トゥル・トゥル・ダクソ   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 ~前書き~
 ちなみに、たぶんないでしょうが、トゥルやコンちゃんはもしもの時に備えて「魂の加護の指輪」を装備しております。
 ゲーム時代と違って十本の指全部に装備可能なので他の空いた指には「刃の指輪」と「緑花の指輪」と「三匹目の竜の指輪」を装備。全裸並みに早いスタミナ回復と、巨人兵の大槌(からあげ)並みの素手パンチも出来ます。あとは蹴りや投げ技も使用可能。




第12話:ケバブ

 さてさて、なにやら友人のトゥルが何処か遠くで料理バトルを展開しているような気がするけど、わたちの旅もそれなりに波乱万丈であることには間違いないのよねん。

 

 こっちの旅の仲間にして、この世界での恋人ルカたんとわたちが、いま進んでいるのは『虚ろの影の森』。

 

 まだここか、というツッコミを感じるけれど、前回は呪術系魔法少女のロザベナさんのせいで時間食っちゃったからね。

 

 正確には、彼女を倒したあとにルカたんと激しく前後して粘液にまみれて性的快楽に浸っていたからだけど。

 

 

「ところでルカたん。

 このエリアのボス“蠍のナジカ”は自我を失った下半身が蠍の女性で、その連れ合いの男性がエリア内に居るんだけど、会いに行ってみる?」

 

 このエリアの攻略を始める前に、攻略方法についてルカたんに一応聞いてみる。

 

 わたちはこの世界をゲーム時代に楽しんでいるから、ルカたんや他のNPCみたいに、現実になったことでどう変わったのかを楽しむために攻略をしているけど、ルカたんが嫌なことをするわけにもいかないからね。

 

 だからこそ、旅の仲間であるルカたんに聞いてみたんだけれど……、

 

 

「え? 何で男なんかに会いに行く必要があるんですか?」

 

 

 とまぁ、この反応である。

 

 うん、大体分かっていたけど、ルカたんって本当に男に対して興味がないのよねん。

 

 “忘れられた罪人”を倒してマデューラに戻った時も、レニガッツさんに冷たい反応だったし。

 

 わたちとしては、別に男と仲良くなってほしいだなんて欠片も思っていないけど、これでトゥルと会った時にどんな反応をすることか。

 あいつの外見って筋肉ムキムキ、マッチョマンの変態だからなぁ~。おまけに頭はツルツル、顎鬚もっさりで男臭さ120%の「漢」だし。

 

 

「大丈夫です、コンちゃん。

 私は男が嫌いではありますが、それでもコンちゃんの友人の……えーっと、トゥルさんでしたっけ?

 その人を前にして嫌悪感をむき出しにしたりはしませんから。

 (殺意はむき出しにするかも)ボソボソッ」

 

 本音がダダ漏れているのを聞き逃さないコンちゃんイヤーは地獄耳。

 

「いやね、それはありがたいけど、ルカたんってわたちの恋人じゃない?

 だからトゥルが男だからドーノコーノって言うんじゃなくて、恋人としてルカたんが嫉妬しないかが一番心配なのよん」

 

「大丈夫です。私は強いので、もしも敵対しても勝ちます!

 決してコンちゃんを残して死んだりはしないので安心してください(むふ~♪)」

 

 

 あ、凄いドヤ顔しながらルカたんってば間違っている。

 わたちはそもそも、争うことを止めてほしいんだけど、そうは問屋が卸さないのかもねぇ~。

 

 まぁ、ここまでアイツに出会わなかったんだし、たぶん次に会うのはデュナしゃんとの最終決戦での共闘くらいだから気にしなくてもいっか。

 

 そんな風に考えながら、“蠍のターク”さんを無視してエリアを攻略し、ボス部屋に侵入。

 

 出迎えてくれる“蠍のナジカ”は最初、砂の中に潜っているんだけど、ゲームと違うからどうやって出てくることやら。

 

 

「上から来ます! 気をつけて!」

 

 

 ボス部屋に入った瞬間、ルカたんのタックルを受けえわたちは転倒。

 

 そして先ほどまで立っていた入り口付近に巨体を誇るボス“蠍のナジカ”が降ってきたじゃあ~りませんか!

