感想も沢山頂きまして嬉しい限り、ありがとうございます。書く気力が無くなった時に見返しております。やめてよね、細かいこと突っ込まれたら僕が勝てるわけないだろ!
ということで。
いつもガバガバな設定にツッコミありがとうございます……ウッ(心肺停止)ってなりながら修正したりしてます……また見つけたら教えてください……
「あれは……」
機体を変形させオーブ艦隊へと合流すべく戦場を駆け抜けていたアムロ。彼は宙域を漂うそれを見つけてから反転。とんぼ返りを始めた。
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「MS隊の状況知らせ!」
「全機健在、ですが補給が……」
「ムラサメ隊一番隊から順次補給を始めろ!彼らを失ってはならん!こちら側の艦隊は!」
「ハミルトン、シェクター、撃沈!敵MS、ミサイルが来ます!迎撃間に合いません!」
オーブ艦隊は圧されていた。クーデター側ザフト軍の勢いは強く、こちらに比肩するほどに士気も高い。このままでは押し切られる可能性も低くは無い、なるべく早くの決着を付けなくてはオーブが撃たれる。アマギも、クルーも、パイロット達も焦っていた。祖国が撃たれ、燃える姿はもう沢山だ。上官や仲間を喪う悲しみはもう知っている、それなのになぜザフト軍はこうも戦える?彼らには理解が出来なかった。
これは彼らにとって、信念による戦いであるのだろう。コーディネイターこそが真に優れた種であり、ナチュラルに支配されることを良しとしない派閥なのか。オーブ軍には分からない。だが、その戦いは既に四年前に終わっている。ナチュラルやコーディネイター同士の戦いが悲劇しか生まないと知っているのに、何故?
「一隻も通すな、所詮ナチュラル共の寄せ集めだ」
ジャガンナートの言葉に、兵たちが了解の意を返す。そうだ、我々こそが真に世界を支配するにふさわしい。ナチュラルとかいう不完全で未完成な種族など不要なのだ。選ばれし人類、コーディネイターこそが世界を調律し統治する存在だ。彼の思想に賛同した者たちの集まりがこのクーデター軍であり、ナチュラルを相手としたこの戦いで高い士気を保っている原因でもあった。
「ジャガンナート中佐、プラントからです!議長が軍に対して、全軍の停止とクーデター鎮圧を呼び掛けています!」
「なんだと!?……いいや、攻撃続行だ!レクイエムがオーブを撃てば、時代は変わる!主砲照準!」
だからこそ、議長の生存とその呼び掛けに冷水を浴びせられる訳にはいかない。こんな事が知れれば、兵の士気は下がる一方だろう。都合の悪いことは伝達せず、とにかく現状の死守を叫ぶ。そうだ、あの忌々しい国を焼かなくてはならない。昔からそうだ、オーブは我々の新たなる未来を邪魔する目障りな国だった。今この時、オーブを撃たなくては。
ジャガンナートの指示によってクサナギへと放たれたビームは、その船体を掠めるに留まった。それでも内部に衝撃が伝わるわけで、ダメージコントロールの必要性が高まっていく。数的不利は誤魔化しきれない。連合軍かのように数で圧倒するザフト軍から放たれたミサイルを睨みつけ、アマギは迎撃を指示。不退転の意志で、彼らは戦い続けていた。
「艦長!接近する物体あり!数2、この識別番号は……ミーティアが二機!デュエル、バスターです!」
「なんと、まだ残っていたとは!」
弾幕を弾幕によって迎撃し、二機のMSが戦場へと乱入する。機体そのものは旧式なれど、動力や武装はアップデート済。大戦においてその猛威を奮った大型機動兵器、ミーティアがその姿を現した。脅威を知るザフト軍が大きく撤退していく。あれ一機で中隊規模のMSは簡単に殲滅できるのだ、自ら無駄な損害を被りに行く馬鹿は居ない。
「こちらはザフト軍情報省、イザーク・ジュール中佐だ!軍本部からの命令を達する!よく聞け!ジャガンナート中佐麾下のザフト軍将兵は直ちに戦闘を停止、原隊に復帰せよ!」
「これで止まればいいんだけどな」
「その時はその時に考えろ、ディアッカ」
デュエルとバスター、その二機を見て誰がパイロットかを理解できない愚かなザフト兵は居ない。乱入によって一時的に戦闘が止まった宙域において、二機のミーティアがその存在感を大きくしていく。気圧されている、と言ってもいい。
ジャガンナートは歯噛みして、モニタに映る白いパイロットスーツを睨みつける。呆然とするオペレーターに指示を飛ばし、戦闘続行の命令を下す。指揮官たる彼の号令でMS隊の統率は蘇り、再び激しい戦いが始まる。命令に従わない形になるが、元々こちらが先に行動している側だ。聞く耳など持たない。
「ジャガンナート中佐!反逆罪に問われたいか!」
「反逆では無い!我らこそが、プラントの未来を担う者だ!」
その時だ。
『私は、ラクス・クラインです』
『たった今、ファウンデーションによる監禁を逃れ、皆さんにお話しています──』
●
時が遡ること、数分前。
