夏になった。私は”この世界”で2回目の夏だ。
1回目の夏は”前の世界”でもおばあちゃんの家でお泊りをした。そして今年も同様だ。
七色ヶ丘の駅から電車で数時間。私たちは、夏の猛暑の中、おばあちゃんの家を目指して山間部の道を歩いているところだ。アスファルトの道路は太陽に照らされて熱く、靴底から伝わる熱さがじわりと足に感じられる。
道の左側には地崩れ防止のために設置されたコンクリートの壁と金網、雑草が生えたり蔦が伸びたり、長年人の手に触れられていない。右側には錆びたガードレールが立ち並び、その向こうには崖が広がっている。崖の下には小川が流れていて、水の音がかすかに聞こえてくる。が、それ以上にセミの鳴き声がそこら中で鳴り響いているので耳をすまさなければ聞こえない。
私たちは帽子をかぶるなり、タオルで汗を拭くなりして、一歩一歩進んでいた。ちょうど時刻は2時くらいなので、今は日中どころか一年で最も暑い時間だ。
「熱いよーーーー」
やよいちゃんが完全にへばっている。頭は項垂れ、足もおぼつかない様子だ。
「やよい。水や」
あかねちゃんは肩に掛けたカバンからペットボトルを取り出した。
やよいちゃんは「ありがとう」と受け取り、普段よりも明らかに多く水を飲んでいく。
「それにしても、今年は暑いですね……」
「なんか言ってたね。今年は猛暑が続くって」
れいかちゃんとなおちゃんも、この暑さに苦しんでいる。かくいう私もだ。
おかしい。私が今よりもっと小さかったころ。6歳くらいかな。今の私は精神年齢では16と高校1年生くらいなので、自分の感覚では10年ほど前だ。おばあちゃん家に住んでいたころはこんな酷暑しか続かない日々では無かったはずだ。
これが地球温暖化というものなのか。
そんなことを考えながら先の道を見る。遠くでは山間部に広がった田畑やまばらに建てられた昔ながらの住宅が建っているのが分かる。でもその景色は揺れている。
するとあかねちゃんが不満を口にした。
「それにしてもバスはあるんか?」
「うーん。あったかなーー」
私は幼いころの記憶を思い出し唸る。
とはいえ、こう歩いて移動している時点で答えは分かっているようなものだ。
「ま、そんなもんか。七色ヶ丘よりはるかに人が多かった大阪は、いろいろ通ってたもんな」
逆に人が少ない過疎地域は少なくなる。
ここに住んでいるおばあちゃんが体の具合が悪くなったりして倒れてしまった場合、救急車が来るまでの時間も長くなる。そういうわけでお父さんたちが一緒に暮らそうとおばあちゃんに言っている。”この世界”でもそれは変わらなかった。
隣の川辺へ降りる小道がある。そこではかっぱさんを祀った祠がある。悪さをされないように、きゅうりを流したいけれども、やよいちゃんの体調が心配なので私たちは進むしかない。
視界が開けてくる。
田んぼが一面に広がっている。緑色の稲が高く伸びている。あとひと月もすれば収穫だろう。あぜ道を進めば、ビニールハウスが並ぶようになっていく。山の縁には、木材と土の壁、扉は障子、瓦屋根で、一階建ての広い家がまばらに立っている。その奥の奥のほうに、私のおばあちゃん家が住んでいる家が建っている。
田んぼによりさらに蒸したような暑さを感じていると、近くの古民家から子どもの声が聞こえた。
「川にいこうぜ」
「いいぞ。ヤマメ獲りにいくぞ」
生垣から10歳くらいの男の子が2人出てきた。まだ声変わりしていない子供らしい声で、会話をしながら私たち5人を通り過ぎていく。虫取り棒以外に、タオルや水筒を持っていて、さすがに酷暑対策をしているが、家を出たばかりの私よりはるかに足取りが軽い。
「元気だねーー」
と私が呟く。
「そういえばみゆきちゃん」
なおちゃんが話しかけてきた。
「みゆきちゃんは”別世界”とはいえここで過ごしてた時があったんだよね」
