まぁ我慢強い勇者ならどんな苦難も乗り越えてアイドルを推せるだろう 作:ヒラメもち
次回更新は再び未定なのでご了承くださいませ。
1話 アイドルの仲間たちと
今年の夏には、私たち2代目B小町は1周年を迎えます。
学校の放課後に軽くレッスンして、いつも通りミヤコさんのリビングにみんなで集まってました。
新曲のMVもちゃんとバズってたし、いろいろと撮影にも出てるし、北海道までライブ行ったし、でも忙しくて海鮮丼すら我慢して東京まで戻ったのに。
「なんで全然ドームの話が出てこないの! ミヤえも~ん!」
そんな感じで聞いてみたら、めっちゃ呆れた目で見られた。今日のミヤコさん、お疲れモードじゃん。メイちゃんと遊んでる時のようなノリを見せてよ。
「あのねぇ、幕張メッセの1ブロックで7000人、ドームなんて4万や5万の規模よ?」
「ちなみに舞台に使ったステアラは、最大でも1300程度だったかしら」
「まだ1年未満なのに、1000人キャパのチケットが即完売したのはすごいっぽいけどぉ、ねぇ?」
ミヤえもん、カナちゃん、メムちゃんが冷静すぎる。
私もなんとなく規模は理解してるし、実際にママたちのドームライブの時なんて、それはもう大量のファンが押し寄せてくれてたし。
でもね。
「そういうのわかってるけどぉ! だって急ぐべきじゃん! 年齢で体力落ちるとか、アメリカ行っちゃうとか!」
「まだまだアイドルやらせてよぉ~!?」
「そんな簡単に留学するノリじゃないわよ」
私は、メムちゃんとカナちゃんと、一緒にドーム行きたいもん。大切な親友で、最高の仲間だもん。
「まあ私だって、憧れのB小町でアイドルになったからには、ドーム目指してるよぉ!」
「そうね。アイドルとして、さっさとビッグなスターになる予定でいてもらわないと」
メムちゃんも、カナちゃんも、結成の時の向上心を持ち続けてくれてる。ママたちが2回だったから、なら私たちは3回以上のドームライブを目指したいよね。全国ツアーとかもやってみたいし。
「ほんと、誰かさんのように、欲張りな子たちね」
だって星野瑠美衣は、ママの娘だし。そして伝説のアイドルに教えてもらってて、2代目B小町な3人だからね。
「現実的なことを言えば、どれだけ順調でも、あと3年かかるでしょうね」
ミヤコさんは綺麗で若々しい表情を見せた。
「あなたたちと気持ちはおんなじ。あの1番煌めく景色は、本当に7色のサイリウムで染め上がっていた。あれは何度だって見たくなる……作り上げたくなるわね」
ミヤコさんって、ママも支えてくれてたよね。人間国宝と言うべきママを、安心安全に私たちの家までいつも送り届けてくれて、さすがママのミヤコママだよ。
「さすが、えーと、生ける伝説のプロデューサー!」
「うんうん、私たちホント恵まれてますよぉ」
「いつも感謝しています。ミヤコさん」
「ま、まあ、1番がんばってるのは壱護のやつよ? 今は私がプロデューサーやってるとはいえ、だいぶマネージャーがいて、楽させてもらってるし」
ミヤコさん、珍しく照れてる。
メイちゃんの子育てもあるのに、ホント夜中まで送り迎えしてくれる時もあるんだよね。今度マネージャーもっと増やそうよって、壱護さんやルナに言っておこう。
そして私にできることは、夏にライブする時の冷房キンキンのVIP個室とかだよね。そのためにはもっとビッグにならなきゃだよね。
「よしっ、優しいミヤえもんをもっと楽させるために、新曲とMVをもっと撮ろうよ! ドームにも近づけて一石二鳥だよね!」
「えっ、この子、急に無茶ぶりを通そうとしてない?」
「いやぁ、ルビーちゃんのことだから、純粋な気持ちなんだろうなぁ」
