トゥル・トゥル・ダクソ   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 うむむ、「メレンティラ」と「テディベア」の響きが似てるかもと思いましたがそうでもないような。

 あと、悪人にも救いの手と言いますか、活躍の場を与える作品ですが、ペイトは知ったこっちゃないです。これは単純に好き嫌いの問題ですね。
 今回はコンちゃん視点からです。
 



第4話:巨人とコンちゃんとメレンティラ

 きゃるるるるん♪ ゲームの世界にトリップというのは、ゲーマーなら誰もが憧れるものねん。

 

 わたちだってそう、フロム信者なんだから!

 今回の語り部はこのわたち♪ コンちゃんがやっちゃるわん♪

 

 

「おーい、コンちゃん。さっさと行こうぜ。

 我は早く、ゲームのときは出来なかったプレイでボスキャラ達を倒してみたいのだ」

 

「あーもー、待ってよトゥル~。

 というかさぁ、どうせなら二手に別れない?

 ほら、わたち達って元々ひとつのPS3で遊んでいたから協力プレイってしたことないしさー」

 

 ここでのわたちの提案に、訝しむようなトゥルだけどすぐに面白そうに厳つい笑みを浮かべてきたわ。

 

 

「二手に別れるってのは、我は別にどっちでもいいけど。本音は?」

 

「現実世界での冷蔵庫の中の牛乳の賞味期限が近かったから早く帰りたい……ってのもあるけど、

 わたちの超速攻略でトゥル相手に勝ち誇りたいから。

 ほら、腕試しといえばソロ討伐が基本でしょ? きゃるるん♪」

 

 トゥルとわたちが一緒だと楽勝過ぎるもんね。この世界が何週目のダークソウル2の世界なのかは知らないけれど、少なくともコンビで動くよりは歯ごたえがありそうだもの。

 

 

「ハッハー! 我が勝つだろうからその提案を受けてやろう。

 あとで吠え面かくでないぞ?

 あと、帰ったときに牛乳が傷んでいたら無駄な足掻きをせずに諦めて捨てるのだ」

 

「はいはい、牛乳でお腹壊すと後が酷いもんね」

 

 

 単純なトゥルは、わたちの提案にホイホイ乗ってくれるという。

 

 まったく、単純な奴ねん。

 

 

「わたちは大斧をメインで使っているし、朽ちた巨人の森ルートから行こうと思うけど、別にかまわないよね?

 答えは聞かないけど」

 

 リアルで“最後の巨人”を大斧で切った時の感触が気持ちよさそうという理由で。

 

「ん? じゃあ最初の順路だと残るのは『ハイデ大火塔』だが、前作プレイヤーが大好きなオーンスタインが出るけど、お前それでいいのか?」

 

「大丈夫よん、問題ないわ♪

 あの半分植物になってきている“最後の巨人”ちゃんを、わたちはぶった切ってみたかったの♪

 この願望を満たして勝利するつもりだから気にしなくてもいいのん♪」

 

 

 わたちに切れないものなんてあんまり無い! あの太い足首を切断して横倒しにしたら気持ちよさそうだもんねぇ~。

 トゥルと組んでいたら瞬殺しちゃいそうだもん。

 

 

「ならば良し!

 では我は『ハイデ大火塔』、『青聖堂』、『隠れ港』の順路で行くから『忘却の牢』で待ち合わせしようではないか♪

 遅れたら勝手に先に進むから好きなペースで攻略するが良い」

 

「おっけ♪ この命に代えてでも♪ きゃるるん♪

 こっちは『朽ちた巨人の森』ルートで『忘却の牢』に行って“虚ろの衛兵”を倒して待っていてあげるんだから♪」

 

「抜かせ! それは我のほうが先にやっておるわ♪」

 

 

 かくして! わたちとトゥルのタイムアタック・攻略が始まるのだった♪

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 ゲームの頃と違い、石壁なんかも殴って壊せることに気が付いたわたちは、物理的に進んでいる。

 

 本来ならレバーを引っ張り、格子が上がるのを待たねばならない『朽ちた巨人の森』ルートもオブジェクトを殴り壊して進む。

 

 時には大槌で、時には大斧で。武器を変えながら道中の雑魚も惨殺しながら先を進む。

 

 

「きゃはー♪ ハラワタをぶちまけるですぅ~♪

 切腹~♪ 首切り~♪」

 

 

 出てくる亡者兵たちも大斧で上半身と下半身をコロペンドラめいて分離殺害!

