SEED世界に転生したがオーブ語しか分からない   作:黒巛清流

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今回もどうするかちょっと悩みました。
もうなんか好きにすることにしました。


第十二話 降下と別れ

【総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!】

 

戦いが始まるな…パイロットスーツを着ながら準備を行う。全く合流したというのに…!

そう思っているとドアが開く、そこを見るとキラがいた。

 

「キラッ!? なんでここに…!?」

「艦に残ることにしたんです。サイ達も…」

「キラ…」

 

そう言ったキラは俺の目をまっすぐに見る。

覚悟を決めた男の目だ。

 

「僕は進みます」

「はぁ…さっさと準備を済ませるぞ! 作戦内容は今から説明する!」

「はい!」

 

マリューさん達から伝えられた。元々は戦闘になってもアガメムノン級の傍に着き、待機の予定だった。

だがモントゴメリのコープマン大佐の進言により、戦闘開始時にはアークエンジェルも参加。即座に地球降下作戦を行い。第八艦隊はそれの援護を行うとのこと。

俺達は待機の予定だが恐らく降下中のアークエンジェルの護衛となる、間違いなく一番きつい展開だ。

 


 

 

【メネラオスより各艦コントロール。ハルバートンだ! 本艦隊はこれより、大気圏突入限界点までのアークエンジェル援護防衛戦を開始する。密集陣形にて、迎撃体勢。アークエンジェルは陣形の中心へ。厳しい戦闘であるとは思うが、彼の艦は明日の戦局の為に決して失ってはならぬ艦である。第8艦隊の意地に懸けて、送り狼は1機も通すなよ!】

 

ハルバートン提督が号令を行い降下作戦が開始される

 


 

 

「足付きの行動が早い…? ハルバートンめ、第八艦隊を盾にしても足つきを下ろすつもりだな…! 急げ! 降下する前になんとしても仕留めるんだ!」

 

クルーゼの声にアデスは了解の声を上げ、発進したばかりのG達に命令を飛ばす。

 


 

第八艦隊とザフトの戦闘の様子を見ながら俺、キラ、ムウさん、リドリックさんの四人はコクピット内で待機していた。

いくら数の利があるとはいえやはりMSとの相手は辛いらしくG兵器により次々と撃破されてゆく。

 

【デュエル、バスター、先陣隊列を突破! メネラオスが応戦中】

 

第八艦隊の防衛に穴があきデュエルとバスターがこちらに来るのが見えた。

このままでは降下時に邪魔だ、キラも同じことを思ったのか声を上げる。

 

『フラガ大尉!』

『ああ、分かってる! 艦長! 降下ギリギリまで俺達を出せ! 何分ある?』

『カタログスペックでは、ストライクは単体でも降下可能です!』

『降下中にバカな…キラくん!? どうして貴方…そこに…』

 

まずいな…マリューさんが何か混乱している。

言葉が伝わらなくてもいい…! 俺は息を大きく吸い込む。

 

「艦長急げっ!! アークエンジェルが墜ちたら全てが無駄になる!!!」

『-ッ!』

 

俺の叫びにブリッジに一瞬の衝撃が走る。

 

『分かった! ただしフェイズスリーまでに戻れ! スペック上は単体降下可能でもやった人間は居ないんだ! 中がどうなるかは知らないぞ! 高度とタイムは常に注意しろ!』

『『了解!』』

 

大きく息を吐く、後ろではキラが先ほどのバジルールさんの言葉を翻訳してくれた。

 

「と言う感じです、ストライクもビラヴィードもスペック上では可能ですが」

「理論だけってことだな。了解!」

『こんな状況で出るなんて、俺だって初めてだぜ…!』

『普通ならあり得ませんよ...前代未聞と言ってもいいでしょうね…!』

 

単体で大気圏突破可能ね…そういえば映画でもやってたな…もし降りる場合は盾を下にして…だったか。

ギリギリまでの時間がちゃんと数字で出るのはいいことだ。

 

『キラ・ヤマト、行きます!』

「グエル・ジェターク、出撃する!!」

 

 

アークエンジェルより。X-105ストライク、X-106ビラヴィード、メビウスゼロ、メビウス発進。

この情報は敵味方問わず各艦に衝撃を与えた。

 

 

いつもより操縦桿が重い。重力に引かれているらしく、キラと共に上空へと上がる。

ストライクの発進に気づいたブリッツがこちらに…装備前と違う? 換装したのか…!

