ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ 外伝 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
ソレは何気ない会話から始まった。
「そういえばさー。セナはクリスマスどうする?」
「え?」
「予定が無いなら、イザークからチケット貰ったから、一緒に食事でも……」
「ごめんなさい。お姉ちゃん。私クリスマスは用事がありますので、お食事には行けません」
「え」
「それと、クリスマスは地球で過ごすので、私、午後のシャトルで地球に向かいますね」
「……は? いや! 一人じゃ危ないよ!!」
「大丈夫よ。キラ。現地まで私が連れていくから。ま、現地までは、ね。現地ではセナの大事な人が待ってるからさ」
ミーアはセナの車椅子を押しながら、軽い調子で外へ出ていった。
キラは無意識の内に出ていく二人に手を伸ばしたが、その手が届くことはなく、無情にも自動扉はキラとセナたちの間で閉じてしまうのだった。
それからどれくらいキラは停止していただろうか。
分からないが、ようやく感情が思考に追いついた瞬間、キラはPCに向かって飛び込み、急いで情報省にいるイザークへと通信を繋げた。
「イザーク!! 全ての港を塞いで!!」
『はぁ!? なんだ、貴様いきなり! 何が起きた! 順に話せ!』
「離してる暇なんか無いよ!! セナが大変なんだ!」
『なんだと!? ディアッカ! ニコル! 関係各所に連絡……』
「セナが変な奴に騙されて、クリスマスデートに行っちゃったんだ!!」
『……はしなくても良い。あぁ、座ってろ。どうやらどうでも良い話だ』
「どうでも良くないよ! セナが! 騙されて! 僕よりも! どっかの誰かを優先したんだよっ!!」
『やかましいわ! ギャアギャアと騒ぐな!』
「だって!」
『フン。貴様がそんな風に騒ぐから、セナも嫌気が差して、別の人間を探したんだろう。まぁ気持ちは分かる』
「はぁー!!? 何が気持ちは分かる。だよ! イザークに僕の気持なんか分かるもんか!!」
『貴様の気持ちじゃない! セナの気持ちだ。バカ者! まぁ、良い。これを良い機会だと思って自立しろ!』
「ちょっとイザーク! 港の封鎖は!」
『するか! バカ者!! 頭を冷やせ!!』
イザークはキラを怒鳴りつけるとそのまま通信を切り、通話が終わった画面は黒く静かなモノに変わる。
そんなイザークの対応にキラは苛立ちで拳を握りしめたが、今はそんな事をしている場合じゃないと冷静さを取り戻し、続く一手を打つべく家を飛び出して軍部へと向かうのだった。
「出来ない!? 出来ないってどういう事ですか!」
「申し訳ないですが、ミレニアムは軍属ですからね。ヤマト隊長の権限だけでは動かせませんよ」
「でも! 世界の危機なんですよ!」
「いやぁ、世界の危機って言われても……セナ君がデートに行くだけですよね? まぁ年頃を考えればよくある事……」
「もう! コノエ艦長! よく考えて下さい! セナはその言葉で多くの人を動かす事が出来るんですよ? そんなセナがどこの誰とも分からない奴に洗脳でもされたらどうするんですか!! 世界の危機ですよ! 世界の危機!!」
「なんと言われようと、ミレニアムは動かせません」
「もー!! 良いです!!」
コノエに断られたキラは、ミレニアムのブリッジから出て、次なる目的地へと向かおうとした。
が、その前に厄介な者たちがブリッジに飛び込んできた。
「隊長! 聞きましたよ! セナの事! 俺達も協力させて下さい!」
「シン!! それにレイ、アグネス、ルナも! 良いの!?」
「勿論です。隊長。これは世界の危機ですから」
「私も隊長の進む道に付いていきますよ! 任せて下さい!」
「……いや、私は暴走しない様に監視する役ですけどね?」
「みんな!! 僕はこんなに素晴らしい部下を持って、感動してるよ!」
キラはシン達を抱きしめ、涙を流しながら何度も頷いた。