「デスティニー、ブラックナイツと交戦中、インパルスが合流します!Z、ギャンを撃破!オーブ軍へ合流──あれ?戻ってきてますよ!」
「えぇ!?アムロ一佐、何やってるんですか!?」
「対空迎撃続行!救出隊の帰還まで気取られないように!主砲副砲、敵艦照準──あれは!」
「振り切れない……艦長!」
『ラミアス艦長!』
『艦長、直ちに放送の準備を』
「キャバリアー……救出隊ね、ラクスさんも!」
『ラクス様、よくお戻りに……!』
ミサイルを目くらましのように、MSが接近する。戦闘艦橋は見通しが良い分、防御力は非常に低い。狙われれば一撃で終わる。マリューが振り返った時、こちらに向かうMSが二機纏めて吹っ飛んだ。後方からの援護射撃、このタイミングならば間違いない。
カタパルトデッキに着艦するキャバリアーから繋がる通信に、ミレニアムが沸き立った。あのアルテミス要塞から無事にラクスを救出してきたのだ、クルー達の不安も解消されるのは当然だった。ラクスの言葉に従いセッティングされる放送機材、そして待機するメイク班。手際が良すぎて訓練されているようにも感じられた。
「ラクスの放送で、何かが変わればいいんだが」
「それを期待するのは野暮ってモノですよ。結局のところ、クーデターを起こしてる段階で意思は固いんですから。見てくださいよ、これ」
「これは……イザークとディアッカか。彼らが来ても尚戦いをやめないとは、随分と強情なんだな」
ズゴックから降りて少しの休息。メイリンが呆れたように戦況を確認しているが、どうやらあちらにも変化があったらしい。懐かしいMSの映像を見せられて、アスランの顔が綻んだ。デスクワークが多いだのコクピットが落ち着くだの、定期的に連絡がやってくる奴らだが、まさかまた前線に立って戦うことになるとは思わなかったろう。
「ラクスは……」
「もう放送の準備に取り掛かってますよ。私達もすぐ、キラさんの援護に行かないと。……レジェンド、気になりますか?アムロ一佐は乗ってませんけど」
「気にならないと言えば嘘になる……今なんて?」
「え?キラさんの援護ですよ。ブラックナイツの団長さんで終わるとは思えませんし、それに……ね?アルテミス要塞の時にササッとデータを頂いちゃいましたから、まだ隠し玉があることも知ってるんです。だから早く行かないと……」
「あ、ああ。そうだな。うん」
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ラクスの放送は、ザフト軍へ小さくない衝撃を与えた。
ラクス・クラインはファウンデーションの思想には一切賛同していないこと。これについては現場の兵士からの反応が一番大きかっただろうか。クーデター軍ではない要職の軍属達は分かっていたように首を縦に振った。というよりも、分かっていないふりをしているだけで誰もが理解していたはずなのだ。状況に飲み込まれ、正常な判断力を奪われてはそうもなろう。銃口を突きつけられた状態でマトモに読解力を働かせられる方がおかしいのだ。
「その通りだよ、ラクス・クライン。君はそういう人間だ。私のプランを否定し、全てを打ち砕いたのだからね」
ファウンデーションが掲げる公正で公平な社会など、そんなものが訪れるはずも無い。デスティニープランはラクスその人が否定したのだ。少しでも彼女に興味があって、またはニュースを見ているのならば知っているはずだ。屋上から空を見上げ、金髪を靡かせた彼は笑う。
『失敗も、変化も、夢も、全てが許されない世界……人の価値を遺伝子で決める社会。私は、自分の価値を他人に委ねはしません!ましてやそれを、暴力や恐怖で人に強制するなど、決してあってはならないのです』
笑い顔が硬直した。隣に立った看護師と怪我人二人がジト目を流してくるのを咳払いで誤魔化して、彼は震える足を誤魔化すように柵へと凭れる。
「なぁ、部外者な俺たちが言うのもなんだけど」
「アンタも人の事言えないぞ看護師さんよ。全部終わったら、ちゃんと息子さんに会いに行ってやれよな」
『どんな命にも自らの運命を決める自由があります。わたくしも、そのために戦います。あなたを愛してもいない者に、決してあなたの価値を決めさせてはいけません!』
「………………そうね」
「逃げんなよ、おい」
ラクスの演説を聞きながら、キラはフリーダムを駆る。メサイアが不時着したまま放置された墜落跡地へ近づきながら、彼はドラグーンを射出。MSに囲まれるクサナギの援護を行って、ムラサメ隊へと通信を繋げる。
「援護します、今のうちに補給を……」
『感謝しますが、ここは我らに!ヤマト准将はレクイエムへ!我らムラサメ隊、この程度で諦めるほど弱くありません!』
「──はい!」
まとわりついたザクを瞬時に撃破して進むフリーダム、その道行きをムラサメ隊が切り開く。三個小隊のうち一つを無言で割り当て、残り二つはザクを破壊して回る。キラの周囲に展開し、ムラサメ隊がミサイルを叩き込んだ。体勢を崩したザクを撃破し、包囲網の隙間を潜り抜けるキラを見送って彼らは再びクサナギを守るために舞い戻る。厳しい戦いが続くものの、フリーダムの乱入はオーブ軍にとって一瞬であっても救いとなった。
