キヴォトス自衛隊   作:89式小銃

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どうも89式小銃です。

前話から3ヶ月以上も経ってしまいました…楽しみにお待ち頂いた方々には申し訳ありません…これからはなるべく早く投稿できるよう務めていきたいと思っております。

最近は、ようやく寒くなってきたので風邪等を引かないよう皆様気を付けて下さい

長文失礼しました。それではどうぞ




第4話 アビドス高等学校防衛戦

 

 

『学校』

 

それは生徒達に様々な事を教える教育機関の施設である。自立し社会人となるための知識を学ぶ勉強、己の技術と心を磨く部活動、そして透き通るような青春ライフを送ることができる素晴らしい場所―

 

 

 

で、あるのだが…

 

ドオォォォォォン!!

 

「ヒャッハー!!!!爆発は芸術だぜ!!!!」

 

今、アビドス高等学校の校庭ではボールの代わりに、数え切れないほどの鉛玉や手榴弾が飛び交う銃撃戦が繰り広げられていた。

 

小山「クソッ…学校で突然銃撃戦が始まるとかどうなってんだよ…」

 

そして、校庭隅にある倉庫裏では89式小銃やMINIMI軽機関銃を携えて警戒態勢を取る第3駐屯地域外調査部隊の面々の姿があった。

 

田中「27…28…29…ざっと1個小隊規模だな」

 

遠藤「1個小隊か…昨日相手にしたロボットなら気前よくぶっ放せるんだが…」

 

小山「そもそも高校生が銃で武装しているなんて、相変わらずこの世界は本当にどうなってんだ…?」

 

突然の銃撃戦勃発に隊員らが困惑している中、そこへ遠藤2士の無線報告を聞いて駆けつけてきた河内と井上士長の二人が現れる。

 

河内「遅れてすまない。全員居るか?」

 

軽装甲機動車に置いてあった自身の89式小銃を手に取ると、点呼で隊員らの安否確認を素早く行い全員が居ることを確認する。

 

河内「大村3曹、状況説明を」

 

そして、班を指揮する班長である大村 仁(おおむら ひとし)三等陸曹に状況説明を求め、大村3曹は説明を始める。

 

大村「現在、校庭にてヘルメット団と呼称します武装勢力及びアビドス高等学校の生徒5名が交戦中、双方から負傷者はまだ出ていません。そして相手の動きから察するにまだ我々の存在には気づいていないと思われます」

 

河内「そうか。説明感謝する」

 

状況説明を聞き終えると、安全装置を付けたままの89式小銃を手に倉庫の影から顔を少し覗かして戦闘状況を観察する。

 

 

 

 

「はっはっはっ!!今日こそアビドス高等学校を占拠させて貰うぜ!!お前らの弾薬や物資が尽きかけなのは分かっているんだよ!!」

 

赤いセーラー服に赤いヘルメットを被ったリーダーらしき少女が銃を乱射しながら、遮蔽物に隠れて射撃しているシロコ達に向けて宣言する。

 

アヤネ「うえっ?なんでその情報を?」

 

弾薬・物資不足はアビドス高等学校及びその補給を要請している連邦生徒会のみが知り得る情報であり、単なる不良集団であるヘルメット団がその情報を知っているのはあり得ない。

 

セリカ「大丈夫よセリカちゃん!!所詮はヘルメット団、全員こてんぱんにしてやるわっ!!」

 

シロコ「ん、セリカの言う通り問題無い。みんな援護任せた」

 

シロコがそう告げると単身で突っ込み、ヘルメット団に近づき射撃を再開する。

 

ホシノ「みんな行くよ!ホシノちゃんの援護だ!」

 

ノノミ「貴方達にアビドス高校は渡しません!!」

 

ドドドドドドッ

 

愛用のミニガンをぶっ放し、単身突っ込むシロコの援護を始めるが―

 

ノノミ「ふぇ?シロコちゃん!?」

 

シロコ「えっ?」

 

ヘルメット団に集中していたため前が見えていなかったシロコは勢い余ってノノミにぶつかってしまう。

 

セリカ「シロコ先輩、ノノミ先輩!!チィッ…!うっとおしいっ…!!」

 

倒れた二人を援護しようにも弾幕が激しく、自由に動けない。

 

アヤネ「皆さん!一度引いて態勢を立て直しましょう!!」

 

「ハハハハ!!まるで連携がなっていないなぁ!?」

 