そうそう、いい提案だと思うでしょ。
この前に新曲を披露して、MVショートもそろそろ投稿されるだろうから、次の準備を始めなと。
「でもねー、ミヤえもんは、四次元ポケットを持ってないのよ。だから、何でもお願いを叶えてあげられるわけじゃないの」
おぉ、メイちゃんにも最近ミヤえもん扱いされ始めてるらしいから、なんか言い方が慣れてるね。
こほん、とミヤコさんは咳払いした。
「企画を通すにもね、金と計画と会議と交渉と時間、とにかく金よ、黒字になるかどうか」
「うぅ、そうですよね…ピーマン体操にあやかって、失敗して、大赤字なんてぇ……」
かなちゃんが10秒で泣くところ久しぶりに見たし、そんなに気にしてたんだ。カラオケに残ってるのを見たら、猫ミームみたいな顔まではしてたけど。
「表題曲やMVを依頼するなら、プロでなければならない。B小町という、星野アイの後継者の、ネームバリューはそこまでのものなの」
「えーと、つまり格付けチェックってこと?」
「例えばヒムラさんって、ずっとアイさんの曲も作ってますものねぇ。デビューしたての私たちのまで作ってくれて、光栄なことですよぉ」
でもミヤえもんのことだから、こっそりB小町の新曲もまた頼んでくれてるはず。せめて半年に1回ペースでお願いしたいところだね。
「まあ、私たちは大手に並ぶためにも、ネットに強いアイドルとしての方針も取ってる。ルビーの欲望…希望は叶えられるかもしれないわね」
ほらほら、ミヤえもんには無茶ぶりしてこそだよ。事務所の若い子達からも、ミヤコママ扱いされてるだけはある。
「同じ駆け出し同士、知名度を上げたい若手同士、そういう人たちに頼んでみるのは良い試みでしょうね。ネット中心に流す感じになるけれど」
ミヤえもんは席を立って、部屋のホワイトボードの前に向かっていった。スケジュールとか書いてたり、予定を書きこんでたり、あと端っこに私とママでよく落書きしてるやつだ。
きゅきゅっとペンを動かして『新人作家発掘オーディション(仮)』『実力主義の選考』『公募による話題性』。
「おぉー、じゃあ私たち別々の曲? とかもいけそう?」
「えっ、ピーマン曲はイヤだ、ピーマン曲はイヤだ……」
「ピーマン体操を動画に出せたらなぁ。弟たちの運動会でも人気だったし、バズるのになぁ」
ミヤえもんは『ソロ曲』『ピーマン体操の踊ってみた?』ってホワイトボードに書いてくれた。
「いやいや、もうピーマンは卒業して、カリスマ天才役者アイドル有馬かなを、ですね!」
「あの子も喜ぶんじゃないかしら」
「そうそう」「だろうねぇ」
お兄ちゃんって、絶対に年下好きだもん。歌って踊ってみせたら喜びそう。
「……やってあげなくもない、わよ」
「うわ、それもショート用に撮りたかったよぉ。テンプレなツンデレ!」
ここに来て、ツンデレ属性まで手に入れるとは。それでこそ私のライバルだね。
「それなら私も、今こそ新しい属性を見せようかな。ふっふっふ」
例えば、お兄ちゃんと並んで、インテリ双子とかね。お揃いの黒縁眼鏡かけたらそう見えるでしょ。
「属性って? 金髪美少女とか?」
「重度のブラコンでしょ」
「アイの娘で、充分お釣りあると思うわよ」
「そういうのはママやパパの娘として、当然というか世界の真理なんですけど? 私とお兄ちゃんとルナだけの特別な権利なんですけど?」
はいはい、って3人揃って頷いてくれた。
それに新しい属性が欲しい理由は、お兄ちゃんにもある。
「だってお兄ちゃんも、イケイケ路線とか、かわいい路線とかさ!」
「それ昨日出たファッション誌! えっ、ちょっとだけ、貸してくれない?」
