佐藤に堀北との情事を見せた日――当然だが、佐藤の事も美味しく頂いた。あのまま、空気に任せて堀北が気を失うまで責め立て、それを見ていた佐藤も気が付けば自分で自分を慰めており準備は万端。後は、「いいな?」と同意を取り、Tレックスを出陣させるだけだった。
元々、興味を持っていた佐藤が拒否するはずもなく、「う、うん」と素直に股を開いている。一度食べれば、後は流れるがままに、軽井沢や千秋も加わって5人で愉しんだ。
佐藤も最初はこんな関係はまずい――と、考えていたようだが、圧倒的な快楽の前に敗北している。軽井沢や千秋が愉しんでいるのを見て、悩むのが馬鹿らしいと思ったようだ。
しかし、セフレたちの中に、オレの寵愛を求めている勢がいるのは嘘ではない。雪もそうだが、真澄や桔梗だってそうだ。心の中ではオレの愛情を欲しがっている。佐藤も、その中の一人に加わっただけ――一晩明けて、「私、頑張るから」と決意を固めた佐藤は、お馬鹿だが憎めないキャラをしていた。
そんなこんなで順調にセフレが増えると、気が付けば11月。ペーパーシャッフル用の問題を作りながら、今日も今日とて女を食べていると、気が付けば5度目となる綾小路グループの勉強会の日がやって来た。
初回から4回目までは行き付けであるパレットで勉強会を行ってきたが、今日から部活動が全面的に休止になる。人気店であるパレットは混雑すると予想して、今回はケヤキモールのカフェに集まっていた。しかし、ここも予想以上に混雑している。
「こんなことなら、図書室か俺の部屋にすればよかった」
「えー、そんなことないって。こっちの方がやり易いやり易い。ねぇ、みやっち?」
「そうだな。静かな張り詰めた空気は、部活の時だけで十分だ」
幸村としては、あまり騒がしい場所での勉強は好きではないようだが、教わる側の二人としてはこの状況の方が落ち着くらしい。幸村も、「勉強をするお前たちが集中できるというなら構わないさ」と言って、すぐに鞄からノートを取り出していた。
「早速だが、今日の課題を用意してきた」
そう言って、長谷部と三宅に渡されたノートには、二人の苦手な文系の問題がびっしりと書かれている。
「佐倉にはこっちだ。綾小路からも聞いたが、どうもお前は数式が長くなると途中の計算式でミスをするパターンが多い。ひっかけ問題に騙されないように、少し頭を使う問題を用意した」
「うわぁ、すごい量だね……」
「うひゃあ、そっちもそっちでびっしりじゃん……ゆきむー容赦ないねー」
愛里に渡されたノートを横から覗き込んだ長谷部がそう苦笑いを浮かべた。幸村は相当気合が入っているようで、二人に渡されたノートも、愛里に渡されたノートにも手抜きは見られない。
「始める前から怖気づいてどうする」
「そりゃまぁそうなんだけどねー……でも、明らかに前回よりも多いし難しいし」
「やる前から決めつけるのは点数をとれない生徒にありがちな思考パターンだ。まずはできると思って挑むことが基本なんだよ」
「熱血だねー。でも、当然、この問題は前のものよりも……」
「勿論、難しい」
知ってた――と、言わんばかりに、長谷部が苦笑いを浮かべた。当然ながら、勉強が進めば進むほど、難易度は高くなっていく。
「清隆くんは、試験の問題どれくらいできたの?」
会話に混ざらないオレに気を使ったように、愛里がそう声をかけてきた。実際、空いている時間を使って手早く作っているので、現段階でも7割方出来上がっていた。
「まぁ、半分と言った所だ。この調子なら、提出日にはギリギリ間に合うだろう」
「一人で作るの大変じゃないの、あやのん?」
先ほどのゆきむーもそうだが、今日から長谷部がオレたちのことあだ名で呼び始めた。原作通りに、距離を詰めようとしてくれているのだろう。
