ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ 外伝   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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SEED編 PHASE-47.1『ここから始まる運命』

(第三者視点)

 

 

 

ユーレンとヴィアによってプラントまで運ばれたセナであったが、正直な所、それほど生きて何かやりたい事がある訳では無かった。

 

それはそうだろう。

 

セナにとって、戦争も生きる意味も、全てあの小島での決戦で終わったのだから。

 

キラとアスランの殺し合いを止めて、自分が消える事で自分が始めてしまった戦争の全てを終わらせる。

 

それだけが出来れば満足だったのだから。

 

しかし、セナは生きている。

 

それはユーレンやヴィアがそう望んだからであり、マリューやG兵器を開発した者たちがそう願ったからであり、ギリギリの死闘の中でも、咄嗟にストライクセイバーのコックピットからビームサーベルを外す事が出来たキラとアスランの祈りでもあった。

 

故にセナは死ぬことも出来ず、ただ、日々を生きている。

 

だが、ただ生きているだけだ。

 

戦争を止めたいという想いは今でもあるが、あるだけである。

 

戦争を止めた先の未来で、何かという様な考えは何も無い。

 

そう。まさに生ける屍とでもいう様な状態になってしまったのだ。

 

故に、何かを求めてセナは家を抜けだし歩いていたのだが、セナが求める何かなど、その辺に転がっている訳がない。

 

無いのだが……。

 

「ぅ……ぅぅ」

 

「誰かが、泣いてる?」

 

セナが一人、夜の散歩をしている時に、誰かが泣いている様な声が聞こえ、その場所に向かって走り出した。

 

そして、地面にうつ伏せで倒れながら泣いている少年を見つける。

 

「あの……」

 

「……?」

 

セナはその少年の赤く染まった瞳を見て、息を呑んだ。

 

そう。そこに居たのは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公シン・アスカであったからだ。

 

そして、何かを苦しみ、嘆いている。

 

救いを求める様に。

 

それを見て、セナはこの世界で生きて、世界を知って、そして願った想いを思い出していた。

 

この世界から多くの嘆きを無くしたいという想いを。

 

「もう大丈夫ですよ」

 

「……え?」

 

「苦しい事も、悲しい事も、もう大丈夫です。一人で悩まないで下さい」

 

シンは驚き目を見開いて、セナを見つめた。

 

そんなシンの目線を受けてセナは柔らかく笑う。

 

「マユが、妹が、苦しいって言ってるんだ。病気で、でも薬も、ご飯もなくて」

 

「分かりました」

 

セナはシンを連れて家に戻ると、ヴィアを呼び、そのままシンと共に家族が居るという場所へと向かった。

 

そして、病状を確認してから、その場で軽く手当をして薬を飲ませる。

 

しかし、このまま難民用の家にいては治る物も治らないと、アスカ一家全員をセナ達の家に案内した。

 

それからセナ達が住むには大きすぎる家に、アスカ一家も住む様になり、マユはセナが使っていた一番良いベッドで眠るのだった。

 

 

 

アスカ一家がセナ達の家に引っ越してきてから数日経ち、マユもすっかり元気になり、まるで初めから姉妹であったかの様にセナに懐いていた。

 

「えへへ、セナちゃん」

 

「はい。何かありましたか?」

 

「んーん。呼んでみただけ」

 

「そうですか」

 

「うん。今日はセナちゃんがずっと家に居るから!」

 

楽しそうに笑うマユにセナもまた笑顔で返し、何でもない日常を過ごす。

 

だが、そんな日常にも影は差すのだ。

 

「では……」

 

「はい。停戦会議の準備は進められていますが、それと同時に軍備も進んでいますね。抑えきれるかどうか微妙な所です」

 

「そうですか」

 

「……お父さん、お母さん。まだ戦争、続くの?」

 

「そうね。オーブに戻るのは当分先になっちゃうかな」

 

「そんなぁ」

 

セナに抱き着いたまま悲し気に顔を歪めるマユにシンは唇を噛みしめる。

 

マユは理解していないが、戦争が続けばプラントだって危ないのだ。

 