「うん」
「ここにおばあちゃん以外に知り合いっていたりするのかな」
「うーーん」
なおちゃんがいうのは”この世界”での話だろう。”この世界の私”がおばあちゃん家の近くで友達がいるのかということだ。
「どうだろうなーー。”私自身”も友達を作るのに苦労したからなーー」
すると、みんなは少し意外そうな顔を見せた。
「えーー。みゆきが?」
「そうだよ」
あかねちゃんに言葉に頷く。
「私は昔はもっと人見知りだったんだ。それでずっと、”あること”があるまでずっと家で絵本を読んでいたの」
「絵本を読んでいること以外は、あまりみゆきさんらしくないですね」
れいかちゃんの言う通りだと思う。別に家で一日中ごろごろしていることも嫌いじゃない。
「私はみんなで、いろんなところに行ったり、そこで遊んだりしたりするのが大好きなんだ」
そう考えると自然に笑顔が生まれる。”前の世界”のように《フシギ図書館》で世界中にひとっ飛びはできないけれども、”この世界”のみんなとお花見に行ったり、公園にいったり、友達の家でお泊りするのもかけがえのない思い出だ。
「それでみゆき、”あること”ってどんなことや?」
あかねちゃんが尋ねてくる。
「そうだね。おばあちゃんで話そうか」
私が小さい頃、父親の仕事の関係でしばらくおばあちゃんの家に滞在していたことを話す。
人見知りだった私は、知らない人と話すのが恥ずかしくて、いつも家の中で本を読んでばかりいた。そんな私を心配したばあちゃんが、綺麗な手鏡をくれて、「笑う門には福来る」という言葉を教えてくれた。
その手鏡で遊び始めた私は、次第に外に出る勇気を得ることができた。ある日、外で遊んでいると、女の子たちが楽しそうにおままごとをしているのを見かけて、興味津々で覗いていた。しかし、うっかり枝を踏み折って音を立ててしまい、見つかってしまった。女の子たちに名前を聞かれたが、恥ずかしくて答えられず、「その手鏡見せて」と言われると、思わず逃げ出してしまった。
その後、大樹の根元に座り込み、手鏡に「私のお友達はどこですか?」と尋ねた。すると、木の枝が光り始め、私は眩しさに目を細めた。目が慣れてくると、木の枝に座っている女の子が見えた。彼女との不思議な出会いが始まった。
その女の子と私はたくさん遊び、とても楽しい時間を過ごした。ある日、お気に入りの本を持ってその子と一緒に見ようと思い、外へ出かけたが、またおままごとをしている女の子たちに出会ってしまった。逃げ出しそうになった私は、その女の子が「笑って」と声をかけてくれて、勇気を出して挨拶をした。女の子たちも挨拶を返してくれ、私の絵本を見てくれた。その日を境に、私は新しい友達とも話せるようになった。
だけど、その後、その子とは会えなくなってしまった。
私はその子を《手鏡の妖精》だと思っている。
おばあちゃんの家についた私たちはまずは熱中症になっているだろうやよいちゃんをねかせることにした。
エアコンや扇風機が無いという事態に陥ったので、私たちは縁側脇の部屋でやよいちゃんを寝かせ、風が入り込むように障子をあけることにした。
私たちはやよいちゃんの首元や脇下に、保冷剤をくるめたタオルを入れた。
するとなおちゃんは真剣な顔でやよいちゃんに呼びかける。
「名前教えてーー」
するとやよいちゃんは弱々しい声だけど確かに答えた。
「きせやよい」
なおちゃんの質問は続く。
「ここはどこ? 何しに来た?」
「みゆきちゃんのおばあちゃんの家に遊びに来た」
するとなおちゃんは安心したような笑みを浮かべた。
「意識障害にはなってないかな。さっきも自分で水分補給してたし、救急車の必要もないと思う」
弟たちが熱中症になったことでもあるのか。なおちゃん主導で適切な対応をとってくれた。
私たち5人の中では一番体力がなく、インドア派なやよいちゃんが真っ先に暑さにやられてしまうのは仕方がない。