「大変だが、その分勉強会は桔梗や平田に任せることが多いからな。今日から雪や堀北も、生徒会が休みになるし、最悪の場合は力を借りるさ」
「堀北さん、ねぇ」
ふーんと、長谷部が意味深な視線を向けてくる。
前に佐藤たちに火種を与えたときに、どうやら長谷部も堀北がオレにキスをしたのを見ていたようで、そこから度々探りを入れるような視線を向けてくるようになった。ストレートに聞いてこないのは、愛里に気を使っているのかもしれないが、当然ながら愛里は全て知っている。
「お喋りはそれくらいにして、そろそろやるぞ」
「いつになくやる気じゃんっみやっち。どしたの、ゆきむーと同じ熱血系?」
「せっかく、今日から部活が休みなのに、何時間も勉強で時間を失いたくない。終われば帰れるんだからさっさとやる方が効率的だ」
基本的に、桔梗や平田の勉強会は時間で区切っているが、幸村の勉強会は用意した課題をクリアすれば終了となっている。その分、予定よりも早く終わることもあれば、難易度次第で遅くなることもあった。
どちらにしろ、三宅のいう通り、さっさとやる方が効率的なのは間違いない。愛里も頷いて、自身の課題に向き合い始めた。
「時間が勿体ないなら部活やめればいいのに」
「部活はやりたいんだよ。でも、自由な時間も欲しいんだ」
「わがまま~」
と、会話しながら、長谷部と三宅も課題を進め始める。自ずと口数も減り、三人が勉強に集中しだした。
「綾小路、試験問題の完成度は半分ほどだと言っていたな。少し解いてみてもいいか?」
「いいぞ。今は丁度数学の問題がある。ただ、なるべく見られないように頼む」
質問が来るまで暇をしている幸村が、試しにオレの問題を解いてみたいというのでやらせてみる。難易度はAクラスでもそう簡単には解けないものになっているはずだ。
「……嫌らしいな。何も考えずに解こうとすれば間違えるぞ、この問題」
「ひっかけ問題というのはそういうものだろう?」
「でも、ここは少し難しすぎないか? 弾かれてもおかしくないぞ」
「そこは上手く通す工夫をするから大丈夫だ」
「……そうか。惜しいな。これをCクラスにぶつけられれば、うちのクラスの攻撃は成功しただろうに」
オレの作った問題を見ながら、幸村がそう唸る。くじ引きの結果、うちはAクラスを攻撃することになってしまった。全体的な能力の高いAクラスならば、ある程度はこの問題を解くことができるだろう。
「それを言っても仕方ないさ。運ばかりはどうしようもない」
それに、仮にCクラスにこの問題をぶつけたとして、うちのクラスが100%勝つという保証はない。おそらく龍園はBクラスにも策略を仕掛けているはずだしな。
「Cクラスといえばさ、吉本くんって知ってる? みやっちはわかるよね?」
「吉本功節のことか? 弓道部の」
「そうそう。その吉本くん。2年生の先輩と付き合い始めたんだって。知ってた?」
勉強をしながらも、こちらの話は聞いていたのか、長谷部がそう言ってまた恋愛話を始める。知り合いということもあって、三宅も意外と話に食いついていた。
「知らなかった。最近、妙に帰るのが早いとは思っていたが、そういうことか」
「吉本くん、将来結婚するって息巻いてるみたいだよ。男って単純バカよねー」
「そうは言っても、初めての彼女なら浮かれても仕方ないんじゃないか?」
本当に初めてかどうかは知らないが、結婚まで意識するのは恋愛初心者によくあるパターンだ。初めて付き合った女が世界の全てだと思っているのだろう。
「そういうあやのんは、百戦錬磨って感じよね。女の子に言い寄られても動じないし」
