スニーク・チキン・シーカーズ~唐揚げの為にダンジョン配信はじめました。寄り道メインで寝顔に絶景、ダン材ゴハン。攻略するかは鶏肉次第~   作:北乃ゆうひ/YU-Hi

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 本編には大きく影響を与えないので気にしない方は気にしないで良いのですが、前回の更新分の一部、ちょっといじったのでご報告です。

 前回更新時点だとカカオ99%がいいかなぁ……と思ってましたが、更新したあとで、今回の食レポシーンを執筆するにあたり、味や舌触りを想像すると、もうちょっとカカオ度下げた方が良さそう……となったので、99%→高カカオと表記を変更しました。
 またチョコ以外は胡椒だけでしたが、油分の少ない高カカオチョコをソースにするには滑らかさが足りないと気づいたので、アルコールを飛ばした赤ワインを加えて伸ばす形にしました。

 それらを踏まえた上で、今回のシナリオとなっておりますのでご了承ください。


涼 と バッパラ と 五色のステーキ

 

 

「いただきまーす」

 

 涼もゲストたちも、ディアに言われた通り、一番上にある緑のバッパラステーキを小さく切って口に運ぶ。

 

「お?」

「むむ?」

「おお!」

 

 その反応はそれぞれだ。

 

 涼と心愛、旋は美味しそうに食べているが、守や一成の反応は微妙だった。

 

:反応が分かれたな

:好みが分かれる味なのか?

 

「ん~~、ここあちゃんは結構好きな味だなこれ~~!」

「私も嫌いではありませんね」

「美味しいけど、不思議な味。肉じゃない味もする……いやでも肉の味かな? うん。肉なのは間違いないし美味しいんだけど、うんー?」

 

:肉なのに肉じゃ無い?

:輝いてるのに怪訝な顔とはレアな

 

 薄らと顔を輝かせながらも涼が首を傾げる。

 顔の輝きが弱いのは、美味しさと不思議さが釣り合ってしまっているからだろう。

 

「なんか独特の風味というか甘ったるさがあるな」

「うむ。一体これは……」

 

:甘ったるい?

:え?肉でしょそれ??

 

 風味が合わなかったのか、守と一成の反応はイマイチだ。

 二人同様に怪訝な顔をして首を傾げながらも、何か確信めいた顔で良轟が告げる。

 

「……妻が好きでよく食べているから分かるが、これはピスタチオ――いやピスタチオバターに近い風味だな?」

 

:ピスタチオバター?

:肉なのに?

:というかディアちゃんそんなの使ってたか?

 

「はい。良轟さん正解です!」

「ピスタチオバター?」

 

 ディアが拍手をすると、横にいる一成が首を傾げる。

 

「ピーナッツバターってありますよね。あれのピスタチオ版みたいなやつです。結構人気あるんですよ」

 

:へー

:肉の味が????

:パンに塗って食べると美味しいんだよねー

:そのままスプーンですくってぺろぺろしてる 気づくと瓶が空になってる

:↑絶対カロリーやばいから気をつけとけよ

 

「それは良いんだが……味はおいといても解せないコトがあるんだけどな?」

 

 苦笑するような顔で、守がそう口にする。

 

「調理工程でクリームみたいなモノを使ってた様子一切無かっただろ?」

 

:それはそう

:マジそれな

:となるとやっぱり

 

「鳴鐘さんの疑問はもっともですね~。

 そこで、先ほど心愛(ここあ)さんが気づいた答えに繋がってくワケなんですけど」

「ん? 答え言っちゃっていいの?」

「はい。答え合わせと行きましょう」

 

 ディアがうなずくと、心愛は人差し指と親指の間に顎を乗せて、キラーンと目を光らせた。

 

「ではズバリ言っちゃうと~~! これ、緑バッパラそのものの味でしょ~~?

 そんでもって色それぞれに、何か独自の風味が付いてるってやつじゃな~~い?」

「はい! 心愛さん正解です!」

 

:やっぱりかー!

