オーブ国防軍の白き流星   作:御簾

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アムロ不在です。
アコード側からの視点だったり、そういうのを描写できていればいいんですけど……如何せん執筆など久しぶりなものでして。

感想、見ていると色々思うところがあるんだなぁ、と。
ツッコミどころがあってこその二次創作ですからね、是非その欠点を潰したストーリーを書いて頂きたい。参考にさせていただきます。というか種自由二次創作をもっと増やして欲しいです。読みたいです(懇願)

アムロさんもいい歳だからね……

追記
前話登場のZアストレイについてですが、某X的なSNSで調べたら出てきたりします。ビジュアルとしてはZの下半身と背中をデルタプラスにした感じ。載せられないのも全てDDoS攻撃のせいなんだ。

感想欄にて指摘がありました。ありがとうございました。違うんや、訂正しようとしたらそのまま寝落ちたんや……
ゼウスシルエット、よく分からんですね。あれどこから生えてきたんでしょ。フリーダム強奪事件にも関連してそう。


その12

 ミレニアム単艦に対して、ファウンデーション軍は艦隊とMS隊をもって迎撃する。ジンのD型装備や、艦艇から放たれるミサイルが次々と爆発し空間を彩っていく。アムロが数を減らしたというのにその物量に翳りはなく、むしろ増えていくかのようにも感じられる。彼のようなスマートさではなく、爆炎と衝撃を潜り抜け力強く先頭を駆け抜けるのはデスティニー。

 

「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 愛機と共に戦える喜びと、尊敬する隊長達にミレニアムを託された誇り。それらが合わさり最強に見える──シン・アスカのコンディションは、過去に無い最高の状態をキープし続けていた。むしろ、それ以上に昂っている。叫びと共に放たれた赤と白の光がジンを貫き、纏めて葬り去った。

 

 確かにこの場において最も技量が高いのはシンだが、ルナマリア、ヒルダとて劣る腕では決してない。エネルギー効率が良くなったとはいえバッテリー機、ブラストインパルスのコクピットでルナマリアは歯噛みする。シンにばかり任せていては、己の立場が無いだろう。

 

「私だって赤服で……それに!」

 

 続きは言わない。野暮だと思うからだ。終わってからハッキリさせてやろう、と決意しながら武装を展開。脇下と肩上から突き出した四つの砲門から吐き出されたビームと弾丸がミサイルを迎撃し、ミレニアムへの数を減らす。迎撃ばかりではこちらの状況は変わらない。

 

 ミサイルの迎撃に気を取られ、敵MSがインパルスをすり抜けて行く。せめてもう少し手があれば。そう思うが、全て一人で背負う必要はない。作戦通りなのだ。シンが撹乱し、ルナマリアが支援。抜けられる穴は、彼女が塞ぐのではない。ミレニアムにはもう一人のエースが居る。

 

 ルナマリアの赤いゲルググを受領したヒルダが、ビームを連射して手早く敵を仕留めていく。マシンガンは盾で防ぐだけでなく回避によってもダメージを軽減し、接近されれば取り出したナギナタで一撃を見舞う。数が少ない分、現状ミレニアムの直掩に付けるのはヒルダだけだ。シン、ルナマリアの防衛線をくぐり抜けてくる敵が少ない訳でもないが、まだ1人でも対応出来るレベルの話だ。練度も高いとは言えない。この程度ならば余裕だろう。

 

「アイツらの帰る場所を傷つけさせるかってね!」

 

 三者三様、それぞれ奮迅。場所は違えど、ミレニアムを守りファウンデーションの魔の手からラクスを救い出し、オーブを守る。その気持ちに変わりは無い。救出隊に気取られないためにも、ここで派手に囮を続ける必要もあるのだから。

 

 

 一方その頃、アルテミス要塞にて。接近するストライクフリーダムに対して出撃したのは、ブラックナイトスコードシヴァ。明らかにお前ジャスティスを意識してるだろ、とツッコミを入れたくなるような武装構成のその機体と共に、シュラがモニタに映った機体を睨む。フリーダムならば、奴──キラ・ヤマトだろう。核ミサイルで処理したはずだと言うのに、如何なる方法にてか生き延びている。

 