「そうでもないさ。オレだって、女子に囲まれたら嬉しい」
手を出せたらもっと嬉しい。
「そう? キスされても顔色一つ変えないと思うけど?」
「箇所によるだろ。例えば、外国のように手のひらにキスされて照れる人間はそう多くないと思うが?」
「て、照れると思うけど……」
おっと、予想外に愛里が敵に回った。味方を得た長谷部が、それ見ろと言わんばかりの笑みを浮かべている。
「そうだよねー、普通は照れるよねー、あいりん」
長谷部が笑って愛里の肩を抱く。こうなれば、形勢不利は否めないのでお手上げとばかりに白旗を挙げた。
しかし、『あいりん』か。原作では、長谷部は愛里のことを『愛里』と呼んでいたはずだが、この世界では愛里が初めからグループ内にいるから呼び方が変わったらしい。
「誰と誰が付き合おうと、キスしようとどうでもいいが、最低限手を動かしてくれ」
「わかってるってば。ちょっとした息抜きじゃん」
「息を抜きすぎても困る」
「わ、何か嫌味な感じー」
と、言いながら、長谷部が空になったコップを手に立ち上がった。こういう軽い掛け合いができるようになるとは、最初の険悪感が噓のようである――と、考えていると、入口の方から見覚えのある生徒たちがこちらに向かって歩いてくる。
長谷部も気づいたようで、カップを手に嫌そうな表情を浮かべていた。
「随分と楽しそうだな。俺らも混ぜてくれよ」
「また来たのか、龍園……」
思わずため息をつく。前に龍園の提案を拒否して以来の再会だが、それ以降からお付きの者たちがオレを付けているのは気付いている。
おそらくはこちらの様子を探っているのだろうが、男に尻を追いかけられても嬉しくもなんともない。今日も今日とて、石崎とアルベルトをお付きにつけているようで、とてもじゃないが楽しい話をしに来たとは思えなかった。
「そう嫌そうな顔をするな。クラスは違えど同じ一年同士、仲よくしようじゃねーか」
そう口にする龍園だが、言葉とは裏腹に口元には好戦的な笑みを浮かべている。とても、仲よくしたい人間の浮かべる表情ではなかった。
「で、何を企んでる?」
直球で探りを入れに来る。
「オレは動かない」
「動かないはずがない。お前はDクラスの現状を理解しているはずだ。このままでは、どう逆立ちしてもAクラスには勝てない。勝つには、Cクラスの問題と答えを手にするしかない――が、お前はそれも拒否した」
「拒否したのはクラスの総意だ。オレが決めたことじゃない」
「かもな。だが、お前だって自分が作った問題ならAクラスに勝てると思うほど自惚れてはいないだろう? かといって、このまま座して敗北を待つ性質でもないはずだ。お前は必ず、勝つための手段を考えている」
幸村は当然のように、龍園が来た段階でオレが渡した問題を隠しているので問題は見えないはずだが、どうも龍園はオレが問題を作っていると確信しているらしい。
しかし、同類とは面倒くさい生き物だ。オレが龍園を理解できるように、こいつもオレのことを理解しつつある。おぼろげながらも、オレが裏で動いているのも見えるから、こうして探りを入れに来ているのだろう。
「おい龍園。オレたちは勉強で忙しいんだ。そんなどうでもいいことはもっと時間のある時に言えよ」
オレが龍園に言い寄られているのを見て、三宅が助け舟を出す。しかし、龍園は「誰だ、お前?」という表情を返すだけだった。
「あ? おい、三宅。お前、誰に向かって口利いてんだ?」
「お前じゃねぇよ石崎。取り巻きは引っ込んでろよ」
龍園に舐めた態度を見せた三宅に腹が立ったのか、お付きの石崎が三宅の胸倉を掴むが、当の三宅は冷静に石崎をあしらっていた。「てめぇ!」と叫びながら、石崎が今にも飛び掛かりそうな態度を見せる。
