オーブ国防軍の白き流星   作:御簾

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サクサク進めるSEED FREEDOM RTAはーじまーるよー。
今回は核ミサイル発見からアカツキ島退避までです。

というのは置いといて、内容はそんな感じ。
アムロ一佐の戦い方はMSを人体の拡張として扱うようなやり方なので、従来のOSでは機体への負荷が大きいんですよね。やりたかったらキラのフリーダムと同じぐらいの性能とOSを搭載しないとどうにもなりませんから、ムラサメじゃ到底性能が足りないと。

ちなみにミレニアム配属時、ハーケン隊と三対一で訓練してた化け物がアムロです。もう見たことある戦術だからね、しょうがないね。見抜かれた側としては溜まったもんじゃないですけども。そんなわけで彼らもある程度は技量が上がってます。ただでさえ高いのに?

いつでもどこでも飼い殺しにされるアムロさんェ……



その7

『巡航戦術核ミサイルです!』

「やはりか……!」

 

 艦橋で映像分析をしていたチャンドラの叫びが聞こえた。そう、核ミサイルだ。森の中から飛び上がってきた2機のブラックナイツがこちらを向いたその直後、空に向けてミサイルが飛翔していく。方向から見るにこれは、ファウンデーション?状況から連合がファウンデーションに核ミサイルを撃った……とは考えにくい。

 

 どんな場合であれ、核を撃っていい理由などあるはずもない。掘り起こされた記憶では俺一人でも対応出来ていたが、この状況では間に合う訳もない。構えたビームライフルを狙撃モードに、スコープを引き出して照準を合わせるが──それすらも読まれていた。

 

「撃ち落とす、この今ならばまだ……っ、ブラックナイツが来るか!やはり初めから我々を狙って!」

 

 そうはさせない、と言うようにこちらへと迫るブラックナイツ。飛んだミサイルは彼らの接近に合わせているようにも見え、作為的なものを感じる。奴らが発射したかのようにも取れるが、それを追求するような余裕は無かった。奴らはあっという間にビームでゴッドフリートを破壊し、背負った対艦刀を引き抜いた機体のカメラアイが赤く光る。右目にあたるその場所から、こちらにレーザー照準が合わせられた。無人機のミサイルで飽和攻撃を行うつもりか!

 

『くっ!』

『狙いはアークエンジェルか!』

「マーズ、ヘルベルト!援護してくれ!」

 

 幸い、俺の方が近い。我々の手持ち武器の中で、噂に聞くフェムテク装甲に対する有効打になり得るものはほとんど無い。襲いかかってくる奴らに対抗する手段は無いが、それでもこの艦を守らなければ!機体出力を上げて向き合い、ビームを数発。

 

──効くわけねーだろ、間抜け

──所詮はナチュラルです、敵ではありませんよ

 

 しかしそれらは、弾道が読めているかのようにひらりと回避されて空を切る。高機動に任せた無理矢理な突撃を敢行する奴らにイーゲルシュテルンが放たれるも、その全てが弾かれていく。有効弾は無し。むしろそちらに集中した分だけ、他への注意が甘くなる。

 

「アークエンジェル、下がれ!このままではキラ達の救助より前に落とされる、まずは我々がMSに対処して……しまった!」

 

 実弾にもある程度の防御力があるというのか、容赦なく奴らはアークエンジェルへと迫る。俺の機体など眼中に無いとでも言うかのように、悠々とゴッドフリートを破壊。あっという間に、アークエンジェルは主砲を失うこととなる。せめて迎撃手段を残さなくては、ミサイルに蜂の巣にされるだろう。

 

 サーベル片手に向き直り、艦への接近だけは防いでみせる。二機が相手でも、数秒だけなら持ち堪えられるはずだ。そう判断して青い方を蹴りつけ、その反動でピンク色に向けてサーベルで切りかかる。軽くあしらわれ、仕返しとばかりにこちらの機体が吹き飛ばされる。こちらとしては二人が間に合えばそれでいいので目論見は成功と言えるか。

 

──邪魔すんなよ

 

「ぐぅっ!やはり効かないか……!」

『これが噂のフェムテク装甲!』

『ビームがダメなら近接攻撃だ!』

『ミサイル接近!数30以上!』

『迎撃!』

 

 合流した二人のライフルからビームが放たれる。が、それを彼らは避けることも無く、こちらに見せつけるようにして受けた。無効化されたビームを見て戦意を喪失するとでも思ったか?もし本当にそう考えているなら、俺も随分と下に見られているものだ。ああいう手合いにもやりようはある。アークエンジェルを落とそうとする悪意が感じられて不快だ。隠そうともしないなら、こちらも容赦はしない。