 オルフェ、アウラの邪魔をする鬱陶しい失敗作。自身が上だということは証明した、貴様は己よりも弱い。機体を変えても所詮は同じだ。更に言うのならばX20Aストライクフリーダムなど二年前の型落ち機体。このシヴァに勝てると思っているのなら、大きな思い違いだということを見せつけてやる必要がある。

 

「今度は討ち漏らさん……!」

 

 自分を鼓舞して、フットペダルを踏み込んだ。伝わる思念はこちらへのリベンジを誓っている。サーベルを片手に、ビームシールドを展開したフリーダムへ己も同じくサーベルを抜刀し近づいていく。一撃で落とす。その覚悟と共に振るわれたサーベルは軽く防がれ、フリーダムは飛び去っていく。

 

 忌々しい失敗作、アコードでもないクズめ。内心でキラをこき下ろしながら、機体を回し盾に備え付けられたアンカーを放つ。捕まえて手足を切り落とし、コクピットを貫いてやるつもりだったがこれもノールックで回避された。まるでこちらの流れに持ち込ませまいとしているが如くフラフラと時間稼ぎでもしているかのようだ。

 

「不快だな、フリーダム!貴様のそのような甘ったれた戦い方が、貴様を失敗作たらせる所以なのだと気づかんか!恥を知れぇ!」

 

 この程度なら脚部ビームサーベルを展開するまでもない。防戦一方なフリーダムに対して攻撃を仕掛けんと猛追。射撃など不要、既にキラ・ヤマトの実力の底は見えた。近接戦ならばこちらの方が圧倒的に有利である。振り回すサーベルの全てを回避するでもなく、後退し距離を取ることで近接戦に持ち込ませない──実に不快な戦い方だ。

 

──シュラ、敵が侵入した

「貴様……何ッ!」

 

 効かないと知っているのにビームを放つフリーダム。それらを装甲によって無効化し、再び接近しようとするシヴァに対して選択されたのは、背部に懸架されたドラグーンを使うことだった。敵の侵入にシュラが動揺した僅かな隙に放たれたそれらは、フェムテク装甲に対して有効では無いとはいえ関節を穿たれる可能性もある。思念は読める。脅威ではない。

 

 そう判断して尽くを回避していくうちに、抱いていた不快感の正体がハッキリする。直線的で、単一的な戦い方だ。ビームライフルだけを使ったと思えば、次はドラグーンだけ。攻撃が止んだと思えばすれ違い様に腰部レールガンでの射撃。一度に1つの武装を使う当たり、この機体に慣れていない?

 

「貴様──アスラン・ザラだな」

 

 半ば確信めいた問いを投げる。その瞬間に伝わるのは、キラ・ヤマトのものではない思考だった。ドラグーンを使ったことも無いくせに、良くここまでやる。まるでハロのように回転するフリーダムへの評価だが、どうやら相手は違ったらしい。

 

「心を読めるんじゃなかったのか?使えないな

 

 読み取った思念には嘲りばかり。読心能力があるにもかかわらずここまで時間稼ぎに付き合わされ、挙句中身をキラ・ヤマトだと勘違いしたまま戦うなど。アコードの読心能力など所詮はこの程度のものか。いっそ清々しいまでにこちらを見下してくる感情は隠されることなくシュラへと伝わる。

 

 シュラがブチギレるまでに時間は要らない。

 

殺すッ!

 

 叫びながらもサーベル以外を使うつもりはない。先程よりも鋭さを増した攻撃がフリーダムを襲うが、その全てを防がれ、回避され、マトモに取り合われない。時間稼ぎだと分かっているのに背を向けられず、かといって正々堂々と戦わない──シュラの中でのアスラン・ザラの評価が下がり始めるが、文句を言ってはいられない。苛烈に攻め立てるシヴァとフリーダムの戦いは続く。

 

 が、シュラに対してアスランは時間を稼ぐだけで良い。突入したキラ達がラクスを救出するまでの、ほんの僅かな時間を。彼はキラを信頼している。キラがラクスへと向ける愛を知っている。あの二人と長い付き合いだからこそ、アスランはこうしてフリーダムでの陽動を買って出たのだ。

 

『アスラン!』

「キラ!」

 

 だから、喜色満面のラクスと彼女に抱きつかれたキラを見て顔を綻ばせ、シュラの追撃に対して初めての反撃を行った。サーベルから持ち変えられ、振りかぶられたヒート剣が下ろされるよりも早く接近。出力を上げたビームシールドでそれを防ぎ、もう1枚を僅かに角度を変えて展開。ビームシールドでの白刃取りのような形にて、シヴァの武装をへし折った。

