転生したので便利屋に入ってアル社長を大活躍させます   作:雑多雑用

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主人公は一応ストーリーを最新まで追っています。(アビドス3章16話まで)
あまり深く読み込むタイプではないので曖昧だったりします。

作者と同じです。


1.プロローグ
プロローグ


 

目が覚めると覚えのある天井にみたことのある部屋。

 

それもそのはずだ。私はこの世界で15年も生きてきたのだから。目覚めとともに私は前世の記憶をなんの前触れもなく思い出したのだ。

それと同時に、この世界がブルーアーカイブというゲームの世界であることを認識した。

 

ここまでなら前世の記憶でいう異世界転生?なのだが、1つだけ困ったことがあった。

 

「私ってなにをしてたんだ?」

 

記憶が蘇った影響か、15年間の記憶がほとんど消えてしまっていた。

名前や年齢はわかる。しかし、友人関係やどこの学園だったのかなど、そこら辺の記憶はさっぱりと抜けていた。

 

名前はさとむら あかね

 

漢字で書くと里村 茜、15歳の高校1年生である。

 

部屋の中は驚くほど物がなく、ミニマリストだったのかな?なんて思ってしまう。

そんな部屋に当たり前のように立てかけられている銃に本当にキヴォトスなんだなと改めて思うものだ。

 

部屋のカレンダーには付箋が貼られており一言

 

ゲヘナ学園転校日

 

とだけ書かれていた。

 

元々どこに所属していたかはわからないが、数日後にはゲヘナ学園へと転校するらしい。

 

銃を持ち歩いていない人が全裸で街を歩く人よりも珍しいと言われるキヴォトスにおいてすら治安の悪さが目立つ学園だ。

 

前の私は何を考えてたんだ?

アビドスとかミレニアムとか、数千にも及ぶ学園があったはずだ。なぜよりにもよってゲヘナなんだ。

 

もちろんゲヘナ学園だって嫌じゃないヒナ委員長とか魅力的なキャラクターたちに出会えるのは最高の気分だ。

 

だがそれは前世の記憶があるから。

正直、わざわざ現地の人がゲヘナに入るメリットはないような気もする。

 

ふと机の上に自分の端末が置いてあることに気づく。幸いパスワードは覚えていたので開くことができた。

友人関係などはここから分かるかもしれない。そう期待した私は衝撃を受ける。

 

「1人もいない...だと?」

 

まさかの友人は0。

ボッチだったとか笑えない。

 

そんな昔の私にショックを受けながらも、私は今後どうしていこうかと悩んでいた。目標というか何をしたいかぐらい決めておきたい。

 

一応1つだけやってみたいことがあった。

 

それは前世で、キヴォトスに行ったら何をしたい?なんていう妄想を友人と話していた時のこと。

 

私は話した。

 

推しである陸八魔アルのもと、便利屋のみんなと日常、ときには非日常を過ごしたい。

そしてアルを支えながらアウトローとして駆け上がっていきたい。

 

そんな妄想を...

 

今ならそんな妄想を実行できるのではないだろうか。

 

ゲヘナにいてもろくなことにならないだろうし、その方が面白そうだ。

 

「決めた」

 

ベッドから降り私は前を向く。

 

「便利屋に入ってアル社長を支える。そして大活躍させる」

 

普段はポンコツだけど、決める時は本当にかっこいいのがアル社長なのだ。そんなアル社長がもっと活躍できるように、もっとカッコよくあるために。

 

いつしか不安は消え、ワクワクが止まらなくなっていた。

 

「そうなるとまずは便利屋に入るところから...かな?」

 

こうして私は里村茜として、便利屋68及びアル社長を活躍させるために動き始めたのだった。

 

 

 

 

 

====================

 

 

「失礼します」

 

ゲヘナ学園風紀委員

 

委員長、空崎ヒナを筆頭とするゲヘナにおける実質的な治安維持部隊であるともに、行政にも関わる組織だ。

 

「委員長。また万魔殿に仕事を押し付けられたそうですね」

 

風紀委員会行政官、天雨アコはため息をついた。

本来、行政を行うべき万魔殿から仕事を押し付けられたからだ。

 

「ほんとうに、一度痛い目を見てもらわないと」

 

拳を軽く握り、怒りを露わにするアコ

 

「気にしないでアコ。それに痛い目を見たところで止まる人たちじゃないわ」

 

ヒナは諦めに近い表情でアコを見ていた。

 

机の上には転校届けと書かれた1枚の書類が置かれている。

 

「でも、おかしいですね。本来、転校届けぐらいの書類ならわざわざこちらに流さず適当に流しているはずなのですが」

 

万魔殿が押し付けてくる書類は基本めんどくさいものばかりだ。風紀委員に嫌がらせをするためなのだからタチが悪い。

 

「特に何も考えてないと思うけれど」

 

そう返答し書類に目を通す。

 

里村茜、15歳、1年生

名前、年齢、学年。

特に不備はなく、順番に目を通していく。

だがある欄で文字を追う目が止まった。

同時に、なぜ万魔殿が押し付けてきたのか、その理由も察することになった。

 

所属 トリニティ総合学園

 

「トリニティ...」

 

「え?」

 

一瞬の静寂

 

その静寂を破りアコは声を張り上げた。

 

「こ、この時期にトリニティからの転校生を受け入れるなんて、絶対なにかあるに決まってます!」

 

エデン条約

 

それは長い歴史の中で歪みあってきたトリニティ総合学園、ゲヘナ学園が和解を結ぶ条約。

 

近々その歴史的条約が執り行われるのである。

 

平和的な条約だが反対派がいないわけではない。それほど2つの学園の確執は深いのだ。

故に両学園の緊張はピークに達し、一触即発となっていた。何かあればそれに託けて中止の声が大きくなるだろう。

 

「今トリニティからの生徒を受け入れるのは危ないと思います。せめてエデン条約が結ばれてからでも」

 

故にアコは焦っていた。

 

「それはできない」

 

ときっぱりヒナは告げた。

 

「トリニティが何を考えているのかは分からない。けれど、ここで下手に断ればエデン条約に響くかもしれない」

 

「スパイかもしれないんですよ!?」

 

断れば関係がさらに悪化し、断らなければ相応のリスクがある。

 

「しばらくはスパイかどうか見張ればいいわ」

 

「この子は受け入れる。バレない程度に警戒は忘れないように」

 

「委員長!」

 

「アコ」

 

鋭い目線でアコを睨む。

 

「...分かりました。こちらで必要な手筈は進めておきます」

 

苦虫を噛んだかのように渋い顔をしながらアコは部屋の扉へと向かう。

 

「万魔殿の皆さんを本気で潰しに行って宜しいでしょうか」

 

「アコ、また机いっぱいの反省文を書かされたいの?」

 

「体勢が整い次第、ご連絡しますね」

 

と言うとアコはそそくさと部屋を後にした。

 

 

 

「はぁ...大変なことを押し付けられたのかもしれないわ」

 

空崎ヒナは1人になった部屋で、どこか遠い目をしながらそう呟いた。




エデン条約に触れていますが原作合流はアビドス1章からの予定です。
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