もちろんいいよ。布教活動のために持っていってたし。昼休みには、みなみちゃんやフリルちゃんたちとも見たし。
「なんか鞄の中から堂々出してきたわよ。芸能科とはいえ、時代ねぇ」
「ですねぇ。ファイルの中に隠して、休み時間とかコッソリ見ましたよねぇ」
「あらあら、表紙まで飾っちゃって、ふへ」
「おかわいいことでしょ、ふへ」
お兄ちゃんせんせが、若者のノリだるぅとか思いながら、これ着て演技して撮ってると思うと、ますます推せるよね。
「はいはい、2人とも、外でその顔は隠しなさいよー」
「えー、推し活なのにー」
「そうそう、推し活は世界を救うわ」
「カナちゃん、気持ちはわかるけど冷静になろう」
役者一筋で考えてそうだったお兄ちゃんが、今はマルチタレントしてるのもカナちゃんの影響だろうなぁ。
だから、いろいろなことでのライバルだけど、推し仲間としても最高な幼なじみなんだよね。
「あの子、前まであまり乗り気じゃなかったのに。今ではバラエティに出たり、モデルもしたり」
「今日は鏑木さんのネット番組で4本撮りですよね。別日に撮ったように演技しないとって頭を抱えてましたし」
「勉強系のクイズ番組とかでも無双してますよねぇ」
とにかくすごいお兄ちゃんってわけ。つまりここは妹の私も新たな属性を見せていくべきだと思うんだ。
「そういうわけで、ちゃんと学校で描いてきたよ。数学の時間が自習だったから!」
鞄からルーズリーフに色鉛筆で描いたやつを、みんなに見せた。なかなか上手く描けてるでしょ。
「数学しろ?」
「これじゃ美術だねぇ。上手いけどさ」
「アクアが同じ学校で、同じ芸能科に入ったのは正解ね」
それはおいておいて、黒のミニスカートな服をイメージして描いてみた。
せっかくかわいい制服を着て高校に行ってるし、そのデザインをパクり、オマージュしてる。胸元のリボンもピンクで大きくていい感じなんだよね。
「どう? 黒が大人っぽくて似合うでしょ!」
「んー、それはそうだけどぉ」
「でもあんた、赤とかピンクとか、そっち系でしょ?」
「……入ったらマズかったか?」
「いいわよ。お疲れ様、アクア」
ノックが聞こえたと思ったら、ミヤコさんがドアを開けてくれて、お兄ちゃんが帰ってきてた。
私たちも『おつかれ~』って声をかけると、ちょっと離れたところに荷物を置いてる。チラチラ様子を見てきててかわいいなぁお兄ちゃん。
「あらあら、なに想像したのよ、ほらほら言ってみなさいよ」
「勝手に想像してない。いや、想像したことにするな」
カナちゃんへの切れ味もないし、ソファにもたれかかってだいぶ疲れてるね。だから、そんなお兄ちゃんに妹の癒しをあげよう。
「じゃん! これ似合ってるよね、お兄ちゃん!」
ルーズリーフに描いた服を、身体の前に持って見せる。お兄ちゃんは満足そうに頷いてくれた。これならクールビューティー路線で、ファンのみんなをもっと魅せられそうだよね。
「いつもより大人びた雰囲気で似合ってる。ライブ衣装の話だったか」
せんせの頃のような表情してるし、私の新しい属性も推してくれると嬉しいな。
「それにしても、絵がそんな上手かったのね。描いてるとこあまり見てこなかったけど」
「そうね。私も子どもの頃から、走り回ってるイメージしかないわ」
カナちゃんもミヤコさんも、意外そうな顔してる。
それは健康な身体で、すごく動きやすくて嬉しかったからだね。ママとはダンスや歌の練習もしてたし。だから絵を描くくらいしかできなった頃とはもう違う。
「ずっと昔は、ママの似顔絵とか、ファンレターとか、一緒に描いてたよね!」
「あ、やばっ…涙が……」
お兄ちゃんは感動してくれたのかな。そんなしんみりさせる気はなかったんだけど。
