呪術廻戦RTA〜原作クラッシュの旅〜   作:発狂する雑草

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きたぜ交流会篇
今回RTA要素より、後半の裏要素の方が多いかも。


ふわふわ自己解釈、ご都合主義、捏造などなどを多分に含みます。
これらが全部OKだぜ、という方のみ、おすすみください。



それでは~。はいよーいスタート!!!!!


本編17

早速足を引っ張りに行くRTAはっじまーるよ!!!!!

 

前回はまさかのメロンパンと遭遇してドキドキ内通者ルートに片足ぶち込んだところでしたね。

とはいえ、やることはあまり変わりません。このままルートを駆け抜けるだけです。

さてと、今日は交流会イベントを進めることですね。

他の子たちと一緒に交流会へ向かいます。前回は東京の圧勝でしたから、東京校での開催ですね。

 

ほどほどに挨拶を交わす両校。と、そこで五条が走ってきて、虎杖は生きてるZEというネタバラシをします。

そこで、虎杖を交流会へ入れ、みこっちゃんが離脱することを申し出ます。

五条には事前に言っているので、問題なく交代ができます。

東堂君は「みこっちゃんとやりたいやりたい!!!」と駄々をこねていますがガン無視します。大丈夫、虎杖くんもかなり強くなってるから。レベルで言えば原作と同等くらいには強いから退屈はしないさ。

 

ということで、ミーティングに参加します。まぁ基本会話スキップです。とはいえ、全キャラクターの好感度を底上げできるチャンスなので、全力で好感度を稼ぎます。

あ、真希ちゃんも20超えたっぽいです。游雲あげたからかな??

はい。ミーティングも終わり、全員を送り出すわけですが、その際に観戦席には戻らず誰かの陰にドボンします。

まぁ適当にパンダにでもしとくかな。

 

 

そうして試合開始。

 

 

早速東堂が襲撃しに来ますが、すぐに全員ちりぢりになります。

そうしてフィールドである森林エリアに入った途端にパンダの陰から移動します。

森林エリアは影が多いので、その影を使って移動します。感覚としてはスプラ〇ゥーンですね。

 

空には冥冥の鴉がありますから、バレると面倒なので。

そのまま、鳥居のある場所付近まで移動します。

 

そう。交流会イベントと言えば呪霊襲撃イベントです。

本来は与くんが交流会のことを教え、恐らく上層部の奴らが忌庫の情報をメロンパンに流す…という流れなんですが

このゲームにおいては役割が逆転してます。

 

上層部が交流会の暴露をして、生徒の裏切り者が忌庫の情報を暴露する流れになるんですよね。

 

ですが、今回みこっちゃんは情報を流す契約をしていないので、忌庫の情報は流しません。

そのため発生するのは呪術高専襲撃だけです。

 

宿儺の指も、呪胎九相図も相手に渡らないわけですね。

とはいえ、ならどうして高専を襲撃するのか……まぁ言ってしまえば暇つぶしと戦力を削ぐという目的で彼らは襲撃を仕掛けてきます。

今、呪霊側って原作に比べれば結構戦力不足ですから。

 

そして襲撃に来るメンバーですが、花御と真人、あと原作の呪詛師組です。

花御は放っておいても問題ないんですが真人はあかん。

アイツいると原作キャラが殺されて無駄な葬式イベントが起きかねない。

 

ということで

さっさとこの地獄が終わる様に組屋鞣造の埋め込む杭を引き抜いて帳を解除します。

え、これは裏切り行為に入らないのかって??