 

 “番兵の大斧”をぐるぐる振り回しまくりながらの行進。

 

 

「コマめいた回転からのスゴイ・クビキリ~♪ イヤー!」

 

「グワー!」

 

 うん、予想していたけれど、現実となったこの世界では武器モーションも特に縛られないみたいね。

 筋力も半端ないから、大斧の重量でありながら棒術や杖術のように軽快に取り回しが出来るわ。

 

 可愛らしい笑顔のまま大斧を振り回し、座り込んでいたハイデの騎士も一撃のもとに首切り。ワザマエ!

 

 我ながら人殺し? いや亡者殺しかな? まぁ、そんなことが楽しくて仕方がなくなっちゃった♪

 

 ……なんか段々と精神までメルヘン少女ちっくに染まっていたけど、今のわたちは可愛らしい少女! 絶対少女!!

 ロールプレイしているんだからこんなものよね♪ 決して現実世界でおっさんと呼べる年齢の巨漢だなんて言わせない~。

 

 

 と、ここでこのエリアの“主塔の篝火”に到着。来る前にレニガッツさんの店の鍵は開錠スキルで開けたけど、メレンティラおばあちゃんには会いたいものね。

 

 ゲームの頃と性格が違うNPCが多いし、何よりも面白そうだから♪

 

 門を潜ったわたちは、すぐに目にとまったドラングレイグでは比較的親しみやすい商人のお婆さんに話しかけた。

 

 

「おばーちゃん、くーださーいな♪」

 

「おやおやおや♪ これは可愛らしいお客さんだねぇ♪」

 

 

 わたちの可愛らしい笑顔で駄菓子屋さんめいたノリで話しかけたところ、予想以上に笑顔での接客をしてくれたメレンティラおばあちゃん。

 

 この人、家財道具の一切合財を背負ってドラングレイグを旅しているらしいけれど、あれってかなり重いよね?

 

 かなりのパワーファイターじゃないかな。能力値を筋力に全振りしているのかも。

 

 

「えっとね、わたちー、コンちゃんってゆーの♪

 買い物するからまけてください♪」

 

「ヒヒヒッ……、あんたみたいに可愛らしい子にお願いされたんじゃ仕方ないねぇ~♪」

 

 

 とりあえず、ここまでの道中で倒した量産型リロイたちのソウルで『人の像』と『火炎壷』を購入。

 

 この世界での死がゲームと違ってどうなるのかは分からないけれど、呪いが進行するかもしれないもんね。

 あとはショートカット作成のために。

 

 火炎壺baaaaan!! ショートカットとして壁は爆発四散! ついでに壁向こうの亡者兵もbaaaaan!!

 

 

「ところで、コンちゃんや。ここらじゃ見ない顔だけど、あんたは外から来たのかい?」

 

「うん、そーなの♪

 ついさっき来たばかりなんだけど、ドラングレイグ各地のボスを倒して世界を救っちゃおうかなーって考えてるのん」

 

「そうかい、そうかい。

 だが気をつけるんだよ、この国は危険な連中が多いからねぇ~」

 

「たとえば?」

 

「そりゃあんた、騎士の国ミラからやってきた快楽殺人鬼のクレイトンって奴さ。

 奴は同じく罪人である“親切な”ペイトって奴に騙されて『狩猟の森』に今はいるけど、ひどい奴らしいからねねぇ~」

 

 ……あれ? メレンティラおばあちゃんって何者なんだろ? この情報ってゲームでは“地図書き”ケイルから聞く話だったけど。

 

 

「おばあちゃんは何でも知ってるんだねぇ~」

 

「何でもは知らないよ。知ろうとしたことだけさ。

 ヒッヒッ、あたしが知ろうとした情報はどんなに隠そうとしても隠せないからね。

 この『パソコン』の力で!」

 

 

 メレンティラおばあちゃんは背中に背負っていた荷物を床に置くと覆っていた布を取り払う。

 

 すると出てきたのはダークソウル2の世界観にまるで似合わない家電製品『パソコン』そのものだった。

 

 

「えっと、わたちもパソコンについては知ってるけど、何でおばあちゃんが持ってるの?」

 

「そりゃ簡単なことさ、拾ったんだよ。

 ドラングレイグ各地を年寄りの一人旅をしていると、なかなか物騒だからね。

 このパソコンのお気に入りの中に『DARK SOULS II ダークソウル2 攻略Wiki』ってのがあって、そこに繋げば大体分かるのさ」

 

「へ、へー……」

 

 