:色ごとに味がついてる……?

:そうか肉そのものに味がついてるから添えるのがシンプルなチョコソースだけなのか

:これは確かに面倒だ

:色ごとに味が違うとか面白いな

 

「わざわざ~~、お皿に盛る時に間に葉っぱを挟んでるのを思うと~~、肉そのものよりも脂の方に、そういう風味が付いてる感じ~~? この葉っぱは肉同士の脂が混ざらないようにする為だよね~~?」

「あ、そこまでわかります? そうなんですよ。なんていうか溶け出した脂そのものが、ソースみたいな味するんですよね」

 

:つまり緑バッパラはピスタチオバターソースが最初からついてる肉ってコトか

:ついてるというか肉に染みこんでいると言うべきなのか?

:おもしれぇ!料理してみてぇ!味わってみてぇ!

:ガチシェフ勢が荒ぶってる

:漫画とかに出てくる変な食材みたいなの出てくるとはなぁ

 

「今の一口で緑バッパラの味は分かったと思いますので、お好みで岩塩やソースをつけて食べて見てください」

 

 涼は言われた通りに緑バッパラの肉を一口サイズにカットして、チョコソースを絡めて口に運ぶ。

 

「おお!」

 

 瞬間、顔の輝きが一気に増した。

 

:うお眩し

:美味しかったんだろうなぁw

 

「すげぇな、一気に洒落た味になった」

「うむ。これなら旨いと感じるな」

 

 守と一成の反応も良好だ。

 

「さっきまでピスタチオバターぽい風味と甘みが強かったけど、チョコソースの苦みとコクのおかげでそれが落ち着いて、そこに黒胡椒がピリっと味を引き締めてくれるおかげで、鶏肉らしい味がしっかりと感じられるようになってる!」

 

:涼ちん輝き食レポあり

:ダメだピスタチオチョコってお菓子のイメージしかない

:味が想像できないなー

 

「これは良いですね。ビールも良いですが、それ以上にワインが欲しくなる味です。

 ピスタチオとチョコの相性は言うまでもあいませんが、それをデザートではなく料理のソースたらしめているのは、赤ワインと黒胡椒の風味ですね。

 甘みの少ない高カカオチョコレートに、それらを加えるコトで味の方向性をデザートではなく料理の方向へ向くようになってます」

 

:紡風さんもなかなか

:これは新たな有能食レポーターの誕生か

:見た目の雰囲気もあって色々と食べ慣れてそうな人だよねw

 

「涼ちゃんと紡風さんの言う通りだね~~! バッパラ肉自体は~~、鶏肉として良質な味なのに、脂のせいでだいぶ損した味になっちゃってたけど~~、ソースと絡めるコトでそのクセのあるピスタチオバターの風味が落ち着いて、ちゃんと『鶏肉のステーキ~チョコとピスタチオバターのソースで~』みたいな料理になってるカンジ~~!」

 

:味は想像できないけど言いたいコトは分かったw

:ソースで味を付けるんじゃなくてソースで味を落ち着かせたのか

:最初から味がついてる肉だからソースで引き算してる感じか やるなぁ

:くそー これのアイデアをディアちゃんと一緒に考えただろうテツ氏に嫉妬する

:わかるテツさんギルティ

:とんでもない流れ弾が飛び交いだしてて草

:流れ弾にロケランを交ぜても?

:ピストル大名、殿から呼び出しされておりますぞ

:殿誰だよ

:そもそもピストル大名誰だよ

:ピストル大名はピストル大名だよ

:ロケラン使ったアーツを独自開発してるコトで一部では有名な

:ロケランのアーツ???ピストルは??????