逆に一番強そうなのはいつも日中でサッカーをしているなおちゃんだろうか。いや、それとも問答無用であかねちゃんか。
「そういえばれいかちゃんは、意外と暑さは大丈夫なんだね」
キュアビューティとしては、5人の中では最も灼熱の煙の中苦しそうにしていたけど、変身前は比較的暑さ耐性が高いようだ。
「まあ……」
れいかちゃんはこのことについて考えたことはなさそうだ。
「いやいやいや。みゆき。夏の武道場に一回入ってみ? やばいぞ」
「え、そうなの?」
すると横からのあかねちゃんの反論に驚く。
「体育館ですら蒸し暑いわで嫌になるで。しかもれいかは袴に防具きとるからなーー」
「あーー確かに」
納得していると、縁側とは逆側の扉が開いた。
私と同じくらいの背。グレイパーマをかけた高齢者の女性━━━━私のおばあちゃんだ。名前はタエ。
「冷たいものをもってきたわ」
おばあちゃんは隣の部屋にある木製の低い机の上に、持っていたお盆を置いた。
やよいちゃん以外の4人は静かに移動して、おばあちゃんが持ってきたものを確かめる。
白い皿5枚とスプーン5枚。平べったいガラス容器。中に入っているのは、ブルーベリー入りの牛乳寒天だ。
「うわーーーー」
寝込んでいる人がいるので、声を抑えながら喜ぶ。
「今日の朝から冷やしておいたわ。食べて」
「あたしがやります」
なおちゃんがおばあちゃんに代わって、牛乳寒天をお皿に乗せ始める。
するとおばあちゃんが私たちに語りかける。
「このブルーベリーは、近所の人が運んでくれたの。お孫さんがくるから食べさせてあげてって」
ここの地域の人は全員が家族のように仲がいい。
七色ヶ丘にある私の家のお隣さんとの交友を思い出す。引っ越ししてきたときにご挨拶したくらいで、ほとんど交友が無い。
おばあちゃんが大切にしているこの地域は、支え合って生きている。
”前の世界”では一度両親と同じように、私たちの家族3人と七色ヶ丘で暮らそうといった。だけど私は、おばあちゃんは「宝物があるから」という理由でここに残るらしい。宝物について肌で感じた私は、もう同じ提案をおばあちゃんにすることは無いだろう。
ブルーベリーの甘みとほんのりした酸味を味わいながらそんなことを考える。
すると、誰かが私の肩をつつく。
「みゆきさん」
れいかちゃんがどうやら話したいことがあるらしい。
「どうしたの」
「例の件ですが━━━━」
そうだ。ここに来たのはおばあちゃんの家に顔を見せに来ただけじゃない。
”この世界の私”についての手がかりを知るヒントになる可能性を考慮してのことだった。
時刻は少し遡る。
私はれいかちゃんの家で夏休みの宿題をしている。個別で。
始まりはいつだろうか。この前海に行った時になぜか宿題の話になった。私の宿題の進捗はというと━━━━うん……。
だかられいかちゃんに無理やり私を家に招き入れて宿題をさせられることになった。しかも、1泊2日で。広い和室で二人きり。背の低い机の上に課題を広げてやり続ける。ただひたすらにやり続ける。
しかし、問題は全く分からない。
れいかちゃんは聞けば勉強を教えてくれるのだが、正直”前の世界”のれいかちゃんのほうがはるかに分かりやすかった。
しかも集合時間は朝7時だ。朝食がごちそうさせてもらえたけど、私は早朝から修業しにいくのだろうかと思いながら家を出た。極めつけは、勉強時間については「私がいいというまで」という無茶苦茶ぶり。休憩時間については完全に青木軍曹の裁量だ。
壁に立てかけられた時計をちらりと見る。現在時刻は10時半。朝食を摂った後の7時半から勉強を始めたので、トイレを除いて3時間机に張り付けにされている。
