「坊っちゃん、そろそろ。」
「(コクッ)」
リリカさんくそかわいい。
のうとける。やぁ、俺だ。
この世に生まれ落ちてから早数年。えー………何歳かは忘れたけどもとりあえず一人で歩けるくらいにはなりました。はい。
誕生日祝ってはもらえるけどよぉ……なんか…自分の誕生日と年齢思い出すのちょっと面倒じゃん?
なので忘れたのは不可抗力。(弁解)
俺が求めていたエデンとはここだったのかもしれない。黒髪長髪長身糸目おっとり系メイドことリリカさんに面倒を見てもらっている現状ははっきり言って最高である。愉快愉快。母の乳は巨大すぎて落ち着かなかったんだ。
単純な知識量や教え方においては母自身よりリリカの方が優れている、との母の判断により勉強をみてもらっている最中ではあるが、煩悩が溢れて止まらない。
高まるぅ…………溢れるぅ…………
これが…淫魔の力…………!?!?!?
…いやこれ俺本来の力だな多分。
なんだお前脳味噌海綿体か?
令和日本に住んでる青少年は皆脳味噌海綿体だろ。なら問題ないか。セーフ。
「ここへお座りください。」
「(コクッ)」
ふむ…悪魔だからかすぐに歩けるほどまで成長したとはいえ、まだ声帯が完成していないのか喋ろうとしてもあまり喋れないのがなぁ。
『ただ話せる』だけの事が、いかに幸福でいかに便利な事なのかが理解できた気がする。
これ全人類経験するべきだろ。
「さて。坊っちゃん。」
「(コクッ)」
あーあ、元の世界に帰りたい。この世界の料理も美味いは美味いんだろうけどビジュアルがやばすぎる。母が飯を食っている姿を見るだけで食欲が失せる。
なんでただの肉が紫色なんですか?(不安)
なんでミルクが虹色に光り輝いているんですか?(恐怖)
真っ当な価値観の人間には飲めねえよ。
「次の授業は私の尻を叩く事です。」
「(コクッ)」
あと、魔茶がえげつないほどにっっっがいし。
材料なんなのあれ
今アンタなんて言った???
「…?………なぜ来ないのです、さぁ!!!!」
『さぁ!』じゃねえよ。
…そういえば俺が座らされたのって何?
椅子にしては柔らかい……んだ……け…ど…………
…あれ俺なんでリリカさんの上に座ってんの?
なんかすっげえ期待の籠もった目で俺を見てきてる。
でもちょっと待って?
その期待を込めた眼差しをするのはちょっと待って?
説明して?
「なん、で、たたく、ん、です?」
あまりにもあんまりすぎるこの状況のせいで俺の初声がここで出てしまった。こんなことを初声で問いたくなかった。もっと格好いい場面で使いたかった。あっ俺の声ショタボでめっちゃ可愛いっ。
「っ………坊っちゃん、喋れて………!?!?
………いや、後にしましょう。簡潔に説明しますとご主人様と坊っちゃん、そして旦那様が居るこの家系の固有魔術に必要な過程だからです。ですので、さぁ!!!」
足りない。足りないよ。情報が全然足りないよ。
あとリリカさん見るからに興奮してるよね。
叩かれること自体を目的としているよね。
…………………はぁ?????(呆れ)
「ええ。言いたい事は分かります。本当にやらなきゃいけない事なのかと。本当に必要な事なのかと。ですが心配は要りません。ご主人様もやった事です。」
こんなところで母の過去の一端に触れたくはなかった。
…………そういえばこの家系の固有魔術って何?
いや…【家系魔術】と呼ばれる、限られた家系のみが使える通常魔術よりも強い魔術があるのは知ってる。
でも俺まだ自分の家系魔術の概要すら教えてもらってないんですよ。これでどう納得しろっていうんです?
