モチベ……、帰って来てマジで。
群雄割拠の乱世の中、苦しみに喘ぐ人々の間にある占いが駆け巡った。
~天の御遣い~
それはこの乱世を終わらせ、平穏な世界をもたらすという救世主の事であり、人々はその降臨を待ち望んでいた。
曹操の下へと降り立った御遣いは幾多もの戦いの果てに遂に三国統一を果たし乱世の世に終わりをもたらした。
……自身の消滅と言う代償を払って。
数年後、彼は帰って来た。
御遣いなどではなく、ただごく普通の男。
そして父親として………
さらさらさら
この外史世界に帰って来てから数ヵ月後のある日、柔らかな日差しの中で一刀は愛娘の鞘花と共に小川へと散歩に来ていた。
「ねえととさま。さや、おひるねしたい」
「ん、じゃあお城に帰ろうか?」
小川のほとりで一刀の膝の上に座っていた鞘花は、眠そうに瞼を擦りながらそう言う。
「うんう、ここでおひるねする。ねえととさま、こもりうたをうたって」
「子守歌?鞘花はもう赤ちゃんじゃないだろ」
「だってさや、ととさまのこもりうたがだいすきなんだもん♪」
「でも、帰らないとかかさまが心配するぞ?」
「ううっ、グスッ」
「うっ……し、仕方ないな。鞘花は本当に甘えん坊だな」
「さや、あまえんぼうでいいもん。ととさま、ナデナデもして」
「はいはい、まったく」
ナデナデ
「えへへ」
♪さ~らさら、さ~らさら、
小川のせせらぎ、
ちゅ~んちゅん、ちゅ~んちゅん、
小鳥が歌う、
ひゅ~うひゅう、ひゅ~うひゅう、
そよ風ふいて、
き~らきら、き~らきら、
木漏れ日光る、
森の木陰でぼくたちは、
仲良く一緒にあそんでる、
動物たちも駆け回る、
に~こにこ、に~こにこ、
みんなは笑顔、
ぽ~かぽか、ぽ~かぽか、
暖かい日ざし、
な~でなで、な~でなで、
大きなおてて、
す~やすや、す~やすや、
おひるねしてる、
さ~らさら、さ~らさら、
小川のせせらぎ、
さ~らさら、さ~らさら、
せせらぎのこもりうた~♪
くうくう、くうくう
「やっぱり此処にいたのね」
鞘花が一刀の膝で眠りについた頃、桂花が溜息を吐きながらやって来た。
「ああ、何か用事があるのか?」
「お昼寝の時間なのに城にいないから、探しに来たのよ」
「ごめん、帰ろうと思ったけど」
「どうせ、鞘花が此処でお昼寝したいって駄々を捏ねたんでしょ」
「あの目をされると断れなくてさ」
「ああ、あの目はねぇ~、それより今の歌は?」
「鞘花がねだるから作ってみたんだ」
「そう、じゃあ今度は風の子供にも聞かせてあげなさい」
「ふ、風の子供?それって…」
「ええ。今、城で風が大はしゃぎしてるわよ。華琳様は複雑そうな顔をしてたけどね」
「はははは……」
「しばらく寝むらせてもらえないだろうから覚悟しとくのね」
「は、ははははは……はぁ…」
くうくう、くうくう
(ここはあたたかい、ととさまがいて、かかさまがいて、さやはとてもしあわせ)
さらさらさら
小川はまるで子守唄を歌うかの様にせせらぎを奏でていた。
~Fin~
(`・ω・)これにて、桂花END三部作は終わりです。
一応……