ts娘のやつ   作:霜降り 

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息抜きのやつです。
軽く書いて緩く更新するやつ


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 男が女になる話が最近流行ってるらしい。

 そんなことを最近結構なオタクの友達から聞いていた。

 なんでそんなのが人気なのかはそういうのに疎い僕にはわからなかったけど、まあともかく流行ってるのだとか。

 さて、そんな話を突然したわけだけど。

 

 もし、創作物の話がリアルで起こったらどうなるのだろう?

 みんな考えたことがあると思う。

 僕だってそうだ。

 きっと人生で一度はみな考えるような妄想。

 それは非日常に憧れる人間としては当然のことだ。

 みんなとても楽しい世界を妄想する。

 でも、今は、

 妄想の話じゃなくてリアルの話。

 超能力だとか、宇宙人だとか。

 まあ、なんでもいいのだけど。

 

 朝起きたら、男から女になるのとか。

 

 そんなのがリアルで起こったらどうなるのだろう?

 

 そんなの、

 

「だっ誰!?」

 

 恐怖

 

「お前誰だ!息子をどこにやった!」

 

 怒り

 

「出てって!出てって!」

 

 排斥

 

 そんなところであるというのを僕は今さっき知った。

 

 

 

 

 

 五十嵐宏大(いがらしこうだい)はクズである。

 それは他人から見てもそうであるし、本人からしてもそうであった。

 

「ちっ、負けか……」

 

 騒音なり響くパチンコ店の中から現れた彼はそうつぶやく。

 手に持つのは真っ黒な無地のよくある男の財布、その中には数千円程度の紙幣がチラ見していた。

 頭をかき、明らかに苛ついている彼に横を通りすがったデキる女といった感じのスーツをきた女性が汚らしいものを見るかのような目線を向ける。

 そんな女に宏大はムカつきはしたものの、軽く舌打ちをするとポッケに手を入れて帰路へつく。

 自他ともにクズであることを認める彼であるが流石に最後の一線を超えるようなことはしない。

 そこまでの度胸もないし、そこまで倫理観を捨てたわけでもなかった。

 

 帰り道の途中、コンビニによった彼は日本語の怪しい外国人のバイトに若干イラつきつつ煙草とお酒を購入する。

 

(これであと3000……流石に節約しないとまじぃか……)

 

 最近パチンコで負け続きの彼の全財産はなんと財布に入ってる数枚の札だけである。

 これでは流石におちおちとパチるわけにもいかない。

 煙草だって恐らく今買ったのが最後だろう。

 はあ、と彼はため息を吐く。

 すると煙が口から溢れ、灰色の空へと霧散していった。

 そんな様子をぼーっと眺めながら彼は思う。

 

(なんでこうなっちまったかなぁ)

 

 元々、彼はこんな人間だったわけではない。

 むしろ五十嵐宏大という人間は優秀、そんな言葉が似合う人間だった。

 

 子供の頃は人一倍頭が良かった。

 物覚えもいいし、品行方正、中学高校ともに生徒会長を務める。

 いわばエリートの卵、そんな子供だった。

 彼がそんな優等生でいられたのは親の期待に答えるためだった。

 親の期待に答えてあげるために。

 彼は頑張ったのである。

 

(今思えば、それが間違いだった)

 

 中学受験、高校受験、人生においてもっとも大きいと言えるような壁を彼はエスカレーターを登るようにすいすいと登っていた。

 そして、大学受験も中高とは違いそれなりに苦労しながらも合格。

 頂点ではないがトップクラス、卒業できれば就職には困らない。

 そんな大学に入ることができた。

 まさに順風満帆と言ってもいい人生だった。

 

 しかし、そんな彼の人生はここから急落する。

 

 彼の親も自身さえも気づいていなかった。

 彼は今までの人生で無茶をしていたのである。

 親の期待に答えるために、たったそれだけのために、彼は自分のキャパシティを超える行為を当たり前のようにしていた。

 そして、彼は自分のキャパシティというものを理解していなかった。

 その人生を例えるなら常に伸ばされたゴムである。

 ゴムを少しずつ、少しずつ引っ張っていったらどうなるだろうか?

