こんな転生特典でどうしろと? 作:たら
死ぬかと思った。
俺はこの感想を何回思えば良いんだろうか。それぐらい俺は死にかけていた。と言うか、何度も言った。死ぬ死ぬって。そしたら、君はもう一回死んでるでしょ?と返されるのがオチだ。
『んじゃ、次行こうか。無駄口叩いてる暇があったらさっさと成果出して?』
と言ってもやってる事は単純作業だ。まず女神が素手で山を砕いて俺にぶん投げてくる。それを粉々にするのがワンセットだ。粉々にしなきゃいけない理由は、また後で言おう。
それが終われば、神は休憩をする。その代わり神が生み出したモンスターと死合をする。不老不死を倒す前にこっちが不眠不休で倒れてしまいそうだ。
それが終われば、やっと俺の休憩だ。女神の眷属が作った食事を食べて一休みする。が、その中に異物が混ざっていたりするので心は休まらない。食事自体は普通に美味しい。家庭の味って感じで泣きそうになる。
食事が終わればまだ死合。お腹が満たされ、フルパワーになった女神が生み出したモンスターによるサバイバル戦が始まる。
そんな日々を何度も繰り返し、遂に俺は必殺技を覚えた。それが……。
《瀕死の剣》
どう見ても枯れ木から折った枝にしか見えないそれは、刺した相手を瀕死にするらしい。勿論それだけじゃない。
その効果が発動する時は、俺が瀕死状態になってる事が条件らしい。要するに、最後は瀕死同士のサドンデスにまで持ち込める。
必殺技とは……。
『どうしたのさ、わんぱく少年。そんな顔して』
眷属さんが何かを作業しながらそう話しかけて来たので俺は枯れ木を振りながら、説明をした。
『成程、確かにねぇ。要は死にたくないんでしょ?死にたくないから此処に来たんだし、まぁそれが君の意思なのがどうかは分からないけど。それから……いや、なんでもない』
眷属さんは途中で言うのを辞めた。何だ?
『だったら、最後の最後まで死ぬ気で戦った方が良いんじゃないの?』
作業が終わり、立ち上がり俺に何かを渡してくれた。
「な、何これ」
『レスポンスノート、略してRES NOTE。今までのレス内容が全て記録されてる。安価が無いと喋れないだろうから作った。各レスが五十音順で並んでて押せば音声が再生されるよ』
『"は" "ろ" "〜"』
言われた通り押してみると眷属さんの声で再生された。
「本当だ、凄え!オモチャみたいだ!」
テンションが上がると同時に不思議に思った。何で彼女は此処までしてくれるんだろうか、ご飯を作ってくれて。こんな時間の掛かりそうな物を作って。
『実は、私さ……』
そこから記憶は無い。
安価終了したから、戻されたって感じか?いや、必殺技を使うまでが安価だった筈だし、使ってないから違うよな。でも、此処は牢屋の……跡地?
「目を覚ましたかね、少年よ」
その声に顔を上げれば、俺は変態紳士にお姫様抱っこをされていた。自然と体が震え、尻が引き締まった。