「スマホが壊れてる。連絡は出来ないか・・・寝よ」
島に着いた瞭太は疲れてそのまま眠った。
瞭太は夢を見た。小さい頃に白い髪で赤い目の女の子と遊んだ夢を・・・。
遊んだ女の子の身体はボロボロだった。当時は母さんも一緒に居たから、母さんは女の子の身体を見て警察に連絡していたのは今でも覚えている。
女の子と遊んでた時に女の子は倒れた。母さんが走って病院に連れて行った。
女の子のお母さんは虐待をしていて、女の子は衰弱しきっていた。
その日以来、女の子には1度も会っていない。
ドォン
ドォン
何かを大きく叩いてる音で瞭太は目を覚ます。
「な、何の音だ?」
瞭太は音の発信源に向かう。
ドォン
向かった場所に1人の男性が仏像に拳を打ち付けていた。
ドォン
「覇っ!!」
ドォン
その一撃を放つと地面が、大気が震えだした。
その衝撃で天井の岩が崩れ始め男性の元に落ち始めるが、男性は静かに構える。
「豪昇龍拳!!」
崩れた岩を拳で砕き、そのまま仏像の顎に拳をぶつけ、仏像の顔を飛ばした。
「うおっ!?」
飛ばされた仏像の顔は瞭太の元に落ちてきた。
男性は弾き飛ばした仏像の首元に着地した。
その者、己が拳を極めんため、殺意の波動を身に宿し闘い続ける修羅。
豪鬼
ギロッと瞭太を見つけ睨む豪鬼に瞭太は震える。
「・・・ゴクッ(こ、これは恐怖?武者震い?)」
手足が震える瞭太を見た豪鬼は姿を消した。
「き、消えた・・・あの人は今まで見てきた武人と違う」
瞭太は武道を始めて3年程度の年数だが、今まで出会った師匠達のお陰で相手を見極める力がついた。
「あの人は自分自身を極めようとしている武人だ・・・」
明日手合わせをしてみようと考えた瞭太だが、この時に瞭太は手合わせでは無く、死合いになるとは思っても無かった。
〜翌日〜
瞭太は準備運動を済ませて、昨日の場所に向かうと豪鬼がいた。
瞭太に気づいた豪鬼は何も言わないで構える。
「(やっぱり拳で語るタイプの武人)」
瞭太も無言で構えて、先に動く。
「波動拳!!」
先手必勝と言わんばかり、瞭太が先に波動拳を放つ。
「!!」
豪鬼は瞭太が波動拳を放った事に少し驚いた。
瞭太は知らないが豪鬼の流派は瞭太が使った波動拳と同じ流派なのである。しかし豪鬼はそれを更に進化させた。
「豪波動拳!!」
豪鬼は豪波動拳で瞭太の波動拳を相殺する。相殺した時の粉塵を利用して瞭太は攻める。
「せい!はっ!でやっ!!」
「・・・ふん!」
「がはっ!?」
豪鬼は瞭太の攻めをガードして一瞬で反撃をする。
そして反撃をした豪鬼は呆れて、瞭太に背を向けて姿を消した。
「え?な、なんで?」
瞭太はまだ戦えるのに豪鬼は闘いを止めた。
豪鬼が居なくなった場所で反省会をする瞭太。そして数多の師匠達の弟子入りをした事により、瞭太は何故、闘いが途中で止めたのかが分かった。
「俺は・・・あの人を無意識に畏れていたのか・・・だから呆れられたのか・・・」
相手に失礼な事をした瞭太は悔やんだ。
〜更に翌日〜
「(考えたらそうだ!敬意と畏怖は別だ!強い心で挑まないと!!)」
再び豪鬼が居る場所に向かった瞭太は豪鬼が案の定いた。
「(この人に言葉の謝罪は要らない!拳で語るんだ!)」
再び闘志が燃える瞭太に豪鬼は構える。
激しい攻防をして、昨日と同じようにならない闘いをする瞭太。
「(つ、強い!今の俺だと勝てない・・・)」
「・・・ふん」
また豪鬼は瞭太に背を向けて姿を消した。
「ま、まただ・・・。何でだ?」
今度は姿を消した理由が分からなかった。