トゥル・トゥル・ダクソ   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 ハーメルンの予約投稿って、二話同時更新する時、順番通りに投稿されるか不安に見えるのでちょっと更新を早めてみました。

 最終話の一つ前でコンちゃんが語り部。

 二話同時更新の一話目です。どうぞ最後までお楽しみください♪

 


第21話:王城! 崩壊! 大決戦!!

 ふむん、わたちの名前はコンちゃん。恋人の名前はルカたん。友人の名前はトゥル。その友人の奥さんはリーシュさん。

 

 ここまではOKね。わたちの記憶は正常なのん。

 

 じゃあ次に、自分の記憶に違和感が無いか思い返してみると、やっぱり王城ドラングレイグに来たところからってことなのよねん。

 

 ……えーと、つまり何が言いたいかというとね。

 

「こぉの馬鹿トゥル!

 これから攻略していこうと決めた『王城ドラングレイグ』をいきなりぶっ壊してどーする気だったのよ!!」

 

「ん?」

 

 

 そう、わたち達は王城ドラングレイグに来て、これから攻略を始めようとしたところでトゥルが「我的必殺・問答無用セスタス拳」という長ったらしい技名を叫んだかと思うと王城がデデーンしてたのよ!

 今のわたちの気持ち、こいつは全然わかってないわね。

 

 これにはもう驚きを通り越して、瓦礫と化した王城跡地から運良く生き残って這い出してき“鏡の騎士”を八つ当たり奥義「コンちゃんストレッチ」で吹っ飛ばしちゃうくらいの驚きだわよ。

 

 

「ほらな、コンちゃんだってエリアボスを見たらいきなり問答無用でぶっ飛ばすだろ?

 我が城を壊したのも似たような理由だから問題はないのだ。

 何も、問題、ない。イイネ?」

 

「アッハイ……なんてわたちが言うと思うのん?

 確かにエリアボスでもある“鏡の騎士”が、瓦礫の下から苦労して這い出してきた瞬間にぶっ飛ばしたのを面白いとは思ったけど、トゥルは城を壊した。

 攻略すら楽しめないじゃないのよん。

 どーすんの? べラガーさんとかさ」

 

「いや、別にべラガーさんは会う必要なくないか?

 あの人、こっちの世界では珍しい「ソウル体」ではあるが、要約すると『王様はすごかった』ってな話しかしないではないか」

 

「う~ん、一理あるわねん」

 

 

 まぁ、たとえ百理あったとしても相手がトゥルじゃ~ねぇ~。仏教の力とかで言い訳も上手いし仕方ないわねん。

 

 それにトゥルの隣では、彼に追従するように擦り寄るリーシュさんがこちらを見ている。彼女を敵に回したくないわ。

 

 というか、トゥルが好きなのは分かるけど、リーシュさんがトゥルに過剰なスキンシップをすると、ルカたんも対抗意識を燃やしてわたちに擦り寄ってくるのよねん。

 

 せっかく攻略中は我慢しているってのに、ムラムラしてきちゃうじゃないの。

 

 ちなみに“鏡の騎士”はわたちの攻撃の瞬間、盾を構えることはしたけれど、盾ごとぶっ飛ばしてやったわ。

 ストレッチパワーが溜まってきたから、このまま“守護者”や“監視者”、それにデュナしゃんとの戦闘への準備ってことで最初からクライマックスのノリで行こっかな。

 

 

「ところで、トゥル。

 忘れてるかもしれないけど、この城のラスボスであるデュナシャンドラこと、デュナしゃんは城の地下にいるんだけどさ。

 瓦礫の山をどうやって取り除くってのよ!」

 

「大丈夫だ、問題ない。

 我にはここに来るまでに知恵と勇気を競い合った友がいる。

 奴を呼び出すことで解決するだろう」

 

 トゥルには何かしらの策があるのかもしれないけど、そばにいたリーシュさんもその策に心当たりがあるみたいね。

 というか、悪い予感みたいな雰囲気だわん。

 

「え? トゥルさん、もしかしてあの人を呼ぶんですか?

