トレセン学園警備員さんは、ウマ娘に勝ちたい。   作:秋津モトノブ

55 / 66
51話 アグネスのヤバい方だともっぱら噂の方。

 

「あーっ! 山田さんだ、おはよ~!」

 

「おはよう、今日も元気だな」

 

「山田さん、元気になったんだね! よかった~!」

 

「おうおはよう、まあな」

 

「山田さん! お元気そうで嬉しいです!」

 

「おう、おはよう。朝から元気だな」

 

 トレセン学園、正門前。

登校する生徒たちが、俺に元気よく挨拶して通り過ぎていく。

 

「いやあ……戻って来たなあ、俺」

 

「ふふ、やっぱり山田さんはその服が一番似合いますね♪(胴着は二番目にお似合いですよ♪)」

 

 思わずこぼした声に、横に立っているたづなさんが微笑む。

 

「たづなさんのお見舞いのおかげですよ」

 

「あら! ふふふ、朝から嬉しいお言葉ですね♪」

 

 うーん、自然体。

この人は底が知れんな、いつでも。

 

「(昨日のインタビュー、とっても素敵でしたよ♪)」

 

「(……わす、忘れてください……)」

 

 ……この人も見てたのかよ、アレ。

 

「うふふ、嫌です♪(ちなみに山田さんの正体を知っている人、全員で見てました♪)」

 

 なん……だって……?

ぜ、ぜぜぜ全員……!?

てっきりウマインが来た連中だけだとばかり思ってた!?

 

「山田さんは情熱的ですね♪」

 

「……あの、ちょっと具合が悪いので、そ、早退……」

 

「駄目です♪」

 

 ……おおん。

救いはないのですか、救いは……

 

「あーっ!ヤマダ~!!」

 

 特徴的な髪色の生徒が走ってくる。

あれは……

 

「……よう、ターボ。おはようさん……」

 

「おはよーっ!!……どうしたんだ? やっぱりまだ元気じゃないのか?」

 

 駆け寄ってきたターボは、心配そうな顔で首を傾げている。

……いかんな、こんな様子じゃいかん!

 

「は、ハーハッハッハ!! 何を言ってやがる……山田一郎、完全復活だァ!!」

 

 ターボの頭をガシガシ撫でる。

 

「ふわ~!? も、もーッ! 急にはビックリするからやめて欲しいぞ!」

 

 ギザ歯をきらめかせ、抗議するターボ。

 

「はっはっは、すまんすまん。それじゃ、頑張れよターボ」

 

「はーいっ!!」

 

 ニコニコ顔に戻ったターボは、元気よく走り去った。

 

「……すいませんねたづなさん、こんなとんでもねえウマコン野郎が一緒で。訴えないでください」

「あらまあ、どうしましょう……それでしたら、例の喫茶店に行ってくれれば被害届は勘弁してあげます♪」

 

 ありがてえ。

この人は人間女性だが、それでも気を付けねえとな。

同僚との関係は円滑に保っておかねえとよ。

 

「……山田様」

 

 ぬるり、って感じで門柱の影から出てくるメイヴさん。

びっくりした……まるでニンジャじゃねえかよ。

 

「ご復帰、嬉しく思います。SP隊を代表して参りました」

 

「……ありがとう、ございます。あの……」

 

「それでは、また!」

 

 そして、質問に答えずまたぬるりと消えていくメイヴさん。

……いつものサングラスだけじゃなくて、分厚いマスクまでしてた。

 

「風邪、かなあ。体調不良でも休めねえなんて、結構大変なんだな、SP隊……」

 

「ふふ、さあ……どうでしょう♪」

 

 たづなさんはとても嬉しそうに微笑んでいた。

……なんなんだ、いったい?

