ようこそ俺小路くんの無念を晴らす教室へ   作:おこむね

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SIDE:14『橘のお礼:星之宮の失策:茶柱の警告』

 SIDE:橘茜

 

 

 紆余曲折あったが、混合合宿が終わった。結果として、私は退学になることもなく、気が付けば3年Aクラスは変わらずトップを独走。おまけに、3年Bクラスはクラス全員が停学となったことで、私たちのAクラス卒業がこの段階で決定している。

 

 それもこれも、綾小路くんのおかげだ。

 

 正直、私の綾小路くんの印象はそんなにいいものではない。先輩であり、生徒会長だった堀北くんに敬語は使わないし、私のことも馬鹿にしてくるしで可愛げのない後輩としか思えなかった。

 

 だからこそ、助けると言われても信じられなかったし、処女を無理やり奪われた時は、退学することになったら道連れにしてやるとも思ったが、彼は何だかんだで約束を守っている。

 処女という大きなものを失いはしたが、それで今の生活が守られた――と、考えれば彼には感謝しないといけない。

 

 改めて、雪ちゃん経由で綾小路くんに連絡を付けて貰い、助けて貰ったことを感謝に行った。

 堀北くんも彼に用事があるようで、二人で一緒に彼の部屋に行っている。向こうも、雪ちゃんが付き添いで来ていた。

 

 彼の部屋に着くなり、堀北くんは私を助けてくれたことを感謝して、彼にPPを振り込んでいる。私も改めて頭を下げた。何であれ、助けられたことは事実だからだ。

 

 綾小路くんは大したことはしていないと言いながらも、こちらのお礼はしっかり受け取った。その後、雪ちゃんが「よかったですね、橘先輩」と声をかけてきてくれる。

 

 思えば、雪ちゃんはずっと私を心配してくれていた。最後まで心が折れなかったのは、途中で彼女が私を励ましてくれたからだ。そう考えると、雪ちゃんにもお礼を言わなければいけない。

 

 と、女子トークをしていると、堀北くんはもう用事を終わらせたようで、「俺は先に帰る。橘、お前も精神的な疲労は残っているだろう。今はゆっくり休め」と、言って帰ってしまった。

 どうせなら一緒に帰りたかったが、まだ雪ちゃんとの話も途中なので、ここで帰るのは流石に失礼だろう。

 

 それを言えば、この部屋は綾小路くんの部屋なのだが、雪ちゃんも気にした様子がないので、このままお話を続けることにした。

 

 話はどんどん盛り上がり、試験のお礼から、今の生徒会や昔の生徒会について、これまでの私の話や、互いの好きな人、ちょっとえっちな話にも移り代わり――最終的には、私が綾小路くんに抱かれた話に移った。

 

 途中でまずいと思ったが、雪ちゃんが笑顔で「清隆に抱かれた時はどうでしたか?」と聞いてきた時には、何も言えなくなってしまっている。

 

 私は彼女が綾小路くんが好きなのを知っていた。レ〇プされた側とはいえ、彼女から見れば、私は自分が助かるために自分の身を彼に売ったとも取れなくない。そして、私はそのことを彼女に話していなかった。

 

 彼女は一言も私を責めてはいない。

 

 けれど、私には針で全身を刺されているような心苦しさがあった。もし、立場が逆で、雪ちゃんが退学回避のために、堀北くんに抱かれていたらと考えると――彼女の心苦しさが理解できてしまう。

 

 私があまりにも緊張で何も言えなくなると、彼女は妖艶な笑みを浮かべて私の唇を奪ってきた。女の子同士でのキス。一瞬何をされたかわからなかった。ただ、痺れるような気持ちよさが脳内を駆け巡る。

 

 もうここからはされるがままになるしかなかった。唇を奪われ、制服を脱がされ下着姿にされる。「清隆とした時は気持ちよかったですか?」、「どこを触られたんですか?」と言いながら、全身を弄られ、気が付けば私は腰を浮かせていた。

 

 その度に、「痛かっただけ、気持ちよくなかった」と、反論するも、「嘘は駄目です」と言われて、敏感な所を責められていく。嘘ではない。けど、確かに痛みだけでなく、快感があったのも間違いではなかった。

 

「先輩は今日、清隆にお礼に来たんですよね? なら、ちゃんとお礼をしないと駄目なんじゃないですか?」

 

 そのまま、何も考えられなくなるくらいに責められていると、耳元でそう囁かれる。

 

