SEED世界に転生したがオーブ語しか分からない   作:黒巛清流

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続いた


第二話 二つと一つ

「キラ」

 

オーブの言葉で僕に声がかけられる。

共通語で会話することが多い中オーブ語で話すのは彼ぐらいだ。

 

「グエルさん」

「グエルでいいんだが...まぁいい、少し良いか?」

 

彼は190cmほどあるようで話そうとすると僕が見上げる形になる。これで歳があまり変わらないのか...。

トール達と別れ、近くの椅子に座るとグエルさんは神妙な面持ちで話し方。

 

「呼んだ理由は身の振り方についてだ」

「身の振り方...?」

「あぁ、ほぼ確定と言ってもいいが。また戦闘が起こる」

「ーッ!」

 

戦闘、先ほどジンと戦ったがまたあのようなことが...。

起こらない、とは言えない。先ほど彼が連れていたラスティという捕虜を取り返しに来るかもしれないし。

 

「その時、俺達はまた戦うことを要請される」

「ーッ! なんでっ!」

「あれに乗れるのが俺らだけだからだ」

「そんな…! 僕が戦いが嫌で…!」

 

僕は項垂れてしまう戦いが嫌でヘリオポリスに来たのに…。

するとグエルさんはゆっくりと腕を組む。

 

「『逃げたら一つ、進めば二つ』」

「え・・?」

「昔…恩人が言ってくれた言葉だ」

 

グエルさんは少し恥ずかしそうに髪をかく。

 

「逃げれば自分の安全など、一つを得ることが出来るが。進めば敵を倒せる、みんなを守れるとか。まぁ、そんな風に得るものが増える『逃げずに進む意思の大切さ』を説いた言葉だ」

「進めば二つ…」

「だが、これはむやみやたらに進めという言葉ではない。『進むことで失う』ことを忘れるな」

「失う…?」

「…過去、進むことで失い続ける男がいた」

 

そういうグエルさんは何かを思い出すように遠い目をしていた。

その男って…もしかして…。

 

「まぁそのことはいい、ここまで色々言ったが…」

 

グエルさんは僕を見た。

 

「キラ、君は逃げてもいい」

「え…?」

 

いままでの話を聞けば「君も一緒に進んで戦おう」みたいなことを言われると思っていた。

だがグエルさんはまるで弟を見るような顔で僕の頭に手を置いた。

 

「俺は戦う。多分、そのために俺はここにいるんだ。だがキラ、お前は巻き込まれただけ…戦う必要はない」

「でも…」

「少しきつい言葉になるが…『引き金の重さを知らないやつが戦場に出るべきではない』俺はそう思っている」

 

その言葉にキラは奥歯を嚙み締めた。確かに僕は戦うのは嫌だ、そしてグエルさんは『人を殺すことの重さ』を説いている。そう思って顔を上げようとしたらグエルさんの手が震えていることに気づいた。

え…?

その視線に気づいたのかグエルさんは自らの右手を見つめる。

 

「…知ったような口を利いたが…俺も『引き金の重さを知らない人間だ』」

「…だったら」

「だが、俺は進んだ後のことを識っている」

 

グエルさんは右手を強く握りしめた。

 

「それに…俺はもう…逃げない」

 

 

 

グエルRPってこんな感じでいいのかな。

俺はそういって会話を終わらせると同時にマリューさんが神妙な面持ちでやってきた。

キラと俺を視界に収めると辛そうな顔になる。おそらく敵がやってきたんだろう。

俺は腕組みと解くとマリューさんを見る。マリューさんは俺を見ると申し訳なさそうに頷いた。やはりそうらしい。

するとキラが一歩前に踏み出して自らの胸に手を当てた。

 

『僕も…! 僕も戦います!』

『…!? キラくん…!』

『戦うのは嫌だ…! でも…!』

『…いいのね?』

『キラッ!』

『大丈夫だよトール…、必ず戻って来る』

 

何を話しているのか分からないがキラが自分から何かを言っている…まさかっ!

 

「キラっ、お前…」

「…グエルさん、僕も…僕も進みます…!」

「……無茶はするなよ」

「はい」

 

その後、それぞれの機体に乗り。ストライクには剣みたいなものが装備された。

俺の機体にもビームジャベリンとビームライフル、左手に盾が追加された。

一応これでマシに戦える…。

 

「キラ、俺は前線に出る。お前は後方でアークエンジェルを」

「はいっ」

 

出撃した俺はビームジャベリンを抜き、ジンと対峙した。ジンはビームランチャーを放ち俺はそれを避けるがその攻撃はコロニーの一部を破壊する。

さらに避けるが次は住宅街を破壊した。

 

「まずい…! 周りに被害が…!」

 

さらに放たれたランチャーを俺は盾で防いだ。爆発が俺の姿を隠す。

 

『やったかっ!』

 

俺は爆煙を隠れ蓑にしながら前進し。ジャベリンで腕を切りつけようとしたが外れ、ジンの左足をもぎ取る。

チッ、あの程度なら意味がないか…!

 

『回り込め! アスラン!』

 

すると遠くで様子をうかがっていた俺とは違う赤い機体…確かイージス!…が俺の背後に迫っていた。まずっ…!

