トレセン学園警備員さんは、ウマ娘に勝ちたい。   作:秋津モトノブ

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 不定期ですので。


49話 娑婆の空気と飯は美味い。

「あ~……山田一郎さん」

 

 もはや馴染みになった主治医が、そのイケメンフェイスを歪ませている。

 

「僕としては誠に遺憾ですが……遺憾ですが! 退院おめでとう」

 

「遺憾とは?」

 

「異様に回復が早いんだよ! どうなってんだキミの体ァ!!」

 

 素朴な疑問に仰け反りながら答える主治医。

体幹、意外としっかりしてんな~。

 

 そう、早いもので……俺は本日をもって退院となった。

なんか最長で1ヶ月とか言われてて不安だったんだが、なんとか2週間に満たない日程で出ることができた。

 

「いやでも、フェイロンは1週間で退院したって……」

 

「格闘ウマ娘と人間の体はねえ! 根本から強度が違うんだよォ! ……まあ、そんな相手を入院させたキミも滅茶苦茶なんだけどね。やっぱりウマ息子とかじゃないの、キミ」

 

 人をそんなUMAみてえに……

 

「まあ、なんにせよ退院だ。知っての通り地下経由で裏口から出なね」

 

「はい、お世話になりました」

 

 この病院には、要人専用の裏口がある。

政治家とか、芸能人とか……それからウマ娘とかが使う用のな。

俺もちょいとばかし有名人になっちまったから、そこを使う。

 

「……釈迦に説法だとは思うけど」

 

 主治医が声をひそめた。

 

「――キミの技は、格闘ウマ娘にも通用する破壊力がある。そして……その『反動』は、キミの体にもダメージを与えているんだよ?」

 

「ええ、俺もまだ未熟ですね。反動を完全に制御できちゃいないんで」

 

「ゆくゆくは制御できるの……? とにかく、この先も気を付けなさい。今回の怪我、特に手足の末端はそれが原因だ」

 

 まあ、そりゃそうだろう。

討マ流は掌や足裏から衝撃を『通す』

それは反動を軽くするためだ。

だが、軽くなったとはいえ零じゃねえ。

格闘ウマ娘なら無視できるダメージだろうが……人間の俺には無視できない。

 

 ――だが、それがどうした。

 

 これは、ハナからそういう戦いだ。

人間の身分で、格闘ウマ娘の領域に踏み込むための。

手足の骨折『程度』で尻尾を巻けるほど、ヤワな勝負じゃねえんだ。

 

「わかってるならいいけどね……また戻ってこないことを祈るよ、医者としてはね」

 

「ははは、善処しますよ」

 

 この人、基本的にいい人なんだよな。

ウマ娘大好きだし。

 

 あ、忘れるところだった。

 

「先生、これ……前に言ってた連名のサイン色紙です。昨日エリモねえさんがよろしくって置いていきました」

 

「気を遣わなくていいのに、この前にも貰ったんだし……」

 

 とはいえ、満面の笑みなので色紙は欲しいらしい。

というわけで、袋に入った大きい色紙を渡す。

すると、彼は小刻みに振動を始めた。

 

「え、エリモジョージ……カネミノブ……グリーングラス、て、テンポイント……テンメイ!? それに、サクラショウリ……!!」

 

 とんでもねえメンツだな、マジで。

エリモねえさんの人脈どうなってんだ。

 

「あ、入りきらなかったんで追加がもう一枚入ってますよ」

 

「トウショウボーイぃ!?!? き、きききキミってばすごいんだね……こ、こんなの、オークションに出したらいくらになるか……」

 

 まあ、とんでもねえ値段にはなるだろうよ。

 

「出します?」

 

「――出すわけないでしょ!? 家宝として子々孫々に受け継がせるよ!!」

 

 はは、こういう人だからあげる気になったんだよな。

ほんと、良い医者だぜ。

 

 

・・☆・・

 

 

「おお……娑婆だ」

 

 街の喧騒が懐かしい……

 

 あれから医者や看護師に挨拶を済ませ、身の回りの着替えなんかを詰めたザックを背負い……俺は地下道を通って病院からかなり離れた場所に出てきた。

結局最後まで処理できなかったお見舞い品なんかは、宅配の手続きをしたから気軽なもんだよ。

 

「さて、どうするかね。今日含む3日は休みだし……とりあえず病院食以外の飯を食いに行くか」

 

 久しぶりの1人だしな。

ライは付き添うって言ってたけど、なんか東北の親戚が入院したとかで不在。

フドウギクは出げいこで……社長は北海道。

おまけに今日は平日ときたもんだ。

ここ最近賑やかだったからなあ、たまには単独行動もいいもんだな。

 

 さーて、何食おうかな……あ?