 確かに、私はお礼に来たはずなのに、気が付けば雪ちゃんと話ばっかりしていて、彼の存在を今の今まで忘れてしまっていた。これでは、本当に感謝していると言われても嘘としか思えないだろう。

 

「ほら、橘先輩。あーんして、お礼をしないと」

 

 そう言われて反射的に口を開けると、暖かくて大きなモノが口に挿し込まれる。

 

「歯は立てちゃだめですよ。しっかり、舐めて、お礼をしないと」

 

 気が付けば、私は一生懸命それを口に咥えていた。もう何が何だかわからない。けど、これを舐めてお礼をしないといけない。

 

「いいですよ、先輩。今度は先輩も気持ちよくなりましょうか。あれから時間も経っていますし、先輩もきっと楽しめます」

 

 そして、私は裸になっていた。

 

 覚えているのは大きなモノに貫かれて、凄い快感が身を包んだことと、この快感を自分から求めてしまったことだけ。

 

 朝になると、私はベッドで眠っており、隣では綾小路くんと雪ちゃんが抱き合っているのが見えた。 

 

 逃げなきゃいけない。こんな所に居てはいけない――昨日まではそう思っていたはずなのに、気が付くと私は二人の間に混ざってしまっていた。自分からお尻を突き出して、恥ずかしい行為を懇願してしまっている。

 

 そう、これはお礼なのだ。

 

 お礼は一回で済むとは限らない。もし、綾小路くんが助けてくれなければ、私は残りの時間、この学校にいられなかったかもしれないのだ。だから、残りの時間をお礼に使うのは間違っていない。

 

 そんな言い訳にも似た免罪符を手に、私は卒業までの短い間、綾小路くんと体の関係になってしまった。

 

 

 

◇◆

 

 

 

 SIDE:星之宮知恵

 

 

 やはりおかしかった。今回の混合合宿でようやくわかった。あのサエちゃんが、他学年のいじめ問題に自ら関わるはずがない――そして、南雲くんとのやり取りで、その裏にいたのが綾小路くんだということもハッキリした。

 

 彼は、今回の特別試験で南雲くんが試験内容を悪用して橘さんを退学にしようとしていたことを見抜いていた。そうじゃなきゃ、ピンポイントで橘さんのグループにサエちゃんを送るなんて出来るはずがない。

 

 さらに言えば、橘さんが退学になるとわかっていたということは、綾小路くんは龍園くんがうちのクラスの生徒を退学にしようとしているのも気づいていて、尚且つそれを見逃したということだ。

 

 勿論、ただ気づかなかった可能性もある。

 

 けど、あれだけの知略を持つ彼が、同じ学年で起きている出来事を理解できていなかったとは思えない。自分のクラスには損害がないからスルーしていた――そう見て間違いない。

 

 おかげで、うちはクラスポイントが-400でCクラス落ち、サエちゃんのクラスは自動的にBクラスに浮上している。

 

 綾小路くんは、一之瀬さんと付き合っているはず――にも関わらず、サエちゃんの体を求めているということは、そういうことに奔放な性格をしているということだ。証拠を上手く抑えられれば、脅しをかけることが出来るかもしれない。

 

 本来、教師がクラスの争いに関わるなどあってはいけないことだが、それを言えば先にその不可侵条約を無視してきたのはサエちゃんだ。私だけがやってはいけないなんていうのは理不尽だろう。

 

 私はサエちゃんにだけは負けたくないのだ。そのために出来ることは何でもする。まずは、サエちゃんと綾小路くんが接触している現場を押さえる必要があった。

 

 サエちゃんを追跡して、何としてでも綾小路くんとの関係を明らかにしてやる。彼がいる限り、おそらくうちのクラスに勝ち目はない。サエちゃんから引き離すか、逆にこちらに引き入れないとどうしようもなかった。

 

 次の特別試験は一年で行われる最後の試験となる。開催日は3月8日と決まっており、まだ約ひと月半の時間がある。

 

 このひと月半の間で、サエちゃんは必ず綾小路くんと接触する時があるはずだ。後は、その現場を押さえてやるだけでいい。

 

 最悪の場合、私の体を売りつけてでも、綾小路くんを味方に引き入れる。サエちゃんよりも私の方が、経験も豊富だし技術もある――色を覚えたばかりの子供などいかようにもできるはずだ。処女だったサエちゃんとは違うのだよ。

 

 と、そんなことを考えていたある日のこと――珍しくサエちゃんが今日は用事があるから早めに帰ると言って帰っていった。

 