 

【降下シークエンス、フェイズツーに移行!】

 

その言葉と同時にモニターでカウントダウンが始まる。制限時間はこれだけか…!

俺はムウさんとリドリックさんにアークエンジェルの護衛を任せバスターと対峙していた。

時折ムウさんのガンバレルからの攻撃がバスターへと迫る。

 

『MSと対等に渡り合う事が出来る数少ない兵器の1つと言われることはありますね…!』

『ならお前もゼロに乗ってみるかい…!』

『私にはまだ扱えなさそうだ…!』

 

射撃武器に乏しい俺とバスターははっきり言って相性が悪いが二人の援護により何とか均衡を保てている。だがあまり長くは持たなそうだ…!

タイマーも4分を切った…。機体も重い…!

 


 

 

メネラオスは限界を迎えつつあった。装甲外温度は既定値をとっくに上回っておりこの重力から抜け出せなくなる最終ラインへと近づいて行っている。

他の艦が撃沈していく中、ハルバートンはアークエンジェルを守るために盾となり仲間と共に沈むつもりであった。すでにアークエンジェルに向かって脱出シャトルを送ってある。

 

「アークエンジェルから通信!!」

 

そんな時だ。アークエンジェルから通信が届く。

大気圏ギリギリの影響か酷いノイズが走る中で、マリューの声がブリッジに響く。

 

【閣下、ここまでありがとうございます。我々はここまでで十分です】

「だが、まだ…」

【閣下、あなたはここで失っていい人ではありません。どうか生きて…】

 

通信のノイズがひどくなる、最後まで聞こえなかったが。

生きて、使命を果たせ。

そう…聞こえた気がした。

 

「…分かった。必ず降りろ、落とされたら軍法会議ものだぞ」

【はっ!】

 

そう言って、通信が切れる。ハルバートンはすでに切れた通信に敬礼を送った。

必ずまた会おう、心の中でそう呟いて。

 

「メネラオス、機関最大! 現宙域から離脱するぞ!」

 


 

 

『すまない! 先に離脱する!』

『俺もすぐに行く! 坊主達も早くしろ!』

 

機体が僅かに赤く染まった頃。二機のメビウスが離脱し、アークエンジェルへと戻る。

タイマーも二分を切った。アークエンジェルも融除剤ジェルを展開しアークエンジェルから戻れという合図が来た。バスターも戻ろうとし始めたのでロックが外れた。俺は急いでキラの元へ向かう。

ストライクとデュエルはいまだに戦っていた、もう大気圏だぞ…!

ストライクがデュエルにタックルと蹴りを浴びせ距離を取った。俺はその間にキラの元へ合流する。

 

「キラッ、無事か」

「グエルさんっ」

「もう限界だ。早くアークエンジェルへ…」

 

その時、デュエルがこちらにビームライフルを向けた。

俺が盾を展開し防ごうとしたその瞬間、4機の間をシャトルが通る。

 

『メネラオスのシャトル!?』

 

そうだ、先ほどメテオラスから出された避難民シャトル…目の前にはイザークの乗ったデュエル…! これは…!

その後、ストライクに向かって何発か撃つがロックが外れていたのかビームは見当違いの方向へと飛ぶ。

デュエルが動く、避難民シャトルに向かって銃口を突き付けられるその姿はやけにゆっくりに見えた。

 

『あぁ!! 止めろぉぉ!!それにはぁぁ!!』

 

逃げたら一つ、進めば二つ。

ここで俺は何もしなければ自分の命を守ることが出来る。

シャトルを守れば、避難民と…何を守れる?

いや…こう思考していることすら無意味だ、何故なら自分の体はすでに動いている。

プログラミングの時のように勝手に動いているわけではない、自らの意志で逃げ出すよりも進むことを選んだ。

 

「そうだよな…スレッタ」

『…え?』

 

俺の中で何かが弾けた(・・・・・・・・・・)

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

 

俺はそばにいたともに動き出そうとしたストライクすら置いてけぼりにする機動を行い、デュエルと避難民シャトルとの間に機体を差し込んだ。

 

一瞬の静寂。

 

デュエルが放ったビームは俺の盾をすり抜け。

 

的確にビラヴィードのスラスターへ直撃した。

 

「がぁっ…!?」

 

衝撃とエラー音、まともに感じたこともない衝撃と共にそういえば大きく損傷するのは初めてだなと場違いにも思った。

シャトルは…無事だ…よかった。融除剤ジェルも展開しているから問題なく地球へ降りれるだろう…。

 