 

 ……なんか、目の前を見覚えのある葦毛のウマ娘がうろついてる。

あのどこかぽけっとした顔、そして現在進行形で道に迷っているであろう雰囲気……!

 

「おーい、そこの笠松が生んだシンデレラ」

 

「オグリキャップなんだが?……山田さんじゃないか!」

 

 不安そうな表情をパッとほころばせ、こちらへ走り寄ってくるオグリ。

迷子になったワンちゃんかよ、こいつ。

 

「どうしてこんな場所に……?」

 

「そりゃあこっちのセリフなんだがな。俺の方は今日が退院だ、お前こそ学園は?」

 

 こいつがサボりなんかするわきゃないし、たぶん……

 

「遠征の振り替え休日なんだ。だから、街でご飯を食べようと思って出てきたんだが……」

 

「道に迷ったってワケか」

 

 そんなこったろうと思ったよ。

 

「しかし、退院か! おめでとう山田さん、元気になって安心した!」

 

「はっは、その言葉だけでより一層健康になれそうだぜ」

 

 それなりに慕われてるみたいで嬉しいねえ。

……うし、それじゃあ。

 

「オグリにゃあ山ほど見舞いを貰ったからな、俺から快気祝いをしてやろう」

 

 あんまりにも視線が眩しいので、照れ隠しに頭を撫でる。

……あ、ついついやっちまった。

……よし、人の目はナシだ!なら問題ない!

 

「んんう……やはり山田さんの手は暖かい。笠松のトメさんを思い出す」

 

 ……手だけ老けてんのか、俺。

ま、まあいい。

 

「よし、オグリ。とりあえず車まで行こうぜ、この近くに停めてあるんだ」

 

 USCが契約してる有料パーキングがな。

ちなみに車はライが運転してきてくれた。

ここ、微妙に交通の便が悪いからな。

 

「い、いいのか? お見舞いも私ばかり食べていて……」

 

「はぁ~? 学生が気にすんじゃねえっての。入院中、1人の時はお前の笠松時代のレ-ス見まくったからな。そのお陰で傷も早く治ったんだぞ?」

 

「それは本当か!? 山田さんは凄いな!」

 

 疑うことを知らないオグリが、太陽のように笑った。

あ~……でもこの笑顔にはガンくらい消滅させそうなオーラがある。

ウマ娘は、体によく効く……ってなもんだ。

 

「山田さん、その荷物は私が持とう」

 

「気にすんなよ。俺がウマ娘に荷運びさせるタチに見えるか?」

 

「ふふ、見えないな」

 

 すっかり元気を取り戻したオグリが笑い、先に立って歩き出した。

……おいおいおい、先に行くな先に。

また迷子になるぞ、お前。

 

 

・・☆・・

 

 

「……じゃあ『姫牛』はどうだ?」

 

「……すまない、そこも駄目なんだ」

 

「マジかよ……すげえなお前」

 

「面目ない……」

 

 愛車の助手席で、オグリがしょんぼりしている。

ションボリキャップだ。

なんでこんなことになってるかっていうと……

 

「お前出禁の店多すぎだろ」

 

「むう……」

 

 そうなのだ。

このオグリキャップ……デカ盛りの店でことごとく出禁になっている。

前のラーメン屋みたいに、チャレンジメニューをスナック感覚で食べ尽くしていたらしい。

なので、車の中で相談しているが……ここ周辺の店はほぼ全滅だ。

 

「オグリは良く食うほうだが、ばんバに比べたら普通レベルなんだがなあ……不憫だな。北海道に行ったらどこでも入れるだろうがなあ」

 

「北海道……素晴らしい所だな!」

 

 急に元気になったな。

しかし……どうするかねえ。

この状況で俺だけ食いに行くなんて絶対にできんし、かといって弁当あたりを買ってくるのも……

……いや、ここは逆転の発想だな。

 

「うし、行くぞ」

 

 アイドリングを解除し、アクセルを踏みこむ。

 

「どこかに私が行けるお店があるのだろうか……?」

 

「ああ、店じゃねえ……ちょっと俺の家に寄るぜ」

 

 店で食えねえなら……そうだな! 俺が作って食わせりゃいいんだよ!

