今作のアムロさんは一歩引いたところから皆を見守っているのでしょう。恐らくですが。それは僕ではなく『アムロ・レイ一佐』が選び、行動している証でもありますからね。
前話でもお伝えした通り、過去編は記述するつもりはありません。もし過去編が欲しいのでしたら設定だけ使って書いてください。読みます。僕には無理だ!生まれどころか、彼の生涯を1つも描写できない!僕にはアムロ一佐の過去なんて書けない!
ふざけるな!(バキィ!)ってやるのは勘弁してください、作者がしんでしまいます。でもそれはそれとして、デストロイが居る戦場で最前線で戦いながら敵を撃破、となったらアムロさんの機体がああなるのもやむ無しかなとか思ったり。デストロイ相手なら攻撃を貰う前に自壊しそうですよね。AGE3みたいに。
ところで彼、中身何歳だと思います?
もう還(ここから先は途切れている)
「んで、お前は今まで不貞腐れてるのか。仕方ないだろう、相手の技量と身体能力がシンより高かった、それだけの話だ。気にしても過去は覆らないぞ。それに、勝手に決闘を受けたのはお前だからな?国際問題にもなりかねないというのに……」
「あーもー!分かってます!分かってますけど……でも隊長のことあんなに言われて、我慢できませんよ、俺は。はむっ」
「……ルナマリア、まさかシンって」
「さっきからずーっと、やけ食いしっぱなしです。そんなに食べても良いことなんてないのに、何が楽しいんだか」
「まぁ、美味しいんじゃないか?」
俺たちがファウンデーション王国に訪れたその日の夜はビュッフェ、立食形式の舞踏会が開かれていた。クライン総裁はアウラ陛下とオルフェ閣下と三人で話しているし、俺たちはその護衛。決して踊りに来たりとか遊びに来た訳ではない。が、美味いメシをタダで食えるというのには飛びついていた。特にムウは俺に負け越しているからな、金もないのだろう。
俺からすると、棚から牡丹餅と言ったところ。まもなくミケール捕縛作戦が始まるだろうこんな時に、まさかこんな豪勢な食事が出るとは思えなかった。食える時に動かねば、肝心な時に戦えない。いざ戦場に出てから空腹で集中力が切れました、では話にならないからな。
「キラ、君も食べておけ。最低限、口だけは付けておくんだ。それも准将である君の仕事だ。確かにクライン総裁の護衛任務も俺たちの重要な役割だが、それ以前に君は隊を率いる身なんだ。気を張りつめすぎては身体を壊すし、何より部下が君に遠慮して食事に手をつけられない。まぁ、シンはあんなだが」
「えっ、もしかして二人とも……」
「ルナマリアもアグネスも、君に遠慮している。上司は部下のことを考えてやるのが第一の仕事だからな。世界よりも先に救うべきは、可愛い部下の腹具合じゃないのか?」
「まぁ、お腹が空いてないといえば嘘になりますけど……隊長の前で食べてばっかりというのも気が引けますし……」
「でもそんなところがいいんじゃない。隊長、いつもラクス様より長くお仕事して頑張っていらっしゃるもの、そうですよね?」
「ラクスにはラクスの仕事があるんだ。僕なんかよりもずっと大切な総裁としての激務がある。……食べることも大事、ですか。」
「ああ」
手渡した皿に盛られたのは、俺なりに食べやすいだろうと選んだものばかり。少なくともキラでも食べ切れるだろうという分量だ。シンはこれ一つじゃ足りなさそうなのが彼の健啖家ぶりを加速させている。ああいう手合いは追い詰められた時が一番強い。舐めてかかると痛い目を見るぞ、ブラックナイツの少年たち。
渋々といったように、しかし空腹に耐えかねたのかローストビーフを口に運ぶキラ。仮にも王国、腕のいい料理人が揃っているようだ。ローストビーフの火入れ具合は素晴らしい。風味と柔らかさを両立しながら、しかし均等な厚さにスライスするとは。相当な腕前だぞ、このシェフは。キラも僅かに目を見開いているし、作戦成功といったところだな。美味いだろう?