「やめろ。こんなところで暴力沙汰でも起こすつもりか? 感情だけで先走るバカは嫌いじゃないが、今は大人しくしていろ」
「す、すみません。三宅が生意気だったんで、つい……」
「んで、三宅だったっけか。悪いが、俺は今綾小路と話をしている。取り巻きは引っ込んでろよ」
まさに、今自分が口にした言葉で煽られ、三宅が何とも言えない表情を見せた。実際、リーダー格同士の話し合いに口を出した三宅は取り巻きと言われても言い返せない。
「話が逸れたな。オレはお前がどんな手を使ってAに勝とうとしているか……それに興味があるだけだ」
「どんなも何も、オレは頑張って難しい試験を用意するだけだ」
実際、オレはもう特に動くつもりはなかった。
「だが、強いて言うのであれば、誰が問題を作るかわかりさえすれば、どんな問題が出てくるかは何となく予想がつく」
「うちのクラスの問題を作っている奴がわかるのか?」
「最初にうちに来た時に、椎名が教えてくれたぞ。自分と金田が問題を作っているとな。お前にもよろしく言っておいたはずだが?」
「……あの天然女、素直に喋りやがったのか」
「口止めをしていないお前が悪い」
「ケッ、確かにこちらの落ち度だ。しかし、仮に傾向が読めても、どんな問題が出るかがわからなければ何もわからないのと変わらない」
どうかな? お前はもう少し自分のクラスの内情をしっかり見た方がいい――と、考えていると、今度は幸村が声を上げた。
「龍園。さっき、三宅も言っていたが、俺たちは勉強をしにここにきている。要件があるのなら手短に済ませてくれ」
事実、龍園が来てから勉強どころではなくなっている。これ以上は妨害として学校へ訴えられても文句は言えないだろう。
「まぁ、いい。今日はただの挨拶だ。お前が何か企んでいるとわかっただけでも収穫はあった」
龍園もこれ以上の問答は無意味と思ったのか、取り巻きの二人を連れて帰っていく。
しかし、収穫はあった――か。オレからしてみれば、龍園の動きは遅すぎる。あいつは、オレが既に仕込みを終えている可能性を考慮できていなかった。
◇◆
龍園たちが帰ってから、オレたちは勉強会を再開した。結局、途中邪魔が入ったせいもあって、今日の勉強会は2時間程かかってしまったが、それでも結構な充実感を感じているのか長谷部の表情は明るい。
愛里も少しずつこの五人でいることに慣れてきたのか、自分から進んで話を振ることも増えてきた。どうやら、オレが長谷部を狙っていることも薄々感づいているようだが、そういう下世話な話を抜きにしても、長谷部とは仲良くやっている。
帰りにアイスを食べようということで、原作通りにコンビニに寄ったのだが、そこで長谷部のあだ名について追及した。オレと愛里以外、今までぼっちだった面々だが、やはりいざグループを組んだら思いのほか居心地が良かったようだ。
長谷部も、早くオレたちと打ち解けようと考えているようで、あだ名から入ることにしたと言っている。
改めて、幸村のことを『ゆきむー』、オレのことを『きよぽん』、愛里のことを『あいりん』と呼ぶようになった。最初は『あやのん』だったが、オレの名前を聞いて呼び方を変えたらしい。
オレたちにもあだ名を強制してきたが、流石に恥ずかしいので下の名前呼びで勘弁してもらった。本当は、女は完全に支配下に置いてから名前を呼ぶ派なのだが、長谷部――波瑠加だけは特別だな。
愛里は最初から名前呼びなので変わらず、三宅は明人、幸村は輝彦という名だが、原作通りに名前で呼ばれるのを嫌ったため、これからは啓誠と呼ぶことになっている。
こうして正式に綾小路グループは誕生した。
