転生したら坂柳有栖だった件   作:烏兎 満

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掲示板で私の消してしまった作品探してる人がいて、書いてみることにしました。
覚えている人がいれば嬉しいです! もちろん、初めて読む人も大歓迎です!


プロローグ

 

 

 

 突然ですが、皆さんに質問です。

 

問い 人は平等であるか否か。

 

 …………どうですか? ちゃんと考えましたか?

 

 もちろん、私もみなさんと同様、その答えは否です。

 

 人は生まれた時点で既に他者との格差が生まれている。

 戦争が続いている紛争地帯で生まれたか、治安が良く福利厚生の行き届いた国で生まれたか。

 裕福で優しい家庭で育てられたか、貧乏で劣悪な環境で育てられたか。

 環境だけではなく、生まれた時点で障がいを患っている、ということもあります。

 

 挙げればキリがないほど、この世の中は理不尽に溢れている。

 

 平等よりも先に不平等の見つかるこの世界は、とても残酷です。

 

 答え 人は平等ではない。

 

 ふふ、分かりきった答えでしたね。

 人は平等ではない、当たり前です。

 

 ああ、自己紹介が遅れました。

 

 私の名前は坂柳有栖。

 しかし、()()()()()()()()()()()()()

 紛い物です。

 

 私にはいわゆる前世の記憶があります。

 私の前世はごくごく普通の家庭に生まれた女の子だったはずなんですが、気づけばこの世界に赤ん坊として生を授かっていました。

 もちろん、その当時は色々と戸惑いましたし何が何だかわかりませんでした。

 赤子になり、喋ることはできませんでしたが、両親の言葉だけは正常に聞き取れました。赤子の脳みそはまだ発達していないのに、思考できる上に言語を理解できるなんて、よくわかりませんよね。なんなら、そもそも前世の記憶というのもよくわかんないです。

 

 両親は私のことを有栖、と呼んでいました。

 可愛らしい名前だな、とどこか他人事のように今世の自分の名前を記憶していました。

 

 しかし、ある日、私の今世の父親と見られる男性の名前が坂柳成守ということが判明して私の頭の中に電流が走ったかのような衝撃を受けました。

 そう、私は、前世で愛読していた『ようこそ実力至上主義の教室へ』という作品内で登場する坂柳有栖だということが判明したのです。

 

 その当時は彼女の人生を奪ってしまった、だとか、これからどうしよう、だとか、赤子だからこそ無限にある時間を悩んで悩んで悩みぬきました。が、結局開き直って素直に生きることにしました。面倒なこと考えるの嫌いなんですよね。

 

 さて、開き直った私は無敵です。

 まず私は、ある程度成長してから原作の坂柳有栖との相違点について2つ気づきました。

 

 一つ目は、この世界の坂柳有栖は先天性疾患を患っていないということです。原作では歩くのですら杖が必要なのですが、この世界では杖を必要とせず、なんなら、軽い運動もできちゃいます。

 しかし、やはり体は弱かった。前世のように動き回れると思いましたが、少し走るだけで呼吸が乱れ、次の日には筋肉痛。これで喘息などの疾患は何一つないのですから、元から相当な運動音痴なのでしょう。

 前世はかなりスポーツマンだったので、すごく残念で悔しいです。

 

 二つ目は、私の頭についてです。

 原作では坂柳有栖は、運動はできない代わりに学力や知能はとても優れていて、原作キャラの中でもずば抜けているのですが、私という魂が入ったからなのか、少し原作よりも頭というか、IQが低い気がします。あ、元から私の頭がよろしくないって言わないでくださいね!