「弾薬が切れかかっているのはどうやら本当みたいだな!!」

 

連携すら取れないアビドス高校の生徒の有り様にヘルメット団達は嘲笑う。

 

「ふっふっふ、どうやら決着をつける時が来たようだな!!お前ら!そのまま一気に畳み掛けるぞ!!」

 

_______________________________

 

 

河内「(不味いな…アビドス高校側の連携がなっていない。加えて数では武装勢力のヘルメット団が上か…)」

 

このままではアビドス高校側が敗北してしまうのも時間の問題だった。

 

河内「(アビドス高校を支援するか?…いや今回は調査で来ている。戦闘は自衛のみしか認められない……だが…)」

 

大村「…河内陸曹長、我々はあくまでも調査のために来ています。戦闘が目的ではありません。ここは撤退を進言します」

 

遠藤「なっ!?我々のみ逃げるつもりですか!?」

 

田中「自分は反対です!!彼女達を見捨てて逃げることなどできません!!」

 

"規律を部隊の生命とし、法令の遵守と命令に対する服従は、誠実厳守に行う"という心構えの言葉がある程、命令厳守に厳しい自衛隊だが、シロコ達と同い年の娘が居る遠藤2士と田中2士はその心構えを誰よりも理解しながらも大村3曹の意見に反対する。

 

井上「…河内陸曹長。自分も彼女達を見捨てて逃げるなどできません。彼女達の支援許可を求めます」

 

河内「………」

 

下に俯いて数秒間考え、そして決断する。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

ドドドドドドッ

 

シロコ「…!?」

 

セリカ「なっ!?装甲車!?」

 

アヤネ「待って下さい!!あれは……自衛隊の皆さん!?」

 

突如として辺りに大きな銃声が鳴り響くと共にヘルメット団の前に砂煙が上がり、次の瞬間にはシロコ達の目の前に緑色と茶色の迷彩塗装が施された装甲車2台が現れる。

 

そして、装甲車から銃を持った屈強な大人の男性数人が現れると一矢乱れぬ素早い動きで近くにあった障害物に移動し、銃を構える。

 

先生「はぁはぁ…みんな大丈夫!?」

 

聞き慣れた声にシロコ達が振り返ると、校舎に居た先生の姿が玄関入口にあり彼女達は次々と起こる出来事にただ驚愕するしかなかった。

 

アヤネ「どうして自衛隊の皆さんと先生が…!?」

 

ホシノ「うへぇ〜これは凄い展開になったねぇ〜」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

河内「総員射撃用意!!敵が見え次第発砲!!」

 

「「「了解!!」」」

 

指示を受け取った隊員らは安全装置を解除、コッキングレバーを引いて薬室に弾を送る。

 

河内「(とはいえ、いざ少女を撃とうにしても躊躇してしまいそうだ…)」

 

立ちこめる砂煙に向けて銃を構えながらふと思った。

 

 

 

 

時は遡り、アビドス高校学校へ向かう軽装甲機動車の中 

 

「「「銃弾が効かない!?」」」

 

シロコの話の内容に、驚きを隠せない隊員達。

 

シロコ「ん、驚きすぎ。この世界でそれは当たり前」

 

遠藤「いやいや!?生身で銃弾を耐えるなんて聞いたことないぞ!?」

 

どこぞやの格闘漫画に登場する1億2000年前から蘇った野人のごとく耐久力に遠藤2士は思わず声を上げる。

 

田中「…シロコちゃん、拳銃で幅広く使用される9×19mm弾は耐えれるのかい?」

 

ふと、キヴォトス人の耐久力の限界について気になった田中2士は元の世界で使用されていた銃弾を例にシロコに訪ねる。

 

シロコ「ん、余裕」

 

田中「じゃあ5.56×45mm弾は?」

 

シロコ「それも余裕」

 

田中「…じ、じゃあ7.62×51mm弾は?」

 

シロコ「余裕」

 

田中「………」

 

もう何も聞かなくなった田中2士。

 

シロコ「基本的にどんな口径の弾でも防ぐことができる。けど、たくさん食らう―例えると5.56mm弾をマガジン1つ分全弾食らえば、個人差はあるけど数分から数時間は気絶する。頑丈さは人それぞれ」

 

『いや気絶だけで済むのかよ…』と車内の全員が人間離れしたキヴォトス人の耐久力にツッコむ。

 

_____________________________

 

 

そして、場面は今に戻る。

 

田中「(落ち着け…落ち着け…)」

 

頭からは冷や汗が流れ、グリップを握る手が僅かに震えている。

"もしも相手に銃弾が効き、死んでしまったら?"