これからは勉強会だけではなく、ちょくちょく遊びにも出かけることになる。実際に、カラオケやら映画やらと楽しく過ごしていた。まぁ、愛里とはしょっちゅう夜の遊びをしているが、オレだって別に女を食べることしか興味がないわけではないので、これはこれで楽しいひと時だと感じている。
いや、感じていた――のだが、そういうことを考えていない時にチャンスは来るもので、波瑠加を食べる機会は唐突に訪れた。
◇◆
とある休日の朝、珍しく何も用事が入っていない日だったので久しぶりに二度寝を楽しんでいると、オレの部屋に何者かが侵入してきた。
とはいえ、前にも言ったが鍵はセフレメンバーなら全員持っているので、誰か抜け駆けしてきたのだろう――と、思って薄目を開けると、愛里と波瑠加がこっそりと入って来るのが見えた。
そういえば、昨日愛里に明日は何か予定はあるか確認されたっけか。その時は誘われなかったが、もしかしたら気が変わって誘いに来てくれたのかもしれない。
今日はまだ自分の携帯を確認していないのでわからないが、多分連絡もあったのだろう。しかし、オレからの返事がないから起こしに来た――という感じと見た。
起きてはいるが、寝たまま二人を迎え入れる。
オレはベッドで横になっているが、Tレックスは目覚めているので、二人の目にはTレックスが顔を出すために壁をぶち破ろうとしているのが見えるはずだ。
愛里ならもしかしたら上手く誘導してくれるかもしれない――と、そんな淡い期待を持ちながら、寝たふりを続けることにした。
二人がこっそり寝室に来ると、当然視線はTレックスへと向けられる。愛里は既に何回も拝んでいるはずだが、それでも顔を赤くしており、波瑠加も「うわ、すっご……」と真っ赤になってガン見している。
思えば、ここまで見られることはなかったか。
Tレックスは人の視線を集めるのが大好きなので、見られれば見られるほど元気になっていく。下着がテントのようになって今にも飛び出しそうだった。
ジーっとみられる視線を感じながらも、寝たふりを止めずに待っていると、愛里が恐る恐ると言った感じで近づいてくる。おそらく、わざとだ。一人がいけばもう一人も興味を持ってついてくるだろう。愛里の頭脳プレイに釣られて、波瑠加もまた近づいてきた。
「おーい、きよぽん。おきてるー?」
と、波瑠加がオレを起こすが、とてもではないが起こすつもりがあるとは思えない声のボリュームだ。多分、まだ見ていたいのだろう。
「うーむ、完全に寝てるね」
「そ、そうだね」
「しかし、凄い大きさ。男の子ってみんなこうなのかな?」
そう言って顔を近づけてくる。Tレックスのスメルが匂ったのか、「ちょっとえっちな匂い」と、少し恥ずかしそうにしていた。
「は、波瑠加ちゃんは、見たことないの?」
「流石にないかな。そういうあいりんはあるの?」
「う、うん……ちょっとだけね」
「へぇ、意外。合鍵持ってるくらいだし、きよぽん狙いだと思ってたけど、彼氏いるの?」
「い、いないよ。でも、見たことはあって……っていうか、清隆くんのなんだけど、前もその……」
「あぁ、前もこうして見たことがあったんだ」
話しながら再びTレックスに視線が集まる。
「その時はどうだったの?」
「……全部出てたよ」
「ぜ、全部……」
当然だが、愛里は何度もTレックスを拝んでいるので嘘ではない。
「……波瑠加ちゃんも、興味ある?」
「そりゃ、ないっていったら噓になるけど……」
「清隆くん、寝てるみたいだし、ちょっと見てみる?」
場の雰囲気を上手く使って、愛里がそう波瑠加を惑わせていく。一人なら無理でも二人ならという心理を上手く突いていた。
「いや、でも……まずくない?」
「清隆くんならバレても許してくれると思う……」