 

 

入ります(真顔

 

 

まぁ、普通ならですよ。

でも、今回のケースなら裏切りに判定されないんですよね。

まず縛りの内容ですが、裏切りって結構曖昧な表現なんですよね。

一口に裏切りと言っても、どこからどこまでが裏切りか明確ではない。

情報を知ったうえで邪魔するのは当然”裏切り”に該当します。

なら”しらない状態”での邪魔なら?裏切りには反映されません。

 

この辺、あんまり言及されていないので曖昧なんですけどね。

 

考察するなら、縛りは”認識”が大事なんだと思うんですよ。

ほら、両面宿儺がめぐみんに最悪☆キモ指あーん♡イベントがあったわけですけど、あれ、奇跡的にめぐみんの精神が伏黒ぱっぱ同様に強かったから、問題がなかっただけで

下手すれば、あそこでめぐみんの精神が死んでいた可能性大だったわけですよ。

 

で、宿儺って虎杖と”一時的に体の主導権を譲る。その間誰も傷つけない”という縛りを結んでいるわけです。

 

その誰もに、虎杖は入っていないという”認識”だったうえに

めぐみんの精神を傷つける行動をしたわけですが、なんの影響もない辺り

傷つけるはあくまで”外傷に対する認識”だったわけです。

 

殺さない。邪魔をしない。命令をきく。という結果論が全ての縛りなら兎も角

裏切り、っていう意思が強く影響する縛りなので、みこっちゃんが裏切ったっていう認識を抱かなければ問題ないわけですね。

 

メロンパンがみこっちゃんを信じて一から百まで説明してれば、みこっちゃんが邪魔する余地はなかったですが、それがなかったのでしっかり邪魔できちゃうわけですよ。

とはいえ、邪魔できるのはこのくらいで、あとはちまっとしたサポートくらいですけどね。

 

といっていれば、帳が下りましたね。襲撃が始まったっぽいです。

まぁとはいえ、みこっちゃんの知ったことではないですが。

まず組屋鞣造をぶっとばします。

 

あ、組屋鞣造は仲間として紹介されてないので。

というかみこっちゃんが仲間として紹介されたのは現状真人だけなんでね。

まぁ、それもメロンパンに告げ口されたら、裏切りとして、直接断罪されかねないので、流石に花御とかには手を出しませんが、組屋はクソ雑魚なので、さくっと伸ばしておきます。

 

とはいえ、すぐに杭を引っこ抜いたら怪しまれますから、5~10分たったらやりましょう。

と、その前に…。

わんちゃん、直哉きゅんより読者からのヘイトを買ってる説がある重面春太をぶっ飛ばしにいきましょう。

 

下っ端ムーブが板についてるくせに、地味に強いこいつの術式は超ラッキーです。

死ぬほどの不運が襲い掛かってもラッキーで回避できます。ただ一ラッキーごとに顔の模様が消え、これがなくなると、ラッキーが発動しなくなりますので、只管即死級の攻撃を仕掛けておきましょう。

 

ここで手を抜いて、影でぱっくんちょして捕獲すると、場合によってはラッキーパワーで抜け出されたりするので、絶対にラッキーは消費しつくすようにします。

 

向かう道中で真人と遭遇する可能性のあるキャラを捕獲します。

三輪ちゃん、真希ちゃん、西宮ちゃんの3人ですね。

美少女ばっか食いやがって!!!真人の変態っ!!!

 

彼女たちが真人と遭遇すると50%で死ぬので、さっさと影でぱっくんしておきましょう。

問答無用です。そんでもって重面は~っと、あ、いたいた。

まだ出勤前だったみたいです。んじゃさっさとやりますかね。

 

 

敵のォ!数とォ!配置はァァ!?!?!?!

 

 

はい、半分ミーム化してたななみん迫力パンチで六回ぶっとばしましたね。逃げようとしますが、陰で捕まえてたたきつけます。

おし。顔の模様消えてるな。じゃ、捕獲します。

 

そろそろ、10分くらいたったかな。

ということで、爆速で戻って杭を引っこ抜いて帷解除

五条を解放しつつ、余った時間でさっさと話が決着するように動きます。

その際、花御に感知されないように、久々の登場”幽暗の衣を羽織ります。

 

呪力を隠すことができる呪具ですね。

これを利用し、次に花御に遭遇した際、裏切りが露見しないようにします。

この時間なので、花御の相手をしているのは狗巻、めぐみん、加茂さんの三人ですね。

この三人をさくっと回収します。

 

そうして直後飛んでくる五条が花御をぶっとばします。

 

この状態で終わらせたら虎杖黒閃イベントが発生してないって?