今は数学の課題に手を付けている。今は二次方程式の問題だ。最初はひたすら、ひたすらに解の公式に数字を代入していた。しかし、やっていくうちにもっと簡単にできないか考えるようになったり、次第にルートの扱いにも自分で慣れてきた。
最初に聞いたときは震えあがっていたが、意外と私に対してはこっちのやり方のほうが性に合っているのかもしれない。そう考えると、「ごめん。”前の世界”のれいかちゃん!」と心の中で謝りたくなる。
とはいえ、精神的にしんどいのは変わらない。
「みゆきさん」
「え、何?」
夏休みが始まって2週間も経ってないのにすでに宿題を終わらせ、自分の勉強をしているれいかちゃんが突然口を開いた。
「少し休憩しますか」
「━━━━え。本当?」
私は面食らった。このままお昼までノンストップでやらされると思っていたからだ。
れいかちゃんはにこやかな表情で、休憩を言い渡した。
「はい。少しみゆきさんと話したいこともあったので」
「そ、そう……」
私は鉛筆を持ったまま、後ろに寝ころぶように倒れた。
「はい。”この世界”と”みゆきさんがいた世界”の関係性について考えたことがありまして」
それを聞いて、私は思わず起き上がった。
「本当?」
「はい」
するとれいかちゃんはルーズリーフを1枚取り出し、鉛筆で大きく《Y》の字を書いた。
Yの右左に分かれた部分の一方を鉛筆でとんとんと叩く。
「いいですか。これが今私たちがいる世界です。”この世界”をA世界としましょう」
そしてもう一方も鉛筆で軽くたたく。そして”みゆきさんがいた世界”です。これをB世界としましょう。
「まず、前提条件として、2つの世界はもともと同一だったと考えるべきです」
「どうして?」
「2つの世界には共通点が多いからです。例えば、青木れいかという人間は2つの世界に確かに存在するように。しかし、当然違うところも存在します。みゆきさんの情報ですが、”あちらの世界の私”とこの”私自身”、性格が異なるところがあるように」
「うん━━━━」
れいかちゃんはYの字を一本線の端から、枝分かれするところまでゆっくりと鉛筆でなぞる。
「ですから、2つの世界はもともと同一だったが、そこから何らかの影響で2つの世界が分かれたのです」
つまり、その分かれが、Yの字の枝分かれの部分だと。
「そしてこうして、それぞれ性格が違うれいかちゃんがいる2つの世界に分かれたってわけだね」
れいかちゃんは頷いた。
じゃあみゆきさんは、どのようにこの世界に来ましたか。図で書いてください」
「図で?」
目の前に、れいかちゃんが描いた図があるのでそれを使うことにする。Yの2つに分かれた部分を繋ぐように、横線を一本入れた。Y の字をワイングラスとして見るのならば、水が半分入ったような感じに見える。
つまり私はこの線、この道を通って、私が元いた世界 B 世界から、この世界 A 世界へとやってきたことになる。
「実は私も最初は頭の中でこの図を書いたんです。ですが、このように図にある要素を加えると、この図がおかしくなるんです。」
れいかちゃんは、 Y の字の横側に、Y の一本線の方から枝分かれしている方に向かって長い矢印を書いた。
そして 矢印の付け根の部分に時間軸 という文字を書き入れた。
「これを書き入れることで、2点を通る直線を書いた時にその直線が時間軸と垂直に交わるならば その2点の日付は同時刻になるようになります」
「そうだね……」
私が今入れた 横線を伸ばしていけば れいかちゃんが書いた時間軸に垂直に交わることになるだろう。つまり、私が B 世界を離れた時のB世界の日付と、私がA 世界にやってきた瞬間のA 世界の日付が一致することになる━━━━。
「あ………」
私はこの図のおかしさに気がついた。先ほど私が考えたことは、事実に矛盾する。