 まぁ、学んだことはスポンジのように吸収するので、そこまで心配しなくても、坂柳有栖の頭脳がいい感じに私をサポートしてくれるでしょう ( 適当 )

 

 一つ目はメリット、二つ目はデメリットでしたが、まぁ、なんとかなりますよね。

 

 ああ、言い忘れてましたが、もちろん私は原作に介入するつもりですよ。なぜって? それはもちろん、私はよう実が大好きだからです。原作キャラたちに会えるなんて心が躍るじゃないですか。私は原作に関わりたい派なんです。というか、坂柳有栖の中身が別物なんですから、関わらなくても原作通りに行くはずがありません。なら、何やってもいいですよね!( そんなことはない )

 

 しかし、原作に介入すると言っても多分弱体化した坂柳有栖()では、普通に退学してしまう可能性があります。そのため、私は原作知識と坂柳有栖スペックを用いて全力でクラス間闘争に参加しようと思います。

 

 ふふふ、考えるだけで様々な作戦が思いつきますね。流石は坂柳有栖()です。

 

 さて、私は今現在バスに揺られながら、外の風景を眺めています。

 そして、なんの因果か原作の始まりの場面、高円寺くんの席譲らない事件を傍観しています。確か、高円寺くんが席を譲らなくて櫛田さんが席を譲ってくれる人を探すという、そんな話だったような気がします。

 

 私は一番後ろの席に腰掛け、バス全体を見渡す。

 ………いました。綾小路清隆くんです。

 彼とは原作通り父親につれられてホワイトルームを視察しに行った時に出会いました。なんとかして彼と話したかったので私のわがままで一度だけチェスをさせてもらいました。

 もちろん、私が勝ちましたよ? 本当です。疑わないでください。

 

 あれ以来会っていませんが、今は出会いたくありません。絶対に。というか、なるべく視線を向けないでおきましょう。彼に気づかれてしまいます。

 

 そして、彼の隣にいるのは原作メインヒロインの一人である堀北鈴音さん。確か、原作の最初はとてもツンツンしているクールキャラだったはずです。もちろん、私は彼女のことも好きなのでお話ししてみたいですね。というか、これからたくさんの登場人物に出会えると思ったら興奮してきました。

 実感はありませんでしたが、ついに、始まるのですね。

 

 そんな感慨に耽っていると、事態はすでに進んでいるようで櫛田さんがバス内にいる人たちに呼びかける。

 

「すみません! どなたかお婆さんに席を譲ってくれる人はいないでしょうか?」

 

 櫛田桔梗さんの可愛らしい声がバス内に響き渡る。

 誰も名乗り出る人はいないようですね。仕方ありません、綾小路くんにはバレてしまいますが、席を譲りましょうか。というか、綾小路くん、ちゃんと私のこと覚えているのでしょうか? 8年前ですし、少し不安になってきました……。いや、忘れていてくれたほうがこちらとしては都合がいいんですけどね。

 

「私の席でよければ、どうぞ座ってください」

 

「本当ですか!? ありがとうございますっ!」

 

「どういたしまして」

 

 私は自分の座っていた席から立ち上がり、お婆さんに席を譲ってあげます。

 ふふ、これで櫛田さんと会話できるきっかけができましたね。

 

 しかし、私から話しかけるまでもなく、彼女から私に話を振ってきました。流石、作中随一のコミュ化けですね。

 

「さっきはお婆さんに席を譲ってくれてありがとうねっ!」

 

「お気になさらないでください。当然のことをしたまでです」

 

「私は櫛田桔梗って言います! 制服一緒だし同じ学校だよね?」

 

「はい、どうぞこれからよろしくお願いします」

 

「私同じ中学で一緒に進学する友達いなかったから、心細かったの。えーと、名前は………」

 

「申し遅れました、坂柳有栖といいます。私もあなたのような可愛らしい同級生と最初に知り合えて嬉しい限りです」

 

「そ、そんな、可愛いなんて……!」

 

 櫛田さんは頬を赤く染めて少し照れています。実に可愛らしいです。

 

 それから、学校に到着するまでは櫛田さんと話して交友関係を深めました。彼女はDクラスを崩すファクターとして重要なキーパーソンです。できるだけ、仲良くしておきましょうか。

 

 

 ようやくバスは終点である高度育成高等学校の前で停車して、私は櫛田さんと共にバスから降りる。

 

 目の前には天然石を連結加工した作りの門が聳え立っている。

 

 ついにこの時が来ましたね。

 高度育成高等学校。日本政府の作り上げた政府主導の教育機関。

 

 一度深呼吸してから、私は多大なる期待を胸にその巨大な門をくぐった。

 

 

 

 

 

 

 





更新はリアルが忙しいので少し遅くなるかもです。
感想と評価お待ちしております!
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