ソードアート・オンライン〜運命を喰らいし狼〜 作:黒家系ラーメン
この小説はソードアート・オンラインを原作とした二次小説となっています。ゲーム時空のストーリーやそれに繋がるまでのアニメ版のストーリーに僕の作ったオリキャラ達を絡ませながら書いていきたいと思っております。
他にも仮面ライダーシリーズが大好きで、オリキャラの地元など他地域の地名にその要素があります。
微妙にリアル多忙でして更新速度はあまり高くないとは思いますが、暇つぶし程度にでもご覧になっていただけましたら嬉しいです。
追記:
投稿から既に何日か経過しておりますが、主人公の名前を変更しました。
第0話 プロローグ:決断
2022年11月5日
───風の街"風都“。その名の通り風が止まないこの街ではその風を利用した風力発電や、太陽光発電を用いて多くの人が生活している。オレが思う限りでは世界一のエコロジー都市だ。街の規模も結構デカくて、東京都と千葉県の近くにある海を埋め立てた都道府県くらいの大きさだ。
そんな風都市の住宅街、ちょっとボロめアパートの一室───
「え、ほんとにいいのかよ?」
【もちもち!お前がよかったら貰ってくれよ!二つ持ってても仕方ねーし、俺んち他に誰もゲームやらねーから宝の餅鎖じゃん?もちろんタダでやるからさ、いいだろ
「持ち腐れな」
オレの名前は
「確かに多少は興味あったけどよ、オレにやるよりネットで売るなり……」
【最初はそう思ったけど、それ言ったら姉貴がすっげーキレてよ。これが一番良いアイディアだと思ったんだよ!やろーぜ、《SAO》!」
《ソードアート・オンライン》───通称《SAO》。《ナーヴギア》というバイクのヘルメットのようなゲーム機を被り、遊ぶことができる最新作オンラインゲーム。ただそのゲーム、今までのゲームのようにコントローラーを操作するんじゃなくて、フルダイブ技術とかいうシステムで現実の身体は一切動かず、実際にゲームの中で身体を自由に動かせるそうだ。
そんな全く新しい体験ができるゲームつい先日ナーヴギアの初期ロット1万台が完売され、明日の11月6日に正式サービスが開始される。電話の相手は懸賞に応募して、そのナーヴギアとSAOのソフトの同梱版を当選したという超ラッキーボーイだったのだ。だが、外れると思って別々の懸賞に応募してその中の二つに当選してしまい、恐らく今後10年分の運を使い果たした上に、1セット余らせてしまうのに困っていたのだ。ネットでは高騰してたし売ってしまえば儲けもんだと思うが、そいつの姉さんがアンチ転売ヤーでものすごい剣幕で怒ってきたそうだ。だから前から興味を示していたオレに譲って明日一緒に遊ぼうという結論に至ったらしい。
「なーなー、やろうぜー!お前部活入ってないし、学校もしばらく行事ないしで退屈だって言ってたろ?ちょっとしたうな重になると思ってさ!」
「そんなに言うならありがたくもらうけど、せめてひつまぶしと間違えろよ」
前から思ってたけどこいつアホすぎるだろ。これでよく親にゲーム禁止にされねぇな。
SAOを遊ぶのはいいとして、とりあえず一番の問題は───
「……オレんちのアパート、ネット環境ないんだよなぁ」
「あー、お前んちのアパートめっちゃボロいもんな。前行ったとき有線LANもないの驚いた」
そう、ネット環境が全く整ってないのが問題だ。ネット使えるように工事するにも時間と金がかかるし、いちいち遊ぶためにネカフェに行くのも小遣いが足りなくなる。どうしたもんか───あ、そうだ。
「場所ならなんとかなるかも。あとでメール送るからそれまで待ってくれよ」
「マジ!?わかった、じゃ後でなー!」
通話が終わって、服を着替えてアパートを出た。そしてその足である場所へ小走りで向かった───
2022年11月6日
