白銀のハンドシェイカー   作:不知火勇翔

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爆音!峰田実の喘ぎ声!!!(入試)

 原作知識をベラベラと喋り、よく分からないまま櫛名アンナに言いくるめらて雄英を目指すことになってから数ヶ月。実技試験で高槻シロは案の定ハンドシェイカーとしての壁にぶつかっていた。

 というのも、雄英高校ヒーロー科の実技テストは『人のいないビル街を走り回って仮想ヴィラン(ロボット)を何体倒すか』というもので、つまりロンリーボッチなハンドシェイカーにとってはあまりにも無慈悲なものだったのである。

 手心とかないんか?

 高槻シロは心の中で叫んだ。

 ハンドシェイカーというのは男女、もしくは男男、女女でペアを作り、手を繋ぐことで戦う力を生み出す。しかし高槻シロはボッチである。頼みの爆豪にもさっき断られた。だから現地妻ならぬ現地ペアを作ろうとしたが、それも失敗した。

 入試中に突然「すみません。俺と手を繋いでくれませんか?」とか言う奴と誰が手を繋ぎたいだろうか。そんな勧誘にOKするのは恐らくよっぽどのバカかアホかマヌケである。

「ふっ。未だに0ポイント・・・なんだか清々してきたな」

 こうなったら緑の王とか無色の王みたいな厄介な奴に目を付けられる覚悟で『不変』の力を使うしかないのか。

 高槻シロが悩んでいると、ロボットに襲われる少年をふと見かけた。

「あぁああああああああチクショウチクショウチクショウ!!!どうして俺ばっかに来るんだよぉおおお!!あのイケメンに行けよ!!!それを俺が後ろからやるから!!!」

 頭部に紫色の球体をいくつも付けていて、かなり背が低く、短足ながらシッカリと足を回転させてロボットから一定の距離を保つ様は熟練のソレが感じられ、目の必死さと口が悪いことを除けば有料物件(当社比)なヒーローの卵が走っていた。

 高槻シロはニタッと笑うと紫色の少年『峰田実』を追いかけ、併走すると全世界がドン引きするようなナンパ?をフッかけた。

「そこのグレープフルーツな君。どうだい?僕と手を繋がないかい?僕と手を繋げば気持ち良くなれるんだが、どうだい?一発ヤッとかないかい?」

「ぎゃああああぁ何か変なのが湧いたんだけど?!え、何コイツ、ナンパ!?今、ここで!?正気かよバカ野郎!」

「峰田君。ちょっとだけで良いんだ。別に揉んだり舐めたりはしない。約束する。ただちょっと手を繋ぐだけで良いんだ。ちょっと手を繋いで、ちょっと気持ち良くなるだけで良いんだ。どうだい?君にデメリットは無いと思うんだけど」

「全然話を聞かない上に話が長いっておま、それモテない男が一番「どうだい?それとも無理矢理が良かったかな。それなら失礼して・・・」いや何勝手に人の手に触ろうとしてんだよ!!!変態か?!?!変態なのか?!?!」

「ちぇっ・・・照れなくて良いのに・・・」

「そういうのは美少女に成ってから出直してこい!!俺は男と手を繋ぐ趣味はねーぞ!!!」

「つまり潜在的な・・・」

「ちげぇから!!!!!」

「そうか。人目を気にして・・・ならアッチの暗がりに・・・」

「行かねぇから!!!!!マジ何なんだよお前!!」

 峰田実は驚愕した。今日は厄日なんじゃないかと本気で思った。何がどうしてこうなったのか。考えても仕方のないことだったが、しかし考えざるをえなかった。

「ちなみに峰田くん。この試験にはレスキューポイントというのがあってだね」

「はぁ!?今度は何だよ!!!」

「つまり同じ受験者を助けることでもポイントがもらえるんだよ。内緒なんだけどな。だから人助けだと思って協力してくれないか?なんなら手を繋がなくとも、了承してくれるだけで良いんだけど」

「レスキュー・・・ポイント・・・」

 峰田実は焦っていた。己の個性『もぎもぎ』である程度のロボットをすでに拘束したが、ロボットもバカじゃないのか個性を警戒し近寄らなくなってきた。相手が動いてくれないと峰田実は個性を十分に発揮できないため、どうしようかと悩んでいたのだが。

 別口で貰えるというのなら・・・。

「っ、あぁあもう分かったよ!!協力する!!で?!何をすれば良いんだよ!!!」

「立ってるだけで良いぞ」

 高槻シロはそう言うと、峰田実の胸に腕を向けた。すると峰田実の胸に白銀のワープゲートのようなものが出現し、高槻シロは躊躇なくそこに腕を突き刺した。

「んお"っづっお"っづっお"っづっお"っづっ」

「はーい峰田くん、ちょっと我慢してねー」

 ワープゲートの中でゴソゴソと手を動かす高槻シロ。シロの手に応じて峰田実は汚い喘ぎ声をあげる。完全にR18な光景が唐突に出現したため周りのロボットも足を止めて黙り込む。

「お、あった」

 しばらくすると、高槻シロは峰田実の胸から『モーニングスター』を引き抜いた。

「玉転がしってことかな?まぁ、どうでも良いか」

 あまりの事態に口から涎を流しながら絶句する峰田実を捨て置き、高槻シロはロボットに向き直った。

「・・・さぁ。フィナーレだ」

 

 

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 モニターで見ていた雄英教師陣もまた絶句していた。

 同じ受験生の胸に手を突っ込んでゴソゴソし、武器を引き抜いたかと思えば他の受験生とは桁違いの力を発揮し無双。0ポイントヴィランという倒せない敵も完封し、なんなら他の受験生を手助けしながら飛び回る姿はまさにヒーローそのもので、ポイントの上でも合格ラインに達したようなのだが、しかし。

「お、おいおい・・・あれは、どうなんだ?」

「ヒーローの姿じゃありませんね」

「やり口が完全に・・・」

「ヴィランだね」

「個性に呑まれた快楽主義者に似ているな」

「抜かれた生徒はピンピンしてるみたいだから、明確な妨害行為には当たらないようだけど・・・」

「・・・・・・・・・・・・俺が見ましょう。ヒーローとしての適性が無ければ、・・・退学させます」

「相澤君。お願いするよ」

「・・・はい」

 相澤消太は前日、『セプター4』と呼ばれる秘密組織に呼び出され、お茶を飲んだ。そして高槻シロに関する全てを聞き、彼は思った。

 ・・・・・・・・・それが本当なら、俺は。

 だからこれは個人的な我が儘であり、かなり非合理的な判断である。教師として褒められたものではなく、発覚すれば問題になるが、相澤消太という男はそれでも高槻シロを入学させなければならないぐらい酷い精神状態に陥っていた。

「・・・任せてください」

 

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