ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ 外伝 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
アスラン・ザラにとって、キラとセナは大切な妹である。
無論血は繋がっていないし。同じ家に住んでいる訳でもない。
しかし、確かに二人はアスランにとって『妹』という立ち位置の人間だった。
だから……。
「ど、どうかな!」
「どうかなって言われてもなぁ。恋人とかって、よく分からないんだよね」
「オレ、結構凄いって言われるんだ。ほら、この前のサッカーの授業でも、活躍してただろ?」
「まぁ、確かにね。うん。凄い活躍してたね」
「だろ? 今度の休みにさ。試合があるんだよ! 見に来てくれないか? それを見てから判断してくれても良いから!」
「えー。でも今度の休みはセナと一緒にどこかに出かけようって約束してたから」
「なら、ならさ! 二人で来てくれよ! 楽しいから!」
「えー。うーん。どうしようかなぁ」
物陰に隠れながら、知らない少年と話すキラを見て、アスランは苛立った様に地面を蹴る。
そしてその視線は鋭く、二人をいつまでも射抜き続けていた。
「ならさ。試合が終わった後、喫茶店に行こうぜ? 美味しいパフェもあるって聞いたし。俺が勝ったら二人分奢るからさ!」
「パフェ! 良いの!?」
「っ! あぁ、任せてくれ!」
「わぁい! じゃあ行く行くー! 見に行くよ! 僕、全力で応援するね!」
「ホントか!? じゃあ日程は後で送るな!」
「うん! セナにも言っておくね」
「あぁ! っと、忘れてた」
「なに?」
「アスランには内緒にしておいてくれよ?」
「なんで?」
「そりゃ……まぁ、なんていうか。ほら! アスランは子供だけで喫茶店に行くって言うと、駄目だっていうタイプだろ? 真面目って言うかさ」
「……確かに」
キラの言葉にアスランは苛立った様に右手を握りしめた。
「だからさ。内緒。な?」
「分かった。内緒ね」
キラが人差し指を立てて口に当てながら微笑んだ事で、少年は顔を真っ赤にしながら、また連絡すると言って走り去るのだった。
そんな少年の反応にキラは首を傾げながらも。休みの予定が楽しい予定になったとスキップしながらその場を去る。
「パーフェ。パフェ、パフェ。パ~フェ」
「随分とご機嫌だな。キラ」
「っ!? あ、ああ、アスラン!?」
「あぁ、いかにも俺はアスランだが?」
「さっきの話、もしかして聞いてたの?」
「さっきの話? 何のことだ。キラ」
「い、いや!? 何でもないよ! 何も隠してなんか無いよ!」
それは隠していると言っている様な物だったが、アスランはそれ以上問い詰める事はなく、静かに笑った。
「そうか。なら良いんだ」
「そ、そうだね。とても良い事だね?」
「もし、隠し事をしているのなら、早く言った方が良いと思うが……キラは何も隠していないんだもんな?」
「……アタリマエダヨ」
もう限界を超えている様な姿であったが、やはりアスランは何も言わず笑うばかりだった。
そんなアスランの様子にキラはすっかり安心し、ニコニコと笑いながら、アスランが自然と差し出して来た手を取ってセナが待っているであろう教室へと向かう。
そして、アスランとセナの手を握りながら、機嫌よく家に帰るのだった。
それから自宅へと帰ったキラはセナに男の子から聞いた話を話し、無事了承を貰えた事を男の子に伝え、そのサッカーの試合を見に行く事にしたのだが……。
「な、ななな、なんでアスランがここに居るのぉ!?」
「何か問題でもあるか?」
「いや、別に……無いけどさぁ」
いったい何をしたのか。キラを誘った男の子の敵チームのユニフォームを着ているアスランを見て、キラは叫び、セナは呆れたようなため息を吐いた。
「アスランお兄ちゃん」
「なんだ。セナ」
「少し大人げない様に私は思います。良いじゃないですか。少しくらい」