 

"子供をこの手で殺してしまったら?"と言った不安が頭を何度もよぎり落ち着くことができない。

 

それはどの隊員も同じであり、部隊の隊長である河内も例外ではない。『もしかすると自分は殺人者になってしまうのではないか?』という強い不安が自身の心臓を強く締め付けているのを感じる。

 

やがて砂煙が晴れてき、混乱するヘルメット団の姿が露わになる。

 

河内「(死なないでくれよ…)…射撃開始ッ!!」

 

部下に射撃開始を指示し、覚悟を決めて小銃の引き金にかかっている右手の人差し指を強く引く。

 

ドォン!!

 

銃身のライフリングをなぞりながら、銃口から初速920m/sの速度で飛び出る5.56mm普通弾の弾頭。弾は高速回転しながら10メートルも離れていない標的へ真っ直ぐ向かっていき___命中。

 

 

しかし、弾は目標を貫かなかった。

 

「痛ッ!?」

 

相手は地面に倒れるでもなく、痛みに悶えるでもなく―ただ一言"痛ッ"と発して少し怯んだだけであった。

 

遠藤「…弾は当たったよな?」

 

田中「…あぁ、この目でしっかりと。」

 

予期していた最悪の事態にならず安堵しつつも、彼らが抱いていた不安や心配は拭え去った。

 

河内「よし、奴らをここから追い出すぞ!!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

ドンッ!! ドンッ!! ドンッ!! 

 

攻撃で相手が死なないと分かればこちらの番である。

 

「クソッ新手かっ!!痛ッ!!」

 

「イテテテッ!!全部頭に当ててきやがる!!」

 

正確無比な自衛隊の攻撃に、ヘルメット団達は次々と怯んでいく。

 

彼女らが相手しているのは、中国やロシアといった大国の脅威から378.000km²の国土、1億2000万人の国民を守るべく日頃の猛訓練で鍛え上げられた軍事組織の人間である。その辺りの不良組織とはレベルが違う。

 

河内らの射撃はヘルメット団員の頭部を正確に捉え、ヘルメット団を押し出していく。

 

アヤネ「これが自衛隊の皆さんの力…!」

 

シロコ「ん、私達も負けらていられない」

 

先生「よし、みんなでアビドス高校を守ろう!!」

 

そして、態勢を立て直したシロコ達も攻撃を再開する。

 

先生「ノノミ、銃弾をばら撒いて相手を牽制!!」

 

ノノミ「分かりました〜」

 

先生「セリカは後ろで援護射撃している娘を重点的に!!」

 

セリカ「分かっているわよ!!」

 

タブレット端末を手にした先生の的確な指示によって連携を取り戻したシロコ達はヘルメット団を次々と倒していき、勝敗の天秤はこちらに傾きつつあった。

 

戦闘再開から3分経たずしてヘルメット団は壊滅状態となり、残りはリーダー1人となる。

 

シロコ「ん、あと1人」

 

「こ、こっちに来るなぁぁ!!」

 

がむしゃらに乱射するが、狙いが甘い弾は迫ってくるシロコに当たるはずもなく、次の瞬間には懐にシロコが入り込んでいた。

 

銃を蹴り飛ばして反撃できないようにしつつ、相手を思いっきり蹴り飛ばし赤ヘルメットの少女は後ろへ盛大吹き飛ぶ。

 

「う、うぐっ…」

 

腹を抱えて悶える少女、通常なら戦闘不能と判断され攻撃されないがシロコは見逃さない。

 

シロコ「これで終わり」

 

「ちょ、待っ―」

 

ドォン!!

