♯053 『秋山さん攻略チャート』
8月10日――今日で豪華客船の旅は終わり、学校へと戻る。しかし、日付が変わるか変わらないかの時間に、担任である茶柱が何やら暗い顔でこの部屋にやってきた。
おそらくは原作通りに、満場一致試験の話を聞いてオレと話をしたいと思ったのだろう。
今回のバカンスでは、生徒は夜10時以降の外出が禁止されているが、あくまでそのルールが適用されるのは生徒だけであり、教師はその枠に入ってはいない。故に、茶柱がこうしてくることも、これから朝まで愉しむことも全て計算内のことだった。
茶柱も最初は満場一致試験の話をしようと思ったみたいだが、やはりルールを破ることを良しとは考えられないようで、結局は体でオレの力を借りようとアピールしている。
ここでもし過去の話を出来て、オレへ素直に気持ちを吐露できていたのならもう少しいい結果を出してやったのだが、途中で星之宮がやってきたことでその目も無くなった。
やはり、茶柱と星之宮では、星之宮の方がテクニックがある。茶柱に出来るのは少しでもオレの興味を引こうと無様な姿を見せて媚びることだけだが、星之宮は夜のテクニックだけでなく、ルールを破ってまでオレに尽くそうという気概があった。
結果、学校に戻ってからしばらくして、星之宮はオレにかつてあった満場一致試験の全容や、過去に茶柱との間にあった一幕を全て話すというルールを破る荒業で今回もオレのポイントを得ている。
結局、どれだけ心からオレに尽くせるか――評価する点はそこだった。茶柱はまだ綺麗な身であろうとして清濁合わせ持つ気概がない。それでは、勝つために吹っ切れている星之宮には勝てなかった。
とはいえ、満場一致試験が行われるのは二学期に入ってからということで、夏休みはまだ半分以上が残っている。
無人島試験や豪華客船では手を出せなかった女子たちもいるし、逆に手を出してそのままの女子たちをまた味わうためにも、この夏を余すことなく満喫していくことにした。
◇◆
と、いう訳で、最近は手を出していなかったなと思った女子の中で、手っ取り早く呼び出せるのは小野寺だった。何せ、こいつは何でもいうこと聞く券を後4回も残している。
オレからの呼び出しを受けた時点で小野寺もそういうことだと察しは付いていたようで、少し恥ずかしそうな表情を浮かべていたが、当然ながら手加減など一切するつもりはなかった。
当たり前のように、今回も完全にプールを貸し切りにして、小野寺の成長中の肉体を楽しませて貰っている。
前回は学校指定のスクール水着だったが、今回はオレに見られることを理解してかなり責めた水着を着ていた。少し胸部装甲が足りていないが、その分水泳で鍛え上げたむっちりとした太ももや尻を楽しませて貰っている。
――ごちそうさまです。
◇◆
次に狙いを定めたのは井の頭だが、こいつは原作通りに気の弱い性格をしているだけあって意外と警戒心が高かった。オレだけならまず拒否されていただろうが、桔梗が仲介してくれたおかげで井の頭を誘いだすことに成功している。
表に出てきてくれさえすれば後はこちらのモノだった。気が弱いということは、押しにも弱いということであり、デートの流れでそのまま部屋までお持ち帰りしていく。
ここまで来るのに雰囲気を上手く作ったこともあり、気が付けば井の頭も自分で服を脱ぎ始めていた。
恥ずかしがっている様子を見せてはいるが、結局デートをOKした段階で何だかんだこうなることを期待していたのだろう。前回の時はどうやら周りを意識していたようで、基本的に大人しそうな井の頭も、スイッチが入るとなかなか積極的な動きを見せていた。
――ごちそうさま。
◇◆
続くみーちゃんに関しては、本当に他人を信じすぎて将来悪い男に騙されるのではないかと思うくらいにこちらの言うことを素直に聞いてくれて罪悪感を覚えるレベルだった。
毎度おなじみの練習と言えば、みーちゃんはすぐに予定を組んでオレの部屋にやってきている。当然ながら、みーちゃんの気持ちは洋介に向いており、オレには一ミリの興味もないのだが、何故かこうして体を重ねてしまっていた。
原作でもこの世界でも、みーちゃんに気がある高円寺からすれば発狂ものかもしれないが、こればかりは彼女が受け入れてくれている以上どうしようもない。