 

 そう、マーズの言う通りの近接戦闘。フェムテク装甲のビーム無効化手段がどのようなものかは不明だが、アカツキの例を見るのならビームサーベルでの攻撃は有効打になり得るだろう。そう考えているのを見抜いたかのようにブラックナイツは俺たちから遠ざかる。放つビームは時に無効化され、余裕を持って回避された。俺と似たような動きだが、随分と拙いな。

 

「フラフラと気味の悪い動きをする……!」

『なんだコイツら、先読みでもしてんのか?』

『けど、総隊長ほどじゃないな』

 

──なんだコイツら、めんどくせー

──そろそろ終わらせましょうか

 

「……来る!二人はアークエンジェルに!」

 

 叫んだ直後、ブラックナイツが二手に分かれた。片割れはこちらに、もう片割れはアークエンジェルに。だが俺に向かってきた方に無人機は居らず、おそらくあちらに無人機を集中させているのだろう。どのような制御方法かは知らないが、これがファウンデーション王国の技術力ということか!

 

 背部の赤いビームマントを翻し、対艦刀を振りかぶるピンク色。その動きはフリーダムと遜色ないようにも感じてしまう。機体の性能、可動範囲、そして武器のリーチを鑑みると最適解は近寄ること!大振り故の欠点もあるということだ、ブラックナイツ!

 

『止められただと?ナチュラルのくせに……』

「そのナチュラルに有効打を与えられないのは貴様だろうに!どれだけ優れた機体かは知らないが、中身がこれでは宝の持ち腐れだな!」

『貴様ァ!』

 

 近寄って腕ごと止めてしまえば、奴らは攻撃できない。むしろ近づいた分こちらの方が有利なのだ。パワーに押し負けそうになる左腕から、ミシミシと音が聞こえる。一気に鳴り響くアラートは過負荷を示していた。だがそんな事を気にしていてはこちらがやられる。

 

 関節部にバルカンを叩き込み、至近距離でミサイルをロックせず発射。あわよくば損傷を、と思ったが有効弾は無かった。FCSに問題はないが、センサーに誤認が見られる。このパターンはデスティニーと同じ、幻惑機能か!

 

 激昂したように声を荒らげ、敵は俺から大きく距離を取った。あちらのビームが当たれば即死だが、こちらのビームではダメージにもならんとはなんともイカれたバランスだ。こちらの回避行動を読んでいるのか動く先にビームが置かれているものの、狙いが正確過ぎる。コクピットだけを徹底的に狙う程度なら予測可能な範疇に入る。直感に従い、手足を大きく振り回してビームを回避、反撃したくとも出来ないのが辛いところだ。裏の裏、二手、三手先を読めば、奴らの動きなど大したものでは無いのだがな!

 

「マーズ、ヘルベルト!奴らの機体に近寄るな!センサーそのものが騙される、デスティニーと同じ──」

 

──これで落ちろ!愚鈍なナチュラル!

 

「チィッ!」

 

 通信の隙も与えてくれない……いや、俺の機体が悲鳴を上げている?彼我の性能差はそのまま隙の大きさと反比例する。奴の性能とムラサメの性能が違いすぎる!通信している間にこちらが落とされては意味が無い。再び斬りかかってくる相手の腕を蹴り飛ばし時間を稼ぐも、機体各部が悲鳴を上げ始めた。コクピットにアラートが鳴り響く。

 

 時間を稼ぎ続ける俺とは裏腹に、マーズとヘルベルトは俺の意図を察したのか距離を取って攻撃を仕掛けている。が、ほとんど効果が見られない。しかも青い方をフリーにすればアークエンジェルが落とされかねないので、そちらに集中すれば無人機の攻撃をカバーしきれない。近づかれないと分かっているからか、青い方がマーズたちをアークエンジェルへ釘付けにするような立ち回りを始めるまでに時間は必要なかった。

 

『避けたらアークエンジェルを、ってか!』

『なんて卑怯な奴!』

 

──いい加減に死ねよ

 

「マーズ!ヘルベルト!」

『総隊長のしごき受けてんだ、この程度!』

『大した腕も無いくせによぉ!』

「手が足りない……いや、ムウ!」

『マリュー!アムロ!お前らぁぁ!』

 