だぁから!!!虎杖は!!!強くならなくていいんだよ!!!!!!

 

 

お前は一生雑魚でいろ!!!!

 

 

ということで、五条にふっ飛ばされた花御は半分消失

地面に籠って逃げます。じゃぁな。達者でな。

 

 

まぁすぐ死ぬけど(真顔

 

 

そうしてケガ人の運搬作業を手伝って、野球イベントはスキップしたら、交流会イベントは終了です!!!

今日はここまで!!!ご視聴ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九月

その日、毎年恒例、姉妹校交流会が行われた。

東京校の元へ、京都校の呪術高専の生徒がぞろぞろとやってくる。

二、三年は勿論、人数の都合で一年生である新田も連れ出されることとなった。

 

「釘崎さん。落ち込まないでください。今度、京都に任務にいくことがあったらお土産買ってきますから」

「うっ、美琴せんぱぁい!」

「甘やかすな」

 

そんななか、東京校の釘崎は、本日京都に行けると思っていただけに、実は違うという事実に打ちひしがれる。

そんな彼女を憐れんだ、美琴が言えばすかさず真希がジト目でツッコミを入れた。

 

同性であり、美人で大人びた美琴は釘崎が慕っていたおねえちゃんによく似ていて、大変懐いていた。

 

「真希さんの分も買ってきますよ」

「そういうことじゃねぇんだよ」

「?、皆さんの分も買います」

「……はぁ」

 

天然でアホな美琴に頭を抱える真希

そんな彼女の肩をぽんっとパンダと棘が叩く。

 

「禪院くん」

 

加茂が声をかけてくる。

その言葉に真っ先に反応したのは真希だが、彼の視線は真希ではなく、美琴に向いていた。

美琴はゆるりと顔を上げる。

 

「はい。どうかしましたか?加茂さん」

「前回は君と乙骨くんの作戦にやられてしまったが、今年はこちらも対策をしてきている。

一年二人。三年は君だけ。随分と余裕そうだが、そううまくいくと思わない方がいい」

 

それは宣戦布告であり、忠告でもあったのだろう。

ぱちりぱちりと美琴は数回瞬き

 

「はぁ、そうですか。頑張ってください」

 

他人事のような気の抜けた返答を返した。

 

ぴくりと加茂の瞼がひくついたが美琴はどこ吹く風で、パンダの魅惑ボディをもふっている。

若干全員から同情するような目を向けられ、いたたまれなくなる加茂

ごほんと咳払いをして、更に何かを告げようとする。

 

「それ____」

「ソウルメイトよ!!!お前とまた拳を交える機会を待ち望んでいた!!!!!!!」

 

だがその言葉は東堂(ゴリラ)によって遮られる。

彼はのしのしと美琴に近寄ると、叫ぶ。

美琴はくるりと東堂をみる。

 

「前回も交えていませんよ?交えたのは秤くんと乙骨くんでは?」

「細かいことはいいんだよソウルメイト!!!」

「そうですか……高田さんとの握手会はいかがでした?」

「……っ、最高だった」

「また感想聞かせてくださいね」

「ああ、勿論だとも!!!!!!!!!!!」

 

クソデカボイスで東堂は叫ぶ。

 

五月蠅いなこのゴリラ、という全員の心情が一致した瞬間だった。

というかソウルメイトってなんだ。いつのまにそんなに仲良くなったんだよ。

勿論きっかけは高田ちゃんグッズ(ソウル)である。

と、東堂は顎に手をあてて、ふむっと美琴をみる。

 

「にしてもソウルメイト……また背が伸びたんじゃないか?180まではまだほど遠いが……170…いや、175もギリギリ行けそうな感じもするな。

俺は高田ちゃん一筋ではあるがソウルメイトもそこは理解してくれているし、なにより高田ちゃんの魅力をわかっている……ケツの形もいいし、175まで伸びたらソウルメイトからガールフレンドに」

 

「くたばれ」

「死ね」

「おかか」

 