入院生活で料理から遠ざかってたからなあ!

 

「山田さんの家……? 私が行ってもいいのだろうか?」

 

「いや、荷物を下ろして別の荷物を積み込むだけだ。さすがに女子高生を白昼堂々連れ込むわけにはいかんだろうが」

 

 夜でもやんねえけど。

 

「山田さんはいい人だから何も心配していないが?」

 

「心配しろ、頼むから心配しろ」

 

 この娘はもう……人の善性を信用しすぎだろ。

大丈夫か、トレセン学園。

卒業する前にそこらへんのことも教えといてくれよ……

 

 

・・☆・・

 

 

「山田さん、火起こしはこれでいいか?」

 

「おう、上出来だ。っていうか座って休んでてもいいのによ……」

 

 オグリのウマパワーによって、備長炭に火が入っている。

さすがの力だぜ、扇風機いらずだな。

 

「私も手伝いくらいはできる。ご飯を作ってもらうんだ、当然だろう?」

 

 なんだその綺麗な瞳は。

 

「……おうおう、オグリちゃんはいい子だねェ。そのまま未来永劫いい子でいてくれ……」

 

「む、その……気持ちはいいのだが、私はそんなに子供じゃないぞ」

 

 思わず撫でてしまう。

いかんな……貴重なジト目オグリになっちまった。

 

 ここは、学園の近くにある河原だ。

そこにある、BBQが許可されたエリアに俺達はいる。

川に近く、橋が影になってるからあまり目立たない場所だ。

 

 あの後家に戻って荷物を下ろし、炭や各種道具を回収。

近くの商店街でいつものように材料をしこたま購入。

その際にオグリから金を払うと言われたが丁重に断った。

ふふん、これくらいじゃ俺のファイトマネーはビクともしねえぜ。

……マジで多いんだもんよ、ビビるぜ。

 

「山田さん、お金なんだがやはり……」

 

「オグリ、よく聞け」

 

「む?」

 

 金網の横に乗せた鉄板に油を塗る。

 

「今回使った金はな、U-1のファイトマネーだ。ってことは俺が戦って稼いだ金ってわけだ」

 

「そうだ、だから山田さんにだけ使わせてしまうのは……」

 

 まずは豚バラ肉をジュワーッと。

オグリ、真剣な顔してるけど腹がすげえ鳴ってるぞ。

 

「そう、それで……何故勝ったか。それはわかるか?」

 

「山田さんが強かったからだろう?」

 

 胡椒とスパイスを振りつつ、炒める。

だからオグリ、まだだからな?目が怖いんだが?

 

「それもある、だがそれ以外に重要なメソッド……それは、お前らの応援の力だ!」

 

「……おう、えん?」

 

 細かく切ったニンニク、ニンジン、タマネギを投入。

あ~、これだけで美味そう。

 

「オグリやみんなが応援してくれたから勝てて、金が稼げた……つまりだ、賞金にはお前らの取り分も含まれてるってワケだ」

 

「む?むむ?」

 

 そこへキャベツを入れて……軽く炒め合わせる。

 

「だからな、お前には俺の作る飯を食う権利がある!以上!説明終わり!!……あ、そこの生麵とってくれ」

 

「あ、ああ……本当にいいのか?」

 

 受け取った中華麺を鉄板へ。

火の強い所で一気に炒めつつ、炒めた具と混ぜ合わせる。

そして液体ソースを一気にぶち込む!

ん~、この匂いがたまんねえなあ!

 

「いいのいいの。俺ァウマ娘が大好きだからな! オグリみてえな娘が美味そうに食ってくれたらそれで十分だよ、次の試合に向けて気合も入るってもんだ……っと」

 

 よし、良い感じに混ざった。

あとはここに……ネギと追い胡椒!

白ゴマと、最後に鰹節!