オーブから逃げる時に、地球軍とオーブが戦う様子を見ていたシンやシンの両親はそれをよく理解していた。

 

そして、ブルーコスモスという存在を知るからこそ、彼らがコーディネーター全てを滅ぼすまで止まらないであろう事もよく理解していた。

 

故に、シン・アスカは悩み、考える。

 

このままここに居るだけで良いのかと。

 

守られてばかりで良いのかと、シンは考え続けていた。

 

そう。シンは気づいているのだ。セナが夜な夜な何処かに出掛けている事を。

 

そして、もしかしたらセナが戦争に関わっているのではないかとシンは考えていた。

 

だからこそ、シンはこのままではいられないという結論を出した。

 

「父さん。母さん。俺、プラントの軍隊に入ろうと思う」

 

「え?」

 

「本気なの!? シン!」

 

「……うん」

 

「死ぬかもしれないんだぞ。それだけじゃない。お前が誰かを殺すかもしれないんだ」

 

「分かってる。分かってるよ。父さん。でも、それでも、俺は守る為に軍人になりたいんだ」

 

「シン……」

 

「もう二度とあんな光景は見たくない。だから……!」

 

シンの言葉にシンの両親は頷き、笑い、シンを送り出した。

 

そして、シンはセナとマユの前にしゃがむと二人の手を取って笑う。

 

「マユ、セナ。俺は、もう二度と二人が悲しまない世界を守るからね」

 

 

 

戦争が終わり、シンはアカデミーで毎日守る為の力を鍛え、たまの休みには今はすっかりアスカ家の物となっている家に帰って、マユや両親と過ごすのだった。

 

そして、やや小高い丘の上にある家のベランダからプラントの中にある小さな箱庭の世界を見つめて、セナと語る。

 

「……静かですね」

 

「そうだね」

 

「戦争は終わりました。それでもシンは軍人を目指すのですか?」

 

「うん。俺は、変わらないよ」

 

ベランダの手すりに寄りかかったままシンはベランダに置かれた椅子に座るセナを見て微笑む。

 

その顔には、かつてセナと出会った時の悲しみは薄れていて、使命感に満ちていた。

 

強い輝きが瞳に灯っていた。

 

それに気づいたセナは、目を伏せて笑う。

 

「シン君は、軍人になってどんな未来を望みますか?」

 

「未来。未来か。まぁ、やっぱりマユや父さん母さん。それに、セナが笑ってる世界だよ」

 

「……」

 

「それに、それだけじゃなくてさ。ヴィアさんやユーレンさんもそうだし。アカデミーでレイっていう友達も出来たんだ。だから、みんなが笑ってる世界なら、そんな世界が俺は欲しい」

 

「それは素敵な未来ですね」

 

「うん」

 

「では、私もシン君の素敵な未来に協力しましょうかね」

 

「うん?」

 

セナは微笑んだまま椅子から立ち上がり、シンの傍まで歩いて行った。

 

そしてシンの隣でベランダに寄りかかり、プラントの中に広がる景色を見ながら口を開く。

 

「私はこれから世界を平和にする為に戦おうと思います」

 

「え? でも、戦争は終わったって」

 

「えぇ。終わりました。でも、いつかまた戦争が始まると思います。それが人の宿命ですから」

 

「……」

 

「ですが、私はそんな世界と戦います。例え、その道がどれほど困難であろうとも」

 

「なら、俺がセナの運命になるよ」

 

「シン君……?」

 

「戦いが終わらないのが運命だって言うんなら、俺が終わらない平和の運命を持ってきてセナにあげるよ」

 

「ふふ。それは素敵ですね」

 

「俺があの時、セナに貰ったみたいに。今度は俺がセナに。そして世界に」

 

シンは笑みを浮かべたまま目を閉じて、小さく息を吐いた。

 

今ここにある時間を噛みしめて。




正直投稿タイミングで死ぬほど悩んだんですけど、まぁどうせ本編で今日か明日のどっちかでこの辺に関わる話投稿するし良いかな感。
なので、まあ、おざなりに投稿。

語る事はそれほど無いけど、出来るだけシン君には幸せになって貰いたいですね。
って感じ。
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