 ゴムなのだから当然、ある程度までは伸びる。

 しかし、何事だって限界はあるように

 ある程度まで伸びたときゴムはぱちんっ、と弾け飛ぶのだ。

 

(あのときの俺は、生真面目がすぎた)

 

 定期的な休息を取ればこんなことにはならなかっただろう。

 張り詰めたゴムも定期的に緩めれば、寿命が長くなる。

 しかし、生真面目だった昔の彼は休息というものが苦手だったのだ。

 休みの必要性を理解している今の彼が昔の自分にアドバイスできるとするならまず学校をサボれというだろう。

 しかし、昔の彼はそこまで人生経験がなかった。

 限界が来た彼は倒れ、病院に運ばれた。

 診断結果はただの疲労。

 拍子抜けした彼だったが、それから大学にいけなくなった。

 ゴムというのは一度千切れてしまえばくっつかない。

 彼の体はもう大学を行くという行為すら自身のキャパを超える行為になってしまったのだ。

 それから、親にも言わず大学は退学した。

 これ以上席を置くだけ無駄だと思ったからだ。

 その後、適当にバイトで日銭を稼いで暮らす生活が始まった。

 そうして、今に至る。

 

 親と最後に顔を合わせたのは何年前だったか。

 連絡すらとっていない、今の自分が合わせる顔なんてなかった。

 パチンコ、酒、煙草、碌でもない人間になってしまった自分を見せるぐらいなら、死んでるとでも思われたほうがマシだと思っている。

 

「はぁ……」

 

(昔のこと思い出すと嫌な気分になる)

 

 宏大からすれば昔の、人から見れば輝いていた時期なんてものは黒歴史でしかなかった。

 だってそれは子供が虚勢を張って、最終的に自分に返ってくるようなそんなくだらない喜劇のような話である。

 輝いていたなんて、過去形になってしまった時点でその過去にはなんの意味もない。

 煙草を踏み潰して火を消して、道の途中の灰皿にポイッと投げ入れる。

 辺りはもう暗くなり始めている。

 彼はもう一度ため息を吐くと家へと歩を進めた。

 

 

 

 宏大の住むアパートはそこそこ古く、現代の建築法が適用されていない、そんな地震が来たらまっさきに倒壊しそうなアパートである。

 しかし、その代わりとして安さに対して部屋が広く、正直いつ死んでも別にいいと思ってる宏大からすれば最高の物件であった。

 

「……ん?」

 

 そんなアパートの自分の部屋のドアの前。

 そこに一人、少女が座り込んでいた。

 最初に目についたのは胸。

 

(でか……)

 

 女性を見て一番最初に目につくのがそこなのはどうなのかといったところだが、その大きさを見れば仕方あるまい。

 横から見てもズドンと膨らんでいるのだ。

 男だったら見てしまうのも仕方ないだろう。

 AV女優でもあの大きさはそうそういねぇぞ、と宏大は思った。

 それに胸だけじゃないお尻もムチッとした桃尻。

 

(こんなエロ漫画の女みたいな奴いるのか……)

 

 宏大は、あまりにも失礼なことを思った。

 しかし、そう思ってしまうくらいには、その女は浮世離れした体つきだった。

 なんというか、女性の言うスタイルの良さではなく、男が好みそうなタイプのスタイルの良さであった。

 

 そんな女はどうも泣いたあとのようだ。

 乱雑に降ろされたウェーブのかかった髪の隙間から赤く腫れた顔が見えた。

 それでも可愛く見えるのはやはりそれだけの顔を持つからなのか。

 そして、服装を見るとどうも男物のパジャマのように見える。

 ナンパしなれてない宏大ですらナンパしたくなるような極上の女だったが、しかし

 

(……)

 

