まぁ我慢強い勇者ならどんな苦難も乗り越えてアイドルを推せるだろう   作:ヒラメもち

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番外編16 (瑠美衣視点, 今好き編③)

 

~2人きりで話してみて~

 

星野アクアの場合

「あかねさんと話してみて… お姫様のような子でした。守ってあげたくなる可愛らしい女の子で、でも舞台の話は凄く熱心で詳しくて、そんな子に『今日あま』のことを褒めてもらって、ちょっと照れましたね」

 

黒川あかねの場合

「アクア君、すごく優しい人でした。その、恋愛経験はないんですけど、エスコートされているような気持ちで… でも、もうちょっと素を出せるような人が、彼には合うのかなと思っちゃってます…」

 

姫川大輝の場合

「犬や猫の写真を見せてもらったり、自撮りやSNSの使い方だったり、ノリが楽しくて明るい子だったな。なんか自分が高校生だった頃を思い出す、え、まだ若いって? それもそうか!」

 

MEMちょの場合

「最初はもっと大人で静かな人だと思ってたんだけどねぇ。親しみやすいというか、仲良くなったら面白い子… 人だと思ったかなぁ! 筋肉もあって包容力ってのも感じたし!」

 

 

☆☆☆

 

 

 今頃お兄ちゃんは、メムさんやあかねちゃんと楽しんでるのかな?

 

 私は実の妹で、しかも せんせとは前世からの繋がりなわけで。

 そんな殿堂入りな私が認めた女の子としか付き合うのは許しません。今のところ、かなちゃんが第一候補だと思っていたけど、ここに来て新たな候補も現れそうな予感です。

 

「むむむ」

 

 というかせっかく久しぶりに遊園地に来たし、最初からお兄ちゃんと回ればよかった。

 純粋で良い子な ゆきちゃんはたぶんノブユキ君のことを狙っているから、2人でデートに行っちゃったもん。

 

 まあジェットコースターもいっぱい叫んじゃったし。

 高いところから落ちるやつも楽しかったけどね。

 

 なので私はケンゴ君と噴水前に座ってアイスを食べています。

 撮影中だし何か話してないとな~ と思いつつ、でも話題が思いつかないし、アイスおいし~ ってしてた。

 

「その、ルビーちゃんは、第一印象とかあげた?」

「第一印象?」

 

 そういえば、さっきそんなの答えたね。

 

「ケンゴ君のことならクールで小動物系だと思ってるよ!」

 

 さっきまで緊張してたのに、『しょ……?』と目をパチクリしてて、そういうとこだと思うけど。

 

「見た目はクール、実は話しやすくて可愛いってこと」

「あー、そういうことね」

 

 照れた様子も見せてて、純粋で良い子だね。

 

 そだ、もし誰か好きな女の子がいるのなら、このお姉さんが応援してあげよう。なんたって私はルナのお姉ちゃんで、何年もせんせを推して恋をしてきたからね。

 

「そういうケンゴ君は気になる子あげたの?」

 

「俺は… 2人だけど、そのうちの1人はルビーちゃんだよ」

 

 恥ずかしながらも教えてくれたから『照れる~』って思わず声に出ちゃう。

 やっぱり私はママに似てて可愛いから、第一印象は完璧で究極だよね。

 

「ルビーちゃんは好きな音楽ある?」

「それはもちろん、B小町の曲全部だよ!」

 

 ややこしいから言わないけど、こっちは最初期からの古参ファンで、今もアイドル志望だから。

 

「なんと! どれも歌って踊れる自信あります!」

「へぇ、例えばどんな曲があるの?」

 

 その質問に思わず、ガックシってなっちゃった。

 

 ファンじゃないどころか、曲も知らないなんて…

 まあB小町が解散してから何年も過ぎちゃったから…

 

「えっと、弾いてみるから、何か歌ってみてもらっても?」

「あれ、でも聴いたことないんだよね?」

 

 立ち上がって、ケンゴ君はスタッフさんからギターケースを手渡ししてもらっている。

 

