トレセン学園警備員さんは、ウマ娘に勝ちたい。   作:秋津モトノブ

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38話 ホッカイドウの日々。

「あ~!山田さんだ!おはよー!」

 

「おう、おはよう」

 

「おはよー!どしたの?あっちのトレセン首になったの~?」

 

「なってねえよ、出張だ出張。おはようさん」

 

「ヤマダさんじゃん!おっはよ~!」

 

「おはよう、遅れるぞ~急げ急げ~」

 

 ホッカイドウトレセン学園、校内。

以前からの馴染みだった生徒たちが、入れ代わり立ち代わり挨拶していく。

うーん、東京のトレセンと違ってでっかい子ばっかりだ。

以前はなんとも思わなかったが、離れてみると結構違うなあ。

 

「うぇ!?し、師範!?オハザアアアアッス!!」

 

「押忍!朝から元気スね!」

 

 どうやら巌流の門下生もいたみたいだ。

俺にはヒラヒラ手を振った子が、フドウギクを見るや否や足を揃えて頭を下げる。

その表情は真剣そのものだ。

 

「門下生多いんだなあ、巌流」

 

「そうスね。各地方に最低1つは道場ありますし……特に北海道は大きい道場が3つあるので、出稽古でよく通ってるス」

 

 ふへえ、ソイツはすげえ。

さすが、天下の空手流派。

『討マ流』とはえらい違いだ。

まあ、『ウマ娘を倒すぞ~!』的な流派が栄えてたら控えめに言って地獄ではあるが。

 

「山田先輩も大人気ス。好かれてますね」

 

「ま、嫌われてはいねえだろ……変な事してねえし」

 

 トレセン学園と同じように、しょっちゅう飯は食わせてたがな。

いや、あっちよりここは腹減り生徒が多いからな……その頻度も多かった気がする。

 

「しっかしアレだな。改めてお前すげえよな……USCに勤務しながら巌流の出稽古やら指導やらするんだもんよ」

 

「好きなんで、空手が。特に苦じゃないス」

 

 勤勉というか、熱心というか……

社長に聞いたが、USCに就職するにあたってフドウギクが唯一つけた条件が『巌流師範としての活動もさせて欲しい』だったっていうしな。

 

「山田先輩が死ぬほど稽古するのと、同じス」

 

「なるほど、わかりやすい」

 

 もはや生活の一部ってワケか。

 

「それに講師派遣手当が付いて給料的にも美味しいス」

 

「お、そいつは羨ましいなァ」

 

 趣味と実益も兼ねているときた。

なかなかしっかりしてんな、フドウギク。

 

 そんなこんなで生徒たちは校舎に消えていき、周囲は嘘のように静かになった。

まるで火の消えたよう……ってやつだな。

 

「そういえば、『ウマ娘至上主義』のこと社長に聞いたス。大変スね、山田先輩」

 

「まあ、多少はな?でも『反ウマ』よりかはマシだと思うぜ? なんたってウマ娘には被害が出なさそうだしな」

 

「……流石は山田先輩ス」

 

 だってそうだろ?

俺に対してはともかく、『ウマ娘至上主義』だもんよ。

あのマ骸流の小僧みてえに、やらかす可能性がないだけでも万々歳だろ。

 

「俺はいいんだよ別に、討マ流は『抗うを選ばず』だからな。だからウマ娘に被害が出そうにねえ相手ならどうでもいいわ……ちょいとめんどくせえだけだからな、連中は」

 

「巌流にも似たような連中はいるスね。正直、崇拝されてるみたいで居心地が悪いス」

 

 フドウギクは面倒くさそうにしている。

 

「あれか、それじゃあモテモテだなァ後輩?」

 

「いや、そういうのでもないス。遠巻きにじっとり眺めてる感じス……ここだけの話、ちょっと気持ち悪いス」

 

「あらら」

 

 そいつは……ちょっとアレだな。

 

「被害のないストーカー予備軍ってか?」

 

「押忍……そんな感じス……北海道の道場にもいたのを今思い出したス……指導してもモジモジしててその、正直あまり好感が持てないス……」

 