さらっととんでもないことを口走ろうとする東堂を、釘崎は真顔で金槌を振りかぶり、真希はもらったばかりの游雲をぶんまわし、狗巻は美琴を東堂から剥がした。

見事な連携であった。

因みにパンダはもふもふボディで美琴を捕獲。伏黒はなにやってんだこいつら、という目で見つつ、すすっと美琴の傍によった。

別に美琴になにか特別な感情があるわけでは決して!!ないが!!!それでも長い付き合いの相手がよくわからんゴリラにセクハラされてるのをスルーするほど薄情でもなかった。

 

そして強い女子ズから攻撃を喰らった東堂は軽く、ふっとばされるが余裕気に笑う。

 

「ふっ…なかなかいい動きをするな。これは楽しめそうだ」

 

「楽しめそうだじゃないんだけど!?」

「東堂さん……流石にあれはどうかと」

「汚ラわシイ、三輪に近付くナ」

「東堂君……流石に女性に対する発言ではないよ」

 

そして東堂は味方であるはずの京都校の人間からぶん殴られ、地面にうまった。反省しろ。

 

 

 

 

 

 

その後、虎杖の生存報告がなされる。

全員が驚愕する中、美琴だけは冷静に、虎杖と選手交代すると告げる。

 

「私が出るより、虎杖くんが出た方がいいと思います。一年生で経験が積めますから。

それに、前回のような試合展開になっては、京都の皆さんも困るでしょう?」

 

悪気もなく言い放たれた言葉に、京都陣のほぼ全員が苛立ったのがわかった。特に西宮、加茂の二人。

唯一東堂だけは「確かにお前はつよい。だが俺も強くなった!!!手心は不要だ!!」と言ったが、結果的に教員の判断で、美琴の辞退は承認された。

 

そうして各学校に分かれて作戦会議、となったわけだが。

 

「伏黒と美琴先輩も知ってたのに、なんで俺だけ……新手の虐めでは…?」

「それだけ愛されているということですよ、虎杖さん」

「えぇ……」

 

虎杖は正座させられ、葬儀写真のフォトフレームを持たされている。

 

「さてと、時間もないわけですし。作戦立てでもしましょうか」

「つっても、美琴先輩今回でないんでしょ?」

「ええ。ですが助言くらいはできますから」

 

美琴はすっと指を立てる。

 

「まず京都で一番強いのは東堂さんです」

「あの変態ゴリラ?」

「あいつ一級だしな」

「あれで!?」

 

真希の言葉に釘崎がぎょっとする。

美琴は肯定するように頷く。

 

「特級も単独で撃破したことがある方です。実力は本物ですよ

とはいえ、これは訓練のようなものですから、術式は教えません。各自その場で対応する形でお願いします」

「じゃぁ作戦立てにはならねぇじゃん」

「いえ。なります。まず相手はまっさきに虎杖さんを狙いに来ますから」

「!」

 

その言葉に全員が眼を見開き、美琴、そして虎杖をみる。

 

「京都の方は虎杖さんを交流会に乗じて殺しに来ます」

「い、いやいや……交流会は殺しは厳禁でしょ……?」

「原則、です。このような事態なら、その限りではない。なにより、彼らは恐らく虎杖さんを”人間”としてみていない」

 

”両面宿儺の器”

 

「……そんなこと」

 

釘崎と伏黒は顔を引き攣らせる。

伏黒は虎杖が死んでいないことを知っていたが、釘崎は死んだと思っていた。

とはいえ、伏黒だって、あそこで”運よく”美琴がいなければ、虎杖が死んでいたのは確実だ。

今回美琴は参加しない。殺される可能性がある……。

 

「と、脅しておいてなんですが、問題はないと思います」

「えっ」

 

美琴の言葉に急に空気が軽くなる。

 

「というのも、虎杖さんと戦うのは恐らく東堂さんだからです」

「東堂って一番強いやつでしょ。なんで問題ないなんて……」

「彼は少し変わった方ですが、一線は守る方です。そして上層部の手段を”嫌う”方でもあります。

まず、京都校全員での奇襲をよく思いませんから、間違いなくタイマンを挑んでくるでしょう。

そして戦ったとしても、彼は絶対に虎杖さんを殺すことはしません」

「でもよ。東堂がそうだとしても、ほかの奴らが狙わない保証はねぇだろ」

 