そういえば、原作通りにみーちゃんは豪華客船のボーナスイベントで高円寺と組んだようで、50万PPという大金を得たようだった。
参加費を抜いても49万と、大金を得たみーちゃんであるが、あまり散財はしないタイプのようでしっかりと貯金しているようだ。恵や麻耶辺りなら、余裕で豪遊しているのでこういう所は見習わせたい――と、考えていると、みーちゃんが髪を引っ張ってきた。
どうやら他の女のことを考えているのがわかって怒ったようだが、どうしてこういう時女はすぐに気づくのか不思議でならない。
とりあえず、ご機嫌取りも兼ねて、みーちゃんが満足するまで練習を続けることにした。ぶっちゃけ、もう洋介のモノで満足できるかどうかは怪しいが、最悪はオレと同格の高円寺が貰ってくれるだろうし、そこまで心配しなくてもいいかもしれないな。
――ごちそうさまでした。
◇◆
無人島試験で一時的にバトルをすることになった雪と八神だが、特に尾を引き摺るようなことはなかったようで表向きは仲良くやっているらしい。
現在、雪が指揮する生徒会は、3年生が2人(南雲が抜けた後は補充していない)に、2年生が会長の雪、鈴音、帆波の3人。1年生が八神とAクラスの阿賀という生徒が2人となっている(桐山は去年裏切った罪悪感から生徒会に入っていなかった)。
なので、頂点は雪とハッキリした指揮系統を取れており、本人は近い内に退任する気満々でいるが、夏休みの今も仕事に追われて休みながらも学校に通っていた。
豪華客船の中でも言ったが、後任は鈴音の予定でいる。帆波でも別にいいのだが、やはり兄であり元生徒会長の学の意志を継ぐのなら、妹の鈴音にやらせてやりたいという気持ちはあった。
そのために、一年生の頃から頑張って実力を上げてきたのだ。2年新学期早々の特別試験では最終的にミスをしたものの、それ以外は問題なく特別試験の全権代理者として仕事は出来ていたと言って良い。
ただ――本当に、このままでいいのか?
と、迷う自分がいるのも確かだった。
確かに、鈴音は成長している。いや、鈴音だけではない。桔梗や、クラスメイトたちも順調に実力を伸ばしている。
須藤や愛里などが最たる例だ。けど、それはあくまでオレが実力を発揮させられるように動いているだけであり、あいつらが自分でその実力を発揮している訳ではなかった。
実力を発揮させているのと、発揮しているのでは大きく違う。無人島試験が終わって南雲が退学したのが判明した時、もしオレが動いていなかったら果たしてこのクラスはどうなっていたのだろうか――と、考えてしまったのだ。
まず、雪は動かない。高円寺も動かない。Bクラスと同盟も結ばない。3年や1年に繋ぎをすることもなければ龍園や坂柳への対策もしない――それで、こいつらは勝てたか?
原作のオレは、ずっと動かなかった。
今のオレと違って、敢えて実力を隠すことで、1年の頃から鈴音を中心にクラスに成長を促している。だからこそ、2年の無人島試験でも、大きく動くことなく全員が無事に突破できたと言って良いだろう。
しかし、この世界のうちのクラスはずっとオレが動かしている。だから、本当の意味でこいつらは成長できていない。今までは別にそれでいいと思っていた。最終的にオレが勝ちさえすれば、このクラスが原作のように成長しなくても問題ないと。
だが、ここに来て迷いが生まれている。
オレの目的はあくまで、消えた俺の無念を晴らすために、女子キャラを食べること――しかし、去年1年間である程度、その目標は達成された。まだ残っているキャラはいるが、それらも概ね攻略の糸口は見えている。
だからこそ、ふと退屈を覚えた。
無人島試験も勝ったし、全てが順調に行き過ぎているからこその飽き、渇きともいうべきか。原作知識なんてものがあるが故に、オレは簡単に勝ててしまう。だからこそ、勝敗とはまた別の部分でその飢えを凌ごうと考えるのは至極当然のことだろう。
この先にある体育祭では、オレは原作のようにホワイトルームからの刺客に備えて休むつもりでいた。
そんなやつが来ないのは原作知識でわかってはいるが、少しオレを欠いたこのクラスがどの程度の成績を残せるのかが気になったのだ。
