ジョジョ世界に転生してヒャッハーと思ってたら怪異ポジションだった 作:b畜農家
花京院典明加入RTAはーじまーるよー。解説のゆっくり与次郎です。
いや、うそうそ。オレはノンケだし前世じゃRTAはずんだもんダークソウルしか見たことない。
まあそんなもん便所のネズミのクソよりくだらないとして。花京院と言えばジョジョを代表する知恵者の男だ。正直、オレはお荷物な立場なので仲間は原作通りに揃っている方がいい。彼がいるといないとでDIO攻略の難易度はかなり上下するしな。ジョセフおじいちゃんがDIOの討伐を決めてしまったのでタイミング的に彼を仲間に引き入れられるのは今日しかない。
オレは無論、虹村パパも助けるつもりだ。バタフライエフェクトというわけではないが、虹村パパを止めれば虹村兄弟も、4部でやったような凶行に走らなくて済むはずだ。
なによりも大事なこと───これは予感でしかないが、花京院も虹村パパもすでに肉の芽を植え付けられていると思われる。もしも花京院を助けずにDIOを殺そうものなら最悪の場合、2人ともゴブリンのなりそこないみたいになって死ぬより惨い未来が待ち構えている。原作を知っている立場として、それは何が何でも避けなくてはならない。
時刻は午後6時。ホリィさんは関係ないので財団職員さんと一緒に別室で待機してもらい、以上のことをオレはオブラートにくるんでジョセフたちに説明し、助力を乞うた。正直、信用してもらえるなんて思ってない。なので最悪、オレはオレのポリシーを捻じ曲げてでもみんなに言うことを聞いてもらうつもりだ。ジョセフさんは顎の髭をさすっていたが、ピシャリと膝を叩き───
「なるほど。では出発するとしようかのう」
───と言った。
「あ・・・・・・?あの、いいんスか?ジョセフさん、オレのことを嫌ってるとかじゃあないんスか?そんなやつの言うこと、そんなホイホイ信じたりなんかして」
「信用したわけではない。じゃが、なにしろお前の言ったような『力があり、正義の心を持つスタンド使い』は本当に少ないからのう。些細な労力で心強い戦力が手に入るのならそれに越したことはないわい。なにより」
「「そんな奴らを放っておくわけにはいかない」」
ジョセフさんと承太郎の台詞が重なった。承太郎は「真似てんじゃあねえ」みたいな目つきでおどけた顔のジョセフを睨んだ。
オレは馬鹿みたいにポカーンとしていたが、すぐに表情を取り繕って、
「自分の言いたいことを口にできるようになったのはコミュ強の証だゾ☆」
「知らねー言葉を使うんじゃあねえ」
「うむ。話もまとまったようだし、さっそくその・・・カキョーインノリアキを探そうではないか。ヨジロー、彼の居所は知っているか?」
「っス」
「私はここにいよう。スタンド使いの襲来を懸念すればここに私たちのうちの誰かを置いておくべきだろうしな」
「花京院の潜伏場所へは何時間かかる?今すぐに出発しようと思ってはいるがのォ~、それほど時間がかからない場所ならいいのじゃが」
「っス、心配ないっス。オレが連れてきますから」
「そんなに近ぇなら自分で行くよ、くだらねぇ」
「ジョジョ~、そんなにつれないこと言うなよっ。それくらいオレっちに花を持たせてくれや」
オレは庭に下りると、2人に手招きした。
半信半疑でオレに近づいたジョセフさんたちの手を後ろ手にとって、オレはあの町の方角を頭の中で素早く計算した。
「・・・男が男の手をつないだりして気色悪ぃ、さっさと済ませ───」
言葉は途切れた。オレが玉砂利を蹴飛ばして、
「おっ───オーマイガーーーーッ!!!???」
ジョセフさんの絶叫が響く。町並みが一気に遠ざかり、雲を突き抜けて、金を溶かす炉のような東京の灯りがジオラマの電球飾りめいて瞬いた。
「ウワハーッ!なんじゃあこれはァーッ!こんな景色若いころでもまともに見たことないわいッ!」
「じじい、やかましいぞッ!」
こんな時でも冷静な承太郎に舌を巻きながら、オレたちは無事に目当ての町───杜王町にたどり着いた。パラシュートを開いたように空中で不自然に減速して着地し、掴んでいた2人の手を離すと、ジョセフさんは魂が半分抜けたような顔で呆けていた。
「・・・・・・与次郎、お前さんほんとうに人間じゃないんじゃのォ」
「あざっス、助かるっス」
「褒めとらんわ!」
夜道を歩きながらどこかに電話をかけているガタイのいいイケオジと、学生服のコスプレしてんじゃないかってくらいガタイのいいあんちゃん。その2人より頭1つ分でかい大入道。ハタから見ると妖怪か何かかと思うに違いない。
以下虹村家での顛末。
ぴんぽーん。
「チッ・・・・なんだこんな時かブゴボッ」
「よし、意識はトんだようだぜ。とにかくこいつの額にあるこの肉の塊を引っこ抜きゃあいいんだな?」
「おう、頼むぜ」
「おお・・・わしの孫はなんという男じゃ、震えひとつ起こしておらんッ」
終わった!ダイヤモンドは砕けない、完!