事実は私はB世界ではプリキュアとして、ピエーロを倒した日より後の日付からやってきた。だが私がA世界にやってきたときのA世界の日付は、ピエーロを倒した日どころかそれよりずっと前、初めて私がプリキュアに変身した日の日付だったのだ。
「じゃあこういうことかな」
私は私が書いた横線を消しゴムで消す。そしてB世界の先の方にあたるYの上のほうから、A世界の付け根の方に斜めに落ちる線を描いた。これで私の世界移動とれいかちゃんが書いた2つの世界と時間軸の図に矛盾しない線が引けたことになる。
だがれいかちゃんは一つ加えた。
「ですが、ひとつ引っかかることがあります」
「引っかかること?」
これ以上考えさせるのか、せっかく休憩なのに。
心の中で悪態をつきながら、それでも自分のことだと心に喝を入れて聞きに入る。
「はい。それは2つの世界の時間軸が違うということです」
「それはさっきも聞いたよ? それについて矛盾を起こさないために、私が通ってきた道を斜めに書いたんだよね」
「ですが、もう一つ矛盾を起こさない方法を考えたのです」
「そうなの?」
するとれいかちゃんはYの時を書いた紙とは別の紙をとりだした。
そしてまず縦に大きく一本線を入れる。線の途中から枝分かれするように、時間軸線に対して斜めに線を伸ばした。そしてもう一度、時間軸を表す矢印を入れた。カタカナの《ト》を逆からみたような形になった。
そしてれいかちゃんは、枝分かれしたあとの二点を線分で結んだ。その線は、時間軸線に垂直だった。つまり、線分で結ばれた二点の時間軸は同じ時点ということになる。
だけど私はどういうことか分からなかった。
「待って、れいかちゃんが繋いだところって時間軸同じでしょ?」
「はい。ですがこう考えます」
れいかちゃんは枝分かれする方からそのまま縦に伸びるのをA世界。斜めに伸びるのをB世界とした。
そして鉛筆で枝分かれ地点から、A世界の横線がある地点まで線を引いた。
「ここの長さと、」
そして、B世界でも同様にして、
「ここの長さ。どちらが長いですか?」
「えっと……。私の目感覚だけど、斜めに伸びるB世界の方だよね」
れいかちゃんは頷く。
「そうですね。ではよく聞いて下さい。
線が長いほど時間が長く進んだ。
と考えれませんか?」
「確かに……そう見えることも……。だけど、私は時間が早く過ぎてる感覚なんて……」
「それは私たちは世界の中にいるからです。この図は、この縦に伸びるA世界の時間の流れを《一つの基準》としています。そうして全ての世界を外側から見るすると、このB世界はA世界に比べてたくさんの時間が流れていることになります。つまり、2つの世界の時間の流れが違うということになるのです」
斜めに伸びるB世界は私がいた世界。"この世界"と比べて時間の流れが速いとするのならば、“私が来た世界"と"この世界"を跨いでやってきた時、後者のほうが時間が進んでいたことに対して理由はつく。
だけど……。
「つまり、もし私が"前の世界"に戻ったとしても、私が離れた時よりも遥かに時間が進んでいるかもしれないのか……」
私が"この世界"に来て1年と少し。もし2つの世界の時間の流れが等速ならば、帰ってきた時にはもう"前の世界"のみんなは高校生になっていることになる。
その場合━━━━。
いや、今は考えるのはやめよう。
私が今やることは、この世界の人たちを救うこと。そして、"もう一人の私"に人生を返す時、できる限り正しい形で返せるように今を生きることだ。
「それでは休憩を終わりましょうか?」
「え…………」
私は固まった。
あれ? 私は今勉強とは関係ないことに頭を使ったから、これから本格的に休憩を━━━━。え?
「それではたった今から12:30くらいまでぶっ通しですね」
「ええ〜〜」
私はここから午後9時まで、昼食夕食トイレを除いてぶっ通して勉強させられた。
だが、今日でなんと夏休みの宿題の25%終わらせることができた。