 これは間違いなく綾小路くんの呼び出しを受けている。後を付けて現場を押さえてやると、私も真嶋君に仕事を投げてサエちゃんの後を追いかけた。

 

 思った通り、校舎の中でもカメラの少ない場所へと移動しようとしている。この先に、彼らの根城があるのは間違いない――と、考えていると、いつの間にか目の前が暗くなって意識がなくなっていく。

 

 一体、何が――

 

 

 

◇◆

 

 

 

 SIDE:茶柱佐枝

 

 

 混合合宿が終わってから、チエがまた良く絡んでくるようになった。

 

 年末に飲みに行った時も、こいつはいろいろと勘付いている節があったが、何か邪なことを考えているのかもしれない。やはり、混合合宿で私が他学年のために動いた――と、いうらしくない動きをしてしまったことが決め手だったのだろう。

 

 おまけに、あの場で南雲が、椿の後ろにいるのが綾小路だと大勢の前で暴露してしまっている。事情を知らない先生方は、何のことだかわからないだろうが、元々チエは私に疑いの目を向けていた。

 

 今回のことで、私と綾小路との関係を見抜いているのか、純粋に綾小路という切り札が露見しただけなのかはわからないが、まずあいつは何とかして私と綾小路が結託している現場を押さえようとしてくるのだろう。

 

 基本的に綾小路との連絡はメールで行っているので、直接会って話をすることはあまりない。会うのは、それこそそういうことを求められた時くらいだ――つまり、そこを抑えられたらこちらは痛い。

 

 だからこそ、チエは隠れて私の後を付け狙うようになってきた。向こうは、私が気づいていないと思っているようだが、あいつは自分が割と目立つことを自覚した方が良い。下手に動揺を見せれば、開き直ってくるだけなのでスルーを決め込んでいるが、このまま好きにさせておくのも面倒だ。

 

 さて、どうするか。

 

 今日は仕事が早く終わるということもあって、綾小路からの呼び出しを受けている。しかし、普通に合流すればチエに綾小路との関係がばれてしまうだろう。

 

 上手く人混みを利用して逃げるか? いや、絶対の保証がある訳じゃないし、私があからさまな動きを見せれば、こいつももっとストレートに接触してくる可能性がある。そうなると、もっと面倒になるのは間違いない。

 

 いや、一人で考えても無駄だな。

 

 こういう時は素直にご主人様に頼ろう。前は酔っていたこともあって、短絡的にチエを綾小路に献上してしまったが、それで褒められる結果になっている。もしかしたら、今回の件も上手く解決してくれるかもしれない。

 

 ――と、考えていると、すぐにメールの返事が戻ってきた。どうやら、ご主人様はまたチエが食べたいらしい。

 

 指示は簡単だった。チエの尾行を利用して、逆に人気のない場所へ誘い出せ――おまけに、歩くべきルートも事細かく記載されている。これなら馬鹿でも失敗しない。

 

 そんなこんなで、綾小路の力を借りて、チエを監視カメラのない区画へと誘導して後ろから眠らせて貰う。

 

 後は献上するだけだ。

 

 化学室からちょろまかしてきた眠り薬で眠らせたチエをうちまで連れ帰り、服を剥ぎ取って、縄で自由を奪った上で目と口を塞いで綾小路の玩具にして貰うだけ――チエも入れられてすぐに気が付いたようだが、あの状況ではもはやよがる以外に出来ることなどないだろう。

 

 後は綾小路が満足するまでハッスルさせ、再び眠り薬で眠らせて自室まで送っていく。

 

 これに懲りて、こいつももうこっちにちょっかいを出すのを止めてくれればいいのだが、まぁまた何か仕掛けてくるなら、その時はまたお仕置きをしてやればいいだろう。

 

 

 

◇◆

 

 

 

 SIDE:星之宮知恵

 

 

 気が付いた時には、体の自由を奪われ、目と鼻も塞がれて何も出来なくさせられていた。

 

 おまけに服まで奪われたようで、何が何だか全くわからない状況だ。まさかサエちゃん? でも、サエちゃんは前を歩いていた。私に気づいた様子もなかったし、それは有り得ないはず――と、考えていると、体をまさぐられていく。

 

 こういうプレイならともかく、正体のわからない誰かに襲われているというのは恐怖しか感じない。これからどうなってしまうのか、私はどんな目に合わされるのか。それしか気にならなかった。

 

 けど、この相手は上手かった。

 