真希が口を挟むが、美琴は首を横に振る。

 

「言ったじゃないですか。東堂さんが一番強いんですよ。

相手としても東堂さんに暴れられたら困りますから、皆さん彼の要求を呑み、その場から居なくなります。

ですから、皆さんは、ちりじりになった京都校のメンバーを各自追跡、撃破しつつ呪霊を倒すのが吉かと

これなら、元の作戦も使えるでしょう?」

「しゃけ」

「んじゃ、悠二を囮にするか~」

「え、俺囮にされんの!?」

 

悲鳴を上げる虎杖

さっきから自分の扱いが雑過ぎる。

 

だが、これも仕方ない。もともと東京メンバーは作戦を練っていたのだ。

そこに急遽立ち入り参加してきた虎杖

元々東堂の相手は美琴がする予定だったが、虎杖が相手することになった、というだけだ。

 

「でもそいつ、東堂の相手できんの?即座にノされたら話になんねぇぞ」

「大丈夫ですよ。虎杖さんは強いので十分勝算ありますから」

「美琴先輩がそこまで自信満々にいうなら大丈夫じゃね」

「……おい一年。すぐやられたらあとでしめっからな!!」

「え、あ、はい!!がんばります!!」

 

真希に呪具を突き付けられながら言われ、虎杖はしゃんっと背筋を伸ばしながら頷く。

ふんっと真希は鼻を鳴らし、スタート地点へ向かう。

そうして他のメンバーもまた、スタート地点へ向かう。

 

「んじゃ、頑張ってくるわ!美琴先輩!」

 

にっと屈託のない笑みを浮かべる虎杖、だが

 

「あれ?」

 

すでに美琴の姿は、その場から掻き消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

そうして交流会の会場にて、帳が展開されたのはそれから三十分後であった。

 

 

 

 

 

 

 

未登録の特級が侵入した。

その特級は凄まじい力で蹂躙する。空に張られた帷。

五条が飛んで来ない辺り、そういう設定がされた帷なのだろう。

厄介なことになったと伏黒は顔を顰める。

現在伏黒の傍には加茂と狗巻がいる。

2人とも強いが、狗巻は後衛だし加茂は貧血になれば術を使えないタイムリミットのある術式。伏黒はそこまで強い式神を調伏していない。

 

勝つことは難しい。

 

攻撃を防ぎながら退路を確保しようとしていたのだが、それも難しく、まず狗巻が潰れた。

狗巻の呪言は強いが格上を相手にするとその分反動がデカい。

相手は特級。狗巻は大した呪言を使ってはいないが、それでもすぐに喉が潰れたということは、それだけ相手が格上ということだ。

 

狗巻が潰れれば、相手を止める手段を失うということ。

そしてその動揺の隙に加茂が撃ち抜かれる。

致命傷は避けたが、出血がひどく、戦える状況ではない。

そして鵺もまた、貫かれた。逃げる手立てを失う。

 

どうする。どうすればいい。

 

脳裏に浮かぶのは同じ影の術式を持つ美琴の姿だった。

彼女の術式なら、他者を影の中に入れて移動することができる。

影の中は外界から殆ど切り離されているから、一点集中の攻撃でも受けない限り、安全に離脱することができるだろう。

それだけではなく、防御攻撃にも幅広く使える。

 

ここにいたのが自分ではなく、美琴だったら。

自分も美琴のように術式を扱えれば……と悔しさに唇を噛む。

だが今最優先するべきは反省でも後悔でもない。二人を助ける手立てだ。

 

考える伏黒。その肩に、ぽんっと狗巻の手が乗った。

 

「高菜」

「狗巻先輩…!それ以上は…!」

 

特級と一歩ずつ距離を詰める、口から血を流す狗巻

もう喉も限界だった。だが、それでも狗巻はまっすぐと呪霊の前に立ち。

 

 