 もう1人のムラサメ乗り、ムウが引き返して来た。そろそろ俺の機体も限界だが、気を抜いてはいられない。操縦桿を握り直したところでアークエンジェルから爆発音。どうやら二人の抵抗も虚しく、青い方が最後の武装……バリアントを破壊したらしい。フレア弾を散布しミサイルを回避するアークエンジェルに気を向けていたのが悪かったか。敵機が俺に向けて再接近。

 

「その手は食わん!」

 

──落ちろ

 

「な、脚部が!」

 

 バキリ、と機体のフレームが折れる音がした。AMBACで機体を振り回しすぎたか!振り下ろされる対艦刀を腕ごと弾いたムラサメの右足がへし折れて落下していく。瞬時に機体制御が調整されるが、彼らにとってその一瞬は、俺を仕留めるに十分すぎる時間だっただろう。

 

 悲鳴が聞こえるアークエンジェルの回線と、圧されていくマーズとヘルベルト。通信の向こう側で叫ぶムウの声が聞こえて、俺は咄嗟に左腕を犠牲にすることを選んだ。ここで落ちてやる訳にはいかないのだから。

 

 右足を振り抜いた勢いのまま、襲いかかる対艦刀に背中を向けるように機体を回す。頭部から真っ二つにされないよう角度を調整してやれば、脚部と同じく機能不全に陥っていた左腕が肩から切り飛ばされて吹っ飛んでいく。

 

「タダでは落ちんよ!」

 

──何だと?

 

 安心したな、間抜け!

 

「フェムテク装甲でも、スラスターまでは守れんだろう!」

 

──遊びは終わりです

──ようやくかよ

 

 既に俺から視線を外し、ムウのムラサメへと切り抜けていくブラックナイツ。そのビームマントと機体本体の僅かな隙間を狙い、振り向きざまビームサーベルを叩き込む。その瞬間、あまり嬉しくない直感に従い、機体を反転させてその場から飛び退った。

 

 相手に集中して忘れてしまったが、ファウンデーション王国の基本戦術は無人機による攻撃も手段のひとつだ。俺ごとアークエンジェルを沈めるつもりだろうか、無数のミサイルが俺に向けて放たれていた。そのまま落ちてやるつもりも無いが、アークエンジェルには対抗手段が残されていない!

 

「くそ──!」

『アムロ!』

 

 

 アムロ・レイ一佐、撃破。アークエンジェル艦橋への直撃弾を自らの機体を盾に防ぎ切り、彼のムラサメは四肢を失い墜落していく。黒煙とスパークに塗れたムラサメでミサイルを撃墜するまでは良かったが、機体が先に限界を迎えたようだ。落下地点は森の中で、やがて機影が木々に覆われ消えていった。揺れる艦の中、彼のシグナルがロストしてもマリューたちに確認する余裕はない。

 

『お前らぁぁぁ!』

「ムウ!」

「ミサイル接近!」

「フレア弾は!」

「もうありません!直撃します!」

 

 アムロという存在を失い、戦況はアークエンジェルが一気に不利となった。防御も出来ずに炎に包まれる艦を見て激昂したムウのムラサメ。センサーは撹乱され、放つビームは全てが明後日の方向に飛んでいく。感覚では追えているが、機体側が騙されていてはどうしようもない。

 

『──ッ、くそぉ!』

『姐さんの留守に、こんな好き勝手!』

 

 頭部を切り裂かれ、せめてもの抵抗として瞬時にミサイルを叩き込んだムウの機体が落ちていく。当然、マーズ、ヘルベルトのゲルググでは太刀打ちのしようもない。盾を構え、三機が時間差で襲いかかるジェットストリームアタック。ヒルダの不在により二機で再現されたそれは、幻影によって余裕たっぷりに回避された。

 

──やっぱこの程度じゃん

──所詮はナチュラルですね

 

 お返しとばかりに彼らの機体に襲いかかる凶刃。貫くような角度の対艦刀は、シンがフリーダムを撃墜した時と同じだ。このままではコクピットが貫かれる。切っ先が機体に触れるか触れないか、そんな刹那に彼らは自ら機体を動かすも、運命から逃れることは出来なかった。

 

『こ、これが怪物……』

『すまねぇ姐さん、総隊長!』

「MS隊、全機シグナルロスト!パイロットの生存は不明!ブラックナイツが来ます!」

「機関停止、炎が弾薬庫に迫ります!艦長!」

「エンジン切り離せ!総員衝撃に備えて!」

 

 マリューの判断は早かった。ノイマンに全てを託し、谷間へとアークエンジェルを不時着させる。その判断を下すよりも無茶苦茶な胴体着陸をやってのけたノイマンの方が凄まじいが、それを褒めてやる余裕は無い。ブラックナイツは未だにこちらを狙っているのだ。すぐさま各員に退艦指示を出す。