「…エルさんっ! グエ…さんっ! 応答してください!! 」

「…キラ」

 

ノイズまみれの怒声にも似たキラの声に俺は返事を返す。

俺の返答に少しほっとしたような声を返すと機体をわずかに傾ける。

 

「はやく最大出力でアークエンジェルに…!」

「無理だ」

「…え?」

「さっきの攻撃でスラスターに異常が出たらしい、戻るのは不可能だ」

「そんな…!」

 

出力系統がやられたのか起動しようとしてもスラスターはうんともすんとも言わない。重力に引っ張られている今では堕ちるばかり。

アンカーを飛ばそうにもアークエンジェルは遠くストライクに飛ばせばキラも巻き込む。

 

つまり…打つ手がない。

 

「そんな…! グエルさん!? 嫌だ…!』

 

途中で共通語に戻るぐらいキラは混乱しているらしい。そんな中でも俺の頭はやけに冷静だった。

 

「キラ…。お前の仲間は弱くない。フラガ大尉も…マリュー艦長も…みんな…お前が思っているより強い…」

 

映画で言っていた「君たちが弱いから!」、そんなことはない、みんなは強い。

戦争はキラがいたことで確かに結末は変わったのだろう、だがキラだけで変わったわけではない。

進むことを決めたキラの前では弱いところは見せられないと理想の兄貴でいようと、そう心に決めたんだ。

初めてMSで戦った時には少し泣いていた。初めて人を殺した時には降りた後トイレで吐いた。今でもMSから降りると吐きそうになりトイレに駆け込んでいた。

キラは俺を慕ってくれていたが俺は…強くなんてない。元より…俺がいなくても進んでいた物語だ…。

だからいなくなってもいいと思えた。

だからさっきも体がとっさに動いて、ビラヴィードを避難シャトルの前に出せた。

 

「だからこそ…覚えておけ。誰にでも必ず別れは来る。いつか突然に……だから、俺で慣れておけ」

「グエルさん! まだ…何も返せてないのに…!」

「…最後に一つ、俺を…戦う理由にはするなよ」

 

その言葉を最後に通信がすべてノイズとなりキラの声が聞こえなくなる。

終わりだ、短い間だったけど。守れたものは原作よりも多くなった。蝶の羽ばたきでも世界は変わる。

後は頼んだ…キラ。

 

俺は一応盾を下に向け、ストライクもアークエンジェルも見えなくなりながらも降下体勢に入る。

後は運しだいだ。

賭けるものは自分の命。頼るのは…ビラヴィードと自分の悪運。

大気との圧縮熱で真っ赤に燃える機体の外を眺めながら、俺の意識はスッと落ちた。

 


 

 

赤に包まれきえてゆくビラヴィードを見ながらキラは叫ぶ。

 

「グエルさん…グエルさぁぁああん!!!」

 

いつも戦いが終われば声をかけてくれた自分の兄貴分はそこにはいない。この宇宙には自分しか居ないと思えるほど、そこには誰もいない。キラのストライクがアークエンジェルへ流されていく。

 

「うあ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」

 

ヘルメットの中を涙で濡らしながら、ストライクはアークエンジェルに回収された。

 


 

 

う…あ…。

意識がうすぼんやりと覚醒する…俺は…生きてるのか…?

 

頭は起きたが体は寝ているようでまだ上手く動かすことが出来ない…ここは…?

 

『…おや、お目覚めになられましたか』

 

男性の声が聞こえる。上手く動かない体を少しづつ動かし体を起こすと金髪で白いスーツを着た男性がいた。…なんか見たことあるような気がする。

 

『実は僕、あなたのファンなんですよ。ジョージ・アルスター氏から話を聞いてから年甲斐もなくはしゃいじゃって…』

 

それにしても何かを話しているが全く分からん、悪感情は感じないが…

 

『おっと言葉は通じていませんが挨拶は大事です』

 

男は居住まいを正しながら俺に話しかける。

 

『僕の名前はムルタ・アズラエルです。どうぞよろしく』




はい、と言うわけでアズラエルルートに行ってみようと思います。
本当はケバブとかカガリとかバルトフェルドさんとの問答とかに入れたかったんですけどね。

というわけでアズラエルが出てくるところまでアニメを見ることにしますので投稿がめちゃくちゃ遅れます。
また出会えましたらその時は感想でもください
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