佐倉のストーカー事件が解決してからすぐに期末試験が始まった。
須藤の冤罪事件や、愛里のストーカー事件が重なり、勉強の開始が大きく遅れてしまったDクラスだったが、リーダーの櫛田、雪、平田の三人がクラスを纏めてくれたことで、何とか誰も赤点を取らずに済んでいる。
須藤を始めとした三馬鹿たちも、今回は攻略法なしで赤点を乗り越えなくてはいけないということで、あれだけ嫌っていた平田にまで頭を下げて勉強を教えて貰っていた。
それもこれも、リーダー格の須藤が丸くなった影響だろう。おかげで、オレの手を煩わせるようなこともなく、勉強会を行うことが出来たと嬉しそうに雪や櫛田が話していた。
これにショックを受けているのは堀北だ。
自分以外の面々が少しずつ前に進む中、何もせずにただ見ているだけしかできないという呪いにも似た自責があいつを襲っている。特に、今回オレが表に出ていないこともあって、遂にクラスに自分の居場所がなくなりつつあるというのが嫌でも理解できたはずだ。
普段堀北はあまり化粧をしないが、最近は焦燥感を隠すために化粧をしている。しかし、それでも分かるレベルで日に日に顔色が悪くなっていた。まぁ、オレも愛里のストーカーに殴られた怪我が思いのほか酷かったので、顔に関してはお互い様という感じなのだが――
「? どうしたの、清隆くん?」
――それで愛里の信頼を買えたなら安いものか。
期末試験も無事に終わり、今日は愛里と二人で写真を撮ろうという話になったので、オレの部屋で雫モードとなった愛里の写真を取っている。
ストーカー事件を経て、愛里も一皮剥けたようで、最近では大胆なことをするのにためらいがなくなってきていた。本人曰く、「清隆くん以外の男なんかどうでもいい」ということで、今まで気にしていた男子からの視線も全く気にした様子が見えない。
ただ、話すのは緊張するようで、オレや雪以外と話す時にまだ少しどもることがあるのは、完全に愛里らしさがなくなっていなくてちょっと可愛かった。
「いや、愛里もえっちになってきたなって思ってな」
オレの言葉を聞いて、愛里の顔が赤くなる。
実際、ブログに上げるための写真を取っていたはずが、今ではもう載せられないような際どい写真を撮っていた。
「だって、清隆くんが脱いでほしいって言うから……」
「確かに脱いでほしいとは言ったが、えっちなポーズを取ってくれとは言ってないんだけどな」
「っ! き、きよたかくんのいじわる……!」
まるで恋人のようなやり取りだが、それで愛里が満たされるなら付き合おう。
実際に、初体験以降、愛里は会うたびにエロさが増していた。とても愛里とは思えない大胆なプレイや、自分から貪欲に性の知識を得ていくのは見ていて凄く興奮する。
「じゃあ、そんな意地悪なカメラマンのお願いだ。愛里、オレを写真ではなく、愛里に夢中にさせるおねだりをしてくれ」
さて、どんなおねだりをしてくれるか――と、楽しみに愛里の方を見ると、真っ赤にしながら後ろを向いてこちらに向けて腰を突きつけてきた。
「カメラマンさん……愛里の恥ずかしい大きな桃……食べてください……」
「いただきます」
食べない奴がいるはずもなく、有難くその素晴らしい桃を味わっていく。
愛里といえば、セフレたちの中でも一、二を争うその大きなメロンや赤くて瑞々しいさくらんぼがどうしても目に入るが、この柔らかくてジューシーな桃も格別だ。
Tレックスもトロピカルな味に大満足のようで、嬉しそうに声を上げている。愛里が照れながらもオレを求める声を発すると、すぐに第二回戦を始める準備が整った。
◇◆
愛里のことも大切だが、須藤の件を通じてオレは一之瀬と恋人役をするという契約を結んでいた。