「確かに、きよぽんは怒らなそうではある」
これまで散々色恋に興味がないふりをしてきただけあって、波瑠加もオレなら性的なイタズラをしても気にしないという印象を持っているらしい。
「それに、バレなきゃ大丈夫だよ。たぶん……」
そう言って、愛里が下着に手を伸ばす。波瑠加も止めはしなかった。そのまま、下着の一部がズレるとTレックスが解放される。
「うわぁ……」
凄いという感想が、波瑠加の声には含まれていた。愛里も「大きい……」と呟いている。凄い、大きいは男には最高の誉め言葉だ。
そのまましばらくTレックス鑑賞を終えると、今度は波瑠加がTレックスを仕舞おうと手を伸ばしてくる。が、下着の隙間から出ているので、そう簡単には戻せず、手がTレックスに触れてしまう。
「あつっ」
咄嗟に手を引いたが、Tレックスも今の接触でさらに元気になった。同時に、波瑠加の興味にもスイッチが入ったのか、「凄い熱さだよ」と興奮している。また、仕舞おうとしていたことも忘れているのか、指でTレックスを突いてきた。
「ほら、凄いよ。あいりんも触ってみな」
「う、うん……」
と、愛里もTレックスに優しく手のひらを当てる――だけのつもりだったのだろうが、いつもの癖でそのまま握ってしまっていた。
「うわお、大胆」
「あっ、ちがっ」
愛里もすぐに手を放すが、その刺激でTレックスが涎を垂らし始める。早くお世話しろと訴えているのは一目瞭然だった。
ここでわざと苦しそうな声を出す演技をする。別に欠片も苦しくなどないが、愛里なら上手く意図を察してくれるだろう。
「……清隆くん、苦しそう」
「えっ、もしかして私たちのせい?」
「かも……こんなに腫れてるし、もしかしたら辛いのかも」
自分たちのせいで友人が苦しんでいる。そうなれば、何とかしようと思うのが普通だろう。いや、普通ならそもそもこんなことしないが、愛里の誘導で波瑠加ももう変なスイッチが入っているようで、「出させてあげた方がいいのかな?」と、悩んでいた。
普通の性知識があれば、やることなどわかるだろう。特に、波瑠加はそういう視線に特に敏感だ。逆を言えば、それだけそういうことを知っているということでもある。
「波瑠加ちゃん、わかる……?」
「ちょっとだけね。でも詳しくは……」
「た、助けてあげて。お願いっ」
「で、でも私も経験はなくて……わ、わかったから泣かないで、あいりん……」
泣く演技までするとは凄いな。
愛里のお願いで波瑠加も覚悟を決めたように、Tレックスに手を当ててお世話を始める。しかし、機械的に手を動かすだけでは刺激が足りなかった。
「つ、疲れて来ちゃった……これじゃダメなのかな?」
「他には方法ないの?」
「ほ、ほか? そりゃ、その……舐める、とか?」
「……舐める」
流石に、これ以上のことを波瑠加に自分からさせるのは無理があると判断したのだろう。
ごくりと、愛里が決意したフリをして、Tレックスに舌を伸ばしてくる。自分もやるから一緒にやろうの精神だ。それを見て、波瑠加も顔を真っ赤にしたが、もう自棄になったのか、愛里に続くように舌を伸ばしてきた。
ようやく本格的な奉仕が始まると、Tレックスも嬉しそうに首を上げていく。しばらくすると、満足したように火を噴いた――同時に、「きゃっ」と、いう声が聞こえ、オレもそろそろ目を覚ますことにする。
目の前には、男の下半身に舌を伸ばしている巨乳美少女が二人と、むくっと起き上がった寝起きのオレ――どこからどう見ても危ない現場だった。
携帯を取って固まる二人の写真を撮る。
波瑠加が焦って「これは違っ――」と声を上げるが、無視してベッドに押し倒した。そのまま、堀北、松下が良く使用する手錠をカチャリと嵌める。愛里も気を使って鍵を閉めて戻って来た。