 明らかに厄介事。

 宏大は女から気づかれる前に物陰へと隠れ、どうするか考える。

 男物のパジャマを着た泣いてる女など、明らかに厄介事である。

 これで、何かトラブル……特に痴情のもつれ系統のトラブルに巻き込まれようものなら非常に面倒くさい。

 しかし、だからと言って放置するわけにいかない。

 あの女が座り込んでるのは自分の家の前。

 つまり、あれを無視すると家に帰ることができない。

 

 警察……というのも面倒だ。

 過去に何度か警察のお世話になったことがある宏大(犯人側ではない)からすれば警察はありがたい存在だが同時に時間がかかるものということも知っている。

 

「はぁ……話しかけるか」

 

(めんどくせぇ)

 

 とならばまあ、話しかけてどいてもらうしかないだろう。

 宏大は嫌そうな顔を浮かべ、そう決心する。

 これで面倒なことになったら即警察を呼ぶ。

 そう決めた宏大は、早速女の前に出た。

 

「あー、そこ俺んちなんで……」

 

 宏大が話しかけて、ようやく気がついたらしい女は、ばっと顔を上げて宏大を見つめる。

 正面から見ると彼女の顔の良さが改めて分かる。どちらかというとかわいい系の小動物のような顔つき。

 

「…………」

「っ……?」

 

 そんな彼女から捨てたられた子犬のような顔で見つられれば思わず宏大の言葉も詰まる。

 女は、宏大の顔を見てボソリ、とつぶやいた。

 

「宏にぃ……」

 

 彼女の言葉に宏大は驚愕する。

 まるで、子供が親戚の兄を呼ぶように呟かれたその言葉は宏大の名前である。

 

 しかし、宏大は当然こんな女を知らない。

 何故、自分の名前を知ってるのか。

 彼女は何者かと、もう一度彼女の顔を確認した。

 

(……いや、待て。どこかで見たことあるような)

 

 改めて彼女の顔を観察して気づく。

 どこか見覚えがあるのだ。

 名前を知っているのなら、学校の同級生?

 しかし、同級生でこんな呼び方をするやつはいない。

 必死に思い出そうと、脳の中をひっくり返して思い返す。

 しかし、いくら思い返しても、こんな女は彼の記憶の中には出てこない。

 それでも、彼は直感的にその名前を呟いた。

 

伊咲(いさき)……?」

 

 伊咲(いさき)、それは宏大の従兄弟の名前だった。

 何故、その名前が思い浮かんだのかは分からない。

 ただ、なんとなく彼女の顔は昔の伊咲の顔に似ているような気がした。

 だが、呟いてすぐ、宏大は頭の中ですぐに否定する。

 だって伊咲は男なのだ。女ではない。

 眼の前にいる人物とは似ても似つかない。

 

 しかし、そんな宏大の予想に反して女はその言葉に反応した。

 

「わ、分かるの……?」

「え?」

「宏兄は……僕のこと分かるの……?」

 

 まるで縋るかのように、宏大へ彼女は問いかける。

 そんな彼女の反応に、いや、まさか、あり得ないと思いながらも宏大は確認するかのように言った。

 

「まさか……伊咲、なのか?」

 

 彼女は無言で頷いた。

 

 

 

「汚いのは許してくれ」

「ううん……突然来た僕が悪いから」

 

 宏大はまだ、彼女が伊咲だということを信じ切ってはいない。

 しかし、あんなことを言われて無視することもできず

 取り敢えず話を聞くにしても、外というのは彼女の服も考えるとまずい、と思った宏大は自身の部屋の中で彼女から話を聞くことにした。

 宏大の部屋は正直に言えば汚い……だが、まあ、男の一人暮らしと考えればこんなものではある

 そんな感じの部屋だったがしかし、伊咲と名乗る女は特に気にしてないようだった。

 食事の時くらいにしか使わないテーブルを挟んで向かい合う。

 再度可愛い顔だな、と宏大は思った。

 

「久しぶり、か」

「う、うん。久しぶり」

「何年ぶりだ?前あったのはいつだったか」

「……確か、三年前の中学のときの夏休みだったと思う」

 