正直、白波を追い返したことでその役目も御免となったと思っていたが、一之瀬の方から「すぐに別れると、千尋ちゃんに疑われるから、綾小路くんさえ良ければもう少し恋人のフリをしてくれないかな?」とお願いされている。
ぶっちゃけ、オレに恋人がいるというのは、他の女を食べるに当たってネックとなるが、一之瀬を食べるという意味ではこの関係を継続しておいた方が旨味が多い。もし、ネックになる時が来たら、その時は口八丁で何とかすればいいだけなので、とりあえず関係は継続することにした。
当然、恋人なのだからすることはさせて貰うつもりだ。一之瀬としても、それを期待してオレとの関係を継続したのだろう。そうでなければ、たいして仲良くない処女を奪った相手と恋人関係を継続したいなどと口にするはずがない。
期末試験が終わって、お互いに時間の余裕が出来ると、オレは当たり前のように一之瀬を部屋に呼び出した。来ないなら来ないで策を考える必要があったが、一之瀬はもじもじしながらオレの部屋にやってきている。
「お、おじゃまします……」
「お邪魔じゃないから好きにしてくれ」
居心地悪そうにオレの部屋に入ってきた一之瀬だが、手には何やら食材のようなものを持っていた。
「それは?」
「えっ、あっ、い、一応彼女だからねっ。ほら、晩御飯とか一緒にどうかなって……」
形だけの恋人関係だと思ったが、どうやら一之瀬はそれなりに役を演じる派のようで、本当の彼女のように振舞っている。
普段、オレはこの部屋に来る女に料理を振舞って貰うことが多いが、それでも一之瀬が手料理を作ってくれるというのなら有難く頂戴することにした。
「そうか、では頼もうか」
「う、うんっ。今日は鶏肉が安かったからから揚げにしようと思ってるんだけど、綾小路くんはから揚げ嫌いじゃない?」
「から揚げが嫌いな奴はそういないだろう」
ハンバーグやカレーに並ぶ定番の料理が嫌いという人間はそう多くはいない。まぁ、カロリーを気にする女性なんかは食べないという人もいるかもしれないが、オレに好き嫌いはない。
一之瀬も、オレがから揚げを嫌いではないとわかると、ホッとした様子を見せて持ってきたエプロンを身に纏った。
「じゃ、じゃあちょっと下拵えしちゃうね。胸肉だから少し柔らかくしておきたいし」
そう言って、台所に向かって歩いていく。
ピンク色で、所々に白のラインが入った可愛いエプロンを身に着けた一之瀬は何というか新妻感が凄い。
緊張した感じで鶏肉を切り始め、生姜やニンニクをすり下ろしていくと、ようやく一之瀬もオレの部屋にいることにも慣れてきたのか、鼻歌のようなものを歌い始めた。
こんな彼女がいたら、誰もが羨むだろうな――と、ちょっとした優越感に浸っていたのだが、気が付けばジップロックに調味料を入れて柔らかくなるように鶏の胸肉を揉み込む一之瀬の後ろに回り、オレも胸肉を揉むのを手伝っていた。
「んっ、だ、ダメだよ綾小路くん。ま、まだ下拵えが終わってないから……っ」
ジップロック(制服)の上から、両手で余る胸肉を揉みほぐしていく。
口ではダメという一之瀬だが、瞳は既に潤んでおり、こちらを見る視線は欲しがるように唇に吸い寄せられていた。どうも一之瀬はオレのせいで、キスに嵌ってしまったようで、結構な頻度でディープなキスをせがんでくる。
「んむっ、ちゅっ……ちゅ、ちゅ……んぁ……ちゅむっ、ちゅっ……」
結局、下拵えされてしまった一之瀬は、そのままされるがままにオレの求めに応えていった。
◇◆
そんなこんなで期末も終わって夏休みがそろそろ近づき、オレの怪我も大分治って来た頃、突如として茶柱に生徒指導室に来るように呼び出しをくらった。