「あんた、なんで号泣!?」
「えーと、母へファンレター? さすがサイリウムベビー?」
「昔から双子揃って早熟……超早熟だったのよねぇ」
ホント生まれ変わってよかった。せんせと再会できて、ママやパパの娘になれて、みんなと出会えて、憧れだったアイドルになれてる。
「いろいろな服を着てみたいよね。せっかくママとパパの遺伝子をこんなに受け継いでるんだよ。ほら、これも大人かわいいでしょ」
「自信家かわいい。色鉛筆でよく描けている」
ティッシュで涙拭いてから、お兄ちゃんせんせがまた褒めてくれた。ママの時もそうだったけど、ピンクや赤って、淡い色や濃い色で雰囲気を変えられるのもいいよね。
「……待て、よく見たら肩出しか? これでライブのステージに?」
だんだんと、お兄ちゃんのオジサンっぽいとこが出てきちゃった。そういうとこもかわいいんだけどさ。
どうだろ、ライブだと色気出しすぎちゃうのかな。
「んー、なら、これは番組に出る時とか?」
「そう、か、時代だな……」
「アクアはその歳で、何を達観しているのよ」
「いないわけでもなさそうだけどねぇ」
「そこそこ特別な番組とかでしょ」
ミヤコさんもメムちゃんもカナちゃんも、反応微妙なのかなぁ。かわいいのに。
「アナウンサーっぽくない? 街でインタビューとか」
「これで街を……そのスケジュールは…」
「この全肯定シスコンが、たまには妹の言動をビシッとしなさい」
「さすがのアイも、母親として止めるんじゃないかしら。私なら止めるわよ」
「いやぁ、アイさんなら、一緒に着ようと言うかもぉ」
ママは何でも着こなせちゃうからね。もう16歳の私だけど、もうちょっと大きくならないと、大人っぽいのは背伸びしすぎなのかな。
「むー、新しい属性を見せるのは簡単じゃないかぁ」
「どういう話の脈絡で、そんな思いつきを?」
「ルビーちゃんは、複数の属性がほしいんだってさ」
「イメチェンなのかしらね? あれよ、マンネリ化……そういうのをぉ…」
たぶんお兄ちゃんとの今後が不安になって、10秒以内に泣いちゃってるけど、カナちゃんってよく隠しきれてるよね。
「僕の推しなんだ、自分の魅力に自信を持とう。カナも、ルビーも」
「「はわぁ~」」
ナデナデしてくれた。
わたし、今の妹属性でガンバりゅ。
「インスタ行きの写真を撮らせてほしい! 美男子が美少女2人を
「……心配ないほどに、あなたも重症ね」
だいぶミヤコさんが安心した様子だけど。
どういうことだろ。
「えっと、そのうち時間を
「「「あ~」」」
壱護さんとミヤコさんが、真剣に授業してくれるやつだろうね。苺プロの人たちも守ってくれるけど、私たち自身も気をつけなきゃいけないことだから。
「売れ始めてて、ガードが緩いと思われて狙われる時期なのよねぇ。あなたたち4人とも」
「ミヤコさん、僕がわかってるから……いったぁ」
お兄ちゃんはまた1人で全部抱え込もうとしてたよね。
私とカナちゃんで、軽く脇腹をつついた。
「私は、あなたたちのことを信じてる。でも売れれば売れるほど、新しい関係者が増えていくものでしょう?」
「いわゆる身内のリーク…ですよね……」
ミヤコさんの話に、メムちゃんは視線を落とした。
私もそれなりに他のアイドルの秘密を知ってる。芸能界だと意識して『いい子』を見せてるからなんだろう。他の子のノロケとか愚痴とかを聞く。それで、想像していた以上に、彼氏がいるんだと思った。特定の異性と接していることを嘘で隠し通してる。
「表面上は仲良くしてても、どうなるかわからない、か……」
「そうね……アイも、それなりにいろいろあったわ」
あー、まだママがB小町でアイドルしてた頃に、私もレスバしたこともあったなぁ。