「はっ!」
尚も追随するザクを振り切ろうとフットペダルを踏み込むと、接近警報が鳴り響く。モニターに表示されるのはあの時のMS、シュラが操るブラックナイトスコード・シヴァ。接近戦にて圧倒された記憶が新しいそれを強く見据えて、キラは口を引き絞る。今度こそ、彼との決着をつける時だ。
本来手にしていたはずの両刃剣はどこへやら、ビームサーベルを振るうシヴァに違和感を抱きながらビームシールドを展開。相変わらず鋭い一撃を見舞ってくるが、今のキラには余裕で防御可能だ。カウンター気味に突き出したレールガンを放ち距離を取るも、しつこいストーカーのようにフリーダムを追跡してくる。
『これ以上は行かせん!』
「くっ……」
牽制では意味が無い。不殺の心を捨てたキラがビームライフルを放つも、アコードが彼の心を読めるのは変わらない。全くもって別方向に射撃しているような気分になるほど、シヴァに射撃は当たらない。むしろその分だけ接近されてこちらが不利になる。やはり厄介な存在だ、アコードというのは。
シヴァに手こずるキラだったが、彼に対するMSは一機だけではない。ファウンデーション軍旗艦、グルヴェイグの中でイングリッドを折檻するオルフェもまた、MSパイロット。オルフェ、そして創造主たるアウラから冷たい視線を向けられるイングリッドもまた彼と同じ機体に乗り込むことになっている。
「役目を果たせなければ、我らに生きる意味は無い!イングリッド、以前聞き入れたお前の意見は情に塗れていたな。そんな物に意味を見出す暇があるのなら、
「申し訳、ありません……」
オルフェには、ファウンデーションへの愛国心など無いのだろうか。深く沈めた心の中で、イングリッドは彼に問いかけた。国の宰相として凛々しく市政を担っていた彼の姿は、彼女の心を奪うまでに時間は必要無かった。ファウンデーション王国の発展を一心に考えていた彼は、ある時期を境に何かに執着し始めた。
それは自分の対になるような存在であるラクスを手に入れるため、アウラの指示を受けて活動し始めてからだろうか。表と裏の顔を使い分ける彼の姿はアコードのリーダーらしい完璧なものだった。表の顔も含めて、だが。
「旗艦艦隊はレクイエムへ!ミレニアムに対しては艦隊防御ラインに引き込み殲滅せよ!母上、後を頼みます。フリーダムとアムロは私とシュラで始末いたします」
「アムロ?何を言っている?」
「ご心配には及びません。奴らを打ち倒し、そして私は……ラクスと共に帰還してみせましょう!」
「う、うむ。行くが良い、我が息子よ」
「──行くぞ、イングリッド!」
何かに取り憑かれているのかと思ってしまう。まるで何かの亡霊のような、恐ろしい何かに。少なくとも自分が知っているオルフェは、もっと──いいや、よそう。自分はオルフェと母の道具に過ぎない。彼らが世界を支配するための駒なのだ。これ以上、感情に支配されるようなことはあってはならない。
「自分の価値を証明してみせろ、イングリッド。我が母が認めるような価値があるのかどうかを」
「分かりました」
価値、存在意義とは何だろう。ずっと考えてきた。ファウンデーション王国で育ち、生きてきた中でずっと。コンパスの彼らと自分たちでは何が違うのだろう。アコードかそうでないかの違いなのか?強さこそが価値を証明する手段なのだろうか。もっと別の何かがあるのではないか?
ふと、彼の表情が思い返された。ほんの僅かしか会話していないが、彼の雰囲気は自分にとって好ましいものだったのかもしれない。好ましいとは何か。それはきっと国を愛する者として、その国を賞賛されたからだろう。落ち着いた雰囲気で、穏やかな彼。ナチュラルだと見下されていた彼こそ、ともすれば──
「出撃する!」
ちらりと伺うが、オルフェの顔は見えなかった。
※アムロさんとのCPはありません。よっぽど感想とかでツッコまれたりしない限りアムロさんはアムロさん単体で固定です。
イングリッドさん、オルフェへの感情はどんな経緯で作り上げられたんでしょうね。まさか、そうデザインされて……そのように私が作ったとかないよね?ね?
また次回、お待ちください。
そういえばアウラ女帝、アコード以外にも若返り、アンチエイジングの研究もしてたらしいですね。描写から察するに細胞単位で若返ってるという可能性もありますな。うん。
何にとは言いませんが役立ちそうですね。
アフターストーリーは
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欲しい
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要らない
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SEED新作書け