室を出ていきました

 

「あ、そうだ久しぶりにクロに会いに行こ」

 

何かに会いに行くようで光もそそくさと教室を出ていきました。

 

「いるかな〜」

 

光が向かったのは公園でした。

 

「あはは、くすぐったいって」

 

「あれ?」

 

公園にはピンク髪の女の子が猫と戯れていました。

 

にゃ〜

 

遊んでいた猫が光を見つけると女の子の腕の中から抜け出してこちらに向かってきます。

 

「久しぶりだね、クロ」

 

「その猫お前の猫なのか?」

 

猫の後を追いかけるようにこちらに向かってきた女の子は光に話しかけてきます。

 

「うんうん。この子は野良猫なんだ」

 

「そうなのか。私はナナって言うんだ」

 

「えっと、僕の名前は光っていいます!」

 

「敬語じゃなくていいぜ?」

 

「じゃあいつも通りに話すね。ナナさん」

 

「そうしてくれ」

 

「ナナさんってお姉ちゃんいる?」

 

「いるけど」

 

光の問いかけにナナは首をかしげます。なぜ自分にそんなこと聞くのか疑問に思ったようです。

 

「お姉ちゃんってララさんでしょう?」

 

「そうだぞ。知り合いなのか?」

 

「うん。僕の同級生が一緒に暮らしてるんだ」

 

「同級生って美柑のことか?」

 

「そうだよ!やっぱり美柑の家で暮らしてるんだ。最近引っ越してきたの?」

 

「あぁ、まぁそんなところだな」

 

光の問いかけにナナは少しきまづそうに答えました。

 

「それにしても、お前はよくその猫に懐かれてるな」

 

未だに光の足元で頬ずりを続けている猫を見てナナが少しうらやましそうに見つめます。

 

「クロはずっとここら辺をうろうろしてんだ。帰りとかに僕の事見つけるとこうやってすり寄ってきてくれるんだ」

 

「さっきまで私とずっと遊んでたくせに」

 

ナナは猫を見詰めます。それにこたえるように猫もナナを見つめます。

 

「なに?そんなにいい匂いがするのか?」

 

「え、どうしたの?」

 

ナナは急に独り言は呟いたかと思うと光に近づき匂いを嗅ぎだします。

 

「確かに引き寄せられる匂いだな!!」

 

「どういうこと?」

 

「あぁ、そうか。私は動物と話をすることが出来るんだ!」

 

「えぇ!?そうなの?」

 

「すごいだろ」

 

ナナはエッヘンと光に胸を突き出し自慢げに語ります。

 

「じゃあ、今はクロと話してたの?」

 

「そうだぞ。こいつが光はいい匂いがするって言ってた」

 

「そんなに匂いがしてるのかな?」

 

光は自身の体の匂いを確認しますが分からないようで首をかしげます。

 

「あ、そろそろ帰らないとだ」

 

「そうなのか?じゃあまたな!」

 

ナナは光の言葉を聞くと別れを告げて公園から去っていきました。

 

ーーー

 

「ねぇ、お姉ちゃん」

 

「ん?どうしたの?」

 

「僕って匂う?」

 

光は里紗に素っ頓狂な質問をします。

 

「え、急にどうしたの?」

 

「今日友達に引き寄せられる?匂いがするって言われて」

 

「う~ん、引き寄せられる?」

 

里紗はソファーに座っている光の元に行くと隣に座りると肩に顔を埋めます。

 

スゥ~

 

「...分からなくもないかも」

 

「え、そうなの?」

 

「うん」

 

「いつまで嗅いでるの?」

 

「ちょっと中毒が、もうしばらくは離れられない」

 

「えぇ、僕の匂いって一体どうなってるの」

 

結局30分ほど光を匂いを嗅ぎ続けられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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