 

 

・・☆・・

 

 

「けーびいんさ~ん!」

 

 校門での立ち番を終えて、校内巡視中。

シフトの関係で単独巡視になった俺は、廊下の向こうから走ってくるウララを見つけた。

 

「おかえり~!」

 

 ウララは、猛然と走り込みながらジャンプ。

完全に俺が受け止めるって信頼してる感じだな、和むぜ。

 

「ほいっと」「わーい!」 

 

 飛び込んできたウララを受け止め、回転させて肩に担ぐ。

 

「いつでも元気だなあ、ウララ」

 

「うんっ! けーびいんさんも元気になってよかったね~!」

 

 肩に乗ったウララは、いつものように満面の笑みだ。

ああ、戻って来たんだなって感じだ……もう入院したくねえ、マジで。

 

「ん~と……」

 

 しばし周囲を見回し、近くに人がいないのを確認したウララ。

 

「昨日のインタビュー、とってもかっこよかったよ~」

 

「……見てたよな、ウララも。ウマインきたし」

 

 そうかあ……まあでも、この子はいつもこんな感じだからな、大丈夫か。

 

「その……みんな、どうだった?」

 

「ん~? ライスちゃんとタイキさん、トマトみたいになってたよ! でもでも、みんな嬉しそうだった!」

 

 ……そうかァ……

 

「でもでも、フシギだよね? けーびいんさんがわたしたちのことが大好きだっていうの、みんな知ってるのにね~?」

 

「……そう、だなあ。不思議だなあ……」

 

 なんとも、コメントに困る。

みんな思春期だからなあ、気を付けねえとな……ウララの思春期はいつなんだろうか。

 

「あ!ライスちゃん!」

 

 廊下の端に、ライスがいた。

なんか……半分だけ出てる。

 

「あれ? どーしたんだろ?」

 

 そして、俺と目が合うとピャって感じで引っ込んだ。

……気まずい、とても気まずいぞ、これは。

時間が解決してくれるだろうか。

 

 

「――相変わらず大きいねェ、ヤマダくん」

 

 

 そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。

 

「そりゃあ……高くはなっても低くはならんからな」

 

 振り向くと、特徴的な服を着たウマ娘がいた。

服っていうか……白衣。

白衣を制服の上に羽織った、ウマ娘だ。

 

「そっちは相変わらず細いなァ。食いもんに困ってんならまた食わしてやるぞ……タキオン」

 

 鹿毛のショートヘアを揺らし、目を怪しく輝かせるウマ娘。

何度か飯を食わしてやったアグネスタキオンが、そこに立っていた。

 

「フフン、それは魅力的なお誘いだ。キミの作るモノは栄養価も優れていてなおかつ美味しい……是非お願いしたいねェ」

 

 くつくつ、と小さく笑うタキオン。

コイツ、頭は無茶苦茶いいけど身の回りのことに関しちゃ壊滅的なんだよなあ。

お友達も苦労してそうだぜ。

 

「タキオンさん!こんにちは~!」

 

「やぁウララくん。いつもながら仲睦まじいねえ……だが、そろそろ授業の時間だよ」

 

 おっと、もうそんな時間か。

 

「んじゃ、頑張ってきなウララ」

 

「うんっ! 今日も一日がんばりま~す!」

 

 ウララを下ろすと、彼女は俺達に手を振ってから元気よく走り去っていった。

うんうん、ウララはいいな……話してるだけで元気が貰えるぜ、ホントに。

 

「……お前は?」

 

「私は特例で休講なのだよ、フフフ」

 

 ……ほんとかよ、コイツ。

レースは大丈夫だろうが、ちゃんと授業出ねえと卒業できねえぞ?

 

「それならいいが……ちゃんと卒業しろよ? 知り合いが退学とか洒落にもならん」

 

「おやおや、見上げたウマコンぶりだねェ。その心遣いはありがたく受け取っておこうか、フフフ」

 

 白衣の袖で口元を隠し、愉快そうに笑うタキオン。

彼女は、そのままツツツ……と、俺に寄ってきた。

そして、くいくいと俺を招く。

 

「ちょっとかがみたまえ、これでは声が漏れてしまう」

 

「なんだ、内緒話か? ホイホイ」

 

 軽く膝を折ると、タキオンが耳に顔を寄せてきた。

 

 

「勤務終了後、研究室に来たまえヤマダくん。いや……無名くん、と言った方がいいかな?」

 

 