 女の好きなことを熟知していて、恐怖心を吹っ飛ばすくらいの快楽を送り込んでくる。これまで数多の男をポイ捨てしてきた私でも、ここまで上手かった人はいないくらいのレベルだ。

 

 一瞬、綾小路くんかとも思ったけど、これは多分子供じゃない。

 

 高校生がこんなレベルの技術を覚えるなど不可能だ。それこそ、数えきれないくらいの女を抱いてきた熟練の男でもないと無理だろう。

 

 と、いうことは、私は見知らぬ相手にたまたま捕まり、レ〇プされようとしているということだ。

 

 この学校は監視が厳しいにも関わらず、こんな凄いことをしようなんて奴がいるとは思わなかった。

 

 今まで体験したこともないような硬くて大きなモノが、私を貫いてくる。拒絶する自由がない以上、されるがままになるしかない――いや、待って。私、どこかで、これと同じような体験をしたことがあるような?

 

 あれは確か、年末の――と、考えていると、すぐにその思考も中断される。強い快感が波のように押し寄せて、私の思考力を奪っていく。捕まってレ〇プされているはずなのに、気が付けば馬鹿みたいに自分から腰を振って快楽を得ようとしている女がそこには居た。

 

 この私が、完全に弄ばれている。

 

 けど、間違いない。今、私を抱いている人物は、年末に私を抱いた人物と同一人物だ――と、いうことは、まさか本当に綾小路くん? でも、高校生がこんな凄いテクやモノを持ってるとかあり得る? でも、あり得るなら、処女のサエちゃんが屈服するのも頷ける。

 

 こんなものを体験してしまえば、もう他の男では満足など出来ない。処女にはもっと強烈だっただろう。

 

 いつの間にか眠ってしまっていたようで、気が付けば私は自宅の床で転がされていた。多分、サエちゃんが連れて帰ってきてくれたようだが、ここまで連れてくるならベッドで寝かせてほしかったというのは我儘なのだろう。

 

 多分、これは警告だ。

 

 もうこちらを追及するな――そうでなければ、次はもっと怖い目に合わせる。そういうことだろう。

 

 屈辱だった。大人の女をアピールしているこの私が、高校生に良いようにされたなんて。

 

 けど、証拠が何もない以上、この件をサエちゃんに言った所で惚けられるだけだ。仮に監視カメラで、綾小路くんやサエちゃんが私を運んでいる場面を見つけられたとしても、倒れていた私を運んだだけと言われてサエちゃんがそれに同意すれば、問題として大きく取り上げることだって出来ない。

 

 レ〇プされたと言っても、夢でも見たのでは――と、言われればそれまでな以上、黙って泣き寝入りするしかなかった。

 

 しかし、このままで済ませるつもりはない。必ず、あの二人の謎を解き明かして見せる。

 

 例え、また同じような目にあうのだとしても、今度は私のテクで綾小路くんを追い詰める。仮に腰しか動かせなくても、出来ることはたくさんあるのだ。大人のテクで、むしろ私の方に引き込んでやる。

 

 いや、別に気持ちよかったからもう一度したいとかそういうものでは断じてない。

 

 ただ、私は佐枝ちゃんにされるがままでいるのが納得できないだけであり、あの凄いモノをもう一度味わいたいという訳では断じてないと言っておこう。

 

 ってか、何あれ? 本当に日本人?

 

 昔連れまわした外国人の彼氏くんでもあんなに凄いモノは持っていなかった。あんなのほぼ初見で対応できる女などいるはずがない。

 

 でも、必ず秘密を暴いて見せる。

 

 そして、サエちゃんクラスの急成長を止め、再び私のクラスが上に立つ――その上で、学校には内緒で、私も綾小路くんのセフレにして貰えればオールオッケーだ。

 

 むしろ、サエちゃんに内緒で今度ちょっとちょっかい出してみようかな。今回だって、あんなにたくさん出したのだ。私の体が気に入らなければ、ああはならない。もしかしたらワンチャンあるかも――

 

 あっ、でも確か、綾小路くんって、表向きはうちのクラスの一之瀬さんの彼氏なんだっけ……

 

 まっ、いいか。その時はその時ってことで。

 

 

 

 




 SIDE14は橘と星之宮と茶柱

 橘については、混合合宿のその後。

 星之宮はようやく見つけた黒幕の清隆と茶柱の関係を探ろうとして食べられる話。

 茶柱は、前回と同じく星之宮を生贄に捧げる話。


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