 彼女の答えに適当に返答しつつ、宏大は考える。

 宏大は伊咲と最後にあったときをしっかりと覚えていた。

 なら、何故そのことを聞いたのかと言えば、軽い鎌掛けを仕掛けるためだ。

 そして彼女の答えは宏大の記憶と一致していた。

 まさか本当にこの女は伊咲なのだろうか。

 推定だったものが確信へと近づいていく。

 しかし、改めて見ても彼女は伊咲とは似ても似つかない。

 伊咲はこんな胸が大きくないし、お尻が大きくもなかったし、記憶の中の伊咲が成長したら多分身長はもっとでかいはずだ。

 強いて言えば目つきが少し似ているだろうか、恐らく先ほど感じた既視感はここだったのだろう。

 

「あんときは海だったか」

「ううん、それは僕が小学校のとき、中学のときは山」

 

 一応と思い再度鎌をかければ、しっかりと訂正してくる。

 ここまでくれば、彼女が伊咲であることを一先ず信じてもいいと宏大は思った。

 

「あー、んー、……伊咲なんだよな?」

「う、うん。信じられないかもだけど」

「いや……まあ、そりゃあなぁ」

 

 三年ぶりにあった従兄弟が女になってるなんてのは、伊咲の言う通り確かに信じられない話だった。

  漫画でよくある実は女でしたではないのは、昔、一緒にお風呂に入ったときにブツを確認していたので分かっている 。

 というか、元々女だったにしてもこうはならないだろう。

 だというのに、眼の前の伊咲は女である。

  女装とかではない、骨格からして明らかに女だった。

 

「単刀直入に聞くけどさ……なんで女になってんの?」

「わかんない、起きたらこうなってた……」

 

 嘘つけ、と否定しそうになる口を宏大は理性で止める

 とても信じられた話ではないものの、だからといって直情的に否定するのは、どこか不安げな伊咲に対して酷だと思ったからだ。

 

「なんでそんなことに」

「分かんない」

「心当たりとかは?」

「分かんないよ……ほんとに、分かんない」

 

 うつむき、絞り出すような声でそういう伊咲に宏大は何も言えない。

 その様子に冗談の色はとても見えない。ただ自身に起きた不条理に怯えているだけにしか見えなかった。

 どうやら本当に原因は不明のようだった。

 

「それで、なんで俺のところに来たんだ?そんなことが起きたなら家族を頼ったほうがいいだろ?」

 

 正直に言えば、宏大は女になったこと以上にそこが気になっていた。

 女になるなんて非常事態、親戚とはいえ三年も会ってないような奴よりかは家族に頼った方がいいのは当然だろう

 

(ま、俺が言えたもんじゃねぇが)

 

 自身のことを棚上げしてることを自嘲しながら、返答を待つ。

 彼女はぽつりぽつりと宏大の家に来た理由を話し始めた。

 

「家族は……その、追い出されたの」

「あ?追い出され……っ、ああ……なるほど」

「……お母さんもお父さんも、信じてくれなかった」

 

 彼女が家族を頼れなかった理由に宏大は顔をしかめる。

 家族からすれば知らない女が家にいたわけだ。その反応は察せられる。

 自身の身に起きた異常事態、それですら焦るというのに家族にすら信用されず追い出される。

 涙目になりながらどこか怯えたような様子の彼女から、追い出されたなんて言い方はオブラートに包んだ言葉なのだと宏大は察した。

 恐らく排斥、そんな扱いをもらったのだろう。

 

(俺でも気づけたのに、親どもは何してんだか)

 

 どおりで、泣いていたわけだ。

 宏大の覚えてる限り伊咲の家族仲は宏大と違い良好で仲良し家族といった感じだった。

 だからこそ、ショックも大きかったのだろう。

 

「それで、もうなんもわかんなくなっちゃって……気づいたらここに来てた」

「……そうか」

 

 うつむく彼女に宏大は何も言えない。

 家族に捨てられるそれがどれほど辛いのか。

 自分から捨ててしまった宏大には分からない。

 