「楽譜通りに一部くらいなら、弾けると思う」

「ほへぇ~ じゃあ代表曲の『サインはB』とかどう?」

 

 ギターをセッティングしたり、スマホで楽譜を検索したり。

 こういうカッコいい楽器、実際に見たことないから新鮮だった。

 

 しかもケンゴ君が腕まくりをしたら引き締まった筋肉が見えて、ギャップで多くの女子ギャップ萌えしちゃうよこれ。

 

「まずは軽く弾かせてほしい」

「すごっ!  ~~♪」

 

 鼻歌で合わせてみたけど、まさしくメロディが『サインはB』だった。

 楽譜を見ただけでこれって相当凄いよね?

 

「歌いだしは同時だな……せーの!」

 

「ア・ナ・タのアイドル

   サインはB チュッ♡」

 

 

 何度もママたちの歌を聴いてきて、カラオケでもトレーニングでもいっぱい歌ってきた。身体も思わず動かしたくなるくらいに、歌うのは朝飯前ってやつだよ。

 ふっふっふっ、かなちゃんにはまだ追いついていないけど、私だってカラオケ平均85点の実力だもん。

 

 

「上手いな! 可愛いし、アイドルも向いてそうだ!」

 

「えへへ~ オーラ隠しきれないかな~」

 

 まだアイドル志望だってことは明かせないけど、心の底から興奮したように褒めてくれるのが嬉しい。この子もいつかファンになってくれるといいな。

 

 それからは音楽って共通の話題で、ケンゴ君と会話が弾んで、いつの間にかすぐ時間が過ぎちゃった。

 

 

☆☆☆

 

 

 私たちは再び集まって少しみんなで自由時間を過ごしてから、宿泊場所にやってきたけど。

 

 プール付きのホテル! おしゃれなパラソル!

 これもヤシの木? それにディナー!

 

「めっちゃやばい!」

「美味しそ~」

「おしゃれだねぇ」

 

 白い布がかかったテーブルには、生春巻きやピザやスパゲッティがあって、見ているだけでお腹がぎゅるるって音を立てそうだよ。

 

 日本にいるママとミヤコさんと かなちゃんへ。

 おやつにアイス2個も食べちゃったけど、今日は特別にいっぱい食べさせてください!

 

「どう座る?」

 

 姫川さんが言ったように、4人ずつで横並びの席だからね。

 食べさせ合いっことか楽しみになってくるよ。

 

「ねっアクア君、一緒に座らない?」

「ん、分かった」

 

 あれっ、ゆきちゃんの声だったよね!?

 すっかり私はお兄ちゃんと座る気満々だったのに!?

 

「じゃ、俺はルビーちゃんと話そっかな」

「せっかくだからね!」

 

 思わずノブユキ君にアイドルスマイルで答えちゃったけど、せめてもと思って、お兄ちゃんを追いかけるように席に座る。

 

 メムちゃんとケンゴ君、あかねちゃんと姫川さんもそれぞれペアで座ってて。

 

 ちょうどお昼に組んだことのなさそうなことになってる。

 私だけ知らない間に打ち合わせでもあったのかな。

 

「1日目、お疲れ様でした」

 

 隣にいるお兄ちゃんの音頭(おんど)で、みんな『かんぱ~い』ってするけど、不安すぎて集中できない。

 

「かんぱい!」

「お、おお、乾杯」

 

 コップをカツンって合わせた時、ノブユキ君がすごく膝を揺らしていた。

 

 この展開に驚いているのは私だけじゃないんだ。

 リンゴジュースの甘酸っぱい甘さもあって、ちょっとだけホッとしたよ。

 

「なんで誘ってくれたか聞いていい?」

「それは話してみたかったからだよ?」

 

 そんな話をしながらお兄ちゃんはピザとか綺麗に取り分けてあげてて、羨ましいし、めっちゃ会話が気になる。

 

「高校何年生なんだっけ?」

「高校1年」

 

