ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ 外伝 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
ぶつかり合う連合のストライクと、ザフトのイージスを見上げながら、ユーレンとヴィアは激しく打ち付ける雨によって濡れた顔を拭う。
連合の戦艦、アークエンジェルによって運ばれている機体、ストライクセイバーにセナが乗っている事は既に分かっている。
だからこそ、ユーレンとヴィアはタイミングをずっと見計らっていた。
そう。セナを助けだすタイミングだ。
そして、今まさにそのタイミングが二人の目の前にあった。
「ユーレン。でも、本当に大丈夫なの?」
「そう信じるしかあるまい。どの道、今回のザフトの攻め方を考えれば、ここで何かが起きる可能性が高い」
「でも」
「セナなら上手くやるさ。それにあの子は君に似て運が良い」
ユーレンはヴィアに笑い掛けながら、激しい戦闘が行われている場所へと向かう。
ストライクとイージスが互いを殺し合っている場所へ。
しかし、そんな二人の前で衝撃的な光景が広がった。
「っ! バカな……!」
「セナ!」
そう。ストライクとイージスのビームサーベルによってストライクセイバーが貫かれていたのだ。
火花を散らしながら、ストライクセイバーは動き、二機を引き離そうとするが、もはやその力も無いのだろう。
ストライクセイバーは内部のエネルギーを暴走させて爆発してしまうのだった。
ほんの少し走った先にあるストライクセイバーの爆発にユーレンとヴィアは吹き飛ばされそうになるが、それを何とか堪えながら進む。
「ユーレン!」
「君は逃げろ! 私はセナを!!」
ユーレンは燃え盛る森の中を走り、崩れ落ちたストライクセイバーの中から、コックピットブロックを見つけ出した。
「これは、フェイズシフト。コックピットブロックだけ別に動くようになっているのか」
「なら」
「あぁ。この中に!」
ユーレンは外部からコックピットハッチを開く為のレバーを掴むと、爆発の影響で酷く熱せられているそれがユーレンの手を焼くが、気にせず動かそうとする。
しかし、それは爆発の影響で歪んでおり、鍛えていないユーレンには動かす事が非常に困難だった。
「ユーレン!」
「っ」
「無理しないで!」
「今しかチャンスが無いのだ! ここで無理をせずに、いつ無理をするというのか!」
ユーレンは額に汗を浮かべながら、レバーを何とか動かし、コックピットハッチを開いた。
「「セナ!!」」
ユーレンとヴィアはコックピットの中を覗き、その中でぐったりとしているセナを見つけると、ユーレンが中に入り込んでセナを抱きかかえたまま外へと連れ出した。
「セナ! しっかりして! セナ」
「……ぅ」
「まだ息がある! 急ごう!」
「えぇ!」
そのままユーレンはセナを抱えてヴィアと共に走り始めたのだが、すぐ近くで争っていた二機の音が静かになっている事に気づき、一瞬振り向いてすぐその状況を理解した。
自爆しようとしている!