「さて何のことやら。俺は子供だからよく分からないな」
「子供は自分の事を子供だって言わないんですよ」
「ほう。それは良い事を聞いた。今度俺の妹のセナって子に同じ事を言っておくよ」
「……ぐぬぅ」
アスランはセナと笑いながら話をして、顔を真っ青にしながら、僕のパフェと呟いているキラに近づき肩を叩いた。
「キラ」
「な、なにさ。アスラン」
「俺が勝ったら、今日はキラが行きたがってたケーキ屋に行こうか。好きなだけ頼んで良いぞ。俺の奢りだ」
「え!? えぇ!!? あの、あの素敵なお店!? 前にアスランと一緒に見たお店!?」
「あぁ」
「良いの!? だってすっごく高かったんだよ!? 僕のお小遣いじゃあ全然足りなくて!」
「勿論。まぁ、俺が勝てたら。だけどな」
「僕応援するよ! アスラン!」
アスランはキラの輝く瞳を見て、クスリと笑った後、グラウンドへ行き、例の少年の前に立った。
少年は歯を食いしばりながら、悔しそうにアスランを睨む。
「お前……どうやって」
「別に。偶然聞いただけだけど」
「お前とキラちゃんは付き合ってないんだろ!? なら」
「なら、なんだ?」
冷たい目で見据えられ、少年はビクッと体を震えさせた。
しかし、キラへの想いが少年に勇気を与え、前に一歩踏み出す勇気を……。
「アスラーン! 頑張れー!! 負けるなー!」
「っ!? な、なんで」
「どうした? わざわざ物で釣ってまでキラに応援して貰いたかったのに。当てが外れたか?」
少年は震えながらアスランを見据え、そして、やはり悔し気に唇を噛み締めた。
心は既に折られかけているが、それでも負けないと試合に挑み……終わった。
「ケーキ! ケーキ! アスランのケーキ!」
「……お姉ちゃん」
「ん? どうしたの? セナ。あ。分かったよー? 心配してるんでしょ。でも大丈夫! お母さんにもちゃんと伝えてあるからね。怒られないよ!」
「いや、そうではなく……今日は何か約束があったと思うのですが」
「約束ぅ?」
キラは首を傾げながら、ふむと考え込んだ。
そして、ポンと手を叩きながら少年の事を思い出す。
「あぁ、この試合に誘ってくれた子でしょ? 何かよく分からないけど、試合が終わったらすぐに帰っちゃったんだよ。だから、パフェの話は無しかなぁー」
「いや、そうではなくて」
「セナ。もう良いだろう? 終わった事なんだから」
「アスランお兄ちゃん……」
「ん? 店が見えたな。キラ。先に行って席を取っておいてくれないか? ケーキも頼んでおいてくれ。俺たちはゆっくり行くから」
「らじゃー!」
キラはアスランの言葉を聞いて、軽快に走りケーキ屋へと向かう。
そんなキラの背中を見ながらアスランは静かに笑った。
「少しくらい恋愛の経験はあった方が良いと私は思いますけどね」
「要らないよ。そんな物は。キラが傷つくだけだ」
「それを決めるのはお兄ちゃんじゃないと思いますけど?」
「そうかもしれない。でも、まぁ。どの道じゃないか? 俺に勝てない様じゃあキラやセナと付き合うには足りない。だろ?」
「だろ? って言われても困りますけど。それでずっと独り身だったらどうするんですか? アスランお兄ちゃんが引き取ってくれるんですか?」
「まぁ、どうしようも無かったら、俺が二人を貰い受けるよ」
「え」
「変な奴に二人を任せるくらいなら、良いよ」
「いや、良いよって。私たち二人居るんですけど」
「まぁ父上も母上も反対しないと思うよ。それに方法はいくらでもあるし」
「いつか刺されますよ。ホント」
「気をつけるよ。でも、今はまだ兄として、二人を見守るだけだ」
「……はぁ。どこが兄ですか。どこが」
セナの呟きにアスランはそれ以上何も言わず、セナの手を取りながらキラの待つケーキ屋へと向かうのだった。
いやー。
趣味。
こういうの好きなんや。
多くを語るまいが、たまにこういうの書くと思うから、前書きに注意報出しておこう。
何か本編見ると、今更感あるけど。