SEED世界に転生したがオーブ語しか分からない   作:黒巛清流

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とある小説の影響をゴリゴリに受けてます。
SEEDを知る前に見た作品でした。

ちなみに出さないと言ったけど他の名前が思いつかなかったので水星のキャラがちらっといます。

あ、あと今回からグエルがいるところでのみ共通語は『』で表記します。


毎日投稿できなかった。


第八話 支援と返還

「急げ急げ―!」

「急いでくれよー。これで終わったって訳じゃないからなぁ」

 

アークエンジェルとモントゴメリの間ではひっきりなしに物資の輸送が行われていた。元々補給が全く間に合ってない状態だったためモントゴメリには補給のための物資が積み込まれていたのだ。

ただ先の戦いでモビルアーマーなどは一機を残して全て撃破されており戦力補充に充てられるものはなかった。

 

そんな中一人のパイロットスーツを着た男性がムウの傍に立つ。

ムウがそちらに気づきその方を向くとその男性は敬礼をした。

 

「地球連合軍第8機動艦隊所属のリドリック・クルーヘル中尉です。ムウ・ラ・フラガ大尉、生きてお会いできるとは光栄です」

「第7機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉、よろしく…君が最後の一人か」

「…はい」

『助けてくださいッ! グエルさんが!!』

 

その言葉にリドリックの顔が少し暗くなったが表情を戻し言葉を続けようとする。すると通信と共にMSが二機ドックに入ってきた。モントゴメリ所属の者は警戒するがそれが先ほど助けてくれた二機だと分かると肩を下ろす。

だが様子が変だ、ビラヴィードはストライクに担がれるようにしておりビラヴィードは意識がないのか力なく手が垂れ下がっている。

 

「どうかしたのかっ! グエルっ!?」

「意識を失ってるみたいです!」

 

コクピットから出てきた二人の姿にモントゴメリ所属の者は口々に声を上げる。

 

「…まだ子供じゃないか」

「あんな子がモビルスーツを…」

「担架ー!」

 

医療班の者がグエルを担架に乗せ、医療室に運ぶ。

するとキラはほっとしたのかその場に腰を下ろした。

ムウがそのキラに近づき、近くの者から受け取った飲料水の入ったパックをキラに投げ渡す。

 

「お疲れさん、戦場であんな機動をしたんだ。だいぶ無理したんだろう」

「グエルさん…大丈夫かな…」

「見た所全身圧迫症だがそこまで重症化している様子はないししばらく休めば治るだろ」

「よかった…」

 

そうほっとしたキラにリドリックが近づく、キラは慌てて立ち上がった。

 

「地球連合軍第8機動艦隊所属のリドリック・クルーヘル中尉だ、君があのモビルスーツの…」

「え、えっとアークエンジェル所属、MSパイロットのキラ・ヤマト少尉です! 」

 

キラは自らの所属と階級を名乗った。地球軍所属となっているのでMSのパイロットであるキラとグエルは少尉と言うことになっている。少し固いが敬礼もした。

リドリックは見た青年の幼さに驚愕した。まだ学生をやっていてもおかしくないであろう年齢でMSに乗り敵MSと戦いを繰り広げていたのだ。恐らくあのグエルという少年も同じぐらいの年だろう。リドリックは戦慄した。

 

「君は…」

 

そう言葉を続けようとした時、ダガダガと複数の足音が響く。

そちらに視線を向けるとスーツを着た男性と護衛の者と思われる兵がいた。

ジョージ・アルスター、フレイの父親その人である。

リドリックは礼をすると下がり、反対にムウはキラを守るように一歩前に出た。

ジョージ・アルスター、穏健派とはいえブルーコスモスだ。

ブルーコスモス。

反プラント、反コーディネイター思想主義者やその団体のことをさし、「青き清浄なる世界のために」とスローガンを掲げる環境圧力保護団体だ。

もしキラがコーディネーターだと知られているのなら保護と言う名の監禁、下手をすればこの場で襲撃されてもおかしくない。ムウに緊張が走る。

 

「どうしたのですかジョージ・アルスター外務次官殿」

「いや、助けてもらったのだ。MSのパイロットに礼を言いたくてね」

 