 『同じだな』『もっと年上かと思った~』って楽しそうですねー

 まー、お兄ちゃんせんせの秘密を知ってるのは、私とママたちだけですけどー

 

「ルビーちゃん、お待たせ」

「ありがとノブユキ君!」

 

 見よう見まねでノブユキ君も取り分けてくれて、お兄ちゃんの紳士っぷりをぜひ学んでいくといいよ。

 

「昼とは違うんだ、ゆきさんの髪型」

「気づいてくれたんだ!」

 

 あー、ピザうまー

 女子高生と甘々なことですねー

 

「おだんごヘア?」

「ふふっ、可愛く言うならシニヨンだよ?」

 

 学校でもモテるとは思っておりましたが、芸能界でモデルさんにもモテるんですねー

 

「なぁ、ルビーちゃんって恋愛に興味あるの?」

 

 ノブユキ君のイケボでそんなことを聞かれたから、思わず顔を真っすぐに見ちゃう。

 

「あるよ? 華の女子高生だもん!」

「ぷっ、言い方」

 

 確かに顔とか声とか仕草とかカッコいいと思うけど、恋愛感情は湧いてこなかった。

 

「アッくんみたいな人がタイプ?」

「そんなところだね!」

 

 お兄ちゃんせんせが初恋だし、今もその気持ちは変わっていないんだよね。

 

「へぇ、例えばどんな?」

 

「すごく優しくて、クールで、愉快でお茶目なところとか」

 

 前世から変わっていないところもあれば、変わっていくところもあるけど、また全部好きになっちゃう。

 

「誰かのためにって頑張ってて、どんなに苦しくても(つら)くても、それでも前に進もうとするところ」

 

 やっぱり私はお兄ちゃんせんせの全肯定オタクだし、心の底から愛してるし、ガチ恋オタクでもあるんだよね。

 

「だってさ、アクア君?」

「アッくん顔真っ赤じゃん!」

 

 お兄ちゃんったら、口元を抑えて照れてて可愛すぎる!

 こういう表情がレアすぎるんだけど、カメラさんしっかり撮ってる!?

 

「むふ~♪」

「まったく幸せそうだな」

 

 眼鏡をかけ直す仕草とか、やっぱりカッコいいなぁ。

 

「これ食べたらさ、ペアでフリータイムあるよね?」

「それに兄妹2人で行ってこいよ!」

 

 ゆきちゃんとノブユキ君のおかげで、番組公認デートができるってことぉ!?

 

 2人とも大好き!

 応援するから幸せになって!

 

 

☆☆☆

 

 

 ベトナムで海外旅行なう。

 夜なのにまだまだ明るいです。

 

 英語ペラペラなお兄ちゃんがストロベリージュースも買ってくれて、それを持ってツーショットを撮った。この写真はまだ内緒にして、ママたちにこの番組を見せるのが楽しみだね。

 

 ジュースは美味しくてすぐに飲んじゃった。

 別腹でデザートにちょうどよかった。

 

「ん? あれは… 人力車なのか?」

「なんかパリピっぽい!」

 

 2つ車輪がついてて座るところがあって、ネオンっぽくカラフルで、なんだか車イスを思い出すような人力車だね。

 よく見たら後ろには自転車がくっついていて、タクシーの人?に漕いでもらうんだ。

 

「一緒に乗ってみた~い!」

「わかったよ」

 

 早速英語でやり取りをしていて、そして女子のエスコートが完璧なお兄ちゃんが私を先に乗せようと、手を差し出してくれるけど。

 

「おひざ!」

「なるほどな」

 

 お兄ちゃんに先に座ってもらって、その膝に乗った。

 がっしりと細マッチョな腕でお腹周りを支えてくれる。

 

「でゅへへ~」

 

 やばい、カメラ回ってるのにニヤケが止まらないよ。

 

 スタッフさんからは手持ちカメラを手渡されて、これで撮ってきてってことだね。

 

「レッツゴー!」

「おー」

 

 進み始めて意外と揺れるけど、しっかり支えてくれる。

 すごく温かくて、やっぱりドキドキした。

 

 

 

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