 好意が全て喜んでもらえるとは限らない、ってこったな。

ウマ娘側の貴重な意見が聞けたなァ。

 

「まあ元気出せよ、休憩時間に芋焼いてやるからさ」

 

「押忍!楽しみス!それと稽古もお願いするス!!」

 

 一瞬で元気出たなあ、すげえ。

 

「稽古に関しちゃ俺からお願いするレベルだよ、助かってるぜ後輩」

 

「それは……とても嬉しいス!」

 

 さて、相棒の元気も出たところで勤務の続きといくか。

 

 

・・☆・・

 

 

「……!!」

 

「うわ!?どないしたんやライデンオーはん、顔色が真っ青やねんけど……!?」

 

「……おキクちゃんがパイセンとイチャ付いてる気がするッス!!由々しき事態ッス!!」

 

「……そかそか、ほな頑張ってな~、ウチはこれから授業やさかいにゅわあああああ!?!?」

 

「後輩キャラの地盤が緩んでいる気がするッス!?んなぁあ~!!」

 

「ライのアネゴ、タマが乳で窒息する前に解放してやってくんな」

 

「むめめめ!!もももも!!ももっむ!?まままま!!!」

 

 

・・☆・・

 

 

「よし来い」

 

「あの、正気スか……?」

 

 勤務終了後、武道場でフドウギクと向かい合っている。

俺はやる気満々なんだが、向こうさんは少し心配そうだ。

 

「大丈夫だから、先っちょだけだから」

 

「全然大丈夫じゃないス……」

 

 俺と同じく胴着を着込んだフドウギク。

彼女は、手に槍を持って困惑顔である。

ばんえいウマ娘専用騎バ戦で使用されるモノだ。

 

「刃は付いてねえから気にすんな。お前もやってたじゃんか、ウマチューブで見たぞ?」

 

「いや、そりゃやりましたケド……試合の4日前にやるもんじゃないスよ?」

 

「いけるいける、避けたり打点ずらしたりするだけだからよ」

 

 が、どうにもフドウギクがやりたがっていない感じだ。

ふうむ……じゃあ仕方ねえな。

 

 持ってきたリュックサックから、手甲と脚絆を取り出す。

それを装着し、再び向かい合う。

 

「これならいいか?」

 

「そんなにいいモノがあるなら初めから着けててほしいス……」

 

 でもなあ、これ本番じゃ無意味だしなあ。

それに、素手じゃないと微妙に感覚が違うんだが……まあ、よかろう。

 

「……では、いくス」

 

「応!攻め方はお前さんに任せる」

 

 気を取り直し、構える。

……フドウギクは意外と優しいからな、多分急所に突いては来ないだろうなあ。

うーむ、トーナメントが終わったらもう一度ガチで頼むか。

 

「――っふ!!」

 

 胸元に突きが来た。

 

「――っし!」

 

 踏み込みつつ右の裏拳を添える。

軽く弾き、軌道を外した。

すぐさま槍が戻り、今度は一度回転してから足元を薙いでくる。

おお、いいねいいね!

 

 軽く跳び、後方へ避ける。

 

「っしぃい!はぁっ!!」

 

 俺の体が空中にあるうちに、フドウギクは引き戻した槍を突き込んできた。

あ!『楽しく』なってきやがったな!

――いいぞォッ!!

 

 リズミカルに突き込まれる穂先。

それを左右に弾きながら着地。

 

「おぉッ!!」

 

 すかさず、鋭く踏み込む。

フドウギクは突いた穂先を引き、反対側の石突をその反動で薙いできた。

 

「――ちぇあっ!!」

 

「――せいっ!!」

 

 薙ぎを右肘でかち上げ、空いた隙間に入る。

フドウギクが槍を引き戻す前に、腹に掌底を寸止めした。

 

「……ふう、いい槍捌きだったな。さすがだ」

 

「押忍、流石スね……『討マ流』」

 

 上気した顔のフドウギクに、サムズアップ。

 

「よっしゃ、じゃあ次はあの木刀で頼むわ」

 

「――謹んでお断りするス!」

 

 ……なんでぇ?