あっおい待てぃ、このままだと康一くんのスタンドが覚醒しないから吉良吉影戦での決め手が無くなってしまうゾ(ホモはジョジョラー)康一くんが黄金の精神に目覚めなかった場合のために、オレをこの世界に転生させる必要があったんですね。じゃあスタンド使いにさせとけよ。
まあ10年以上先の問題は未来のオレに託すとして、今は別の問題だ。
気絶した虹村パパは波紋で治療し寝かせておいて、オレたちは虹村宅に入っていく。
「な・・・・・なんなんだよお前ら!おやじになにしたんだよッ!」
「あ、あにきぃ・・・」
そこには言うまでもないというか(こんな時間に外をうろついてたらマジで終わってるが)幼形兆と幼億泰がいた。頬に青あざのある形兆は、怖いだろうに弟をかばって、精一杯己を強く見せようとしていた。
しかし、土足でヌシヌシと歩いてくる承太郎を見ているうちその強がりもあっけなく剥がれ落ちていき、彼がしゃがみこんだ頃にそこにいたのは、ただの怯え切った子どもだった。
承太郎は形兆の震える瞳をじっと見つめて、静かだが染み入るような声で言った。
「・・・・・・俺たちはお前らの味方だ」
それだけ告げて、承太郎はなにかを察知したように表へ出て行った。運のいいことにジョセフさんもそれに続く。
「ちょっと、ごめんね。ぼうやたち、後でグミあげるから部屋に上げてね」
まあグミ持ってないんだけどな。オレは兄弟を押しのけて虹村パパのものと思しき書斎へ向かった。鍵は初めて見るものなので指をピンに変え、ピッキングの要領でドアを開け、中へ踏み入る。
探し物はあっさり見つかった。部屋の中は真っ暗だったが、暗がりに潜む蛇のように、それはぬらりと光沢を帯びて鎮座していた。
「なるほどなぁ。これくらいの魔性を纏っているのなら、傷つけるものを殺すか呪うか簡単にできそうなもんよなぁ」
弓と矢。揃うことで初めて意味のある武器であるが、
この矢が多くの人間の人生を狂わせ、あるいは転機を与え、そして最終的に持ち主へ破滅を齎したのかと思うと感慨深い。
誰かの運命を変える、というのは、双方なにかしらのしっぺ返しを食らうものなんだろうな。形兆やあの老婆の迎えた結末を思い出すと心底そう思う。それが例え、良いものであったとしても。
オレはしばしそれを弄んでいたが、表で何かが炸裂する音を耳にして、いかんいかんぼーっとしてたとおもむろに矢をへし折って鏃を飲み込んだ。目的は鏃だけだ。矢全体に興味はない。
ああ、別にスタンド使いに目覚めたいわけでもない。保管の目的だ。そもそもスタンド使いの怪異なんて見たことないしね。この矢があるせいでアンジェロだの音石明だの虫食いだの、野生の邪悪なスタンド使い共が出現することになったのだ。そういう危険はない方がいい。
その様子を入り口でこわごわ眺めていた兄弟をやんわりとのかして、オレはドアを元通り閉ざした。
「ぼうやごめん、そもそもグミ持ってきてなかった。でも、お兄ちゃんが今から言うことを聞いてもらえるかい?きみたちのこれからの暮らしがかかってるんだ」
なるべく怖がらせないように言い聞かせると、形兆はまだわけがわからないようだったが、これからの暮らしと聞いてコクンとうなずいた。
オレは、今オレがやったことは絶対に誰にも口外してはいけない。今オレが飲み込んだもののこともなるべく早く忘れて、これからは普通の暮らしをすること。そして誰かがここでなにがあったか聞いてきても、うそをついてでもいいから誤魔化すこと、だけど親から何をされてきたのかは絶対にうそをつかず、正直に話すこと、と、できるだけ噛んで含める口ぶりで説明した。形兆は必死に首を振った。億泰も真剣そのものの顔で聞いている。
「いい子だ。今まですっごく頑張ってきたね、きみたちは強い子だ。今まで以上に辛いこと悲しいことはきっともう来ないだろうから、今日は安心してお眠り」
そうしてアリバイ作りを兼ねて2人を寝床に連れて行き、寝付くまでそばにいてあげるころには戦いは終わっていたようだ。
承太郎が緑の学ランを着た高校生をかついで、ジョセフさんと共に戻ってきた。
この小説はラムセス氏著「一人歩き型スタンドなオリ主と承太郎」を多分にリスペクトしています。だからそこかしこでオマージュするよ!そういうのが苦手な人は回れ右だ!
スタンドの呼び方
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漢字のほうがかっこいいぜ
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カタカナのほうがかっこいいぜ