ジョジョ世界に転生してヒャッハーと思ってたら怪異ポジションだった 作:b畜農家
執筆中にふと確認したら1話飛ばして投稿していてヤッベ!!となったので急遽早めの投稿。ごめんなさいね
「ヨジロー、足はもう平気なのか?」
「ん、平気っス。損害は軽微っス」
「波紋で回復させたとはいえつまさきを失って『軽微』とはの~ッ、変にタフじゃなあ」
「っス、忌憚のない意見っス」
別れ際、世の中には足を半分以上無くしてもカーテンで巻けば再生する異能生存体がいるからそれに比べればオレは大したものじゃないと言い返すと妖怪を見る目をされた。間違ってないけどさあ。
あの後アヌビスをチリも残さず溶かしきり、ボコボコにされたポルナレフを調べると、予想通り額に肉の芽が埋まっていた。スタプラでそれを除去してすぐポルナレフは意識を取り戻したが、なんというか、ものすごく複雑そうな顔をしていた。
「まああいつの気持ちはわからなくもないぜ。悪いことをしたのに助けられるなんてきっと、いいヤツなら居心地悪くて当然だぜ」
「ああそうだな。で、だ」
「おう」
「・・・なんで女の恰好になってるんだ?」
承太郎はタバコをふかしながら、自分の腰くらいまで背丈の縮んだオレを見下ろした。
真っ赤でド派手な振袖を着た、
「いーや?どうせこの先、死ぬかもわからん事態を生き延びる羽目になるだろうから今のうちにメスの体で平和を享受しようと思ってな。・・・おじたん、そのご飯ちょーらい」
「おっ?かわいい子だな~、安くしとくぜ!」
「あいがとぉ!」
「おめー、ガキの頃はそうやって『おいしい思い』をしてきたんだな」
承太郎は呆れかえっている。へっ、子どもの恰好で周囲にチヤホヤされる悦びを知らねーチェリーボーイが。
花京院はその様子をクスクス笑いながら見ていた。
「なるほど、承太郎のお母さんに気に入られるのも理解できる」
「オオ~ッ?褒め言葉かァ~うれしいね!」
「褒めてないけれど」
「H E E E E Y Y Y Y Y Y Y(´;ω;`)」
オレたちは香港の近くにある船着き場で食事を取り、ジョセフの手配した船が来るまでの間自由行動を取ることにした。
敵の襲撃を考えれば固まって動いた方がいいということで、オレ・花京院・承太郎、ジョセフ・アヴドゥル・ポルナレフと3人ずつになって行動している。
オレは串をゴミ箱に放り込んで、
「今後のことを考えると、オレはガキか女の姿で動いた方が有利に立ち回れるんじゃあないかって思ってな。まあ能力はさして変わらんから大して気にすんなよ」
「気にするに決まってんだろ、てめーを客観的に見れねーのか」
「まあまあ、もしもガラの悪い連中が寄ってきたら僕たちが追い払えばいいんだし」
花京院は柔和なまなざしで辺りを見回していたが、やがてその足が一点に吸い寄せられる。
どうやら出店の出し物が気になったようで、そこの店主としばらく話し合っていたすえ財布を出した。
「ただいま。与次郎、これをどうぞ」
「なんだこれ・・・ バレッタ?」
「今の君に凄く似合うと思ってね。ほら、頭を向けて。・・・・・・うん、やっぱり黒髪に金色は映える」
「───」
沈黙せざるを得ない。
こいつ女心を掴む手練手管において、他の追随を許さん手練れだ。
「さあ、そろそろみんなのトコに戻ろう。もうすぐ船が着く時間帯だし、遅れちゃいけない」
「いや、待て花京院」
「なんだい承太郎?・・・・」
承太郎の視線を追った花京院が沈黙する。
口を開こうとしたオレを止めて、彼は黙って向こうを指さした。
そこには3人ほどの男がたむろしていた。一見すると普通の人間に見えた。───その瞳に宿る、暗く鋭い光さえなければ。
オレはその目に見覚えがある。あれは───人殺しの目だ。
男たちはオレらに気づくと、何気ない様子でオレたちに近寄・・・・・・る前に、そのうちの1人の口に緑色のスタンドが潜り込んだ。
「おごっ」
触脚を飲まされた男は小さくもがいたが、前後不覚の様子で隣にいた男に襲い掛かった。そいつは鬱陶しそうにしていたが、すぐ暴力に訴えだした。
「おい!どうした!」
「知らねえよ!こいつが急に、ガ───!?」
承太郎が一瞬で距離を詰め、仲間を蹴飛ばしていた男の土手っ腹に膝をぶち込んだ。
「う、ぶぇ」
嘔吐しだすそいつを見て、最後の1人はようやく状況に気づいたようだった。
だがもう遅い。オレは走りながら元の姿に身を変え、最後の1人を押し倒した。
子どもから巨漢へ変化した男に人間ではありえない速さで押し倒され、男は蒼白になった。
「ぉぐえっ───、ま、待て!」
「なんだよ」