 

「なんだと!?」

「本気のレイ一佐に比べるなら、お前の攻撃など遅く見える。こちらを舐めたまま戦うなんて、流石は完成されたコーディネイター様だな」

「貴ッ様ァ……!」

 

 怒りに顔を歪ませるシュラだが、アスランはそれに取り合わず撤退していく。先行するズゴックとキャバリアーの後を追うように去っていくその後ろ姿を睨みつけながら、シュラは爆発に巻き込まれるアルテミスへと戻らざるを得なかった。

 

「ラクスを頼む。僕はレクイエムへ」

 

 そんなシュラなど露知らず、ミレニアムへと帰投する救出隊。ズゴックに抱き抱えられる形のフリーダムのコクピットへ収まるのはキラだ。コンソールに表示される通信先、アスランはともかくとしてラクスの顔は赤かった。一体『ナニ』をしたのか詳しく聞きたくなるメイリンだが、空気が読める天才ハッカーは黙っていることにした。流石にここで話題に出すには無作法だろう。帰ってからアムロあたりと一緒に問い詰めてやる。

 

『奴は強い。だが……お前なら勝てるさ、キラ』

「うん。今度は負けない。僕は一人じゃないから」

『キラ。どうぞお気をつけて。──私は貴方のこと、貴方よりも100倍愛していますからね

じゃあ僕はその100倍、君のことを愛しているよ

『……何があったんだ?』

『聞かないでくれ……』

『えぇ、ただ私の愛する人と抱き合って濃密な二人だけの時間を過ごしただけですわ。大したことではありません』

『キサカ一佐……』

 

 微妙な顔をするキサカの気持ちが分かった気がする。少し前のオーブではあんなに気弱だったはずのキラがこんなに色ボケ少年になるなんて。いやんいやんと顔を赤くするラクスにジト目を向けたアスランだが、当の本人もキラのことを言えないことはメイリンだけが知っていた。

 

「じゃあ、行ってきます」

『行ってらっしゃい、あなた

『何がどうなってるんだ!キラ!』

 

 アスラン・ザラ、魂の叫びだった。

 

 

「偏向リング11号、ファーストポイントへ移動完了」

「レクイエム発射ぁ!オーブを焼き払ってくれる!」

「は、レクイエム照準、オーブ首都オロファト!」

「貴様がやったことの報いを受け取れ、キラ・ヤマト」

 

 レクイエムの攻撃をその身で引き受け、あまつさえアルテミス要塞からラクスを奪い去った失敗作。気に入らない存在だ。当の本人はラクスと色ボケしていることなど全く知る由もないオルフェは眉間に皺を寄せ、オーブへの攻撃を指示。今度こそオーブを滅ぼし、最大の障害を取り除く。

 

 そう息巻くオルフェだが、彼はオーブの秘密兵器を知らない。

 

「偏向リング……あそこかッ!」

 

 ひとつ。それはビームに対し完璧なる防御と攻撃を併せ持つ、オーブの象徴たる黄金のMS。

 

「感謝するぜアムロ!」

 

 ふたつ。条約違反などなんのその、これでもかと贅沢に使われるミラージュコロイドステルス。

 

「レクイエム発射口付近にMS!」

「何だと……!」

 

 みっつ。ザフトが開発したけど所有権などどこ吹く風、そう言わんばかりの最新兵器。

 

「垂直軸線、誤差修正。射出電圧臨界……!」

 

 そして最後に、愛の力で不可能を可能にする男。

 

「いけぇ──!」

 

 アムロより提供されたミラージュコロイド・デテクターと己の直感。それらを掛け合わせて放たれるのは、オーブが開発し秘密裏に運用していた対地兵器──天空の雷の名前を冠する最強の一撃。ただ一度で砲身が使い物にならなくなるほどの攻撃は、放たれると共に偏向リングと設置艦を破壊した。

 

「機体再起動、計算式入力完了!頼むぜアムロ、死んだら恨むからな!」

 

 レール砲の発射で落ちた電源を再起動。アムロより手渡されたプログラムを起動してアカツキの盾を構え、向かい合うのはレクイエム。恐怖が無い筈がない。が、それ以上に自分を信頼して任せてくれた愛する人の期待に応えなくては。