「……で、シン。確かに食える時に食えと言った。それは何杯目なんだ?俺が見ている時にはいつも何かが皿に乗っているように見えるんだが」
「えーっと、四杯ぐらいっすかね。こういうの食べる機会、なかなか無いですから。でもなんというか、ルナの手料理の方が美味く感じるっつーか。何か特別な食材でも使ってんの?」
「へぇ……ルナマリア、お前料理も出来るのか。これはいよいよ俺たちに続く2組目の成立も近いかな?」
「そ、そんなんじゃないですよ!シンも、こんなところで変なこと言わないでよ!私のよりもずっと美味しいに決まってるじゃない!」
「むぅ、そうかなぁ」
「ははは、シンにとってはルナマリアの勝ちということだな。……俺はファウンデーションの食事も気に入っているがね。これがどうして、なかなか手が止まらない」
しかしまぁ、そんなシェフも愛の力には無力といったところか。こんなに豪華な食事を越える美味しさとは、ルナマリアの腕前も相当という事だろう。そういえばつい先日、指を切ったと言っていたがあれは……うん、思い当たる節は多いがやめておこう。これ以上は馬に蹴られそうだ。そしてアグネス、不満そうだがお前は相手が悪い。というか無理だ。諦めろ。
パイロット組はムウに任せ、俺はふらりと会場を歩いていく。丁度反対側に集まっていたのはノイマンを初めとするクルー達。彼らも普段とは違う空気に慣れないのか、それとも日々の疲れからか、仲間内で集まって静かに談笑していた。ラミアス艦長はどうしているのだろうか。まさか帰ったとか?いやいや、まさかそんな。
「ラミアス艦長ならミレニアムでコノエ艦長と会議だそうですよ。ミケール大佐の捕縛作戦を煮詰めるとか仰ってました」
「ハインライン大尉も同様です。ミレニアムで待機の奴らにもなんとかして差し入れをしてやりたいんですが、そうも行きませんからね……」
「これも仕事というか何というか。俺たちはコンパスを代表している身、こう見えても気が抜けない部分もある。遊びに来た訳では無いというのもまた事実だが……しかし惜しいな、これを食えないとは」
「それなら、ある程度お包み致しましょうか?」
ファウンデーションの飯は美味い。これを食い逃す手は無いが、しかし任務であるのもまた事実。ミレニアムの連中は待機命令に悔しがっていたが、君たちはこんな宮殿で寛げるのかと聞きたい。そんな訳で事情を知るノイマンやチャンドラと話していると、横からやって来たのはイングリット秘書官。
「これはイングリット秘書官。御機嫌よう。これ以上ない提案ですが、よろしいのですか?我々だけを特別扱いしては……」
「いえ、この程度であれば私一人の裁量でも何とかなります。それに、アムロ一佐にはこの国の料理人を褒めていただきました。国を愛する者として、これ以上ない喜びです」
「そう言われては断る方が失礼でしょう。お言葉に甘えさせていただいてもよろしいですかな?」
はい、と微笑んだ彼女の顔に嘘は無い。この国を愛しているのだという気持ちが伝わってくる。ああ、確かにそうだ。自らの生まれ、育った国を褒められて嬉しくない筈もあるまい。それも国務秘書官であるのなら尚更に。
彼女の一言で、なんと待機組にもこの食事が持っていかれることになった。流石にこれと同量とはなりませんが、と恐縮されてしまったが何を言うのか。むしろこちらが頭を下げる方だ。ただでさえ願ってもない申し出だというのに、贅沢など言えるだろうか?いや、言わせない。これまた豪華な容器を用意させたイングリット秘書官の姿は、俺たちよりも歳下には見えなかった。
●
「……と、いうわけでイングリット秘書官に感謝しながら頂くように。こんな機会、なかなか無いぞ」
「「「「はーい!」」」」
「現金な奴らめ……」
「まぁまぁ。明日は一日のんびり出来ますから、少し羽目を外すくらいならば問題ないのではありませんかな。アムロ一佐も一緒にどうです、一杯くらいなら付き合いますよ」
「なら、ご相伴に預かるか……うん?まさかこれは焼酎か?いい物を持っているじゃないか、次は俺の秘蔵も持ってこよう」
「やはりアムロ一佐にはお見通しでしたか。ええ、その通りです。以前極東へ旅行した折、現地の方と親睦を深めたものでしてその時に」
「いい酒だ、うむ、これはいい。それはそれとして、コノエ艦長。こんな時なんだから敬語はやめてくれ、ラフに行こう」
「それもそうか……しかしオーブのスーパーエースにタメ口というのも、何だか気が引けてしまうな?」
パーティも終わり、イングリット秘書官に一頻り感謝の言葉を並べ立ててからの二次会。ミレニアムの食堂に持ち帰ってきた食材を並べてやると、待機組が揃いも揃ってやって来た。流石に全員集まるとは思っていなかったぞ、俺も想定外だ。
確かに明日は一日、ファウンデーション王国の観光に充てても良いとの話があったが!それもイングリット秘書官とオルフェ閣下直々の話でな!俺の一言はどれだけ彼女の心を動かしたんだ……まさかあの宰相と国王を説得せしめるとは思わなかったぞ。と言っても首脳陣は会議、希望者のみの観光だがな。俺か?俺は待機だ。色々あるんだ、こっちにも。
「勘弁してくれ、俺はただの説教臭い一般兵なんだ。……名残惜しいが、一旦ここで。また戻ってくるし、気にせず続けておいてくれ。飯は兎も角、酒は残しておいてくれよ?」
「さて、どうかな?私が一人で飲みきってしまうかもしれん。特に美味いツマミがあるのならな」
「ふむ……どれも美味かったが、ローストビーフは格別だぞ。ワインなんかあれば完璧かもな?」
「あら、そうなんですか?それはそれは、アムロ一佐が言うのなら美味しい物なんでしょう。気になりますわね?」
勿論ローストビーフは十分な量があるが、それはそれとして気になるのだろう。キチンと一杯だけ付き合ってから、コノエ艦長やラミアス艦長も混ざって俄に騒がしい食堂からするりと抜け出した。艦外へと歩いていくが、なんとも静かなものだ、やはり食事に飢えていたのだろうか。あのアルバートもちゃっかり参加していたからな!
