真・恋姫†無双~魏√END集~   作:乱A

10 / 11
10・魏√桂花END再構成版

 

この作品は一話目の桂花ENDを書き直した再構成版です。

よって前作よりかなりの変更点があります。

 

変更点

1、桂花はこの時点ですでにデレモードに入っております。

2、ifENDの設定を流用してますので魏陣営には雛里・恋・ねね・月・詠・美羽・七乃が加わっています。

それと、やはり桂花が物語の中心なので華琳達、武将は話からは外れてしまいます。

それでは、始まります。

 

 

「今、此処に闘いの終結を宣言する!」

 

ワアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーッ!!

 

華琳による闘いの終結宣言、それは同時に三国同盟の締結宣言でもあった。

これで、本当に闘いは…乱世は終わりを告げた。そして…

 

ギュッ

 

誰かが俺の手を握って来た。いや、「誰か」じゃないな。この小さくて暖かい手の持ち主は。

 

「えへへ、終ったね。やっと…」

 

順番を付けるのは彼女達に失礼だがあえて付けるとすれば一番大事な女の子、「桂花」だった。

 

「ああ、終った。この大陸を平和にする為の闘いが。そして…」

 

俺は桂花のネコミミフードを捲り、その頭を撫でながら言う。

 

「ちょ、ちょっと…恥ずかしいじゃない。……馬鹿」

 

照れて赤くなっている桂花を可愛いと思いながらもその手は止めない。

 

「これから始まるんだ、平和を維持するための戦いが」

「うん、任せて!この平和、守って見せるわよ!何時までもね」

 

そんな風に誇らしげに俺の手を取って笑顔で決意を新たにする桂花。

 

「ぶ~~、お兄さん。風達の事を忘れてはいませんか~?」

 

脹れっ面で俺の服の裾を掴むのは「風」

 

「あ~~~っ!桂花、一人だけぬけがけとはずるいのじゃ!」

「そうですよ、美羽様を差し置いて卑怯だ卑怯だ」

 

其処にやって来たのは「美羽」と「七乃」。

 

「恋もがんばった。一刀、恋もほめて」

「そうですぞ、ねね達…げふんげふん。恋殿をのけ者にするとは何事ですかこのち○こ隊長!」

 

「恋」と「ねね」もやって来た。

 

「あんた達なんかどうでもいいのよ、それより月をないがしろにするなんて信じられない、何を考えてるのよこの馬鹿隊長!」

「へぅ~~。え、詠ちゃ~ん、そんな事言っちゃダメだよ」

 

悪態をつけながら歩いて来る「詠」、そんな詠を窘めている「月」。

 

「あわわ~~、一刀しゃま~~。わ、私も~~」

 

噛みながらもトテトテと駆けて来るのが魏のあわわ軍師、「雛里」。

 

誇り高き覇王、そして愛すべき君主「華琳」

華琳を護る為に共に歩んで来た姉妹、「春蘭」「秋蘭」

俺の初めての部下、何処までも信頼し、誰よりも信頼してくれた三人「凪」「真桜」「沙和」

兄と呼び、共に居てくれた「季衣」「流琉」

桂花、風、雛里、詠、ねね、と共に華琳を支えた軍師の一人「稟」

 

その歌声で大陸を包もうとしている三人の姉妹「天和」「地和」「人和」

 

皆俺の大事な人達、愛しくて、護りたくて、護って来て、そして………

 

…置いて行かなくてはならない愛すべき恋人達。

此処に居たい、何処にも行きたくは無い、何時までも一緒に歩んで行きたい。

 

だが、俺にはもうその時間が残されてはいない。

仲間達を守り、曹魏を勝利に導く為に大局に逆らった。

その代償が……世界からの排除。

 

これから俺は何処に行くのか?

元の世界に帰されるのか?あの世とかに行くのか?それとも完全に消え去るのか?

分からない、不安だらけだ。不安ではあるが後悔は無い、俺自身が選んだ道だから。

 

せめて彼女達に幸せが訪れます様に。

 

 

 

-◇◆◇-

 

暫くして宴が始まった。

 

そこでは笑顔が絶えなかった、笑い声が響きわたっていた。

華琳様は酔っ払った劉備に絡まれている様だ、胸の大きさの事で何か言われたらしくえらく憤っている。

 

春蘭達は関羽達と何とかうまくやっている様だ。

 

美羽は孫策に捕まり愛でられながらも泣きわめき、七乃はそんな美羽を恍惚の表情で見つめている。

 

恋にねね、月と詠達は張遼達と久しぶりの話に花を咲かせている。

 

雛里もまた諸葛亮と一緒に笑っている。…何か隠れて本の様な物を見ている様だが。

 

しかし何か違和感がある。

そうだ、彼が居ない。一刀が……

 

それに気付いた私の心には例え様も無い様な不安感が襲って来た。

 

以前から一刀はしょっちゅう倒れる事があった、それも決まって魏にとっての大事な局面で。

 