 瓦礫撤去の人足として?」

 

「そうだ。我が困れば手助けすると約束してくれた男をな。瓦礫撤去の人足として。

 ――そういうわけだ呼ばせてもらうぞ。

 立て! 目覚めよ! 悪鬼羅刹にして表面上穏やかなる殺人鬼! クレェェェーイトォォォーン!」

 

 

 トゥルがその名を言うと、地面に召喚サインが光り輝く。

 

 その輝きが示す名は“ミラの”クレイトン。頭のおかしいケイルからも危険視されていた殺人鬼の名前よん。

 

 その間、わたちに張り付いていたルカたんは、わたちの耳たぶをハミハミしだしていたわ。まったくこの子ったら存在そのものが性欲の権化になりそうね。

 

 

「呼ばれて飛び出てクレイトン見参ってかぁー!?

 話は聞いてたぜトゥル! 俺は剣で助けると言ったはずだが雑用で助けてもらいたいってかぁー!?」

 

「まぁ、そういうことだ、クレイトン。

 剣で瓦礫の撤去を頼む。

 ライバルのピンチを救う格好良いヒーローめいてな」

 

「まぁ、了解だ。

 剣で助けてやる。格好いいヒーローめいてな」

 

 

 そして剣をテコの原理で使って地味に瓦礫の撤去。

 

 流石にクレイトン一人に任せるのは悪いからってことで、わたち達全員で瓦礫の撤去をしているけれど、城ひとつ分の瓦礫ってなかなか退かせないのよねん。

 

 

「あの、コンちゃん。これって……」

 

「あ、ルカたんも今考えていることを口に出すことはやめたほうがいいわよん。

 口に出せば気分はより重くなるはず」

 

 

「この瓦礫撤去って面倒だな♪」

 

「だーーーーっ! このトゥル!

 面倒なことを面倒だと口にするなっての!」

 

 ついに言ってしまった。この馬鹿!

 

 というか、ナンでそんなに嬉しそうなのよん!

 

 

「いやな、我もコンちゃんやルカさんの二人みたいに愛し合う恋人がそばにいて、その恋人が瓦礫を拾うのに前かがみになっているからな。

 つまりは胸元がチラリと見えるのがたまらないのだよ」

 

「やだー、トゥルさんのえっちー♪」

 

 

 ツンと、乳繰り合うトゥルとリーシュさん。

 

 どこを、とは言わないけれど、この二人も大概ね。

 

 

「コンちゃん、コンちゃん。

 私たちもどうですか?(ワクワク)」

 

「あー、わたち達は後よん。

 大体、外野がいる状態でそんなこと出来っこないじゃないのん」

 

 

 別にトゥルになら見られても構わないけれど、それでもわたちとルカたんは愛の営みを人に見せる気はないわ。

 

 だって、二人だけの行為、ってのが気分を高めてくれるんだもん♪

 

 などと考えつつ、一人黙々と瓦礫の撤去作業を行うクレイトンを眺めながら、雑談混じりの作業を続けるわたち達。

 

 そしてついに、その作業は終わりを迎えた。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「だぁ~れかいませんかぁー!?」

 

 

 苦労して掘り出したエリア『渇望の玉座』へと続くのでかい門は、トゥルの最初の必殺技で壊れていたのん。

 

 だから道なりに進んで、ラストバトルのために霧を超えていった先のボス部屋にて、トゥルは開口一番にそんな挨拶をしたわけ。

 

 シャナたんはこの展開を予想していたのか、最初からいなかったわん。

 

 

「うむ、ボス部屋に入ったのに誰もいないし出てこない。

 せっかくリーシュさんとのラブラブ必殺技を試そうと思ったのだが留守なのか?」

 

「どうなんでしょう? ボスも四六時中ボス部屋に閉じこもっているわけじゃないでしょうし」

 

 

「でも誰もいないってことはないんじゃないのん?

 一応、ラスボスの部屋だしさ。

 デュナしゃんや、その護衛の“監視者”と“守護者”が門番めいて出てくるはずだけど。

 ルカたんはなにか感じる?」

 

「いえ、気配そのものが希薄と言いますか、本当に何も感じないです」

 

 

 エリアを満たす邪気なんてものはなく、エリア奥の玉座へと繋がるゴーレム達がスクラムを組んで出来た橋も開通済みで何もない。だけど玉座ドームへの扉は閉まっている。

 

 やっぱ奥の玉座の間にいるのかしらん?

 

 

「これって勝手に玉座に座っちゃってください、という意味なのかしらん?