ジョージ・アルスターの視線はキラに固定されている。

張りつめていたような空気が流れていたがジョージ・アルスターはふっと息を吐く。

 

「君がコーディネーターと言うことは知っている。私は確かにブルーコスモスだ。だが、私は自らの命の恩人に何かしたりはしないよ」

「…」

 

思わず固まってしまう。ブルーコスモスと言えば…と言われるほどの団体だ、何かひと悶着はあると思っていたが。すんなりあっさりと解決はした。ジョージ・アルスターはキラに握手を求める。

 

「君のお陰で私は救われた。ありがとう、キラ・ヤマト君」

「え…あ…は、はいっ!」

 

 

 

 

「よかった…」

 

キラは自らの拳を握る。

自分が出来たのはアスランを足止めするだけ、ほとんどのことはグエルさんがやってくれた。僕にできたことは少ない。だからこそ嬉しいけど少し悔しい気持ちになる。

 

グエルさんのお見舞いに行きたかったけどまだ会えないらしく。展望台のような場所で外を見ていた。

すると後ろから声がかけられる。

 

「どうなさいましたの?」

 

振り向くとそこにはラクスがいた。キラは驚いてガラスに頭をぶつける。

 

「…いてっ! …あ、何やってんですか? こんなところで」

「お散歩をしてましたら、こちらから大きなお声が聞こえたものですから」

「駄目ですよ…勝手に出歩いちゃ…今は…」

 

ふとジョージ・アルスターのことが頭によぎる、穏健派で優しくしてくれたとはいえ彼女はクラインの娘という重要人物だ。例え穏健派だとしても伝えるのは危険である。

 

「…とにかく戻りましょう」

 

そういうとラクスはちらりと外をみて言葉を漏らす。

 

「戦いは終わりましたのね」

「えっ…えぇ、なんとか終わりました」

「ですが、何か悲しそうなお顔をしてらっしゃるわ」

 

ラクスの言葉に図星を突かれたかのようにキラは驚いて目を見開き、ラクスを見た。まるで心のうちを見透かしているような…ラクスもその言葉の後、悲しそうに目を細めている。

キラはあふれる言葉を止められないようにラクスにぶつけた。

 

「…僕は…僕は、本当は戦いたくなんてないんです。確かに、グエルさんの言葉を聞いて僕も戦おうって。前に進もうって…そう思っていたはずなのに。僕だって…コーディネイターなんだし…でも戦っている…イージスのパイロットは…アスランは…とても仲の良かった友達なんだ…」

「アスラン…?」

「アスラン・ザラ。僕の小さい頃からの友達で…あの赤いMS、イージスのパイロットなんだ」

 

そういうとラクスはまぁっと手を口元に当てる。

 

「アスラン、彼も貴方もいい人ですもの。それは悲しいことですわね」

「…アスランを…知ってるんですか?」

「アスラン・ザラは、私がいずれ結婚する方ですわ」

 

それを聞いたキラは「婚約者!?」と素っ頓狂な声を上げた。

その後誕生日にハロをくれたことやそれからずっとハロをくれること。そのことを話すときはなんか妙な寒気を感じた。キラもトリィをアスランが作ってくれたことを教えたりしてキラはラクスを部屋に送った。

 

 

 

 

 

「ラクス・クラインをザフトに返す!?」

「バジルール少尉! 声が大きい…!」

 

現在通信で参加しているコープマン大佐を加えた、アークエンジェルのメンバー。マリュー、ナタル、ムウの4人は緊急会議を開いていた。議題はアークエンジェルに乗っているラクス・クラインの件だ。

ジョージ・アルスターは席を外させている。

 

「はっ! も、申し訳ありません…。し、しかし、彼女はクラインの娘で…」

「我々が迎撃したナスカ級は、すでに死に体に等しい。MSも首の取れたジンが一機、イージスの二機程度だろう」

「そうだな、戦力的にはだいぶこちらが優勢になる。だが、なぜ彼らは撤退せずにこちらについて来てると思う?」

 

ムウが索敵したと思われるソナーの図を見せた。

どうやらかなり距離を取っているがヴェサリウスは自分たちの後方をぴったりと付いてきてる。

 

「恐らく、増援を待っているんでしょうなぁ」

「でしょうね」

 