そういえば、今日は終業式――原作だとこの日に茶柱に呼び出されて本気を出すように脅されるんだったか。いろいろあって、すっかり忘れていたが、これは逆にチャンスだ。しっかりと、ビデオカメラとICレコーダーのスイッチを入れて茶柱の元へ向かう。
生徒指導室をノックすると、ドアを開けた茶柱が中に視線を向けて「入れ」と声を上げた。
「悪かったな。こんな日に呼び出して」
「呼ばれた理由が全く分からないんですけど?」
「中で話す。生徒指導室と聞くと嫌なイメージがあるかもしれないが、ここは存外に悪くない場所だ。何故なら監視の目がない。個人のプライバシーに関わる話を多くするが故の配慮だ」
知っている。だからこそ、こちらにとっても都合がいい。ここで起こった出来事が外には漏れないというのは秘密の事をするのにも利点がある。
「それで話ってなんです? 今から夏休みの計画を立てるので忙しいんですけど」
「お前はモテるようだからな。椿、櫛田、佐倉、Aクラスの神室にBクラスの一之瀬……私の知る限りでも、五人はお前の部屋を行き来している」
寮にも多少の監視カメラはある。流石に室内にはないが、そのデータを確認すれば五人がオレの部屋に来ている情報を手に入れるのはそう難しいことではないだろう。
「別に問題はないでしょう?」
ルールとして午後20時以降は女子階への立ち入りを禁止してはいるものの、男子の部屋にいることは禁止されていない。別に、セフレたちがオレの部屋に居ようと、朝帰りしようと欠片も問題はないはずだ。
「ああ、お前たちがどういう関係だろうと、問題さえ起きていないのであれば、学校側から何かをいうつもりはない。別にお前の生活を注意するために呼んだわけじゃないしな」
「では、何の用件で?」
「今日は少し、私の身の上話を聞いて貰いたいと思ってな」
そう言って、茶柱は過去に自分がこの学校の生徒だったこと。自分のせいでAクラスに行く夢が果たされなかったこと。代わりに今のクラスをAクラスにしたいと思っていることを話し出した。
ぶっちゃけ、原作知識で知っているので、これらはどうでもいい。問題なのはこの先だ。
「数日前、ある男が学校に接触してきた。綾小路清隆を退学させろ、とな」
――待っていたのはこの言葉だった。
「退学させろって、そりゃまた意味不明ですね。それが誰だかは知りませんが、本人の意思を無視して退学なんてさせられないでしょう?」
「勿論だ。第三者が何を言っても退学には出来ない。この学校の生徒である限り、お前はルールによって守られている。しかし、問題行動を起こしたなら話は別だ。女性問題、虐め、盗み、カンニング。何らかの不祥事を繰り返せば退学は避けられない」
「問題を起こし、それを繰り返せば、ですか。流石のオレもそこまで馬鹿じゃないですよ」
「お前の意思は関係ない。私がそうだと判断すれば、全てが現実になるということだ」
「もしかして、オレを脅していますか?」
「これは取引だ、綾小路。お前は私のためにAクラスを目指す。そして、私はお前を守るために全面的にフォローする。よい話だとは思わないか?」
思う訳ねーだろ。
「残念ながら取引にはなりませんよ。材料が安すぎるので」
「残念だ。お前は退学になり、DクラスはAクラスにはたどり着けない」
「いえ、退学にはなりませんよ。むしろ、いなくなるのはあんただ」
そう言って、胸に付けていたペン型ビデオカメラと、ICレコーダーを取り出す。
さて、ここから先はオレのターンだ。
「須藤の事件然り、佐倉の事件然り、この学校は物騒ですからね。自分の身を守るために、持っておくことにしたんですよ。これを上に提出すれば、あんたはオレを脅したことがバレる。これは立派なパワハラだ、教師が私欲で生徒を脅す――なんてことが許されるはずがない。この学校が苛めに厳しいように、バレればあんたはこの学校からいなくなる」