一刀には未来の知識がある、その知識で歴史を変えた結果曹魏は勝利を得る事が出来た。

だがもしその事に「代償」があるのだとしたら……

 

私の足は何時の間にか動き出していた、一刀を……愛しい人の姿を求めて……

 

辿り着いたのは森の奥深くにある小川のほとり。其処に彼は居た……

淡い光に包まれて。

 

震える体を押さえながら近づいて行くと一刀はこちらを向き、寂しそうな、泣き出しそうな笑顔で私を見つめる。

 

「……何で?…ねえ、何で?………何でなのよっ!?」

 

「…ごめん」

 

謝らないでよ、謝ってなんか欲しくない。

 

「うすうすこうなるんじゃないかとは思ってたんだ。だけど止まる事は出来なかった、それがこの世界に来た俺の……天の御遣いの役目だったんだろうから」

 

役目?……だから居なくなるの?役目が終わったから…私は、私達はどうでもいいの?貴方にとって私達はそんな、その程度の存在だったの?

 

「嘘つき……。一緒に居るって言ったくせに」

「桂花…」

「汚らわしい手で触らないでよ!愛してるだの何だの言って結局私達の体だけが目的だったんでしょ!アンタを信じた私が馬鹿だったわよ、この変態!性欲魔人!精液袋!女の敵!害虫!アンタなんか…アンタなんか……グスッ…人を孕ませといて、勝手に居なくなるなんて…うう、酷い…酷いじゃない、うええ、うええ~~~」

 

伸ばして来た一刀の手を払いのけると私は以前の様に罵詈雑言を浴びせるが、でも一刀もまたあの時みたいに困った様に笑いながら私を抱きよせる。

 

「離して、離してよ!! アンタなんか、アンタなんか大っ嫌いよ!!」

 

私は泣きながら一刀の胸を叩く、それでも一刀は私を離そうとせずに私の頭を優しく撫でてくれる。

 

「嫌、嫌よ…嫌ぁ~~。行かないでよ、ずっと一緒に居てよ。何処にも行っちゃ嫌だぁ~~、うわああ~~~ん」

「帰って来るさ」

「…ぐすっ、どうやってよ?」

「どうやってでも、何をしてでも帰って来て見せる。絶対に」

「今度こそ…約束できる?」

「ああ、今度こそ必ずだ」

 

一刀は私の頬を両手で掴み、涙を拭いながら唇を重ねてくれた。

 

「愛してるよ桂花、何時までも。帰って…来るから……ぜっ…たいに…」

 

そうして一刀の体は光の粒になって私の胸の中から空へと舞い上がり消えていった。

絶望を振り払う、約束と言う希望を残して。

 

「一刀、かずと……かずとぉ~~、うわあああ~~~~ん」

 

森の中で一人泣き崩れる私を見ていたのは柔かな光を放つ、空に浮かぶ月だけだった。

 

 

 

 

 

そして時は流れ………

 

 

「ととさま~~」

「どうした鞘花?」

「てんのくにのおはなしして」

「またか、本当に鞘花は天の国の話が好きだな」

「うん!だいすき~~♪」

 

東屋で私達と一緒にお茶を楽しんでいた一刀の元に鞘花が駆け寄って来た。

私達の…愛すべき娘。

 

「あ~、さやちゃんだけズルイです。おとうさん~、幸樹も~」

「わたしもいっしょです」

 

風の娘「幸樹」稟の娘「白葉」

 

「とうさま、あいも」

「ららも、ららも」

 

恋の娘「愛」ねねの娘「蘭々蘭」

 

「仲間はずれはズルイです」

 

雛里の娘「天里」

 

「うう、おとうさまぁ~」

「大丈夫よ光。お父様、私達もお願いします」

 

月の娘「陽」詠の娘「光」

 

「十乃、私達も行こう」

「はい、天羽様」

 

美羽の娘「天羽」七乃の娘「十乃」

 

「む~~、今日は久しぶりに風達がお兄さんとお茶を楽しんでいましたのに~」

「あわわ、し、仕方ないでしゅ。子供達の邪魔をするのは大人げないですよ」

「子供達…ですか」

「何で私と天里の胸を見比べながら言うんでしゅかっ!?」

「雛里より天里のほうがおっきい」

「恋殿…それはあんまりですぞ…」

「にょほほ、兄様は気にしてないのだから良いではないか」

「黙りなさい!この裏切り者!」

「ああ、貧乳同盟を一人脱退したお穣さま。その空気の読めなさが素敵です♪」

「くう~、勝ち誇っていられるのも今の内よ!」

「あわわ、そうだよね詠ちゃん。まだ希望を捨てるには早すぎるよね」

 

そんな会話をしながらも私達は一刀に駆け寄って来る娘達を笑顔で見つめている。

 

「あれ?華莉那(かりな)一那(かずな)は?」

「華莉那様と一那様は華琳様とお勉強よ」

 