 

「試合4日前なんスよ!?中止!武器アリ稽古は中止ス!」

 

「いや、大丈夫だからって……」

 

「――お2人とも!お願いするス!!」

 

「は?」

 

 フドウギクが声を上げると、用具庫の扉が勢いよく開き……そこに2人の人影があった。

 

「かくご~♪ ですわ~!!」

 

「おわーッ!?」

 

 1人はテンマ。

地を這うような超低空タックルで、俺を押し倒す。

こ、こいつ……ウマレスリングやらしてもいい所まで行くんじゃねえのか!?

油断しきっていたとはいえ、やりおる!

 

「……山田さん、本当に無理は禁物ですよ!」

 

 そして、もう1人。

タオルとボトルを抱えたカグラ……ホッカイドウトレセン学園生徒会長、カグラテンリュウ。

苦笑いしながら、倒れた俺の顔にハンドタオルを落とす。

 

「一郎さんは放っておくと無茶の限界突破をいたしますわね~……休むことも大事ですのよ~?」

 

 テンマはタックルの姿勢を崩し、マウントポジションへ移行。

おい、はしたねえぞ中等部。

あと重……口に出すのはやめておこう!

 

「……遺憾スけど、山田先輩が言うことを聞いてくれませんと……この状態の写真をライ先輩ならびにトレセン関係者に送信するス」

 

「――わかった!これから試合までは無理な運動はせん!」

 

 そんなもん、全面降伏待ったなしだ。

ただでさえそんなに高くない俺の社会的地位が、地表を突き破って地下まで落下する。

 

「いい子いい子、ですわ~♪」

 

 テンマはとても嬉しそうに、俺の汗をタオルで拭きとった。

あの……もうわかったからどいてくれないか。

 

「ライ先輩の言った通りスね……山田先輩は自分の体に無頓着すぎるス。罰としてジブンの指導をお願いするス」

 

「お前ソレちょっと願望入ってねえか……わかった!わかったから無言でスマホを構えるんじゃない!!」

 

 面倒見のいいのがいっぱいいて、いいのか悪いのか……周囲の人間にはほとほと恵まれてんな、俺。

不特定多数の『反ウマ』と『ウマ娘至上主義』には絡まれまくっているがね。

 

「わかった、教えるのはさほど得意じゃねえがやろうか……テンマ、どいてくれ」

 

「あと3時間くらい、いいんじゃありませんの?」

 

「いいわけねえだろ、他の生徒に見られたら大惨事だよ……助けてくれカグラ」

 

「ハイ!」

 

 素早く動いたカグラが、テンマの首根っこを掴んで持ち上げた。

さすが、生徒会長。

テンマも規格外の存在だが、流石にホッカイドウのエースには勝てねえか。

 

「ああん、いけずですわ~」

 

「変な声を出すんじゃない!」

 

 テンマはハテナよろしく撤去された。

絵面が面白すぎる。

 

「よっこいせ……ええっと、フドウギク。それで、何を教えりゃいいんだ?」

 

「演武を見てアドバイスがいただきたいス!」

 

「演武ゥ?巌流の型稽古なんかそれこそ門外漢だぜ?」

 

「違うス、『実際に戦えるかどうか』について他の流派の意見が欲しいんス!」

 

 ああ、なるほどね。

 

「この学園の子たちに、実戦に役立たない型稽古をさせるわけにはいかないスから!」

 

「……俺達じゃねえんだから、実戦は考えなくてもいいんじゃねえのかなァ?」

 

 どんだけ殺伐とさせてえんだ、フドウギク。

ばんえいじゃなくて格闘家養成校になっちまうぞ、ここ。

 

「それじゃあ……通常の型稽古をお2人も一緒にやるス。正しい姿勢を保つ訓練は効果的スよ」

 

「ああ、それはいいな。体幹ってのは全てのスポーツに通じるからよ」

 

 ついでに、ばんバ2人の面倒も見てやるか。

 

「押忍、ですわ~!」「よろしくお願いします!」

 

 というわけで、俺は型稽古の監督のような立ち位置になった。

ううむ、ちょっとは動いた方がいいんじゃねえのかなァ……え?もう十分動いた?あら、そう……

 