 パソコンがあるのはいいとして、使い方を理解しているのもいいとして、何でネット環境があるのかは疑問だけど、それを聞いても本人は便利だから利用している程度の認識っぽいな。

 

 うん、これはお気楽な呪術系脳筋美少女らしく、スルーしましょう♪

 

 

「それじゃあね、おばあちゃん。

 わたちはこのエリアのボスを倒して先に進もうと思うんだ。

 マデューラを拠点にしているからまた会ったらよろしくね♪」

 

「あぁ、また来ておくれよ、安くしとくからさ。ヒヒヒッ……」

 

 

 おばあちゃんと別れ、火炎壷で開けたショートカットを通って進む。

 

 

「よーっし、次行ってみよー! 行くぞ次ぃ~!

 量産型リロイなんて何するものぞー♪ きゃは♪」

 

 亡者兵の群れに、量産型リロイが混じりだすけど、のべつまくなしに殺して回る。

 

 そういえば「のべつまくなし」って言葉で思ったんだけれど、わたちってばゲームの世界に入って性転換しちゃったけど処女なのかな? まぁ、別にどっちでもいいけど。

 

 

「わーい、わたち量産型リロイ殺すの大好きー♪ きゃるるん♪」

 

 

 亡者化して知性もなくなった量産型リロイを殲滅しながら行進は続く。

 

 私は一人だっていうのに相手は複数。だけど、最強。うわっ、すげぇ! わたちってば本当に最強ね!!

 

 トゥルと一緒に来ていたらここまでハッチャけることは出来なかったかもだし、一人で来て良かったの~♪

 

 あ、ペイトも途中で見かけたけど、会話も無しで瞬殺したわよん♪

 だってあの人、わたちのような可憐な少女を騙そうとしてくるんですもの。首チョンパでバーラバラ。きゃるるん♪

 

 

「ただまぁ、報復霊がこの世界でどういう扱いになるのか分からないのが心配だけどね。

 大斧ってソロでの対人戦だと隙が大きすぎてお尻掘られちゃうし」

 

 

 プレイヤーが私達しかいないのなら、報復霊も“青の騎士”ガラインドーク一人しかいないかもだけどね。

 

 もしもプレイヤーに出会ったら殺されちゃうかも。いやだなー、殺されるのはいやだなー。でも、殺されなければ大丈V♪

 

 そんなこんなで、いざ“最後の巨人”戦、スタート♪

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 ボス部屋に排他瞬間、絡みつくような殺気を感じ、物陰に隠れたわたち。

 

 それは当然でしょう。なんせゲームでのムービーだと、自由になった瞬間に物凄い勢いで走りよってくるんだもの。

 

 だからこっそりと壁伝いに隠密スキルを使って接近し、足首をザクリ。

 

 

「ヴォアアアアアアーーー!」

 

「きゃはー、いい声ぇー♪

 眼球も抉っちゃうぞ♪」

 

 反対の足もザクリ。両足を切断すると、当然新しい足が生えてくることもなく立ち上がれないまま暴れだす“最後の巨人”。

 

 そのまま両腕も肩から切り落としてダルマ状態にするけど、うぅ~んこのまま放置して帰りたい気もするのよねん。

 

 身動きがとれずにそのまま死を待つだけ、運がよければ亡者兵がやってきて食べてくれるかもしれないけど、トゥルとタイムアタック勝負をしているから遊ぶだけじゃダメよね。

 

 もっと嬲り殺したいけど、その欲求を堪え、腰、お腹、胸と順々に輪切りにし、最後に後頭部から肉断ち包丁を突き立てる。うん、口から飛び出した刃先が舌みたいね。

 “べろ包丁”のコンちゃんとでも名乗ろうか知らん。

 

 きゃは♪ わたちってば一思いに殺さないだなんてイタズラっ子なの~♪

 

 

 死体が霧散しながらソウルとなり、わたちに吸収されるのを見届けたら次のボスへ。

 

 

「さぁ~て今度のボスは“呪縛者”ちゃんか~。

 運搬用のおっきなカラスちゃんは欲しいし、サクッと殺しちゃいますか」

 

 

 




 段々と狂気に染まっていくコンちゃんだが、根底に「ダクソの世界を楽しむ」という感情があるので問題はありません。

 それと、昨日の話の後書きで、キュウリが最近高いと言ったらその日のうちに近所のスーパーでキュウリ4本で102円になっていました♪

 もしかしたら、お寿司の神様が私の願いを叶えてくれたのかもしれませんね。
 マヨネーズかけて普通に食べました。
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