 

 これは凄い! これがゲームで仕様だったら所見殺しとして多くのフロム脳を楽しませてくれたことね♪

 

「フーンク!」

 

 “蠍のナジカ”の言葉とも鳴き声とも取れぬアイサツ。

 

 ボス部屋に入って早々の奇襲(アンブッシュ)が失敗したのに気づいてすぐのお辞儀。このボスは狂気に飲まれたとかナンとか、旦那のタークさんが言っていたけど、知性の全てを捨て去ったわけじゃないのねん。

 

 それに対してわたち達も一礼をする。騎士道精神を持つルカたんは「遠眼鏡」を装備しての丁寧なお辞儀までしている。

 

 

「なんだ、この蠍人間はー!

 ……実にけしからんですね。あーけしからんですとも!!(じーっ)」

 

 

 ルカたんはナジカを見るのが初めてなのか、じーっと睨みつつ、視線をそらせずにいるみたい。

 

 チラチラと見え隠れする豊かな乳房と、下半身が巨大蠍というギャップに、そそるものがあるんでしょうね。

 

 騎士の本能なのか、わたちをタックルで吹き飛ばして、わたちのちっちゃなおっぱいを事故に見せかけて揉みしだいたりもしたけど。

 

「イヤー!」

 

 その後、すぐにナジカに果敢に飛び乗って尻尾の切断を一撃で達成し、ナジカの両腕を押さえるパロスペシャルへと移行するルカたん!

 

 

「おぉ! 柔らかい♪

 私よりもずっと大きなふくらみが、ここまで柔らかいとは♪

 あー……イイー♪」

 

「フーンク! フーンク!」

 

 

 ルカたんに両腕を掴まれてメキメキと間接が破滅の音を鳴らしているナジカ。

 

 その状態のままナジカは魔術:『追尾するソウルの槍』をゲームの時よりも高性能の追尾機能で自分の背後で関節を極めてくるルカたんに全弾命中させる。

 

 それすらも心地よいのか、ルカたんは掴んだナジカの両腕をさらに力を込めて捻りあげる。

 肘と肩の関節が完全に崩壊するのは、もはや時間の問題だね。

 

 

「フーンク!」

 

 しかしナジカにもエリアボスの矜持はある。

 

 わたち達を相手に一矢報いようとしているのか、大きく飛び上がって無防備に眺めていたわたちを踏み潰そうとしてきた。

 

 だけどね、うん。それを予想していたから、わたちはさっきから何もせずに傍観していたんだよね。

 

 

「はい、ここでわたちがアイテムボックスから取り出したるは大曲剣“ムラクモ”!

 これを地面に垂直に突き立てて構えれば、あら不思議♪

 ルカたん、軌道修正よろしく~♪」

 

「蠍の串刺しィィィー♪」

 

 ぷっすり、見事にナジカを貫いた大曲剣ムラクモ。

 

「おっと、私としたことがハイテンションになってしまった。

 サソリが飛ぶな、と最初のアンブッシュの段階で突っ込んであげていれば、こんなことにはならなかったのでしょうか?」

 

「いや、わたち達と彼女の実力差を考えると、遅かれ早かれ手段を選ばず真っ向から不意打ってきたはずよん。

 これがナジカの運命ってものよねん」

 

 

 哀れ、“蠍のナジカ”は使いもしないのに+10まで鍛えたわたちのムラクモで胴体から脳天まで貫かれて爆発四散!

 

 ルカたんも本質的に百合なのかと思ったけど、恋人であるわたち以外は割とどうでもいいみたいねん。

 

 これでわたちが浮気でもしようものなら……うん、考えるのはやめましょう。

 

 

 

 

 




 ~後書き~
 共感可能性の低い狂人の勝手な理屈かもしれないのがルカたんの恋心。

 兄が変態であるように、ルカたんも少しばかり人と違った面があるのです。
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