「……………ふむ、全貌を言わないと納得してくれませんか。怪しい話に軽率に乗らないその高尚な覚悟、流石です。」
ごめん、なんというかこう……………………
意味不明すぎてなんというか、こう……………
は?って感じしかしない。
……………あー、魔茶おいしい。
……………………詳細お願いします。
「まず前提として、この[シトラス]家、すなわち坊っちゃんの家系魔術は《
は?かっこよ。厨二心が刺激されるぜ!
そう、そういえば魔入りました入間くんの世界は呪文やらなんやらが厨二病患者にぶっ刺さるんだった。クッソ忘れていた……!!
「目の色が変わりましたね坊っちゃん。勉強熱心な所も素敵ですよ。効果としては身体に特殊な果実を実らせたり周囲に植物を生やしたり、練度によっては生やした植物を操ることもできる程ですね。」
つよい。(確信)
魔界の植物をよく知る事が決定事項になってはしまったが、植物系が強いのはいろいろな漫画で履修済みだ。
この『魔入間』のバラム先生だってクソ強かった。
そうと決まれば努力してランク8辺りにでもならなければ失礼というものだろう。
仮にも貴族だし。親の七光とか言われたくないし。
あとバビルスの学食はランクが高ければ高いほど豪華になるし。(ランク上げたい理由の大半)
「……ず、いぶんと、つよい、で、すね。」
「なんと!この歳にして既にこの能力の有用性にお気付きとはおン目ッがッ高いッ……!!!!そうなのです。…ただ、ここから先はご主人様に口止めされていますので、言えぬことをご容赦下さいませ。」
ほう……?何かデメリットがある大技とかかな…?まぁやり方知ってて魔力あったら使えるんだから危ないよな。そりゃあ秘密にするって話か…………
「い、いよ。わか、った。」
「!で、では私の尻をッッッ!!!!」
それは……うーん…えぇ???………理由はまだ分からんけど本人が望んでるしいっか。…良いのか?
…まぁやるなら全力で振りかぶって………
〈ッパァン!!!(尻を叩く音)〉
「あっふぅぅぅん!!!!!!」
やっぱ貴女自分の欲満たすためだけにこれやらせてませんかねぇ????ちょっと軽蔑……
「…その視線も良いですよ、坊っちゃん。というかそのお歳にしては異常に強いですね。良い強さです坊ちゃま。本当に素晴らしいです坊ちゃま。」
そういうのいいんで…理由は……?
「…ふむ、ケツ占いの結果が出ましたね。」
ケツ占い?????????
「私の家系能力……《
どうしてそんなかっこいいルビからケツ占いなんて言葉になるんです?
「まぁ正直言ってしまえば、別に叩くのはケツじゃなくても良いです。腹、股間、胸、二の腕、掌…どちらでも。ただそれだとあまり気持ちよゲフンゲフン慣れていないので少し痛いんですよね私も。なのでケツです。」
へえ。そうなんですか。占いは?
「占いは能力の効果からです。《
めっちゃ良いじゃないすか、強いかどうかは分からんけど。トリガーがケツしばきなのが残念なだけだし、それも本人の性癖のせいだし……
でもそれって強いんですか…?
「またまた良い質問ですね。この能力をこの能力足らしめるのは、この能力で"視た"未来、目標へ進む効率が上がるという点です。実感した方が分かりやすいでしょう。この魔術の本を読んでみてください。」
差し出された本を手に取り表紙を見やる。…これって防御魔術の魔術書じゃないすか。教えていいんすか?
「そろそろ坊っちゃんなら魔術を知っても良い頃でしょう。お母様にも承認して頂きました。それに…魔術を学びたそうにしていたの、気付いていましたよ?」
リ、リリカさん…!!
さっきの醜態のせいで尊敬するにできないけどリリカさんかっけえよ………!!!ありがとう!
「さぁ、思う存分学びましょう。」
「は、い!」
俺何書いてんだろ。(混乱)
高評価感想、お待ちしております。
じゃんじゃんー。