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20XX年 9月24日
午後7時
新宿高速バス乗り場
早苗「さて、所変わってバス乗り場に来てます」
霊夢「来たわね……これ乗らなきゃダメ?」
レミD「ダメに決まってるじゃない、もうチケット取っちゃったんだから」
霊夢「乗らなきゃいかんかぁ……」
そうぼやく霊夢の気持ちも知らずにオレンジライナー号がやってくる。
早苗「えー、こちらのバスですが。手元の資料によると走行時間は約十二時間です」
『十 二 時 間』
霊夢「十二時間!?なに、それじゃあその間ただひたすら座ってるってこと?」
早苗「その通りでございます」
霊夢「マジか……」
早苗「まあ途中で瀬戸大橋っていう海峡を渡る大きな橋がありますから、そこが見所ですかね」
霊夢「ああ、そういうのはいいわね、それ魅力」
早苗「それじゃあ早速ですが乗りましょうか」
バスの最後列に陣取るどうでしょう出演陣。
早苗「ついに、ついに出発しましたねぇ、霊夢さん」
霊夢「出発しちゃったわよ……もう後戻りできないのか……」
早苗「霊夢さん」
霊夢「何よ」
早苗「無理です」
霊夢「だからうるさいって言ってんの!」
『1時間後』
早苗「始まって早速なんですけど」
霊夢「どうしたのよ」
早苗「弱音吐いちゃおっかなぁ~」
霊夢「おい企画者、あんた企画発案者だろ、まだ始まって一時間よ?」
早苗「だってぇ、外真っ暗でカメラもろくな画が撮れないんですもの」
カメラが外を映すが真っ黒な景色だけが映る。
霊夢「大体ねぇ、まずそういう計画性のなさがそもそもおかしいのよ。普通こういう移動番組って景色を撮るものでしょう。だからね、その景色を撮影できてない時点でもう番組として破綻してるのよ」
レミD「何が言いたいのよ」
霊夢「あんたらがバカだって言ってるのよ」
レミD「なんだとっ」
早苗「まあまあお二人とも」
霊夢「というかねぇ、このアホらしい企画作ったあんたも同罪なのよ」
早苗「なんですと!」
『10時間後』
瀬戸大橋を過ぎた先の高松自動車道豊浜サービスエリアにて。
まだ朝日も昇りきっておらず、ライトで照らされた二人の顔には疲れが色濃く見えていた。
早苗「えー、みなさんおはようございます、現在午前の……6時過ぎですかね。我々、やっとの思いで四国は香川県まで来ました」
霊夢「そうね……ついに到着したわね、四国」
早苗「いやー、なんと言えばいいか……素晴らしかったですねぇ、瀬戸大橋」
早苗がそう言うと一同から笑い声がもれる。
『1時間前』
レミD「起きて。起きなさい霊夢、早苗」
霊夢「ぁ……?瀬戸大橋は?」
文D「見逃しちゃいましたね……」
霊夢「ハハハ……そりゃあんまりでしょ……」
レミD「見えなかったわ……」
『見逃した』
『松 山 市』
更に時は進み午前8時目前、一行は松山市の道後温泉の前に来ていた。
小雨も降ってきて最悪のロケーションである。
早苗「えー、と言うわけで私達は愛媛の松山市にあります『道後温泉』に来ているわけでございますが」
霊夢「タイミング悪く雨も振りだすし、この旅はもう踏んだり蹴ったりね」
早苗「まあね、せっかく来たわけですし、ちょっと温泉に入っていこうじゃないかと思いまして」
霊夢「あら、これ入ってもいいの?」
早苗「そりゃあ霊夢さん、これ旅番組ですから」
二人は並んで道後温泉へと向かう。
早苗「あっ、荷物荷物……」
霊夢「しまった……」
道を中程まで行ったところで慌てて二人が戻ってくる。
カメラの横を通り抜けた辺りで突然 ベシャッ という音をマイクが拾う。
文が急いでカメラを向けると、荷物の横にしりもちをついたような姿で滑り込む霊夢の姿が画面に映る。
レミD「ど、どうしたのよ霊夢」
早苗「大丈夫ですか霊夢さん、突然どうしたんですか、転んじゃった?」
二人とも台詞では心配しているが、こらえきれない笑い声が漏れている。
霊夢「あー……帰してくれんかぁ……私を早く幻想郷に帰してくれんかぁ」
『サービスシーン』
『カット』
早苗「さて、温泉に入ってさっぱりしたところで、次の目的地決めましょうか」
霊夢「そうね……私もう帰りたいのよ」
早苗「大丈夫です、ここからなら一発で帰れる目もあるので」
早苗に新しいボードが渡される。
早苗「見てください霊夢さん、ここからはもうボードも手書きですよ(笑」
『一 夢の直行便 札幌
二 ふぐが食べたい 下関
三 ふりだしに戻る 新宿
四 魅惑のアイランド 小豆島
五 同じ島でもこれは遠いぞ 鹿児島
六 謎のまち 臼杵』
霊夢「1よ早苗、1を出すのよ」
早苗「私も予想外に辛くてですね、もう帰りたいです」
霊夢「と言うか鹿児島ってあんたらなに考えてるのよ、そんなとこ行ったら帰れるものも帰れないじゃない」
レミD「そんなの知らないわよ、こっから行けるから書いたのよ」
早苗「と言うかこれマジで行くんですか謎のまち臼杵」
レミD「行くに決まってるじゃない、出目は絶対よ」
霊夢「臼杵ってそもそもどこよ」
早苗「たしか大分だったかと」
霊夢「大分ぁ?これ以上南に行ってどうすんのよ」
レミD「いいからとっとと投げなさいよ」
霊夢「なんだと?」
『第 二 投』
早苗「それじゃあいかせていただきます」
霊夢「1よ?1以外認めないからね」
早苗「なにがでるかななにがでるかなそれはサイコロ任せよう!」
早苗が投げたサイコロは地面でバウンドすると、六を上に向けて止まった。
霊夢「なにやってるのよ!こんな得体の知れない町に行ってどうすんのよ!」
早苗「そう言われてもですねぇ」
レミD「漫才やってないで急ぐわよ」
霊夢「なんで」
レミD「もう時間ないのよ」
霊夢「あのさぁ、こんなこと言いたくないけど旅番組だったらもっとも余裕持ちなさいよ」
早苗「霊夢さん、この番組は旅番組じゃないんですよ」
霊夢「じゃあなんなのよ」
早苗「体当たり番組ですよ(ドヤァ」
霊夢「と言うかなにで行くのよ」
早苗「スルーですか!?」
レミD「フェリーよ」
霊夢「フェリーかぁ……」
レミD「ほら、とっとと行くわよ」
霊夢「酔って吐いても知らないからね……」
レミD「や、やめてちょうだいね、放送できなくなっちゃうじゃない」