 

「うし、山田特製適当焼きそばの出来上がりだ! どんどん食えよオグリ! マヨネーズはお好きにどうぞ!」

 

「……む、むむむ……それでは山田さん、いただきます!」

 

「あいよ」

 

 一瞬悩んだ後、オグリは箸で焼きそばを取り皿に取って……一気に啜った。

うーん、いつ見ても気持ちのいい食いっぷりだぜ。

 

「どうだ?」

 

「むぐ……美味しい!とても美味しい!」

 

 口の端にソースを付け、オグリは満面の笑みを浮かべた。

 

「はっは! その顔を見てるだけで飯を食わせた甲斐があるってもんだぜ!」

 

 入院疲れも消えていくような気がするぜ、本当によ。

さて、焼きそばは出来たから他も作るか。

鉄板ゾーンは焼きそばと海鮮焼きで、金網ゾーンは焼肉とか焼きモロコシっと。

焼きそば程度でオグリが満足するわきゃねえからなァ!

南井さんの許可もバッチリ取ったし、作りまくるぞ~!

 

「山田さんの分はここに取っておくぞ。私だけ食べているのも悪い」

 

「おっとすまねえな……おい、その四分の一でいいぞ」

 

 山になってるじゃねえかよ。

それだけで腹がいっぱいになっちまう。

 

「遠慮だけはすんなよ、どんどん食え」

 

 と、言ってはみたものの……その心配はしなくてよさそうだな。

頬がハムスターみてえになってやがる。

 

「うーし、食ってろ食ってろ。海鮮焼きも同時並行ですっからな~」

 

 行儀が悪いが、調理の合間に俺も食おう。

オグリに釣られて食いすぎちまいそうだがな。

 

 さーてさて、まずはホタテとハマグリを……

 

「……向こうからムッチャ走ってくる影に、超見覚えがあるんだが……」

 

 土手の上を疾駆する人影。

とんでもねえ速度からして、明らかにウマ娘だ。

 

 そして、そいつは……土煙を上げながら坂を駆け下りて、明らかにこちらへ向かってくる。

あーあー、そんなに急いでどうすんだよ、逃げやしねえって。

 

「とりあえず焼いとこ。オグリ~、食いながらでいいから後ろのボックスから皿と箸出してくれ」

 

「もふぁ、ももっも(む、わかった)」

 

 オグリが皿と箸をテーブルに並べた頃、熱気を纏わせて1人のウマ娘が近くまで来た。

 

「ヤマダ……何故私を呼ばん!」

 

 そう、シャドーロールがトレードマークの……よく見知ったウマ娘。

 

「……それは退院したって言えってことか? それともこのBBQに呼べってことか?」

 

「両方だ!!」

 

「そうか……そりゃあすまんかったな、ブーちゃん。とりあえずタオルな、汗だくだぞ……拭いたら座れ」

 

 どんだけ急いでいたのか、肩で息をするブライアンに新しいタオルを投げる。

 

「ヤマダ、オグリを少しばかり贔屓しすぎじゃないか?」

 

「別にオグリを呼んだわけじゃねえよ……っていうか、なんでここがわかった?」

 

 そう聞くと、ブライアンがスマホを突き出す。

……これは、ウマスタの投稿だな。

さっき通り過ぎたジョギングの人が投稿したのか、『河原でバーベキュー! いいな~!』というコメントと共に……俺が車から道具を下ろしている所が写っている。

よかった、オグリは写ってねえな。

 

「しかしまあ、この小さい俺をよく認識できたなお前。俺のこと好きすぎだろ、ライかよ」

 

「っち!ちちちち違うッ!!わたっ、私は肉が食いたいだけだ!!」

 

 ま、そうだろうな。

自分で言っててもこれはないって思ったもん、今。

 

「肉……はまだだが海鮮焼きは作ってるぞ。お前これも好きだろ? 焼きそば啜ってちょっと待ってろ」

 

「……ン」

 

 あ、トレーナーに許可取らんとな。

 

「っていうかお前学校は? オグリみてえに振替か?」

 

「そうだ。なんなら姉貴に確認してもらっても構わん」

 

 ……嘘はついてねえな、ならいいか。

うしうし、それならホタテにバターを捻じ込む作業に戻るか。

 