 

 なぜかコメント欄が変な方向に流れていっているが、涼もディアもゲストたちもわりと無視して食レポを続けていく。

 

 

「次は黒のバッパラだね~~」

 

 先ほどどうように、みんな小さく切って口に運ぶ。

 

「これは俺でも分かる。ブラックベリーってヤツだな」

「ジャムというほどではないが、やはり甘みが強くてどうにもな……」

 

 やはり守と一成の反応は芳しくない。

 

「会長や鳴鐘殿は、あまりフルーツ感のあるソースは食べ慣れていないのですね」

 

 気にせず口にしている旋に、一成と守はうなずいた。

 

「うむ。だが、あれらと比べると極楽鳥の肉は、フルーツそのものやジャムそのものを食べているような味がするだろう?」

「緑もそうだけど、チョコソースと絡めればふつうに旨いと思うんだが、単体だと微妙だなぁ」

 

 そう言って、守は黒バッパラの肉もチョコソースに絡めて口に運ぶ。

 

「やっぱ、チョコソースと和えるとイケるな。

 そのままだと、一体感のないまま肉とベリーを一緒に食わされてるみたいに感じるんだよ」

「うむ。儂も同意見だ。ソースがないと難しい肉だと思う」

 

:そうかチョコソースと混ざれば料理用チョコフルーツソースだけど単体だとフルーツそのものをぶち込まれたような味なのか

:酢豚のパイナップルとかハンバーグのパイナップルみたいなもんだな

:あれは好み分かれるもんなー

:それだって一緒に煮たり焼いたりされることで一体感出てること多いけどな

:つまりバッパラの肉は人によって肉と脂の味に一体感を感じないワケか

:そう言われると確かにキツい人にはキツそう

 

「まぁローストの時にも言いましたけど、日本人はフルーツと一緒にお肉を食べるっていうのあまり馴れてませんからねぇ。チョコソース込みでも苦手な人は苦手かなぁとは思います」

 

 ディアの補足に、ゲストたちは納得したようにうなずく。

 その横で――

 

「……おお!」

 

 ――涼の顔が大きく輝いていた。

 

「涼ちゃん?」

「フルーツ味苦手な皆さんは、次の青バッパラを是非!」

「少年よ。段取りというのは知っているか?」

「?」

 

:涼ちんwwww

:草

:不思議そうに首傾げてら

:ラゴウさんもっと言ってやって

 

「おお~~! 青は爽やかな味だ~~! 柑橘だね!」

「ちょいと酸味が強いが、レモンやゆずのような風味は悪くないな」

 

 涼に促され、青バッパラを食べた心愛と守は笑みを浮かべる。

 

「ふむ。青は岩塩でもチョコソースでも、どちらもでイケますね。

 酸味がきついと感じるようならチョコソースを付けるコトで、それが落ち着きます」

 

 旋のレポートを受けて、一成と良轟も青を口に運ぶ。

 

「うむ。確かに前二色に比べるとこれの方が好みの味をしているな」

「好み――というより食べ慣れた、という方が近いかもしれませんな」

 

:柑橘系の鶏肉味 なるほど分かりやすい

:確かに一番分かりやすい味かも知れない

 

「青を食べると確かに、鶏肉としても上質な味をしているコトがわかりますな」

「ええ。ですが、脂の味が独特すぎて、これは確かに料理人泣かせでしょうな」

 

 一成と良轟も、青バッパラの肉には反応が良い。

 

「涼ちゃんは、ここまで食べた中でどの色が良かった?」

「全部!!」

 

:良い顔してるなw

:そりゃあ涼ちゃんならそう答えるよね笑

:顔キラッキラで草

 

 そうして涼はキラキラした顔のまま、次の肉へと手を伸ばした。

 

 





【Idle Talk】
 一話で五色分の食レポできなかったので分割します。
 多少カットしても想定の倍ぐらいの文章量になってしまったので……。

 残るは、赤と白。
 どんな味の脂か想像しながらお待ちください。

 それと紡風さん。
 今回のコラボ番組のゲストとして食レポ席にいたはずなのに、セセリとローストの時に食レポさせ忘れどころか出番すら忘れてたので今回多めの登場させてます。正直すまんかった。
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