「 ぶ っ と べ 」

 

 

攻撃の呪言をはいた。

攻撃ということは、それだけ返って来るダメージもデカい。

狗巻はぶしゃっと口から大量の血を吐いて崩れ落ちる……その時

 

 

 

 

いくつもの黒い針山のようなものが、吹き飛んだ呪霊に突き刺さると同時に、狗巻の体を誰かが支えたのが見えた。

 

 

 

 

バキバキバキと激しい音を立てて、屋根瓦と瓦礫を貫き生える影の針

風砂に一瞬姿が見えなくなる特級呪霊を刺し貫く。

 

「無茶しましたね。棘くん」

「………ぁ”」

「でも貴方のお陰で、間に合った……皆無事だよ。ありがとう」

 

どばどばと血を流す狗巻を抱きかかえながら、現れたのは、先程まで伏黒が考えていた人物である美琴であった。

見覚えのない白い布をベールのように羽織った彼女は、伏黒と加茂の元へ駆ける。

 

いつもの無表情の瞳と目があい、無意識のうちに伏黒の体から力が抜ける。

そんな伏黒の状態に気づいた美琴が少し苦笑いして、その額を人差し指で弾く。

 

「緊張を緩めるにはまだ早いですよ」

「っ、すみません…!」

「とはいえ、もう戦いはほぼ終結したも同然ですが」

 

美琴が顔を上げる。釣られたように伏黒も顔を上げて、あっと気づく。

空が、青い。帳が消えている。

 

そしてその青を背に立つ男が一人。

 

「私たちは離脱しましょう。悟君が、あとは倒してくれます」

 

そういって、美琴は伏黒に手を差し出す。

言いたいことがあった。一つだけ、彼女に。

だがそれを言うよりも先に、狗巻と加茂の様態が気がかりで、伏黒は口を閉じ、その手を握り………どぼんっと陰に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事態はその三分後に終結した。

五条は術式を使用し、特級を吹き飛ばした。

呪霊は逃げ、払うことは出来なかったが、捉えた呪詛師から情報を得ることは出来たので、まぁよしとしよう。

 

死者はなし。

ただ、交流会に乱入者があった事実がある以上。情報が外部に漏れているのは間違いない。

高専側は内通者の存在を強く意識し、警戒し。内通者を探るそうだ。

 

そして交流会だが、中断するかどうかを迫られ、怪我人もいるということで一日休みを挟むことになった。

 

 

 

「お見舞いに来ました。大丈夫ですか?」

 

 

 

病室を開け、美琴はひょこりと顔を出す。

病室には家入はおらず、メンバーの中で重体だった加茂と狗巻の二人が転がっていた。

因みに、メカ丸は故障して、保健室の片隅に転がされている。

まぁ所詮皮。本体は元気()なので問題ない。

 

「つなまよ」

「ああ、禪院くんか」

 

二人はこちらをみる。

狗巻はわりと完治しているようだが加茂は包帯がぐるぐる巻きだ。まぁ見た目に反して元気そうではある。

そんなかれらのもとへ近寄るとお見舞いの籠を置いて椅子に腰かける。

かごの中には見舞いの鉄板である果物が入っていた。

 

「体調はどうでしょうか」

「大げさな格好ではあるが問題ないよ。元気さ」

「ツナツナ」

「お二人とも元気なようでよかったです」

 

さらりと狗巻の言語翻訳を済ませた美琴に加茂は「東京高の生徒ならみんな彼の言葉が分かるのか」と少し驚く。

 

「聞いたよ。君が私たちを運んでくれたと。助かった。ありがとう」

「いえ。私はだいそれた事は何もしていませんから」

 

加茂の言葉に美琴はいう。

 

「…あそこにいたのが君なら、変わっていたのかもしれないね」

「え?」

 

加茂は布団を握りしめていう。

その顔には劣等感やくやしさが浮かんでいた。

 

「同じ御三家で、同じ三年。だというのに私と君はあまりにも違いすぎる。

動揺し、判断も遅れた。本来守るべき後輩に守られこのざまだ……もっと冷静な判断を下せられれば…もっと善戦できた。十分離脱することもできたはずだ……敵を前に焦り冷静さを欠いた自分を、情けなく思うよ」