現場でのツーショットをアップされたのが、世間じゃ勝手にデキてる噂にされてさ。タグにスクープだとか、拡散希望だとか、勝手にそんな噂をつけて写真が広まってた。
「あまり敵を作らないこと、外だと常に気をつけること……ごめんなさいね。本格的な話はまた今度にしましょうか」
「ううん、大事なことだもん」
「私も気をつけるようにします」
「ライブ配信も気をつけなきゃですねぇ」
こうして最高の身内や仲間がいるように、芸能界にも光はあるけど。
芸能界って、売れれば売れるほど誰かの居場所を奪う場所とも思った。外から見ていると綺麗だけど、決して内側は綺麗なだけじゃない。だから意図してなくても敵は増える。シビアで残酷な場所だ。
「お兄ちゃんも、だよ」
「わかってる」
私たちが綺麗に真っすぐアイドルをしていくのは、きっと、ただの理想なんだろうけど。
でもそんな綺麗な夢を追いかけていたい気持ちは、ホントだから。
「お兄ちゃんも私たちを頼ってよね、ってことね!」
念押ししておかないとね。
「ああ……気をつけていても、起こることは起こる…けど…」
お兄ちゃんは拳を強く握った。
純粋に応援してくれるファンがすごく多くても、悲しいけど悪質なファンもいるんだよね。
せんせの頃から助けたがりで優しかったけど。
本格的に鍛え始めたのは、あのできごとからなんだよね。私もたまに夢で思い出すことはある。
結果的にママは怪我しなかった。
パパも生きてくれた。でもどんなに強くても、痛みを感じていたと思う。
「僕たちは、味方同士で守り通すよ、絶対に」
「……そうね、味方を増やすことも大事よね」
お兄ちゃんはカッコよかった。
ミヤコさんは優しく頷いてくれた。
「さっ、今日はこのままみんなで食べて帰りましょうか。多少高くても私が奢るわよ」
ミヤコさんはメイちゃんのこともあるのに、おうちまで送ってくれるんだろうなぁ。今日はカナちゃんやメムちゃんもいるし、甘えさせてもらおっか。
みんな遠慮しがちだから、私は素直に手を挙げる。
「ミヤえもん太っ腹! 私ファミレスっぽいのがいい!」
「ジャンルはそういう感じで、個室のあるところにしましょ」
「がんばって調べてもいいけどぉ。アクたんに聞くのが早そうかな?」
「ああ、この周辺で当日OKな店のデータはいくつか押さえてある」
頼れるお兄ちゃんだなぁ。
鍛えたり、調べたり、側にいてくれたり。本気で守るために行動してくれる。
私は、たぶん昔のように臆病なままだ。
家族や友達は誰も傷ついてほしくないと願ってるくらい。
「んー」
お兄ちゃんは大丈夫なのかな。
最近いろいろなバラエティにも出てる。
それに、お兄ちゃんはもっとビッグになって、海外に行くつもりだと思う。だってカナちゃんもお兄ちゃんも、英語の本をよく読んでたり、英会話の練習したり。
だから私もしっかりした大人になって、いつかは兄離れしなきゃなんだろうけど。そんな想像はまだまだできないや。
「お兄ちゃん……いつもありがと!」
「……ん、どういたしまして」
だって私としても、1人で抱え込んで無理しちゃうお兄ちゃんが心配だからね。
そうじゃん。舞台の時と違って、今日の撮影とかは知り合いがいないじゃん。
お兄ちゃんがよく出てる番組を考えれば、たぶん鏑木さん関連だよね。あの人はママの知り合いらしいけど、ちょっと怪しいオジサンなんだよねぇ。
「そだっ!」
私が共演者として参戦すればいいんだ。舞台だとカナちゃんやアカネちゃん、あと姫川さんまで、お兄ちゃんと共演してズルいと思ってたし。
これは一石二鳥ってやつだよ。
「どうした、ルビー?」
「えへへ な~いしょっ♪」