 ……ふん、気付いてたか。

いや、コイツほど頭がいいならすぐに気付くか……会長殿とかも目だけで気付いてたし。

 

「……後半は何のことか皆目見当がつかんが、デートの誘いとは大胆だな?」

 

「ンフフ、ウマ娘は神秘と秘密に満ちているのだよ……ではね、お仕事頑張りたまえよ」

 

 相変わらず目を怪しく光らせ、タキオンは愉快そうに歩いていった。

正体を知る生徒がまた増えたな……ま、いいか。

社長に開示の許可とっとこ。

別にここの生徒に知られてもいいって言ってたし。

タキオンはマスコミにネタを売るような子じゃねえしな。

 

 

・・☆・・

 

 

「研究室……ここかァ」

 

 つつがなく勤務は終了し、タキオンに呼ばれた場所に来た。

一生徒なのに学園内に個人スペースがあるなんて、一体全体どういうわけだよ。

理事長は知ってるのかねえ。

 

 とりあえず、ノックする。

 

「……はい」

 

 すると、タキオンじゃない声が返ってきた。

あら、この声は……?

 

「……山田さん。どうしました?」

 

 ドアが開いて出てきたウマ娘。

真っ黒で艶やかな髪と、不思議な輝きをした目。

 

「そりゃこっちのセリフなんだが、カフェよ」

 

 タキオンの友達……友達? の、マンハッタンカフェだ。

彼女とは、結構前から知り合いだ。

 

 なんでもこの子、目には見えない『何か』が見えるタチらしい。

それを気味悪がる生徒やトレーナーもいるようだが、俺はなんとも思わん。

以前に深夜の森であからさまに変な『気配』を感じたこともあるしな。

っていうか、彼女と知り合ったのもアレが原因だ。

『ちょっとからかおうとしたら思いっきり殴られたと、泣いています……』って、次の日に言いに来たからな、カフェ。

どうやら討マ流は幽霊?にも効くらしい。

とりあえず、その子? には謝っておいたけども。

どうやら女の子だったらしいからな、悪いことした。

 

「俺はなんか、タキオンに呼ばれて来たんだよ。用事があるらしくってな」

 

「タキオンさんに、ですか……」

 

 露骨に眉をしかめるカフェ。

 

「あの、出された飲み物には手を付けない方が……いえ、心配なので私も同席していいですか?」

 

「あ~……別にいいんじゃないか?」

 

 どうしようかと一瞬思ったが、いいだろう。

昼休憩に電話したら社長に言われたからな。

『もう面倒なのでトレセン関係者への情報開示はフリーでいいぞ。お前のことだから、妙な相手には言わんだろう?』って。

随分と信頼されたもんだね……ま、都合はいいが。

タキオンにはバレてるし、カフェはバラすような子じゃないってのはわかるしな。

幽霊っていう共通のヒミツもあるし――!?

 

 ――突如、右後方に気配。

 

「……殴っていい奴か?」

 

「やめてください、私の『お友達』ですので……後で叱っておきます、その、悪戯好きな子なので」

 

 バックハンドで放とうとした裏拳を、やめる。

 

「なんでバレるんだ、と驚いています……」

 

「害意がありゃあ、見えてても見えてなくても変わらんからな……あ、入っていいか?」

 

「はい、どうぞ……ちなみに、この部屋は私と共用なんです」

 

 へえ……謎がより一層深まったな。

この子もなんか研究とかすんのかね?

 

 

・・☆・・

 

 

「やあやあ!よく来たねえ山田くん! ……おや、カフェもかい? 珍しいこともあるものだ……普段は足を踏み入れないというのに」

 

「変なことをしないか心配になっただけです……相変わらずの状況ですね、ここは」

 

 カフェに案内されて足を踏み入れた、タキオンの研究室。

そこには、雑多な器具や薬品なんかがそこら中に配置されていた。

何に使うもんかすら皆目見当がつかねえ。

壊さねえようにしないとな。

 

「おやぁ? 何やらとてもいい匂いがするねえ……?」

 

 タキオンは俺の荷物に気付いたようだ。

 

「ロクなもん食ってねえんじゃねえかと思ってな。男の手料理で悪いがサンドウィッチだよ」

 

 いくら細かろうが、ウマ娘。

クソデカバスケット一個分でも食いきれるだろうと思って用意した。

作ってる最中にブライアンが無言でやってきて、無言でつまみ食いして帰って行ったが。

なんか顔が赤かったが、風邪でも流行ってるのかねえ?