 

・・☆・・

 

 

「火加減はこんなもんかな……よしお前ら、焼き上がるまで我慢……は難しそうだから、先に焼きモロコシを食え」

 

「やりましたわ~♪」

 

「いただきます、山田さん!」

 

「いただくス」

 

 クソデカ焼き台の半分は、アルミホイルに包まれた筒状の物体。

そして残りの半分には、タレを塗って焼いたトウモロコシの群れがある。

うーん、醤油の焦げる匂いがたまらんねえ。

 

 ここは、グラウンドの片隅。

俺にとっては昔懐かしい場所だ。

校舎からは死角になっていて、ここに勤めてる時はよく利用していたなあ。

ちなみに、以前ヒグマにパンチをお見舞いした場所でもある。

今は外周の柵もデカくなっているから問題はねえと思うが……注意だけはしておこう。

 

「おいひいでしゅわ~♪」

 

 よく食うなあ、テンマは。

もう一本、綺麗にしやがった。

メインができるまで残ってるかね、野菜の在庫。

 

「いい匂いスね、中身は何スか?」

 

「厨房借りて作った鮭のホイル焼きだ。半身だが1匹丸々使ってるぜ」

 

 今回のソースはナゴヤトレセン直伝味噌ダレ+北海道のバターを使用している。

他の具はタマネギ、ニンジン、エノキに大量のジャガイモ。

間違いなく美味い一品だ。

だって美味いものしか入れてねえもん。

 

「美味しそうですね……山田さんの料理は大好きです!」

 

 いつになくカグラのテンションが高い。

そういえば、こいつにも散々飯食わせてたっけ……今のガタイからは信じられんが、昔はひょろかったんだよなあ。

大きくなってくれて、俺は嬉しいぞ。

 

「半生でも美味しいのではなくって?」

 

「腹壊すぞバ鹿」

 

 テンマは元からデカかったなあ。

社長からの遺伝だろうな。

社長の旦那さんには何度か会ったが、170くらいの細い人だし。

ちなみにUSCの副社長だ。

滅多に表に出てこないが、某海外の大学を首席で卒業したという天才さんだ。

主に法律と経理関係を取りまとめている、らしい。

 

「『一家に1人山田先輩』……ライ先輩が言うのもわかるス」

 

「わかるなよ」

 

 俺は便利家電か何かか?

分身でもしろってのかよ。

 

「嘘だろ。もうトウモロコシが、ない……?」

 

 恐るべし、ばんバ。

それと格闘ウマ娘。

俺まだ1本しか食ってねえんだが?

仕方ねえ、ホイル焼きに入り切らなかったジャガイモを焼くか。

適当にホイルで包んで炭部分にぶち込んでおこう。

……俺も東京に慣れ過ぎてたってことだな、ばんバの胃袋を忘れかけていた。

 

「練習疲れたね~……なんか、むっちゃいい匂いしない?」

 

「するする!あっちの奥からだよ!」

 

 ……気配が、する。

追加人員のやって来る、気配が。

なんかデジャブ。

 

「……すまんフドウギク、頼まれてくれるか」

 

「押忍!なんでも言ってくださいス!」

 

 なんでもは駄目だろ。

安請け合いすんなよ。

だが、この場合は助かった。

 

「食堂に行って……このメモに書いたモノを貰ってきてくれ。金はUSC経由で払うことになってるから心配すんな」

 

「押忍!」

 

「ももめももも~(わたくしも行きますわ~♪)」

 

「飲み込んでから行け!カグラ、スマンが焼き台の追加と火起こし手伝ってくれ!」

 

「はいっ!」

 

 フドウギクとテンマが走り出し、そして入れ違いに見たことのある生徒たちがやってきた。

 

「やっぱり山田さんだー!」

 

「なにしてんの?うわ、おいしそ~!」

 

 トレセン学園と同じだ!ウマ娘は鼻がいい!!

 

「よーしお前ら!練習お疲れ様!!担当トレーナーに許可取ったら飯食わせてやる!!」

 

「「わーい!!」」

 

 ここでも、忙しくなりそうだなァ!