そんな彼から受け取ったデータは昼間の一件が記録されたもの。どこから記録していたのかと聞いてもはぐらかされて終わった。絶対にろくでもない方法で観察していたのだろうことは容易に想像出来る。まだ中身の確認はしていないが、何故あんな詳細に観測できたのかは気になるところだ。トリィやブルーのようにペットロボでも作ったのか?
「ん?」
そんなことに思いを馳せていると、どこからか悲痛な怒鳴り声とドタバタ物音が聞こえてきた。確かこの時間に残っているのは……そう考えて一瞬身構えた自分が馬鹿らしくなった。パイロット連中ならこの時間に残っている。キラはどうしても作業がしたい、とのことで残っているがクライン総裁はどうだろうか。分からないが少なくとも今の声は違う。
間違いなくルナマリアだ。涙声で分からなかったが、その後に聞こえてきた情けない声はシンだろう。あの方向はシンの私室で、二人ともシャワーを浴びると言っていたから……ああ、そういうことか。余計にアホらしくなってきた。外に出ようかとも思っていたが、どうするんだこれは本当に。今あちらに向かえば確実に面倒事に巻き込まれる。
「……飲み直すか」
万が一にも落とさないよう、受け取ったデータチップは俺の端末に保存しておくことにした。これで良し。あとは飲み直すだけだ。コノエ艦長はまだ居るだろうか。
「流石にそれは自分で何とかする問題だとは思うが、漢気を見せられなかったか……シンめ、日和ったな」
後に知ったのだが、この時シンは俺が行こうとしていた場所で自己嫌悪に陥っていたとか。甲斐性なしめ。
●
「さて、ファウンデーション観光は楽しめたか?」
「思ったよりも化粧品が……」
「ルナマリアを止めたんですけど私も」
「フライドチキンの屋台があったんすよ!」
「まぁ、僕はちょっとだけですけどね」
「それなら気分転換にもなって良かったじゃないか。コンパスMS隊総隊長の面目は守られたようで何よりだよ」
「え、アムロさんそんな偉かったんスか」
「一応な?最近じゃ何でも屋になってるが、出向したオーブ軍人を総隊長にするのもどうかと思ってる身だ」
「確かに、僕の作業の手伝いしてたり」
「トレーニングの時の指示も的確でしたね」
「何でも知ってますよね、アムロ一佐って。隊長もそうですし、付き合うならそんな人がいいな〜、なんて」
「俺は止めておけ、毎日説教されたいのか?」
「ヒュッ」
「アグネス、あんたいっつも何してるわけ?」
次の日。二日酔いで死にかけているクルーに無理矢理水を飲ませて仕事させていると、あっという間に夕方になっていた。おかしい。俺は今日、アルバートとプログラムの最終チェックを行う予定だったんだが。
「さて、帰ってきてすぐだが明日の作戦についてのブリーフィングがある。1900にブリッジ集合だそうだ。俺はアークエンジェルから参加するから、後はキラに任せるぞ」
「「「「了解」」」」
「先に言っておくが、今回の作戦で俺はアークエンジェルの直援だ。いつものような援護は期待するなよ、最後に頼れるのは自分だけなんだ。アークエンジェルは俺たちに任せて、自分たちの仕事を果たしてこい」
はい、と元気に答えるシン。それとは対照的に優れない表情のまま返事するキラ。また何かあったのだろうか。
それを聞き出す程、時間に余裕は無かった。
※キラさんはちゃんと原作通りの会話してます。あんな後でお出かけは楽しめたのでしょうかね……
さてさて、イングリッドちゃんがやたらと親切ですが何故でしょうね。とある時空では父親にもなったアムロ・レイですが、そんな彼も中身を考えると良い年してますからね、多少はね?CP変更とかは考えてないです。ただムウさんや他のクルーとは違い、漂う空気感が違うからアコードたちとの相性も悪くないかも。
30歳のはずなのに醸し出されるのはまるで父親、または祖父のような安心感と余裕。いつも真面目な顔をしている彼がふと見せる笑顔だったり本音だったり冗談だったり。そういうところも彼が頼りにされる理由なのかもしれませんね。
感想もちょこちょこ頂いております、ありがとうございます。キチンと全てに目を通しておりますので、ご安心ください。ただ展開予想とかされるとちょーっと、ね?書きにくくなっちゃうね?
いや、全然大丈夫ですけども。良いんですけれども。その人の予想通りになるのか、それとも違う形になるのか。
また次回、お楽しみに。
アフターストーリーは
-
欲しい
-
要らない
-
SEED新作書け