この風都という街は正直あまり治安は良くない。ビジネス街、商業区、住宅地など、街が広ければ沢山の人がいるし、街の陰になるところには警察も手を焼くような危ない連中もいる。そんな連中の相手や、街の住民の小さな困りごとは大概ある場所に集まってくる───それがここ、《天野探偵事務所》だ。
「じゃあ夕方くらいまでここ使わしてもらうから。晩飯はいつも通り適当に」
「お前……ゲームの度にここ使う気か?事務所をなんだと思ってんだ士狼」
「カーテン閉めるし依頼人が来ても静かにしてるから許してくれよ、おやっさん」
「仕事用に使ってんだぞ、ゲームに使うバカがどこにいる」
「ここにいる」
オレを嗜めているこの白いスーツと黒いワイシャツを着た渋い雰囲気のおっさんは
この事務所には報告書作成や調べ物などで使うPCがあるのでネット環境が整ってるし、仮眠スペースもある。ここでならSAOにダイブできると思ったのだ。まあおやっさんはあまり良い気分はしてないらしいけどな。
「まあまあ、オレが外でチンピラと喧嘩するより、目の届く範囲で大人しく寝てる方が安心すんじゃねぇの?」
「……ったく」
実際のところ、オレは自分でもわかるくらいにやさぐれてる。昔からオレはおやっさんの弟子として探偵になりたかった。でもおやっさんはそれを認めてくれないし、アパートにもろくに帰ってこないしで当然グレる。それからは街の自警団気取りで街の不良やチンピラと喧嘩三昧、何度も警察の世話になってる。オレがそんなことになるくらいなら事務所の一角を使わせる方が楽だろう。
「おっと、そろそろ時間だ。じゃあ7時くらいまでここ占領すっからな。おやっさんもアパートに帰ってこない分、奥さんや娘に会いに行けよ」
「余計なお世話だ」
おやっさんは結婚してて、オレと同い年の娘がいるそうだ。奥さんは高校教師として京都で働いていて、娘は母親について行ってるらしい。風都の治安が悪いから一緒には住めないようだ。皮肉まじりに言い放った言葉もあまり効いてない。
今日ここに来る前に友達からナーヴギアとSAOのソフトを受け取ってセッティングも済んだし、しっかりと装着できた。何故か身体を触るようによくわからない指示が出たけどそれくらいば気にしない。あとはあいつから受け取ったメモの通りにすれば───そんな時、オレの携帯に一通のメールが届いた。例の友達だ。その内容は───
「マジでごめん!この前のテストの結果悪かったからってゲーム鶏揚げられちまった!今日は行けねー!」
この土壇場でマジかあいつ。いつか絶対こうなるとは思ってたけどこのタイミングでかよ。まあ暇つぶしをひつまぶしどころかうな重と間違えるやつだし、このメールもカラッとジューシーに誤字ってるし、さすがに救いようがねぇな。
にしても今日はオレだけかよ。この様子じゃあいつは今日どころかしばらく無理そうだ。どうすっかなぁ。一人で遊ぶか、あいつのゲーム解禁を待つか───
「……無理だ、待てねぇ」
前からSAOに興味があったのは本当だし、ゲーム禁止令もあいつの自業自得だ。他にも遊んでる人はいるだろうし、親切な人を見つけて教えてもらおう。
そう考えつつ、仮眠スペースのカーテンを閉めてベッドに横になり目を閉じる。これで本当に準備完了だ。あとは合言葉を言えばいいだけ。未知の体験に心を弾ませながら───
「リンク・スタート!」
その合言葉を口にした直後、オレの意識は現実世界から切り離された。
───前におやっさんから聞いたことがある。「男の仕事の八割は決断、そこから先はおまけみたいなもんだ」「たった一つの決断でその後の運命は大きく変わる」と。この日オレは、その言葉の意味を実感することになる。ほんの数秒前のたった一つの決断で───
オレの運命は大きく狂わされた。
少々長めになってしまったかと思いますが、お付き合いいただきありがとうございます。ここから少しずつゆったりと進めさせて頂こうと思います。いずれはまずはアインクラッド編の終了からホロウ・フラグメント編へ突入することを目標にして行きます。
それではみなさま、次回もお楽しみに!