 

「これは嬉しいねぇ! 実は昼ご飯を食べていないので助かったよ!」

 

「なんだとこの野郎!? 飯はきちんと食えってんだ! ホラホラ、テーブル拭くから布巾を寄越せ!!」

 

 コイツ……年頃の娘がなんちゅう体たらくだよ!

 

「む、むむ?」

 

「むむむじゃねえよ!先に飯だ、飯!!」

 

 なにやら目を丸くしたタキオンをよそに、薬品に気を付けながらバスケットを置く場所を確保することにした。

まったくもう……飯は体の資本だろうがよ!!

 

 

「美味しいねえ、とっても美味しいねえ!」

 

 キュウリサンドが気に入ったらしいタキオンがご満悦だ。

 

「山田さん、料理上手ですね……とても美味しいです」

 

 カフェはレタスサンドが気に入ったらしい。

 

「ありがとうよ。食え食えもっと食え、食って力ァつけてレースにバンバン勝て2人とも」

 

 カフェが淹れてくれたコーヒーを飲む……うっま。

 

「美味いなァこれ! カフェ、お前これ店でも出せるんじゃねえの?」

 

「……あ、ありがとうございます」

 

 ここの食堂よりも美味いぞ、豆が違うんかな?

食堂も普通に美味いが……これに慣れたら不味く感じちまうんじゃねえかな?

 

「山田くんは本当にウマコンだねェ、色々な娘から話が聞こえてくるよ?」

 

「なんか、最近周りがマヒしてるんだがよ……それ決していい意味の言葉じゃねえからな?」

 

 罵倒語なんだぞ、そもそも。

 

「うまこん……とは?」

 

 首を傾げるカフェ。

えっ、コイツも情緒幼い系なのか!?

 

「――ウマ娘しか愛せず、ウマ娘が好きで好きでたまらない人間男性を差す言葉だよォ」

 

「……そ、そうですか」

 

 タキオンの補足に、カフェが露骨に目を逸らした。

とても傷付く。

 

「……心配しなくても誰彼構わず襲ったりしねえよ。それにお前らは、トゥインクル・シリーズで皆に夢と希望を届ける大事な大事なウマ娘だしな……っていうかそもそも俺ここの警備員なんだが? 生徒にホイホイ手を出すほど落ちぶれちゃいねえよ」

 

 ウマコンよりもロリコンじゃねえかよ、それじゃあ。

そっちは普通に犯罪だぜ、まったく。

 

「フフフ……真面目だねえ。さてさーて、お腹も落ち着いたから本題に入ろうか」

 

 くつくつと笑ったタキオンは、手元にタブレットを引き寄せて起動。

表示画面をこちらに向けた。

 

「最近話題のこの格闘家なのだがねェ……少し気になることがあってねェ……」

 

「――あ、それ俺な」

 

 

「えーーーーーーーーーーーーーッ!?!?!?!?!?!?」

 

 

 うわビックリした!?

なんだよ急にでけえ声出しやがって!?

 

「ちょ、ちょっと、ちょっと山田クン!? 何をいきなり認めてくれちゃってるんだい!? これから腹の探り合いとか、ブラフの掛け合いとかを楽しみにしていたんだよ私はッ!?!?」

 

 バンバン!とテーブルを叩くタキオン。

おいやめろって、サンドウィッチが吹き飛ぶぞ。

 

「あー……そいつはスマンな。ウチの社長がな、トレセンの生徒で気付いた奴には言ってもいいって許可してくれたもんでよ」

 

「むむむむ……!!」

 

 ぷくり、と頬を膨らませるタキオン。

おお、そういう顔すっと幼く見えるな。

 