「あいよ。勿論野菜も食えよ?」

 

「……わかった」

 

 すげえ嫌そうな顔すんじゃん。

 

「心配すんなって。お前に不味い野菜なんざ食わすわけねえだろうが」

 

「……ヤ、ヤマダこそ私が大好きなようだな!」

 

 お前トマトの親戚くらい赤いけど大丈夫か? 恥ずかしいなら無理せんでもいいってのによ……

 

「はいはい、俺はお前らが大好きなウマコンですよっと……おお?」

 

 また土手に土煙が見える。

……まさか、アレは。

 

「……ちなみにタイキも休みだ。私の方が外出許可を先に取ったからな、フフン」

 

 なんだこのドヤ顔は……じゃあ、やっぱりあれはタイキか。

さすが、将来のマイルクイーンだぜ……

 

「――ヤマダサーン! ヤマダサーン!!」

 

「――俺ァ逃げねえからゆっくり来ォい!!」 

 

 こちらを視認し、満面の笑みで手を振るタイキに……とりあえずそう怒鳴った。

まったくもう……ウマ娘って奴はどいつもこいつも……最高だな!!

 

 

・・☆・・

 

 

「イカ!焼けましタ! あーんデス!アーン!!」

 

「いや、そんなことせんでも自分で食えるからだいじょうアツイアッツ!?!?」

 

 焼きたてのイカを捻じ込むんじゃねえよ、タイキ。

お前今日無茶苦茶テンション高ェな、おい。

 

「っていうかお前も食いたくて来たんだろうが……ホレホレ食え食え。このハマグリが食いごろだぞ」

 

 走ってきた勢いのままとんででもねえハグをしてきたタイキ。

その衝撃力は、テンマのノーマルタックルに匹敵するくらいだった。

おかげでサラブレッドウマ娘相手に回転受け流しを本気でする羽目になったぜ。

適当に受けると、反動でタイキに怪我させちまうからな。

 

「アーンデス!アーン!!」

 

「こりゃまた随分カワイイ雛鳥だな……ホレ」

 

 ちょいと冷ましたハマグリを食わす。

 

「ンムムム……ヤミーッ!」

 

 ほっぺた押さえて嬉しそうにしちゃってまあ……ゴールデンレトリバー娘がよ。

 

「オグリ、ブライアン、美味いか?」

 

「ン、ン」

 

「ふもも、ももも」

 

 2人も満足しているようだな……しかしまだ食いそうだ、特にオグリが。

焼きモロコシの力を借りねばならんか。

ふふふ、俺特製の醤油ダレの前にひれ伏すがいい……!

 

「んぐ……ヤマダ、USCを辞めたら本当に定食屋を始めたらいいんじゃないか? ウマ娘専用のな」

 

 前にもそんなこと言ってたな、コイツ。

 

「それは本当に素晴らしいな! そうなったら私も食べに行くぞ!」

 

 オグリまで……

 

「俺一人じゃ手が足りねえな、それだとよ……バイトを雇わんとな」

 

「ワタシ!ワタシが働きマースっ!!」

 

 タイキ!?

 

「その頃にはお前ら揃って超絶有名バになってんだろうがよ。そんなVIPを雇えるかってんだ」

 

 バイトにG1バが多数とかになって、なんやかやで大炎上しそうだぜ。

 

「ほう、ヤマダは私達がそこまでの結果を残すと思っているのか?」

 

 不敵に笑うブライアン……青のり付いてんぞ、後で拭いてやろう。

 

「思うに決まってんだろ。俺ァお前らのレースに……その脚にゾッコンなんだからな、絶対にそうさ」

 

 ……タイキよ、何故急にズボンをまくり上げた。

そういう意味のゾッコンじゃねえっての。

……真っ赤になるくらいならやるんじゃねえの、はしたねえぞ。

 

「さ、在庫はまだまだあるから食え食え。未来の顕彰バども」

 

 焼きそば、二巡目といこうかねえ。

は~……それにしても、やっぱり娑婆とウマ娘は最高だぜ!!




【ライデンオーのヒミツ】
・実は、このBBQの顛末をタイキから聞いてのたうち回った。

【ライスシャワーのヒミツ】
・拗ねたが、頭を撫でられて一瞬で上機嫌になった。
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