そして、もし、その期待が果たされなかったその時は――豪華客船でも少し言ったように、前言を撤回しクラスを移動してでも、テコ入れをした方がいいのかもしれない。
まぁ、クラス移動した方が、残る女子キャラを食べやすいというのが一番の理由なのだが。
◇◆
無人島試験の打ち上げとして、BクラスとCクラスでカラオケに行くことになった。互いに参加メンバーを募集すると、全部で40人を超える大所帯になっている。
流石に大部屋を借りたとしても40人は難しいので、一部屋8人程で5つのグループに別れることになった。厳正なるくじの結果、オレのグループは、オレ、須藤、小野寺、森、網倉、小橋、別府、渡辺という組に分かれている。
どうやら小野寺は原作通り須藤に興味があるようで割と仲良く話をしており、森はCクラスの別府と会話に花を咲かせていた。
残るオレと網倉、小橋、渡辺だが、原作通り渡辺は同じクラスの網倉に好意を持っているようで、必死にアピールする様子を見せている。
ただ、席順が網倉と小橋がオレを挟む形になっており、オレは網倉や渡辺、他のメンバーから見えないように小橋の太ももを撫でたり、揉み解したりして遊んでいた。
小橋は表向き、何でもないような態度を貫いているが、周りの視線が外れると恥ずかしそうな表情をこちらに向けてくる。しかし、止めろとは一言も言ってこなかった。
ラブソングを熱唱して網倉にアピールをする渡辺だが、当の網倉は声こそかけているが、全く興味がなさそうに見える。
実際、興味はないのだろう。原作でも彼女はこの学校に来る前からの知り合いに片思いを続けており、渡辺に興味を持っていなかったようだし――こちらとしても、今は網倉よりも小橋で遊ぶので忙しい。
とはいえ、こんな所で激しいことなど出来るはずがなく、結局カラオケが終わるタイミングで中途半端に感度を上げられた小橋はオレの部屋に行きたいと懇願してきた。当然ウェルカムであり、小橋の形の良い桃を楽しませて貰っている。
◇◆
そんなこんなで学校に帰っても楽しく夏を満喫していたのだが、どうやら教師も夏休みに入ったようで、ケヤキモールを歩いているとAクラスの担任である真嶋がジムに入っていく姿を見つけた。
原作ではオレも帆波に誘われる形でジムに入るが、思えば現時点でも去年に比べて身体能力が落ちつつあるのを感じているのは確かだ。実際、今年度最初の特別試験で宝泉に怪我をさせられたのも、オレの体が鈍っていたからだというのが大きい。
流石に負ける程能力が落ちている訳ではないが、この先八神と戦う機会がないとは言い切れないので、原作を無視する形になるがジムの入会を先取りすることにした。
原作と違って帆波の紹介ではないので、素直にジムの職員さんに声をかけて説明をお願いしていく。オレを担当してくれたのは、秋山という名前の書かれたバッジをつけたウェーブのかかった長めの髪をした綺麗な大人の女性だった。
ふと、先程ジムに入っていった真嶋のことを思い出す。そういえば、原作では真嶋はこの秋山という女性に恋をしており、オレに彼女のことを調べるようにお願いされるんだっけか。
ジム内に視線を向けると、真嶋はこちらを見ておらず真面目にトレーニングをしている。どうやら今はまだ恋をしている段階ではないのか、わかりやすいアピールのようなものはしていないみたいだった。
――ふむ。
食べちゃうか。
別にオレはNTRが好きという訳ではないし、真嶋に特に深い恨みがある訳でもないが、たまには原作でそこまで大きくスポットが当たっていない女性を食べたい時もある。
秋山さんは原作で真嶋が惚れ込んだ女性だけあって、茶柱や星之宮にも負けない外見をしており、身体的なモノもそう悪くなさそうに見えた。
まぁ、オレはそもそも体つきで女性を判断しないタイプの人間だし、大きくても小さくてもそれはそれでいいものではあるが、あるに越したこともないというのも確かだ。
と、いうことで早速アプローチをかけていく。
とはいえ、相手は大人の女性でオレは高校生だ。男として意識させるのは一朝一夕で行くことではない。