コープマン大佐の声にムウは首肯した。

艦の位置さえ把握しておけば増援が来た際に即座に位置を伝えることが出来る。

ハルバートン提督と合流する前にザフトの増援が来たらもう持たないだろう。軽度とはいえMSパイロットであるグエル・ジェタークもダウンしているのだ。

 

「つまりザフトに帰還する大義名分を与えてやればいい、流石に彼らのアイドルである彼女を連れたまま戦闘にするわけにはいかないからな」

 

グエルからの情報で恐らくプラント内にも穏健派と呼ばれる者たちがいるらしいということは分かっている。もしザフトの姫を連れたまま戦闘を行えば穏健派にいい批判材料を与えてしまうと過激派は考えるだろう。

 

「し、しかし…」

 

ナタルは渋る、ラクス・クラインは切り札と言ってもいいとてつもない外交カードだ。

流石に無条件で返すとなると流石に…という気持ちになるのだろう。

だがコープマン大佐は溜息を吐きながら帽子を直し、席に背を預ける。

 

「言いたいことは分かるさ…だが、恨み辛みでこの戦争は泥沼化している。そんなことをすれば火に油を注ぐ事態になりかねん。ここは彼女を返還し、平和的に帰ってもらうことが最善だと思うがね」

「…私もコープマン大佐の意見に賛成です…現在、この船にはブルーコスモスも…」

 

マリューがそう伝えることでほんの少し空気が重くなる。

ムウはジョージ・アルスターの様子を見てはいたがそれでも色々と言われているブルーコスモスだ。それにブルーコスモス派の士官もいるかもしれない。そのために避難民のリストからラクスとラスティの名前を消していたのだ。

 

「決まりだな。では作戦を練るとしよう。送り届けるパイロットについてだが…」

 

 

 

 

「僕ですかっ!?」

 

偶然ラクスと一緒にいたキラはブリッジにラクスと共に連れてこられ、ラクス返還のパイロットに指名された。ムウは本当はグエルも連れてきたかったんだがな…と一言プラスした。

 

「あぁ、ストライクの護衛には俺とリドリックが付く」

「一応名目としてはザフト艦への威力偵察だ。グエルは艦の護衛ってことで待機してもらうことになっている」

 

まぁ今は療養中だがな。とムウは一言付けたした。

 

「お別れ…なんですね」

 

ラクスがふっと呟いた。思わず視線が集中する。

ラクスはキラの方を見た。

 

「また…会えますか…? キラ様」

「えっと…それは…分からないかな」

 

どことなく甘酸っぱい雰囲気に大人組は頬を緩ませた。

その後、ラクスもパイロットスーツに着替えさせた、途中でサイ達と会うというアクシデントがあったがサイ達も協力してくれることになり。ストライクにキラとラクスは乗り込む。ムウとリドリックもモビルアーマーに乗り込んで発進準備を行った。

 

【こちらアークエンジェル。本艦はこれより後方から追跡してくるザフト、ナスカ級戦艦にMSストライク、以下モビルアーマーを付け威力偵察を行う】

【こちらモントゴメリ、威力偵察の件を了解した。随伴としてこちらのモビルアーマーも付けることを許可する】

 

そういった後コープマン大佐は言葉を軽くし「形に残る形式証拠も必要だからな」とおちゃらけて見せた。

 

【我々は全霊を以て返礼し、そちらの無事を祈っている】

「ふっ…了解」

 

そういうとムウは笑いながら見えないだろうけど敬礼で返す。

不思議とキラとリドリックも同じようにしていた。

 

 

「キラ・ヤマト、行きます!」

「ムウ・ラ・フラガ、出る!」

「リドリック・クルーヘル、行くぞ!」




リドリックさん、メインメンバーに入れた~~~~~い(水星の魔女でオルコットだった人)


今回8割ぐらいオリジナル話でしたね、モビルアーマーはモントゴメリーにジンが向かって行った時に残っていた一機です。水星の魔女でもオルコットめっちゃ好きだったんですよね。
多分水星の魔女がSEED並みに長い話だったら多分グエルとタワーまでの旅やって死んでそうだなって思った。

なんかアンケート無視しちゃってすみません。一応みんなの意見ってことで!
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