別に嫌じゃねえけどよ!!

 

「いいにお~い♪ 山田ちゃ~ん、お腹空いた~♪」

 

 出たな理事長ォ!!

 

 

・・☆・・

 

 

「やり切ったぜ……」

 

「もう食べられませんわ~……♪」

 

「満足ス……」

 

「ご馳走様でした、山田さん!」

 

 結局あの後、焼き台を2つ追加して料理を作りまくった。

ふふふ、ホイル焼きも大人気だったが……山田式焼きそばの破壊力は絶大だったな。

そういえばあんまり食えなかった気がするが……なあに、腹いっぱいになったみんなの笑顔に比べればそんなもん、些末なことだぜ。

いや嘘だわ、それはそれとしてむっちゃ腹減ったわ。

 

 ええと、残った材料は……?

ふむふむ、ジャガイモとトマト、それにチーズに挽肉か。

お、鮭の切り身も残ってんな。

なんちゃってグラタンが作れそうだ。

 

「耐熱容器に材料を入れて、っと……」

 

 結構な量が残っててよかった。

ええと、ソースはどうすっかな。

ホワイトソースは材料が足らないから、味付けは塩コショウでシンプルにまとめよう。

材料がいいんだ、なんでも美味いだろうさ。

 

「美味しそうね~♪」

 

「……そうですねェ」

 

 理事長、まだ食うのか。

あのテンマでさえ妊婦みてえな腹になってんのに。

……この人の腹は質量保存の法則に喧嘩売ってんな、マジで。

 

「そういえば理事長、『無名』関連でここにも迷惑かかってません?」

 

 調理しながら水を向ける。

本社はここから離れた場所にあるが、ここにもマスコミが来たんじゃねえのかな。

 

「そうねぇ、少しだけ変な人たちがいたけど……きちんと『お話』したら大丈夫だったわよ~♪」

 

「……ソウデスカ」

 

 『お話』ねえ……ほんのちょっと、1ミクロンだけマスコミ連中に同情するぜ。

さぞ怖かったろうなァ……

理事長、いつもニコニコしてるけどなんでも許してくれるってワケじゃねえもん。

いつだったか、レース後に失礼な質問した記者をニコニコしながら詰めに詰めて……最後には泣かせてたし。

彼女は優しい、優しいが……それでもしっかりした理事長なのだ。

 

 この人の代になってから、色々学園も改善されたしな。

例の美味しくない食堂も変わったし。

 

「そんなに心配しちゃって……山田ちゃんは本当にウマ娘が好きね~♪ いい子いい子♪」

 

「あの……さすがに頭を撫でるのは……」

 

 この歳だぞ。

傍から見たらハイレベルな変態だと思われちまう。

 

「……よし、後は待つだけだ」

 

 チーズが溶けてきてむっちゃ美味そう。

素敵だ。

 

「あ、忘れてたわ~♪ はいどうぞ、自信作よ~♪」

 

 理事長が荷物からバゲットを取り出した。

 

「おー、理事長の手作りですか。こりゃすげえ」

 

「うふふ♪ ムソウちゃんにも好評なのよ~?」

 

 ありがたく受け取り、スライスして網に置く。

バターも余ってるし、最高だなこれは。

 

「そして私の勤務時間はおしま~い♪」

 

 さらに取り出したのはワイン……じゃないな!たぶん100%ぶどうジュースだな!!

別にワインでも構わんけど!たぶんぶどうジュース!!

 

「山田ちゃんもどうぞ~?」

 

「あ、いただきます、ハイ」

 

 グラスに注がれたワイ……ジュースを見る。

まあ……たまにはいいか、一杯くらい。

 

「山田ちゃん、試合が終わってもこっちにいてもいいのよ~? 生徒たちも喜ぶし~♪」

 

「はは、前向きに善処しますよ、ハイ」




【カグラテンリュウのヒミツ】
・実は、当初は食堂の食事が合わずに痩せていた。
山田の食育(無限食事支給)と、改善した食堂事情によって立派な体躯になった。
なので、彼女は山田と山田の作る食事が大好きである。
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