学生が相手なら、オレのスペック――学力や運動能力の高さなども武器に出来るが、相手が大人である以上、どうしても手持ちの武器は少なくなってしまう。
当然ながら、今日明日でどうこうできるはずもなく、段階を踏んで関係を深くしていく必要があるのだが、そういう意味だとオレを担当してくれたのは秋山さんだったのは運がよかった。
常識だが、ジムは一人の職員で経営している訳ではない。このジム内にも何人かの職員が常駐していて秋山さんはその中の内の一人だ。
しかし、人間の心理として、全く顔も知らない人間よりも少しでも知っている人間の方が安心感を覚えるのは当然であり、オレが最初に担当してくれた秋山さんに何度も声をかけるのも不自然なことではなかった。
――この、何度も声をかけるというのが重要だ。
当たり前のことだが、顔や名前も知らない相手を意識することなど不可能なので、まずはオレという人間を秋山さんに覚えて貰う所から始める必要がある。
そのためにも器具の使い方やトレーニングの仕方、アドバイスなど、些細な事でもいいから秋山さんに声をかけ続けた。ジムの職員である以上、会員の手伝いをするのは自然なことであり、嫌でも秋山さんはオレの話を聞かざるを得ない。
だが、余程性格の悪い人でなければ、頑張ってトレーニングをしようとする高校生に悪感情を持つことはないだろう。
最終的には綾小路清隆というオレの名前と顔を覚えて貰い、その上で努力家であるというイメージを植え付けることが出来れば、今日の出会いとしては100点だった。
実際、狙いは完璧に成功しており、2時間程ジムで体を苛め通して帰ろうとすると、「今日は頑張っていましたね。また来てくださいね、綾小路くん」と声をかけられている。
体も鍛えられて、目的も達成できてと、満足感を覚えながらジムを後にしていく。今までの女子攻略に比べると慎重に見えるかもしれないが、やはり数歳違うだけの学生と年上の社会人ではどうしても難易度が違った。
茶柱や星之宮の時は半ば無理やりだったし、今回のように純粋な好感度を稼いで食べようと思うと、どうしたって時間がかかる。とはいえ、別に時間制限がある訳でもないので、ゆっくりと仲を深めていけばいいだろう。
今後の予定としては、夏休みの間は彼女のいない木曜日以外で2日に1回くらいのペースで顔を出すくらいが丁度いいだろう。
原作の真嶋のように毎日というのは勘繰られる可能性があるし、2日1回くらいのペースでも十分に努力していると思われるはずだ。後は、本来の目的である肉体能力の回復をしつつ、折を見て話をしながら仲を深めていけばいい。
さて、彼女の気が引けるのはいつになるかな?
原作との変化点。
・夏休みを楽しんでいる。
サブメンバーである、小野寺、井の頭、みーちゃんと楽しんだ。
・今のままでいいのか迷っている。
クラスメイトたちも原作とは違う成長をしているが、その成長が自分有り気なのが気になっている。もし自分がいなかったら、原作のように戦えるかと考え、もっと自立させるべきではないかとも考えている(一番の理由はクラス移動して他キャラを食べることにある)。
・小橋と遊んだ。
R18でkwsk書く。なかなか虐められている。
・秋山さん攻略を始めた。
原作よりも数か月早くジムに通っている。この副産物として、訛っていた清隆の身体能力が改善を見せており、原作以上に強くなってしまうというイレギュラーが発生。
今話の登場人物一覧。
・綾小路清隆
夏休みを楽しんでいる。今までとは全く違う毛色の秋山さん攻略はかなり大変そうだが、その分やる気を出している。
・小野寺かや乃
原作通り、須藤に気があるが関係が出来る前に体を開発され始めている。なんでも言うこと聞く券は後3回残っている。
・井の頭心
実は結構むっつり。警戒心こそ強いが、懐に潜り込めばもうこちらの言うことを何でも聞くタイプ。
・王美雨
みーちゃん。Tレックスに完全に慣れてしまった。もし仮に平田と上手く行っても、夜のアレが上手く行くかどうかは不明。
・小橋夢
姫野と違って、船のあれでもう吹っ切れてされるがままになっている。
・秋山さん
真嶋が惚れている人。情報がほぼないのに攻略するという暴挙に出ているが、簡単に手を出せる相手が実はもうあまり残っていない。