ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ 外伝   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PLUS_PHASE-02『クリスマス』

(第三者視点)

 

 

 

如何にキラ達がエースパイロットの中のエースパイロットであったとはいえ、宇宙の戦力ほぼ全てと戦い続ける事など出来る訳がない。

 

戦いが長引けば消耗するし、集中力も切れる。

 

疲労はミスを呼び、小さなミスの積み重ねは大きなダメージへと繋がる。

 

「なかなか、厳しいものがあるね」

 

『これだけの戦力差だ。俺達だけじゃどうやっても難しいだろう』

 

「分かってるけどさ。でも格好いい所は見せたいじゃない?」

 

『……まぁ気持ちは分かるがな』

 

「でも……」

 

キラはクルーゼから届いたメッセージに遠い彼方へ視線を送りながら微笑んだ。

 

瞬間キラの周囲に居たМS全てが機能を停止し、力を失って空中に浮かんでしまうのだった。

 

 

 

事件が起きる少し前、月面艦隊旗艦アークエンジェルでは、艦長のマリューが小さく息を吐きながらモニターから視線を睨みつける。

 

「追い込みは順調。フリーダム、ジャスティス、クロスボーンX1、X2、X3は行動範囲、制限されています」

 

「艦長。作戦は成功です。このまま……」

 

「油断しないで、このまま終わるなんて思えないわ。キラちゃんなら何か仕掛けてくるハズ」

 

マリューは何か見落としは無いかと戦場のデータを確認しようとした。

 

しかし、その前にオペレーターから叫ぶような報告が入った。

 

「艦長!! 本艦直上に熱源反応!! これは……! ヴィクトリーです!」

 

「なんですって!?」

 

 

 

驚愕するマリューの事など知らずシンは静かに潜行していたコアファイターを変形させ、後続で付いてきていた戦闘機とも合体し、一機のМSへと合体すると用意していた武装を構える。

 

それはビームライフルの様な形状であるが、先端にはビームを発射する銃口はなく、何らかの装置を発射出来る様になっていた。

 

「よし、電子制圧弾頭、準備良し……!」

 

『シン!』

 

「っ!?」

 

ライフルでアークエンジェルを狙撃しようとしていたシンはすぐ隣に並走していたクルーゼからの通信で本能のままに機体を動かしてかわす。

 

そして、クルーゼは『シナンジュ』のビームサーベルを展開しながら起用に機体を回転させて、飛び込んできた機体のビームサーベルを受け止める。

 

『ほう! お前は最前線に居ると思ったがな! ムウ!』

 

『お前が何か企んでる気配がしたんでな! 戻って来たんだよ!』

 

『相変わらず良い勘をしているな……! しかし! 私を抑えたところで意味などないぞ!』

 

クルーゼは驚愕するムウを押し返し、シンは二人が争っている隙にアークエンジェルへと向かい、機体を加速させた。

 

そして、自機へ向かう砲をかわし、アークエンジェルのブリッジ付近に電子制圧弾頭を打ち込むのだった。

 

「よし! 電子制圧起動!!」

 

シンが撃ち込んだ装置を起動させると同時に、アークエンジェルと通信で繋がった全ての艦船、МSが生命維持装置を除き、全ての機能が停止する。

 

「隊長!」

 

『うん。こっちでも確認出来たよ。ありがとね。シン』

 

「はい!」

 

それからシンは遥か後方より合流してきたキラ達と合流し、地球へと向かった。

 

しかし、大気圏を超えた先に待っていたのはオーブ国防空軍であった。

 

 

 

「まったく! 僕は元オーブ国民なんだけどなぁ!」

 

『俺もそうですよ! 隊長!』

 

キラは連携しながら襲い掛かってくるムラサメとムラサメⅡ式、ムラサメ改に文句を言いながら一機、また一機と丁寧に落としていった。

 

しかし、増援は途切れる事なくやってきており、このままキラ達は対処の限界を越え、落とされるかと思われた。

 

しかし、そんなキラ達の戦闘を支援するかの様に宇宙から通常のMSを超える火力のビーム砲が海上に撃たれ、巻き上がった海水の壁により戦闘は強制終了される。

 

「なに!?」

 

『キラ! ブレイバーだ!』

 

「ブレイバー!?」

 

上空から降りてきたブレイバーは争っているMS達の中央に降り立つと空中に映像を映し出した。

 

『争いは止めろ。時間切れだ』

 

「カガリ?」

 