 

数発を赤ヘルメットの少女の眉間に叩き込む。

 

「イテッ!!イテテテッ!!」

 

シロコ「早く出ていって」

 

「わ、分かった!!分かったから!!お、覚えてろよッ!!」

 

そう言い残すと、ヘルメット団達は脱兎のごとく逃げ去っていくのであった。

 

______________________________

 

 

河内「射撃止めッ!!」

 

相手が撤退するのを確認し、射撃の中止を指示する。

 

河内「(ふぅ…何とか撃退できたな。…死傷者も出てないようだな)」

 

隊を見回し、隊に死傷者が出ていないことにまずは安堵する。9人の部下の生命を預かる者として、部隊から死者や重傷者が出ていたらどうなっていたことか。

 

田中「残り3マガか…弾薬をかなり消費してしまったな」

 

遠藤「だな。弾倉半分の弾薬を消費してようやく一人倒せるぐらいだったら、この先弾薬が持つか心配だな」

 

シロコの言う通りキヴォトス人の耐久力は異常に高く、人間学的に人型生物の弱点である頭に数発撃ち込んでも倒れない娘すら居た。結果的に襲来してきたヘルメット団を撃退するのに700発以上もの弾薬を消費してしまった。

 

今回は小隊と比較的小規模であり友軍が居たため撃退できたが、もし敵が中隊や大隊規模で襲撃してくるとなると不安になる。加えて5.56mm普通弾では銃弾を何発も耐える相手には威力不足であり、連戦にも耐えれないことが隊の誰から見ても明らかだった。89式小銃よりも強力である、7.62×51mm NATO弾を使用する64式小銃がどうも欲しくなる。

 

すると河内らの元に、先生やシロコ達が感謝を伝えにやって来た。

 

先生「河内さん、ヘルメット団撃退に協力して頂きありがとう御座います。おかげでアビドス高校と生徒を守ることができました」

 

河内「いえいえ。当然のことをしたまでですよ」

 

先生「他の皆さんもありがとう御座います」

 

ホシノ「いや〜お兄さん達強いね〜おじさん感激しちゃったよ〜」

 

シロコ「ん、射撃精度も凄く良かった。動き方も隙が無い」

 

様々な言葉で、共闘してくれた隊員達を褒め称える。

 

遠藤「い、いや〜?」

 

田中「照れてんじゃねえよ」

 

褒められて嬉しくなる遠藤2士とその他隊員達だったが、敵対してきたとはいえ、少女を撃ち倒した自分達の技量を褒められると複雑な思いになる。

 

 

 

 

ぐぅぅぅぅぅ

 

アヤネ「ッ…///」

 

すると先生の隣に居たアヤネの方から大きな腹虫が鳴り響く。彼女は顔が真っ赤に染まり恥ずかしそうに両手で顔を覆う。

 

ホシノ「うへ〜アヤネちゃんのお腹は正直だね〜」

 

アヤネ「ほ、ホシノ先輩…!!」

 

先生「あははは…じゃあ昼ご飯にしよっか」

 

シロコ「ん、そうしよう」

 

銃撃戦という激しい運動をしたことによって、シロコ達はペコペコだった。それは河内らも同じであり、彼らの場合は昨日の晩飯から何も食べていないので極端に腹が減っている。

 

河内「よければ我々と一緒にどうですか?ちょうど糧食が大量にあるんですよ」

 

先生「えっ?良いんですか?」

 

河内「はい。糧食なら今から準備できますので、すぐに食べることができますよ」

 

先生「ん〜…みんなはどうする?」

 

ホシノ「おじさんは大丈夫だよ〜」

 

アヤネ「わ、私も異論はありません先生」

 

シロコ達5人に意見を聞いて全員から承諾を得り、先生は河内の提案を受け入れる。

 

ノノミ「外の世界の食事はどのようなものなのか楽しみです♪」

 

セリカ「どんな物が出てくるのかしらね」

 

せっせと昼食の準備に取り掛かる隊員らの姿を見つめる先生とシロコ達であった。

 

 

 

 

 

to be Continue

 





あめだま01さん、Asagiri151さん、丸太餅さんから☆10

海棠さん、あざまる水産さん、わけみたまさん、Oh my PCさんから☆9

ああああえあさん、Lynx0080さんから☆8

花崗岩さんから☆7

夜市よいさんから☆6

未来予知曲面さんから☆5を頂きました!!皆様評価ありがとう御座います!!

次回は未定ですが、なるべく1ヶ月以内には投稿したいなと思っております。それまで気長にお待ち頂けますと幸いです。
そして、この作品でどんな場面が見たいかの募集を活動報告にて行おうと思っておりますので、生徒や先生、自衛隊員達のこんなシュチエーションが見たい!という方は案があれば活動報告にお願い致します。

そして感想、評価、お気に入り登録よろしくお願い致します!

それではグッバイ



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