 

 余裕をもって機体を制御し、息を吸ったその直後。レクイエムが発射されてアカツキへと突き刺さる。構えた盾と機体が吹き飛ばされることがないように、スラスター出力は全開。プログラムが猛烈な勢いで計算を始め、各部のアポジが角度を調節。ガタガタと揺れていた機体の振動が収まっていき、それと同時にレクイエムが反射されていく。

 

「ぬぁぁぁぁぁぁ!」

 

 叫び声と共に反射され収束していくレクイエムは周辺に展開していた艦隊を巻き込んでそのままそっくり発射口へと跳ね返され、その外殻に多大な損害を与えた。それを為したのがたった一機のMSであることをオルフェは認めない。認められない。まさかこんなにも容易に防がれるとは思わなかったなど、それを言えばどうなるか。アコードが旧人類に負けた?母上がどんな顔をするだろうか。

 

 我らの存在意義はどうなる?コーディネイターより優れた種である我々が、たかだかナチュラル如きに?報告にあったアムロ・レイとかいう男と、ムウ・ラ・フラガ。アークエンジェルを落とす際、リューがまんまと時間を稼がれたとかいう男に、目の前でレクイエムを防ぎきった男。

 

「認めるか、そんなもの!」

 

 忌々しげにモニタを見上げるオルフェの顔は、これ以上ない程に歪んでいた。ナチュラルであのような動き、我らが創られた意味が無くなる。失敗作よりも気に入らない旧人類のデータを睨みつけ、彼はアルテミスからイングリッドとアウラを呼び戻す。陥落した要塞に置くぐらいならばこちらで守る方が確実だろう。

 

 それが()()()に我らの意義を示すチャンスにもなる。キラ・ヤマトの抹殺に失敗し、ナチュラルに侮られたままでは我らが不要と断じられかねない。我々は奴らに劣っている訳では決してない。たった一度の偶然によって生存されてはアコードの存在証明が果たせない、今度こそ殺さねばならないだろう。

 

「アムロ・レイ……邪魔をして」

 

 キラ・ヤマトだけではない。アムロ・レイも確実に消す。失敗作と旧人類にしてやられたままで、我が母に我らの生きる意味を示せる訳が無い。

 

 顔を赤くするオルフェには理解できないが、その感情は嫉妬であり焦りであり、何よりも恐怖であった。アウラという創造主に自らの価値を示すことが出来ないという思いは忠誠心などでは決してない。ただの刷り込みであり、洗脳に近い。

 

 その心の隙に、死神は宿る。

 

「確実に潰さなくては……」

 

 据わった目を向けるオルフェの姿は、今までにないほど焦燥に溢れていた。




流れ変わったな?

結局、アコードの読心能力無効化するなら動揺させるのが一番手っ取り早いんすよね。シュラくんさぁ……

ということで次回へ続く。



おまけ。いくつかの設定はこの世界に合わせて改変されていますが、概ねこんな感じということで。

試製ムラサメ【Zアストレイ】

【挿絵表示】


 型式番号 MVF-001X
   所属 オーブ国防軍
   開発 モルゲンレーテ社
 生産形態 試作テスト機
パイロット アムロ・レイ

ムラサメをムラサメ改へとアップデートする際、データ収集機として使用されたテストMS。
ムラサメ改の開発に伴い運用は終了、解体・保存されていた。
ファウンデーション王国との決戦に向け急ピッチで組み上げられることになるも、その機体は装甲材を除いて殆どが別物となっている。
コクピットが全天周囲モニターへと改装されている他、動力はデスティニーの核分裂炉に、フレーム材はPS装甲へとアップデートされた。これもオーブのアスハ代表の計画である。

武装はビームライフルと、盾の裏に装備されたグレネードランチャー。加えて翼のオプションラックに懸架されたビームサーベルの3種類のみ。本来ならば武装が装備されていない、ただ空を飛ぶだけのMS。有事に至り蘇ったオーブ六番目の機体であり、テストフライトと遭遇したジャンク屋から【Zアストレイ】と名付けられる。

プロトアストレイ
アカツキ
M1アストレイ
ムラサメ
オオツキガタ
に続くオーブ独自のMS、ギリシア文字の【Z】は6番目を示す。

とかなんとか。Zの意味についてはこじつけですので、あまり深く考えませんよう。

アフターストーリーは

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