「おか…………こ、こんぶ…」

 

狗巻はそんな加茂に「そんなことないよ」と言おうとするが、今はその言葉が余計に惨めにさせると思ったのか、困ったように眉を垂らす。

 

それに、加茂の気持ちは狗巻自身も理解できる。

 

呪言の効果が効きにくかった。

相手と自分にそれだけ力量差があるからだ。

自分は準一級で、相手は特級。それも上位の呪霊だった。

きっと周りは力量差を考えれば仕方がないことだというだろう。

だが、あの場で敵を止められる絶対的な手段を持っているのは自分だった。

美琴が間に合ったからよかったものの、場合によってはあの場で全滅した可能性だってある。

 

人が死ねば”仕方ない”では済まされない。

すまされてはいけない。

 

話を聞いた、美琴は少し考えるように目を伏せ、一歩二人のベットへ近寄る。

 

「正直、私はタラレバにあまり興味がありません。

タラレバは所詮起きなかった未来の話ですから」

 

静かな声だった。

責めるでも、突き放すでもない。

 

「あとから、ああしていれば、こうしていれば。ああなっていれば…なんて安全圏に身を置いて冷静に物事を考えられる状況だからこそ浮かぶものでしょう?それに意味はありますか?

大事なのは、実戦でどう動いたか。結果だけが重要だと思います」

「……厳しいな、君は」

「この世界では常識だと思いますよ?」

「……そう、だな」

 

加茂は下をむいて、乾いた笑いを漏らす。

 

脳裏によぎるのは家のことだ。

母は側室で、酷い嫌がらせを受けていた。強い術式も持たないただの女であった母は、家に貢献することもできず家にただ、縛り付けられている。

だがその息子である加茂は、相伝を持っていることから正妻の子として迎えられ、次期当主として担ぎ上げられている。

彼等にとって、相伝を持っていること(結果)が全てであり、側室の子である事実(過程)は必要ない。

呪術界では。結果が全てだ。タラレバも、過程も、葛藤も……必要ない。

 

「だからこそ、私は加茂さんも、棘くんも、凄いと思いますよ」

 

「ぇ」

 

いつの間にか、美琴はすぐそばまで近寄ってきていた。

 

「貴方は冷静な判断が出来なかったと言いますが、普通。交流会中に未知の特級呪霊が乱入してくるなんて、想定しろってほうが無理ですよ。

それでも、貴方はすぐに撤退するために、動くことを選んだ。結果。恵さんも、棘くんも、そしてあなたも無事です。あの場ですぐに動けた貴方は凄い方だと思います。尊敬します」

 

真っ直ぐな瞳で、まっすぐな言葉で賛辞を贈るその姿は、あまりに眩しい。

同じ御三家。だが彼女は……あまりいい待遇を受けられなかった。それは、加茂の母のような目に遭ったこともあるかもしれない。それでも彼女は美しく、優しい。

自分と違って良い境遇を受けることとなった息子に、呪詛の一つも吐くことなく、祝福した母の姿が過る。

 

 

別にこんな一言で救われた気になどならない……だが、それでも確実に”軽く”はなった。

 

 

ぼーっとする加茂から視線を外し、美琴は狗巻に向き直る。

 

「棘くんも。君が特級呪霊をずっと引き付けておいてくれたおかげで、他のみんなは無事だった。

友人としては……もう少し自分の体を労わってほしいけど……でも、間違いなく君のお陰で誰かが死ぬことは防げた。本当にありがとう」

「!?、つな、めんたいこ!!」

 

美琴は少し微笑むと、狗巻の頭を軽く撫でる。

びくっとする狗巻。頭を撫でられるなんて今までの人生一度もないし、それも年の近い少女相手にと、慌てる。

嬉しいとか、そういう感情より先にむず痒さが優る。

だが美琴があまりにも優しい顔で撫でてくるものだから、拒否をすることもできず。段々羞恥心から、むにゃむにゃいいながら枕に顔を突っ込んだ。

 