『良い訓練にはなったが、これ以上は折角の料理が冷める。各自、指揮官の指示に従って基地へ戻れ』

 

 

 

そして、戦闘は唐突に終わり、キラ達はブレイバーに案内されるままアカツキ島へと降り立ち、砂浜でパーティーの準備をしていたセナの元へ駆け寄るのだった。

 

「セナ!」

 

「あ、お姉ちゃん。今日はクリスマスですよ。素敵なお店に行くと言っていたではないですか」

 

「え、いや。それは……そうなんだけど」

 

セナにジトっとした目を向けられ、キラはあわあわと手を振りながら、動揺しつつ言葉を何とか紡ぐ。

 

しかし、そんなキラにセナはクスっと笑いながら、キラが疑問に思っているであろう事を告げた。

 

「お姉ちゃんは何か勘違いしているかもしれませんが、クリスマスは家族で過ごすと前から約束していたではないですか」

 

「……え」

 

「はぁ……やっぱり忘れていたのですね。約束したのに」

 

「ハッ。だから言ったじゃないか。セナ。キラはこういう奴なのさ」

 

セナがいじけた様な声を出した時、空から降りてきた小型シャトルの中から出てきたセナによく似た少女がバカにした様に笑いながら出てきて二人に声を掛ける。

 

その少女、ミアの登場にキラはやや顔をしかめながら、セナの傍に一歩寄る。

 

しかし、ミアと一緒にラクスが出てきた事で笑顔を浮かべながらラクスを手招きした。

 

が……。

 

「キラには少し反省が必要ですね」

 

ラクスはキラの近くには行かずやや離れた場所に向かい、ヤマト夫妻と話を始めるのだった。

 

既に周囲では多くの人たちが話をし、パーティーを始めつつある。

 

そんな空気の中、キラはポツンと一人中心に近い場所で放置されていた。

 

無論近くにセナが居るが、セナはせっせと折り紙で花を作っている。

 

「……」

 

「お姉ちゃん」

 

「……うん」

 

「一緒に作ってくれても良いですか?」

 

「うん」

 

それからキラはすぐ近くに椅子に座り折り紙を折り始めた。

 

既にセナはかなりの数を折っており、キラの様子を見て、ミアも鼻を鳴らしながら折り始める。

 

「クリスマスなんて浮かれていても、世界から争いは消えていない」

 

「そうですね」

 

セナとミアの話にいつの間にか、周囲の者達も静かに耳を傾けていた。

 

「だから、こうして世界平和なんぞを祈りながら花を折るのも良いだろう」

 

「……」

 

「しかし身近な者の幸せも願ってやらねばな」

 

「そうですね」

 

ミアは穏やかな顔をしながらセナを見つめ、それからキラへと視線を移す。

 

「分かってるよ。大切な物は、ちゃんと見る。おざなりにもしない」

 

「まぁ、失われてからでは遅いのだからな」

 

「分かってます!」

 

キラは怒りを表に示しながら、ため息を吐いて、セナとその向こう側にいる両親に目を向ける。

 

「少し甘え過ぎていたかもしれない」

 

「すこし~?」

 

「もう! うるさいな! 分かってるよ! だいぶー! だいぶおざなりにしてました!! だって、色々あったからさ。戦ってばかりの僕を見せたくない気持ちも、あったし」

 

「お姉ちゃん」

 

「でも、そうだね。僕にも帰る場所があるんだから、ちゃんと考えなきゃいけないんだよね」

 

キラは目を伏せて言葉を落とすと、そのまま空に顔を向けた。

 

空には無数の流星が流れている。

 

未だ争いの痛みが消えていない事を証明するかの様に。

 

 

 

しかし。

 

「綺麗ですね」

 

「そうだね」

 

セナの微笑みにキラは頷き、テーブルの上に乗せられた大量の花を手で掬う。

 

そして、波打ち際まで運ぶと勢いよく海に投げた。

 

折り紙の花は綺麗に放射線を描き、海に落ちるとそのまま沖合へと流されてゆくのだった。

 

「セナ」

 

「はい」

 

それから、キラはセナを抱きかかえ、靴を脱いで海へ膝くらいまで入ると、セナと共に祈るのだった。

 

世界の平和を。

 

 

 

そして……。

 

「じゃあ、私たちも楽しい時間を過ごそうか」

 

「メリークリスマス!」




はいー
お久しぶりのSEEDでございます

ちょいと練習がてらクリスマスの話なんぞを書いてみましてん

今度はなんか別の話を書いてみようかなという気持ち
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