まさか、オレがそんなものを持っているとは思わなかったのか、茶柱の表情に焦りが出てくる。攻めていたと思っていたら、いきなりイニシアチブを取られたのだ。今はどうすればいいか必死に考えているだろう。
――時間など与えるものか。
「さて、取引だ茶柱。オレはこの証拠を提出しない。代わりに、オレの命令に従って動け。良い話だと思わないか?」
「……私を脅すつもりか?」
「お前の態度次第で、Aクラスを目指してやってもいい。刃向かえば、この証拠を提出してお前の夢を終わらせる」
こいつは拒否できない。それだけ、茶柱にとってAクラスを目指すというのは特別なことだ。仮に体を売り渡すことになったとしても、上に行けるなら受け入れるだろう。
「……本当に、Aクラスを目指してくれるんだな?」
「あんた次第さ。ただ、オレがやる気になれば、雪や櫛田も動くし、他クラスには真澄や一之瀬といった協力者もいる。今のままよりは確実にクラスは上に行けるだろうな」
メリットは言うまでもないということだ。
ズボンのジッパーを降ろし、Tレックスを解放する。まだ脱力状態だが、処女の茶柱には見たこともない大きさに見えるようで、頬を赤らめながらもこちらを注視していた。
生徒指導室には監視の目はない。内緒話をする都合上、防音もしっかりしているだろう。つまり、ここで何をしようと、誰かの目に入ることはない。茶柱は追い込んだつもりだったのだろうが、自分が追い詰められていたのだ。
「さて、返答は?」
「……わかった。受け入れる」
「わかりました、ご主人様だ」
「……わかりました、ご主人様」
「服を脱げ。こっちに来て、跪け」
そう命令すると、少しの葛藤はあったが、茶柱は素直に服を脱いだ。羞恥心に顔を染めながら、黒の下着を晒す。そのまま、生娘のように体を隠すようにして歩いてくると、Tレックスの前で垂れるように跪いた。
「お前の言う通り、良い取引だったな。祝いだ、ご主人様へのご奉仕を許す」
そう言って、首をくいっと上げる。同時に、Tレックスも大きく首を上げた。
茶柱も真っ赤な顔をしているが、何をすればいいのかはわかっているようで、覚悟を決めたようにTレックスに手を添えていく。そのまま、ゆっくりと顔を近づけると、紅い唇が開き――口から舌を伸ばしてきた。
原作との変化点。
・愛里と一之瀬との絡み。
このまま無人島に行くのは味気なかったので、短編的なノリで話を書いた。
・茶柱を脅し返した。
原作では無人島試験の回想で、脅されたことが明らかになるが、最初から脅し返すつもりだったので美味しく頂いている。これまでの鬱憤を晴らすようにTレックスで責めて責めて責めまくった。
今話の登場人物一覧。
・綾小路清隆
新たにセフレとしたボインな二人を美味しく頂いている。茶柱を奴隷としたことで、あまりにも教師らしからぬ態度を改めさせた。
・佐倉愛里
えっちなことに貪欲になってきている。あまりにも前のめり過ぎて清隆も驚いているが、気持ち良ければすべてよし。
・一之瀬帆波
愛里ほど貪欲ではないが、求められると断れないずるずるの関係が続いている。駄目だとわかってはいるが、抜け出すことが出来ない。
・茶柱佐枝
原作通りに綾小路を脅そうとして逆に奴隷になった。二度と反抗できないように、清隆の手で徹底的にプライドをへし折られている。
※今回で原作2巻までが終了となります。正確には前回で終了だったのですが、茶柱陥落は夏休み前だったのでこちらに含めました。
今回は短編という感じで、普段と少し違う感じでしたが、お試しに書いているR18はこんな空気です。どうも勝手がわからずあまりえちちにならなくて需要がないかもですが、他の作品書きながらゆっくりやってみます。