非常に感動的な光景に見えるが、やや外れた所から見ているルナマリアや、コノエ、ハインライン辺りは微妙な顔をしているのだった。
そして、分かっていても止められない最強のパイロット、キラ・ヤマトは部下達と共にМSを奪取し、長期休暇中のミネルバを強奪して宇宙へと飛び出すのだった。
キラが暴走しつつ部下と共に宇宙へと飛び出した頃、国連所属の月面ダイダロス基地では、総裁ラクスより連絡を受けたマリューが頭を抱えていた。
『既にカガリさん達へは連絡し、大規模な摸擬戦という事で話は通してますが……何かあってからでは困りますから』
「まぁ、そうですね。止められる物なら止めたいですからね……キラちゃんやシン君達を」
『えぇ。お願いできますか? マリューさん』
「分かりました。まぁ良い訓練と言えば良い訓練ですからね」
マリューとラクスが通信で話をしている間に、マリューの端末が着信を告げ、マリューはラクスに断ってからその通信に応じる。
『マリュー!』
「どうしたの? ムウ。私は今、総裁と」
『緊急だ! 坊主たちが、理事の命令で出撃しちまった!』
「坊主って、理事……?まさか!」
『そうだよ! オルガ、クロト、シャニ、スティング、アウル、ステラの6人がそれぞれの機体で出ちまったんだよ! 向かってる先にはなんか戦艦があるみたいだが……マリュー? どうしたマリュー!』
ムウから届いた最悪の連絡に、マリューは全てを投げ出して自室に向かいたい気持ちを難とか抑えながら、通信相手のラクスに視線を向ける。
「総裁。どうやら状況は最悪の様ですわ」
『みたいですわね』
「幸運にも、という言葉が合っているかは分かりませんが、ブレイバーは訓練用に武装を制限していますから。大きな被害が出る事は無いと思いますが……」
『それでも先は見えませんから……ご準備はお願いします。こちらもミレニアムで追撃を行いますから』
「はい」
マリューはラクスに敬礼を返した後、通信を繋げたまま待機していたムウにも言葉を向ける。
「聞いてたわね? ムウ」
『あぁ。ついでにこっちに来た資料も見たぜ』
「という訳だから、部隊の先鋒は貴方に任せるわ」
『任せとけ! って言いたい所だが、相手はあのキラ達だからな』
「えぇ、油断は駄目よ。私も艦隊が準備出来次第すぐに出るわ」
『了解だ。それまでの時間は稼ぐ!』
マリューはムウと話し、通信が切れたのを確認してから深い深いため息を吐くのだった。
そして、地球に向けて進んでいたミネルバでは、休暇中であったというのに、キラに見つかってしまったばかりに艦長席に座る事になってしまったアデスが、胃を痛めていた。
「自分はミネルバには詳しくないですからな。大した援護は出来ませんよ」
「大丈夫です。戦闘には僕らが向かいますから。アデス艦長は艦を守ってくれれば」
「そうですか……」
『そう緊張するなアデス。一応は同じザフトの船なのだからな』
「そうは言いますが……」
『我らもそうしないで合流する。こちらには優秀なオペレーターが居るからな。彼女に任せておけば大抵の事は大丈夫だ』
「って事は! メイリンも協力してくれるの!? ラウ兄さん!」
『当然だ。世界の危機ともなれば協力するべきだからな』
「さっすがメイリン!」
『キラ』
「ん? どうしたの? アスラン」
『言っておくが、無駄に被害を広げる様な真似はするなよ。あくまで目標はセナに近づく奴だ』
「分かってるって」
常識人の様な顔をしながら、しっかり暴走しているアスランはキラに忠告するが、キラは軽くアスランの言葉を流し、手を振る。
そして、カガリから来た『派手にやれ』というメッセージを見ながら笑った。
「ま、でも思い知らせてやらなきゃダメじゃん? 誰に手を出したのかってさ」
未だ遠くにある地球を見ながら、キラは目を細めるのだった。
お久しぶりですー。
リハビリがてら、クリスマスのお話を書きましたー
ここからのんびり色々書いてゆきますよー
ではまたー