華莉那様に一那様。お二人は華琳様と一刀の双子の娘。

他にも春蘭達の娘も居るが彼女達もそれぞれ母親と一緒に武術の訓練をしている。

 

「まったく、明日からは一年ぶりの三国同盟の記念祭でもうすぐ桃香達や雪蓮達が来るっていうのに暫くは休みでもいいだろうに」

 

あの日、三国同盟が締結し、一刀が消えたあの日から4年の歳月が立っていた。

 

……そう、あの日………

 

一刀が私の目の前から消え去った後、一晩泣き明かした私は事の顛末を皆に伝える為に魏陣営の大天幕へと重い足を運んだ。

 

一刀が消えた事を伝える、それはとても辛い事だった。

しかし一刀は約束してくれた、必ず帰って来ると。その事を信じて今はあえてこの辛い役目を果たそう。

そんな決死の覚悟で朝議が行われているであろう大天幕の中に入ると…

正直あの瞬間私の体は石になった。

何故なら華琳様の、皆の前に一刀が立っていたのだから。

 

そう、あろう事かこの男は……私は一晩中泣いていたというのに…仲間達から責められ、殴られる事すら覚悟して………一晩中泣いていたというのに……大事な事だから二回言ったわよ。

 

夜が明けた次の日に……ちゃっかりと帰って来ていやがったのよこの男は!

勿論速攻で殴りかかったわよ、当然でしょ。

 

まあ、一刀が言うには元の世界に戻ってからは再びこの世界に戻って来るのに3年かかったらしく、その間は智と武を鍛え上げていたという事だ。

そしてある日、突然現れた妙な筋肉ダルマにこの世界へと送り返してもらったらあの日の翌日だったという事だがそんな事、私には関係ない。

 

当然ながら一刀は詳しい説明をさせられた後、華琳様達全員にボコボコにされていた。

散々心配させたんだからその位の罰は仕方ない。

 

ともあれ、あれからは野盗などと多少の小競合いはある物のおおむね平穏な日々が続いている。

 

そして一刀の子供達へのお話が終わった頃、蜀の皆が到着したとの報告が来た。

 

「やっほ~~!一刀さん、皆さん、お久しぶり~~」

「桃香、意外に早かったな」

「えへへ~~、だってぇ~~」

 

何だろう?顔を赤らめた桃香がすきっぷをしながら一刀へと走り寄って来る。

いや、それはいいとして。

 

問題は彼女の後をよちよち歩きで付いて来る小さな子供だ。

その女の子を私達は(ああ、とうとうこの日が来たか)といった感じで見つめている。

 

「と、桃香?その子……」

「えへへ~~。さあ、翔香(しょうか)ちゃん。この人が貴女のお父さんだよ」

「ぱーぱ?…ぱーぱ♪」

 

翔香と呼ばれたその子ははにかむ様な笑顔で一刀に抱きつく、呆然としていた一刀だが気を取り直すとその子を優しく抱きあげる。

 

「初めまして、翔香ちゃん。お父さんだよ」

「きゃ~あ。ぱーぱ、ぱーぱ♪」

 

 

 

 

「桂花ちゃん、桂花ちゃん。いいんですか?」

「仕方ないじゃない。蜀や呉にも天の血を入れるのは華琳様も認めている事なんだから。それに第一」

「第一、何ですか?」

 

私は小首を傾げる風を尻目に一刀の傍に居る鞘花の傍へと歩いて行く。

鞘花は翔香を抱きあげている一刀のズボンの裾を掴んで涙ぐんでいる、父親を取られるとでも思っている様だ。

まあ、それは他の子供達も同じなのだが。

 

「あ、桂花さん。お久しぶりです」

「久しぶりね桃香。鞘花、こっちにおいで」

「かかさまぁ~~。さやのととさまが~」

「まったく、何時までも甘えてばかりじゃ駄目よ」

 

そう言いながら鞘花を抱き上げると一刀を横目で見ながら「発表」する。

 

「貴女はもうじき「お姉ちゃん」になるんだからね」

 

暫しの静寂の後、

 

「「「「「えええ~~~~~~~っ!!」」」」」

 

「ほ、本当か桂花!?」

 

そんな風に興奮気味の一刀に私は……

 

「これからも頑張ってね、ぱーぱ♪」

 

そして一刀は満面の笑顔で答える。

 

 

~完~

 




(`・ω・)桂花ENDの再構成版でした。

再構成版という事で今までの魏√END集とは少し趣を変えてみた、どうだったでしょう?
美羽がifEND美羽編と少し性格が違うのは一刀がずっと傍に居たからですね。
一刀自身は元の世界で3年間頑張って成長してたんですが美羽達からすれば宴が終わって夜が明けて見れば一刀が行き成り3年分大人になっていたという事ですから。
この話の最初では桂花はツン0デレ10の割合でしたが消えた筈の一刀がちゃっかりと戻っているのを見てからはツン3デレ7に変わっています。
自業自得ですね。まあ、一刀が悪い訳じゃないんですが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。