 あれ、でも、なんかあの玉座ドームの中から声が聞こえるような……」

 

 

 エリア奥にある玉座ドームからは耳をすませばなにか聞こえる。とても楽しげな声が。

 

 

『いっせのーで3』

『むっ』

『おぉ』

『やった、私の勝ち~♪』

『いや、デュナシャンドラ様、いま自分の指を後だししたでしょ!』

『“守護者”よ、ワシのログには何もないな』

『ほぉ~ら見なさい! ほら見なさい! “監視者”が監視できなかったんだから私の勝ち~♪』

『い~や、確かに俺は見ましたもんね! デュナシャンドラ様の反則負けです』

 

 

 ……なんか、デュナしゃんとお付の二人が遊んでいるような声がするんだけど、これがラストステージ?

 

 

「うむ、ノックしてみるか」

 

 トゥルが入口の戸を叩くと、ピタリと中の声は止まり、待つこと数分。

 ようやくラストバトルに相応しいボスたちが現れたわ。

 

 

「よくぞ来たな、試練を越えし不死よ」

 

「デュナシャンドラ様はドクロめいた化粧をするのに忙しいので時間を稼がせてもらうとしよう」

 

「ちょちちょち、それよりもデュナしゃんの声もしたけど、奥にいんの?」

 

 

 細かいことが気になってしまう。わたちの悪い癖♪ (悪いとは思ってない)

 

 だけど、出てきた“守護者”と“監視者”は素直に答えてくれたわ。

 

 

「デュナシャンドラ様は普段は俺らと遊んで暮らしているので家具を傷つけないように骨襦袢を脱いでいます。

 挑戦者が来るたびに着直しており、その間に俺達が時間稼ぎをするのです」

 

「すまんな、試練を越えし不死達よ。

 女性の身支度には時間がかかるのは世界共通だろうし、少しの間、ワシらの相手をしてもらうぞい」

 

 

 そう言ってこちらの返事も準備も待たずに“守護者”と“監視者”は襲いかかってきたわ。

 

 うん、なんだろうね、この感覚。全然怖くもないし盛り上がらないのよねん。前口上があったからかしらん?

 

「でも、やらなきゃやられるし、かる~く混沌を始めようかしらん♪」

 

 腐ってもラスボスの側近だし、こっちも死んじゃうから反撃しようと思ったんだけど、突如としてこの場にわたち達四人以外の新たなる影がエントリー。

 

 

「ここは俺に任せろ!

 “常識ねぇのかよ”のギリガン様、参上!」

 

 

 現れたのはギリガン。

 どうやらわたち達の後をこっそりと着けてきたみたいね。こっちが迎撃の用意から覚悟完了した瞬間に来るだなんてタイミングが悪いわねん。

 

 無駄に華美な曲剣を両手に持って、前に出て“守護者”と“監視者”の両方の攻撃を受け止めるので攻撃を一時中断。

 

 力は拮抗し、片手で中ボス二人の両手持ちの斬撃を押さえ込んでいるのは凄いわねん。

 

 それを見たトゥルは特に変わるでもなくいつもの調子で指示を出してくる。

 

 

「……あー、リーシュさん。それにコンちゃん。

 目標、視界前方全て、遠距離奇跡と遠距離呪術の全力全開放射をよろしく頼む」

 

「はい♪」

 

「聞くまでもないけど、ギリガンは巻き込むってことよねん。

 確かにあいつ、わたち達の攻撃の邪魔をしただけだもんね」

 

「ちょっ! 私のコンちゃんに勝手に命令するなこの筋肉!!」

 

 

 ルカたんがリーシュさんにフレンドリーファイアを受けないように抱き寄せて口を塞ぐ。勿論、わたちの唇でねっとりと。

 舌を絡めてお互いの唾液を塗りたくるように舌で相手の口内を蹂躙する。うん、これ最高♪

 

 リーシュさんはもう慣れてくれたのか、ルカたんの言動がわたちへの愛情が溢れた結果だと理解してくれたからか、大人の余裕でこめかみに青筋浮かべながらも笑顔で耐えてくれたわ。

 

 まったくぅ、いい加減ルカたんにも慣れてほしいものよん。

 わたちが一番愛しているのはルカたんだってことを理解してほしいものねん。

 

 とりあえず、そんなことを考えながら、わたちとリーシュさんの雷と炎の合体奇跡呪術で前方全てを吹き飛ばす。

 

「やったか!?(期待)」

 

 

 トゥルの期待に満ちたセリフが響く。

 

 これは「やってない」ことを期待しているんでしょうね。

 

 でも残念。

 かませ犬ボスの“守護者”と“監視者”、それに二人を押さえつけていたギリガンら三人は、天井を突き破ってどことも知れぬ青い空の彼方に飛んでいっちゃったわ。

 

 でもまぁ、ギャグ補正がありそうだから大丈夫よねん。

 

 

「さぁ、皆の者!