「……」

 

そんな狗巻と美琴の姿を加茂は無言で見つめる。

その視線に気づいた美琴はきょとりとして軽く手を振る。

その手を、加茂は見つめている………………試しにそろりと加茂の頭も撫でてみた。

 

「……」

 

加茂はどこか頬を緩ませて撫でられることを享受している。

五条を普段から撫でまくっているだけあって、美琴は頭を撫でるのが上手かった……そのため

 

「かあさま……もっと撫でてください……」

 

過去、優しい母によく頭を撫でてもらっていた加茂の数少ない温かい思い出を引きずり出すには充分であった。

 

だが、タイミングが悪かった。

 

「えっ」

「いくら!?」

「あっ、違う!!!君にいったわけではない!!!!」

 

同級生に頭を撫でられ、母親呼びは流石にやばい。色々と。

うっかりやらかした事実に加茂は慌てて弁解する。

その場はすぐに収まった……が

 

 

 

 

壊れていると思われ放置されていたメカ丸は実はカメラだけは生きており、一部始終を音声付きでしっかりと録画され、京都校のグループラインにばらまかれ、暫くネタにされるのは加茂にとって黒歴史以外の何物でもなかった。




狗巻君可愛がってたら加茂くんも釣れた。なんで???
正直、三輪ちゃんと絡ませたかったんだけど、京都のおもしれぇ男たちが存在感強すぎて……。

だ、大丈夫。多分また小噺描くから、その時に絡める……はず!!!!
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羂索と予言の書を持つ女子高生(作者:ペロロペ)(原作:呪術廻戦)

JK羂索ってアリかなって聞いたら。それは"アリ"だ。と、心の中の九十九さんが言ってくれたのでこんな作品が出来上がりました。


総合評価:2396/評価:8.27/連載:12話/更新日時:2026年04月06日(月) 01:45 小説情報

憑依転生者伏黒くんは最強になりたい(作者:つーふー)(原作:呪術廻戦)

十種影法術。俺は呪術廻戦を読んでて思ったんだ。この術式を上手く使えば、五条悟や両面宿儺に勝てるんじゃないかって。宿儺の言うように、伏黒恵は宝の持ち腐れなんじゃないかって。▼だから伏黒恵になった俺は目指そうと思うんだ。最強ってやつを。▼タイトル通り憑依転生者伏黒くんが最強を目指す話です。▼主人公は性格悪い予定なので注意が必要です。


総合評価:3245/評価:7.17/連載:7話/更新日時:2026年02月22日(日) 02:52 小説情報

役立たずの三輪(作者:メカ丸ゥゥゥウウウ!)(原作:呪術廻戦)

最強の術師は誰か?▼ある生徒は現代最強の五条悟を挙げ、ある従者は呪いの王両面宿儺を挙げる。そして羂索は一人の男の名前を挙げた。▼蘆屋貞綱。それは羂索の子であり、シン陰流開祖。そして、宿儺を知る羂索をもってしても最強と断言する術師である。▼新宿において最強による三つ巴。生き残るはただ一人。最強は新宿で何を見るのか?▼「大好きな人がいるんだ」▼その声に反応して、…


総合評価:2916/評価:8.02/連載:39話/更新日時:2026年03月31日(火) 18:00 小説情報

黒閃が死ぬほど撃てる天与呪縛の女の子(作者:リアオットー)(原作:呪術廻戦)

ドブカス更生物語、幼馴染の女の子が黒閃めっちゃ打てる子だったらというIF、面白そうだから書けるだけ書いてみよう。


総合評価:2697/評価:7.81/連載:51話/更新日時:2026年05月01日(金) 02:07 小説情報

転生したら扇の息子だったんだが(作者:とある外郎売り)(原作:呪術廻戦)

▼ 扇の息子に転生した男がメチャクチャする話です。禪院家って力のある男児として生まれたら楽しそうだよね


総合評価:2768/評価:8.41/連載:3話/更新日時:2026年03月03日(火) 00:37 小説情報


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