ユーレンは走っているヴィアをセナごと抱きしめると地面に勢いよくうつ伏せになり、爆発を背中に受け、その影響で背中や腕から血を流すが、気にせずユーレンはセナを抱きかかえながらヴィアと共に逃げるのだった。
そして、用意していたボートに乗り、小島から離れてゆく。
「ユーレン! 貴方血が……」
「良い。気にするな。それよりもセナだ。セナの怪我を手当しなくては」
「……分かったわ」
ヴィアはセナの服を着替えさせ、傷の手当をすると、そのままボートから車に乗り換えて、そこからさらに港へ移動して大型の船に乗る。
それから一日程掛けて宇宙港へと向かうとシャトルでプラントへと向かった。
メンデルに居たときの仲間に協力して貰いながらプラントへと入ったユーレンとヴィアはその男、ギルバート・デュランダルに用意して貰った家に入り、ようやく一息吐くのだった。
セナが救出されてから、プラントへ来て数日が経った。
あれからセナは目を覚まさず、ベッドの上で魘されるだけであった。
ヴィアはセナの看病をしながら、傍に居て、ユーレンは原因を探りつつ世界の情勢を調べていた。
いざという時はプラントも離れなくてはいけないと考えながら。
そんなある日。遂に、長い眠りからセナが目覚め、ヴィアが涙を浮かべながらユーレンを呼びに行くのだった。
「目を覚ましたか。セナ」
「……? あれ? 私は」
「ここはプラントよ。セナ。私たちの事、覚えてる?」
「……パパと、ママ」
「そうよ。貴女のママよ。セナ」
「私、わたしは……っ! ス、ストライクは! イージスはどうなったのですか!?」
「ストライクとイージス? あの場所で戦っていたMSか。一機が自爆して、もう一機が巻き込まれた様だよ」
「パイロットは……」
「いや、分からないな」
セナはその言葉を聞いて、明確に落ち込んでいた。
それを見て、ユーレンもヴィアも目を見合わせながら意識して笑顔を作る。
「もしかして、セナの友達だったりしたのか?」
「……」
小さく頷いたセナに、ユーレンは近くの椅子に座りセナの頭を撫でた。
「あー。実はな。分からないとは言ったんだが、無事脱出した所は見ていたぞ。ただ、私たちは脱出する事に忙しくてそこから先は見ていないんだ」
「そうですか……。ストライクに乗っていた彼はどうでしたか? 怪我は」
「いや、していなかったぞ。元気に走っていたな。うん」
「それは良かったです」
セナはユーレンに微笑みながら涙を流した。
その涙の意味をユーレンもヴィアも分からずただ、慰める事しか出来ないのだった。
セナは目を覚ましてからずっとPCを触り、何かを調べている様だったが、それで落ち着くならとユーレンもヴィアも止めることはせず、ただ静かに見守っていた。
しかし、そんなある日。
セナはベッドから起き上がると、まだ動く事も苦しい体で部屋の中を歩き始めた。
が、すぐに倒れてしまう。
「セナ! 何をやってるの!!」
「……いえ、その、歩く練習をしようかと思いまして」
「まだ無理をしないで! 貴女、酷い怪我をしていたのよ!?」
「私には、まだやる事があります。お姉ちゃんたちが、戦おうとしているのに、私だけ見ているだけなんて、出来ない! 生き残ってしまった、私には……! 責任が」
「……セナ」
ヴィアは床から起き上がろうとして大粒の汗を流すセナの背を撫でながら、セナをただ見つめていたのだが、セナの言葉に反応した男がいた。
無論。ユーレン・ヒビキである。
「今、姉と言ったか? セナ。キラとカガリの事を言っているのか?」
「ユーレン!」
「今更隠しても仕方ないだろう。どの道遠くない未来に知る話だ。アウラが動き始めればな」
「……っ」
「あの女はキラやカガリの存在が許せない。消そうとするか、操ろうとするか。そのどちらかは分からないが、無視は出来ないだろう。そうなれば、最悪私たちが守るしかない。私たちが二人に会うのはリスクが高いが、それでも命が奪われてしまえば、全て終わりだ」
「でも、私たちは……あの子達にどんな顔をして会えば良いの?」
「さて、どうだろうな。罵られるか、恨まれるか。だが、そのどちらでも私は受け止めるよ。それが親という物だろう」
「……パパとママは、キラお姉ちゃんとカガリお姉ちゃんの事を、愛してるの……?」
「当然だろう?」
「当たり前でしょう?」
セナは即座に答えた二人の言葉に目を見開き、そして安堵した様に微笑んだ。
「では……その愛情を二人に伝えてあげて下さい。きっとお姉ちゃん達は二人の事を責めたりはしないと思います」
「……セナは、もう二人に会ったのか」
「はい。二人とも元気で、苦しい事もありますが、幸せに、笑っていましたよ」
「そうか」
ユーレンは近くの椅子に崩れ落ちる様に座り、手で目を覆いながら一筋の涙を流した。
そして、それはセナのすぐ傍に居たヴィアも同じである。
「戦争が終わったら、二人に会って貰えますか?」
セナの問いに二人は静かに頷き、セナはその答えにそっと微笑むのだった。
温 度 差
票数が入った順に書いてるからか、酷い事になっておるな。
まぁ、しゃーない所はありますが。
風邪ひかないでね?