「おれたちは雇われただけだ!だから殺さな」
「うるさい」
オレはそいつの頸動脈を押さえつけ、意識を奪う。
横では承太郎と花京院が他の奴らを追っ払った後だった。
「なんだったんだろうな、こいつら」
「あいつら銃で武装してやがったぜ。おおかた、DIOかDIOの部下が雇った殺し屋かなにかだろ」
「まったく、おちおち買い物もできないね」
俺たちは殺し屋たちから剥いだ服でそいつを縛り上げ、適当な名前で警察に連絡するとその場を後にした。
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「チッ・・・ ただの殺し屋じゃあ意味がねーか。だが俺が動くのはここじゃねえ、なあ・・・ 俺の信条はNo.1よりNo.2、コンビを組んで初めて俺は力を発揮する・・・」
▼
「・・・・・・なるほど、のう」
ポルナレフから話を聞き終わったジョセフさんは、黙っておとがいに指をやった。
「妹を殺した『左手が右手の男』を探して旅をしていたとき、仇を探してやるとDIOに勧誘を受けた、か・・・ 肉の芽によるものもあるだろうが、心の隙間に忍び込むのがなんてうまい奴なんだ」
かつてDIOに出会った出来事を思い出したのか、花京院とアヴドゥルさんは薄く汗を浮かべていた。
オレはというと2人のことを思うとだいぶノンデリな話だが、彼らとは違うことを考えていた。
ここまでは原作通りである。だが、ポルナレフがアヌビスで武装しているというのも、野生の殺し屋に出会うというのも想定外だ。殺し屋というのには幕間で遭遇していた可能性もあるが、少なくともオレが読んでいた単行本で
・・・やはり、『揺り戻し』が来ている。
これからどうやって『揺り戻し』が悪影響を及ぼしてくるのか被害妄想するのはやめておくとして、気を付けなくちゃいけないのは今起きたような出来事が繰り返される可能性だ。
1回コッキリならまだいい。だが何度も何度もこんなイベントが起きるのだとしたら、誰が襲ってくるかわからない緊張はボディブローじみてオレたちの精神を蝕むことだろう。スタンドは精神の発露。精神的疲労は命取りだ。
「与次郎?」
声をかけられて我に返った。花京院が心配そうにこちらを見下ろしてくる。
───こういう時は気持ちを強く持つべきだ。心さえ強く保てれば、乗り切れない問題はないんだから。
「あ・・・ああ、わりぃわりぃ、なんでもねぇ」
「おれはあんたたちについてくぜ。あんたたちについて行けば、妹を殺した仇と必ず巡り逢えると確信したッ!」
「うむ・・・ 協力者が増えてくれるのならば心強い。さっそく出発するとしよう」
ジョセフさんは上着のポケットから写真を一枚出してみんなに見せた。
「これからチャーターするのはこの写真に写っておる船長の船じゃ。信頼のおける人物なので心配はない」
「それからムッシュ・ジョースター。もうひとつ質問があるのだが」
「うむ」
「あんたたちの事情に深入りするつもりはないが。───あんたはこんな子どもまで戦いに連れて行くつもりか?」
ポルナレフはオレを見下ろしている。ジョセフさんはしばらく沈黙を保っていたが、こらえきれなくなったように噴き出し「与次郎、見せてやれ」と言った。
オレは口元を歪め、頭をぽんっと叩いた。
どろんと煙が立ち、その中でオレの体がむくむくと巨大化していく。
呆気に取られていたポルナレフの目が、こぼれおちそうなくらい大きくなった。
「どうも、化け狐です」
「お・・・・・・おおっ!?なんじゃそりゃあッ!?そういうスタンド能力かァっ!?」
「違います。ちな、こんなこともできます」
オレはもう一度頭を叩き、パーティードレスを着た美女に変身した。
見上げるポルナレフの顔は赤くなったり青くなったり忙しかったが、やがて合点したようにごくんと喉を鳴らす。
「じゃあ、じゃあ何か・・・お前
「ウフ。どお?あたし、あなたの望むどんな姿にも変身できるけれど、何になってほしい?」
「ご、ゴクリ・・・」
「こら、ヨジロー。あまり若い男をたぶらかしてやるな、かわいそうだろう」
「っス、スンマセ・・・」
「待ってェ~、もう少し堪能させてくれェ~」
妹の仇を探してるとは思えないような、その頭と下半身が見事に分離したありさまを見て承太郎は「・・・やれやれ」と言った。
スタンドの呼び方
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漢字のほうがかっこいいぜ
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カタカナのほうがかっこいいぜ