「山田さんは……副業でプロレスラーをされているんですか?」

 

 タブレットを見ているカフェが聞いてきた。

 

「いや、プロレスじゃなくて異種格闘技……っていうかカフェ、お前U-1知らんのか?」

 

「ええ……格闘技にはあまり興味が無くて……なるほど、格闘家さんだったのですね。勘が鋭い理由は、それですか」

 

 納得した雰囲気のカフェ。

正体がバレる前のライスやウララみたいな感じか。

 

「カッフェ!? 山田クンはねえ……人間男性として格闘ウマ娘に勝った前人未到の人類なのだよ!? それをそんな軽く!」

 

「でも山田さんは、山田さんですから」

 

 ……いい子だな、カフェ。

ああ、やっぱりウマ娘は最高だぜ……

 

「で、俺の正体はわかったわけだが……それでタキオン、その上で何の話があるんだ?」

 

 ただ正体が知りたいってミーハーな雰囲気じゃねえもんな、コイツ。

 

「むむむ……何やら釈然としないが、まあいいだろう! 私の目的はだね……」

 

 気を取り直したように懐をさぐり、タキオンは何本かの試験管を取り出した。

なんだそれ、虹色に発光してるんだが?

 

「キミのとんでもない体のヒミツを知りたいのだよ! ささ、まずはこの試薬を飲んでくれたまえ!!」

 

「あ、それ無理」

 

 

「ええぇーーーーーーーーーーーーーーーッ!?!?!?!?!?!?」

 

 

 うわうるせえ!?

何でお前驚く時だけこんなに声がデカいんだよ!?

 

「な、何故だい!? キミは私のような見目麗しいウマ娘の言うことはホイホイ聞いてしまうウマコン野郎じゃないのかい痛ァい!?」

 

 カフェのチョップが、タキオンの顔面に炸裂した。

 

「……ご飯まで世話してもらった人に言う言葉ですか、それが」

 

 おお、なんか背景が揺らめいてる感じだ。

怒ると迫力があるなあ、カフェ。

 

「まあまあ、落ち着けよカフェ。俺もタキオンみてえないい子のお願いなら聞いてやりたい所なんだがな……」

 

「いい、子!?」

 

 なんでそこで驚くんだカフェ。

俺の飯をウマイウマイって食うんだからいい子に決まってんだろ?

……まあいいや。

 

「スマンがU-1との契約がある。大会期間中は薬品の類をおいそれと摂取できんのだ」

 

 飲むだけでウマ娘に勝てるようになる薬なんざねえが、それでもな。

ドーピング扱いで失格になっちまったら死んでも死に切れねえ。

 

「むぅ……私の試薬は検査に引っかかるようなものではないが……そう言われると何も言えないねえ、山田クンにはよくご飯を貰ってるからねえ……」

 

 お、わかってくれたか。

 

「では!運動能力のデータを取らせてくれないか? 安心するがいい、これは純然たる好奇心によるもので、外部に漏らしたりはしないからねえ!!」

 

 タキオンはぐいっと身を乗り出し、向かいに座っている俺の胸倉を半ば掴んだ。

サンドウィッチがあやうく潰れるところだったぜ。

はしたねえぞ、タキオン。

 

「近い近い……嫁入り前の娘がそんなに寄るもんじゃねえよ」「むわわ」

 

 それを引き剥がす。

まったく……目が怖ェよ。

 

「流石にヒグマと戦えとかは言わねえよな?」

 

「キミは私を人殺しかなにかと思っているのかい……? いやまさか、キミはヒグマに勝てるのかい!?」

 

 おおお、また近いなコイツ。

 

「勝てるのかっていうか、勝ったぞ」

 

 

「えええぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?!?!?!?」

 

 

 騒がしいなあ、本日3度目だ。

性格も容姿も全然違うが、同じアグネスのデジタルに引けを取らない叫びだ。

アグネス一族はみんな肺活量おばけなのか?

 

 しかし、何をすりゃいいのかな。

 




【アグネスタキオンのヒミツ】
・実は、山田にしょっちゅう何かを食べさせてもらっている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。