「僕、どうすればいいのかな」

 

 呟かれたその言葉は不安に押しつぶされたかのように霞んでいる。

 宏大に彼女の気持ちは分からない。

 

 しかし、宏大は知っている。

 

「んまあ……取り敢えず、俺んちに泊まっとけ」

「……それは、申し訳ない、し」

 

 宏大の性格からすれば、彼女を泊めることなんてしなかった。

 それでも、泊めることにしたのは……

 ふと、宏大は昔の自分を思い出す。

 自分の状況を考えず宏大のことを気にするその姿は昔の自分を幻視させた。

 彼女の気持ちはわからないけれど、こういうとき自分がしてほしかったことなら分かる。

 だから、

 

「金には余裕あるしな。一人増えたくらいでどってことねぇよ」

 

 嘘をつく。

 金に余裕なんてものはなかった。

 それでも余裕があるといったのは、彼女の罪悪感を少しでも減らすためだ。

 

(これ以上溜め込めさせるわけにもな)

 

 経験則で知っている人間のキャパ。

 彼女はもう限界を超えている。それが宏大には一目でわかった。

 そんな状態で下手に刺激したら最悪、自殺してもおかしくないし、そこまでいかないにしても変な方向にこじれる可能性だってある。

 

「お前はなんも考えなくていいから……うちで過ごしてけ」

 

 結局、伊咲の問題ゆえ、宏大は下手にその問題に手を出せない。

 一応宏大はやろうと思えば伊咲の家族と連絡することは可能だ。

 しかし、今の伊咲と家族を会わせるのが正解なのかは怪しいものがある。

 排斥されたことがトラウマになっていてもおかしくない。

 

 だから解決するには伊咲が自分からどうにかするしかないだろう。

 宏大のできることは、こうやって彼女が受け入れられるの場所を作ることだけだ。

 でも、それでいい。

 己を理解してくれる人が一人でもいれば、自分みたいにはならない。

 

「……そっか、ありがとう」

 

 少しは気が楽になったのだろうか。

 そういう伊咲の顔が少し柔らかくなっている。

 

「うし、じゃあ」

 

 宏大はビニール袋から二つの缶を取り出し、蓋を開けた。

 プッシュっ!と炭酸飲料特有の音が二回なる。

 そのうちの一つを伊咲の前へもっていた。

 

「ほれ」

「……あの」

「なんだ?」

「……これお酒だよね?」

 

 銀色の缶の一箇所を伊咲が指差す。

 そこにはアルコール3%と未成年が間違えて飲まないようにしっかり書かれていた。

 

「僕まだ十七……」

「伊咲、いいことを教えてやろう」

「なに?」

 

 自信満々にのたまう宏大に呆れを含んだジト目が向けられる。

 

「時には羽目を外すことも大事だぜ」

「…………そっか」

 

 無駄にいい顔をする宏大に、やはり呆れつつ伊咲は頷いた。

 伊咲は昔の宏大の姿を思い出す。

 

(懐かしいな)

 

 昔から宏大は真面目なものの羽目をはずときは結構外すタイプだった。

 そして、そんな時よく伊咲は巻き込まれてたのだ。

 

「宏にぃは僕と違って変わってないね」

 

 くすり、と伊咲が初めて笑う。

 そして、缶を口元へもっていくと、軽く口をつけた。

 初めて飲む酒の味、伊咲は少し怖くてちょじちょびと小動物のように少しずつ口の中に流し込んだ。

 

「あ、美味しい」

「だろ?」

 

 それから二人はさっきまでのことを忘れて、昔のように話し続けた。

 そうして夜が明けて……

 

 

 

「っ……あったまいてぇ……」

 

 二日酔いの頭痛で目を覚ました宏大は、

 

「あ?すーーーっ……」

 

 自身が全裸であることと、隣で全裸の伊咲が寝ていること。

 少し布団がカピ付いてるのに気がついて

 顔を青ざめた。

 

 良いこと言ったとて

 

 クズはクズである。

 




R18にならないように気をつける。
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