愛里の動きを見て、波瑠加もようやく一杯食わされたとわかったようだが、先に手を出したのは波瑠加であり手元には証拠写真もある。そもそも、男にそういうことをしていた以上は、誘っていると言われても反論できないだろう。
二人がかりで波瑠加を剥いていく。
波瑠加もそういう気分になっていたせいか、体の反応はかなり良かった。そのまま、伊吹、松下とお馴染みの焦らし戦法で無理やり合意を取っていく。
最初は波瑠加も首を縦に振らなかったが、焦らされている隣で愛里が愛されるのを見ていると、どうやら受け入れる気になったようで素直に足を開いた。今度こそどうにでもなれ――という気分なのだろう。
ならば、どうにでもしてやろうということで、Tレックスを突撃させた。
Tレックスも、散々焦らしてくれてありがとうと、先程までの屈辱を晴らしている。そのまま一晩じっくり可愛がると、「きよぽんの周りに、恋する乙女が多かったのはこういうことかぁ……」と、オレとセフレたちの謎も解けたようで、無事に波瑠加もその一人に追加された。
原作との変化点。
・龍園が探りを入れに来た。
が、内容は原作と違って、清隆がペーパーシャッフルでどう動くかを探っている。
・綾小路グループが正式に稼働した。
紆余曲折あったが、上手くいった。しかし、原作と違い、佐倉が最初からいる影響で長谷部からの呼び方が『あいりん』になっている。
・寝込みを襲われた。
二人なら怖くないの精神で、佐倉が長谷部を上手く誘導した。セフレたちからの教えを上手く生かした形。佐倉は初期組だが、伸びしろが高いので、いろいろなものをスポンジのように吸収している。今回のテクは櫛田に仕込まれた。
・長谷部を美味しく頂いた。
先に手を出してきたという免罪符もあり、美味しく頂いている。長谷部も何だかんだ清隆に悪い印象は持っていなかったので最終的には受け入れた。
今話の登場人物一覧。
・綾小路清隆
最近、Cクラスにストーキングされて困っている。おかげで、部屋にセフレを呼び出すのも一苦労ということはなく、むしろ見せつけるようにとっかえひっかえ女を呼び出している。
・堀北鈴音
清隆に虐められたが、その分楽しんでもいる。今回のおかげで、軽井沢や松下とも普通に話すくらいの仲になってきた。
・佐倉愛里
セフレたちの教えを活かして、長谷部を清隆に献上した。長谷部には悪いことをしたと思っているし、全部が終わったら謝るつもりでいる。
・軽井沢恵
セフレの中でも高い序列に食い込もうと頑張っている。セフレ同士で話す機会は、地味に同じ夜を共にするか、たまにお茶に行くくらいしかなく、今回は堀北との仲が思いのほか深まった。
・松下千秋
第二の雪になろうと、セフレ同士の仲を取り持って、序列を上げようと画策している。今回はあまり仲良くなかった堀北と軽井沢の仲を取り持った。
・佐藤麻耶
まさかの初夜が5Pという意味不明なスタートだが、清隆に好きになって貰うために頑張ろうとしている。憎めないおバカ。
・長谷部波瑠加
興味本位でTレックスに手を出したら食べられてしまった。清隆としても、長谷部を食べるのはもっと関係性を深めてからと考えていたので想定外のアクシデント。ただ、長谷部は前々から清隆の周りに恋する乙女が多いことを気にはしていた。
・三宅明人
突っかかってきた龍園から清隆を助けようとしたが、普通に口で負けた。
・幸村輝彦
綾小路グループでの勉強が上手くいっており、自分が役に立てていると実感している。
・龍園翔
清隆の動きを気にしている。しかし、原作知識ありの清隆の思考をトレースしきれないせいで、逆に混乱中。
・石崎
龍園の忠犬だが、須藤以下。