 

 アークエンジェルが、こんなにも簡単に落とされるとは。キラやシン、ヤマト隊との通信などしている状況では無い。彼らが無事なのかどうかも分からない中逃げるというのも情けない話だが、ここで倒れてはファウンデーション王国の真実を公表する手段が無くなってしまう。

 

「はっ……!」

 

 照射されるレーザー、クルーを見送っている時間は無さそうだ。緊急退避コマンドで艦長席が格納されるのとほぼ同時、艦橋にビームが撃ち込まれる。その直後、アークエンジェルに無数のミサイルが叩き込まれていく。不沈艦と謳われた大天使、その末路であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マーズとヘルベルトも!?」

「はい。爆発と機体の残骸が落ちていくのまでは確認できました。そこから先は……すみません」

「生きてりゃいいが……望みは薄いだろうね。こうやって皆を守れたんだ、アイツらだって本望だろうさ」

「ヒルダさん……」

 

 シンとキラの手前、情けない姿を見せられないからか。努めて冷静に、ヒルダが無表情で零した。長年付き添った部下を喪った悲しみは大きいだろうに、彼女もまた大人だということか。シンの言葉に笑う彼女の笑顔は硬い。何も感じていない訳では決してないのだ。

 

「レイ一佐も、だ」

「アスラン?」

「メイリンの探査にも引っかからなかった。あのまま落着しているとするなら、仮に不時着して生きていたとしても核に飲み込まれているだろう」

「そんな、アムロさんが……」

 

 身を呈してミサイルを防ぎ、そのまま行方不明となったアムロ・レイ。彼の不在はコンパスの構成員だけではなく、オーブ国防軍にも衝撃をもって伝えられた。あの『白い流星』が作戦行動中に核ミサイルに巻き込まれて死亡した、そんなニュースは瞬く間にオーブ首脳部を駆け巡っていく。

 

 根を詰めがちな自分を始め、ミレニアムやアークエンジェルのクルーに気を回しながら接していた彼。知らず知らずのうちに精神的支柱にもなっていただろうか。クルーにはファンも多かっただけに、彼らの落ち込みようは尋常ではない。キラはがっくりと肩を落とし、ソファへと腰を下ろす。自分の行動で、そんなことになるなんて。

 

「コンパスの活動は当面の間凍結されている。カガリは頑張ったようだが……俺たちは今、死人も同然といったところだな。本当に惜しい人たちを亡くした。彼らがいなければ今頃……」

「そうね。アークエンジェルはもっと早く沈んでいたかもしれないし、ブリッジは吹き飛んでいたかもしれないわ。救助が間に合わなかったかもしれない。……でも、不思議なのよね」

 

 アスランの悲痛な面持ちに対して、マリューは思うところがあるらしい。ちょうど同じ頃、ミレニアムでも似たような会話が為されていた。アークエンジェルクルーの生存を信じるミレニアムと、アムロたちの生存を信じるアークエンジェル。果たして、彼は生きているのか。そう自分に問いかけながらも妙な確信を持ち、マリューはシンに微笑んだ。

 

「私は何故か、彼らは生きていると思うの。厳しい訓練を受けて、大戦を生き残った彼らなのよ。そう簡単に死ぬかしら、あのエース達が」




※劇場版と同じく、シンとキラは圧倒されっぱなしでした。ただシンが気を取られた理由はアークエンジェルだけでなく、アムロ撃墜の報もあったりします。

マーズ&ヘルベルト、アムロの2組に分かれることで無人機に攻撃させる余裕を無くしたかったんですけどね。思った以上の性能だったようです。あれどういう制御してんのか気になります。ほんとに。

闇に落ちろアタックですが、今作においてはどんな精神状態でもせん妄状態に陥れることが出来る最強技として扱います。デスティニーに乗ってるシンですらもステラガードが無ければ食らっていたでしょうから。アムロさん?あの人は別だよ別。

でもあれ、かなり無法な技だとは思いませんか?人種関係なく思考を読んで闇に落とせば暴走兵の出来上がりですからね。トラウマが深ければ深いほどいいのかもしれませんが、深すぎたら逆襲されるっていう諸刃の剣な感じも否めません。アムロさんなら……どうなるんでしょうかね。

次回もよろしく。































『間に合ったかな?』
「ええ、問題はありません」
『急いで帰投してくれ、手遅れになる前に』
「無論です」

アフターストーリーは

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