ホシノに相棒がいたらいいよねっていう話。 作:ぱんだひーろー
アビドス某所の廃墟。
ホシノは突貫し、散弾銃を撃ちまくる。が、姿勢を低くした相手に悉く外れ、リロードのタイミングを狙われ近づかれる。
「この...!」
そうはさせまいとハンドガンを撃ちながらスピードリロード。が、ハンドガンの攻撃は展開されているシールドにすべて吸われてしまう。相手のピストルは廃材を盾にして身を守る。そのまま距離が近くなったところで、シールドから伸びてきた足蹴りを回避。もう片方の足を撃ってバランスを崩そうとするもバク転で距離をとられて地面に大穴を穿つ。しかし空中に逃げたのが仇となったようだ、貫通力の高いスラグ弾でシールドを壊し、二射目で胴体にクリーンヒット。そのままさっきから模擬戦をしていた相手――マナはビルの下層へ落下していった。
__________
「くそう、また負けた...!」
「これで7勝0敗...ってところかな、まだやる?」
「もう動けない...」
ホシノはマナを廃ビルの1階で包帯ぐるぐる巻きにしていた。
7勝0敗。トータルで見れば138勝1敗である。この1敗は、マナのベルトに仕込まれていた爆弾を自爆特攻じみた方法で当てられ負けたもの。だから決してタイマンで負けたわけではない。決して。
「僕一応スナイパーなんだからさ、白兵戦とかめったにしないよ?」
「知ってる」
「じゃあなんでやるのさ...」
「もしものときのためだよ」
「あっそ......」
もうなにもいうことはない、とでも言いたげな表情でマナは天井を呆然と見ていた。
「僕のエクリプスどこ?」
「そこに転がってる」
「はいよ」
マナの近接戦闘用サブウェポン、
「あともうちょっとだったのに...!」
「それ毎回言ってない?」
「毎回あとちょっとなの!」
「あのさ...」
そろそろいい加減慣れてくれ。
__________
僕はいつものようにホシノに惜敗したあと、アビドスに帰るホシノと離れてアビドスの治安維持を行っていた。ここはヴァルキューレなどの治安維持組織が訪れることがめったにない。なので当番制で治安維持を僕たちがするしかない、というなんとも貧乏くじな話である。
遠くをスコープ越しに見渡すと、まーたいつものようにヘルメット団が鎮座している。しかも旧校舎の前で。おそらく金目の物が目当てだろうが、こちらのものだし、金目のものは僕らも欲しい。なので撃つのは致し方なし。うん。
背中にマウントしていた
そう、これがマナの特殊な能力、「ヘイローによる視野の拡張」である。視力が上がり、だいたい斜め後ろまで見えるようになる。視野というのは近距離戦闘においても、遠距離戦闘においても重要なものであり、その能力の重要性から秘匿し続けていたため、これはゲヘナの情報部すらも知らない。...黒服を除いて、だが。首を振り、あいつは一体どんな情報網を持っているのだろうか、などの雑念は捨てて目の前の相手を狙う。
センターに捉え、発射。弾丸は見事狙った不良――のそばの電柱を大きく穿つ。支えどころか、下3割を一瞬にして失った電柱は、狙い通りに不良の方に倒れ、不良たちは蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。
「さて、これでしばらくどっかに行ってくれるとありがたいんだけど...」
ま、どうせ3日後にはまた来るか。
さっき不良を狙わなかったのには理由がある。そもそも、The Smiterは12.7×99mmの弾丸を使用する対物ライフルであり、キヴォトスでもなければ人に向けて撃つのはお門違いなのである。そんなものであるから、十分上澄みの神秘を貯めに貯めた弾丸で急所を打ち抜けば、最悪大けがを負わせる事態だってあり得る。そうなると医療費とかがいろいろと面倒くさいのだ。
「にしても、不良の医療費を気にする高校って...」
情けなくて涙が出てきそうである。
あれ?これって青春なのでは?(勘違い)