 

「ハァァァァァッ!」

「-ッ! キラっ!」

 

キラがイージスと対峙してくれたおかげで不意打ちは防いだが一瞬隙を晒してしまった。

 

『貰ったぁっ!』

「ぐぅっ!」

 

俺はブーストを一瞬だけ噴かし紙一重で避ける。そして左腕でビームライフルを持ちジンのランチャーを撃ち抜いた。

 

『何っ!?』

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

俺は一気にブーストして急接近しV字に切り裂くことで相手の両腕と残った足を切り裂いてダルマにした。

 

『うわああああああああああああっ!』

『ミゲルーッ!?』

 

制御を失い落下していくジン、そのジンをアークエンジェルへ攻撃していたジンの一機が確保し去っていった。俺は追撃をしようとライフルを向けたがアークエンジェルからアラートが鳴る。

視界を向けるとアークエンジェルが残りのジンに攻撃を受けていたため俺はそちらに飛んだ。

 

「キラっ! アークエンジェルが! コロニーにも被害が出ている!」

『アスラン! どこにいるんだアスラン!』

 

くっ、キラはイージスと戦闘中。すると向かっている先のジンがミサイルをアークエンジェルに放とうとしていた。

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

俺はビームジャベリンをそのジンに突き刺した。二つに分かれ爆発する機体。

…殺した…俺が、この手で…!

その瞬間、爆発したジンからミサイルが発射されてしまった。

 

「しまった!」

 

俺はビームライフルで撃ち落とそうとするが当たらずそのミサイルがコロニーへと激突してしまった。

大きな爆発音とともに倒壊するコロニー、ヘリオポリスが崩れ宇宙空間へストライクと共に別方向へと吸い出された。

 

「キラーッ!」

『アスランッ! こっちだ!!!』

 

吸い出され意識が薄れる最中イージスがダルマ状態のジンともう一機のジンに連れられて行く姿を見た。

 

 

 

 

 

「…ード! X-106 ビラヴィード! グエル・ジェターク聞こえてるか!?」

「…はっ!」

 

意識を戻すと俺は通信のボタンを押す、どうやら相手はノイマンさんのようだ。

 

「こちらX-106ビラヴィード、無事です。機体損傷も軽微」

「…よし、こっちに戻って来い。場所は?」

「大丈夫です、了解」

 

ノイマンさんは俺が通信に出ると安心したように息を吐き、帰還を促した。キラは大丈夫だろうか…?

格納庫に戻り、機体から降りると気が抜けたのかゆっくりと壁にもたれかかる。

すると何か騒々しい。話を聞きたいが言葉が分かるのはまだ帰還していないキラと操舵手のノイマンさんだけだ。ビラヴィードから降りてしまったから通信も出来ない。なんだなんだ…?

でも疲れちゃったから休みたい。トイレとかに行って少し休んだ後待合室に向かうとキラが赤髪の女の子を連れて学友達と合流していた。その少女はサイに抱き着く、恋人とかだろうか。

 

「キラ」

「グエルさん」

「彼女は? それとさっき少し騒々しかったが何があったんだ?」

「実は…」

 

どうやらキラが帰還する途中に避難艦を拾ってきたらしく彼女はそれに乗っていたフレイ・アルスターって言うサイの婚約者らしい。彼女は俺に気が付くと近寄ってくれた。

 

『あなたもキラのお友達なの? 私はフレイ・アルスターって言って…』

『あ、待ってフレイ。グエルさんはオーブ語しか分からないんだ』

 

俺が話しかけられて首をひねるとキラが入ってくれた。通訳してくれると助かる。

話すとフレイは「へんなのー」と言いたげだ、だいぶ歯に衣着せぬって感じの子だな。

まぁ俺は気にしないが何か不和招きそうで怖いなぁ。

 

 

 

『グエル』

「ムウさん」

 

その後、学友に混ざると話しにくいだろうと離れてこっちの言語も学ぶべきかなぁと思っているとムウさんが話しかけてきた。ムウさんはジェスチャーをする、どうやらこっちに来てほしいらしい。さっきキラ達が向かった方だな。ついていくとキラと出会い何か話している。

どういうことかキラに視線を向けるとキラが通訳してくれた。

 

「…どうやら人手が足りないので機体の整備は自分でしろとのことです」

「なるほどな」

 

俺はムウさんに了承のサインを送る。だがキラはまだ悩んでいるようだった。

成り行きで乗ったし進むとは言ってもまだ悩むことは分かる。俺はキラの肩を叩いた。

 

「整備だけでもしておこうぜ。乗るか乗らないかは…短いが考える暇はある」

「僕は…」

「俺がいる。好きなだけ悩め、誰かに言われただけじゃなく。自分の意志で」

 

俺はそう言って機体へと向かう。しばらくしたらキラもやってきた。

ただどうもキラの様子がおかしい気がする。なんというか覇気というか戦うのが嫌なだけではないような…

 

「キラ」

「…? どうしたんですか、グエルさん」

「何か戦闘中にあったのか?」

「え…」

「あのイージスだったか? あれから急に変わったよな」

「…」

「話したくないんだったらそれでも構わないが…」

 

キラは少し悩んだ後、口を開いた。

 

「イージスには…友達が乗っているんです」

「-ッ! キラ…それは…」

 

やはりアスランか…え、アスラン…? あの最強のアスラン…?

俺即座に撃墜されない??? 映画みたいに増援鳴りながら近づいて来られたら死ぬが???

 

「そうか…辛いな…」

「僕は…どうすれば…」

「…相手も気づいているのか」

「…はい」

「…キラ、お前はどうしたい?」

「分かりません」

 

だよなぁ…かと言って俺が戦うわけにはいかないし…。

悪いがこれに関しては俺がどうこう言うわけにはいかないし。

 

「恐らくだが、そのお友達は君に投降を促すか鹵獲をしてこようとするだろう」

『アスラン…』

「だが、周りはそんなことは気にしない。撃墜するべき敵として見てくる…それに、明確に敵として君の前に立つ可能性もある。その時、君はその友達を撃てるか…?」

「…僕は…!」

「俺も出来る限りは努力するが…最悪、覚悟はしておいてくれ」

「…」

 

キラは答えなかった。

 

 




思ったより筆が乗るね。
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