 ギリガンという尊き犠牲(笑)の末に、ラスボスのデュナシャンドラへの挑戦権を勝ち取った!

 ここからが本当のダークソウルであるッ!」

 

「あの~、トゥルさん?

 でも部屋の奥にあるドーム、入口が閉じたまんまで誰も出てくる気配ないですよ?」

 

 

 リーシュさんに言われて振り向くと、確かに玉座の間は固く閉じられたまま開かれることなくそこに鎮座。

 

 うん、デュナシャンドラって何処からともなく湧いてくるボスだけどさ、二人の中ボスは時間稼ぎって言って玉座ドームから出てきたけど、デュナしゃんは一体何に時間を使ってるんだろね?

 

 強引に筋力で入口を開けて中を見てみれば、そこには着替え中のデュナしゃんがいたわ。

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」

 

「うおぉぉぉぉぉーー! キターーーー!」

 

「トゥルさん見ちゃダメです♪(目潰し)」

 

 

 どうやらデュナしゃんはラスボスモードになるために、肉襦袢ならぬ骨襦袢を着る途中だったみたい。

 

 うん、ものの見事に傾国の美女の生着替え(おっぱいポロリ)をわたち達は見ちゃったわ。

 

 

「こ、これはけしからん乳だ!

 見てくださいコンちゃん! ラスボスに相応しいこの乳!

 見事なまでの『無乳』です!!」

 

「あー、うん、そうね」

 

 

 そういえばデュナしゃんってドラングレイグでも特にちっぱいだもんね。あの骨襦袢を着れるのはよっぽど細身じゃないと無理だもん。

 

 流石はわたちの恋人のルカたん、そんなちっぱいデュナしゃんにトキメキを隠すことなく遠眼鏡を覗いている。

 

 

「うわぁぁぁぁ~~ん、もうヤダぁぁぁ~~~!

 ラスボスなんてやりたくないよぉぉぉ~!」

 

「あ、泣いちゃった」

 

 

 こうなっては仕方がないわ。

 ラスボス戦は一時中断して、わたち達は四人がかりで彼女を泣き止ませるところから始めることになっちゃったのよねん。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 ~デュナしゃん、あやし中~

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「ぐすん……」

 

「ふー、とりあえず泣き止んだ?」

 

 

 子どものように泣き喚くデュナしゃんをなんとかあやしたわたち達。

 

 トゥルは仏教の説法で余計に意味不明な空気を作り出し、そのトゥルの説法に感激したリーシュさんは感涙にむせび泣いて何もしない。

 

 ルカたんはデュナしゃんの細い体を舐めるように指を這わせるから縛り上げて放置。

 

 ルカたんったら段々とソウルを吸収しておっぱいを成長させたみたいだけど、百合力も強化されちゃったのかもねん。

 

 

「さて、それじゃデュナしゃん。

 あなたがこのドラングレイグのラスボスで、この玉座を守っているってことでいいのよねん?」

 

「アッハイ、一応ラスボスをやってます」

 

 一応? さてさてこの言葉は何を指すのか。

 

「私は確かにラスボスだけど、あの人達がいまは真のラスボスなの」

 

 

 デュナしゃんが指さしたその先にいた人物とは!?

 

 ……うん、ゲームのときとは大きく変わったこの世界のフィナーレに相応しい人物が彼女以外にいるとは思わなかったんだけど、それがまさかアレだったなんてね。

 

 

「真のラスボス、参上! マフミュラン!!」

「影のラスボス、参上! アズにゃん!!」

 

 

 真と影のラスボスを名乗る二人、それは“防具屋”マフミュランと、“ミラの”アズラティエルだったのよん。

 

 

 

 




 後書き

ギリガン「へっ、流石はラスボスを守る、守護者と監視者。マジでパネェな!」

守護者「そういう貴様こそ人間離れした膂力だな」

監視者「うむ、ワシら二人がかりをそれぞれ片手で押さえつけるなど、並みの不死ではできんわい」

ギリガン「なら、もっと本気を見せてやらららららららら……」ポーヒー♪


 ギリガン達はこのような会話をしながら吹き飛んでいったとさ。

 そして竜騎兵は瓦礫によって爆発四散したそうな。

 このまま本日二話目の次話も引き続きどうぞ。
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