流星街に舞い降りた人造人間   作:女主人公スキー

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11.三次試験

「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。

試験内容は、生きて72時間以内に塔の下まで辿り着くこと。

では、試験スタートです!」

 

 

 トリックタワーの頂上は円形の平坦な床だ。

外周は窓一つない外壁、取っ掛かりになるものも少ない。

一人、ロッククライミングに自信を持つ者が降りて行ったが、怪鳥に食われ死んでいった。

 

 

「馬鹿が……死んだら治療できないのに」

 

「もう何も言うまい……」

 

 

 クラピカは18号の独り言へのツッコミを放棄した。

 

 

「キルアとちょっと調べてみたんだけど、隠された入口をいくつか見つけたよ」

 

「無数にあるぜ。近くのやつに入ったら全員で挑めるかもな」

 

「とにかくやってみるしかあるまい。あまりモタモタもしていられない」

 

「だな。でよ……物は相談なんだが……」

 

 

 レオリオは18号に視線を向ける。

 

 

「なんだ、レオリオ」

 

「今回から、18号とはちょっと離れて挑みたいんだよな」

 

「ほう?」

 

 

 レオリオの提案に18号は意外そうな顔をした。

 

 

「18号がいると、最悪どうとでもなる気がして緊張感がな……」

 

「あ~……」

 

「確かに、ここも瞬間移動使えば突破できるよね」

 

「それでは私達にとってプラスにはならない、か」

 

 

 18号は4人を見回して、息を吐いた。

 

 

「分かったよ。今後は別行動にする。時々様子は身に来るかもしれないが、いいか?」

 

「もちろん!」

 

「結構心配性だよな、オメーはよ」

 

「それじゃ、下でまた会おう」

 

「じゃあな」

 

 

 そう言って、4人は見つけた入口のほうへ走っていった。

それを眺める18号の肩を何者かが叩く。

 

 

「じゃあ、ボクと一緒に行こうよ♥」

 

 

 振り向いた18号に向かってヒソカが誘いをかけてくる。

18号は露骨に嫌そうな顔をした。

 

 

「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない♠あんなに殺(あい)しあった仲なのに♦」

 

「そこらのザコよりはマシか……足を引っ張るなよ」

 

「もちろん♠それと、もう一人友達を紹介するね♦ほら、ギタラクル♥」

 

 

 そう言って、ヒソカが紹介した男――ギタラクルは異様な男だった。

顔中に太い針が刺さっていて、モヒカン頭。目つきも悪く、どう見ても堅気の人間じゃない。

 

 

「よろしく……」

 

 

 顔をカタカタ鳴らしながらギタラクルはそう言った。

 

 

「お前の周り、変態しかいないのか?」

 

「心外だな♠それより、ボクらも入口を探そうよ♣」

 

「ふん……」

 

 

 そう言って、3人はそれぞれ入口を探し始める。

 

 

「おっ」

 

 

 探し始めて1分も経たず、18号は入口を見つける。

チラ、と二人を見るとまだ入口を見つけていないか、吟味しているようだ。

 

 

(先に行ってしまうか……? うん、そうしよう)

 

 

 18号は二人が見ていないことを確認して、下へ降りた。

 

 

 

 

 降りた先は出口のない部屋だった。

中央のテーブルには3人分のタイマーのついた腕輪が置いてある。

よく見ると、〇と×のボタンがついている。

 

 周りを見回すと、この世界の文字で何やら書いてある。

 

 

『多数決の道 君達三人はここからゴールまでの道のりを多数決で乗り越えなければならない』

 

 

(三人……ね)

 

 

 そうこうしていると、天井から音がして二人、人が落ちてくる。

 

 

「や♥」

 

「……(カタカタ)」

 

「お前……何で」

 

「『伸縮自在の愛(バンジーガム』だよ♠こんな事もあろうかと、こっそりつけてたんだ♦」

 

(まさか、肩を叩かれたあの時か? やられたな……)

 

 

 18号は黙って腕輪を装着した。

ヒソカとギタラクルもそれにならって装着する。

 

 

すると、ゴゴゴと壁が動きドアが現れる。

『この部屋を脱出する 〇はい ×いいえ』

〇3×0でドアが開く。

 

 

「さぁ、行こうか♣」

 

「……はぁ」

 

「……(カタカタ)」

 

 

 

 

「ねぇ、もう変装といていいんじゃない?♠人の目もないわけだし♦」

 

「……駄目だ(カタカタ)こいつを信用できない(カタカタ)」

 

「大丈夫だよ♣彼女は約束は守るタイプだ♥」

 

「……分かった(カタカタ)仕方ない」

 

「それ、変装だったのか……」

 

 

 ギタラクルが針の一つを抜くと、顔の形と髪型がぐちゃぐちゃと変わっていく。

30秒もすると顔に刺さっていたすべての針が抜け、黒の長髪の死んだ目の男がそこにいた。

 

 

「うーん、いつ見ても不思議♦」

 

「モヒカン頭が長髪になるのはおかしくないか?」

 

「あり得ないから変装になるんだよ。おかげでキルには怪しまれてない」

 

「……キル?」

 

「改めて紹介しよう♣彼はイルミ=ゾルディック♦」

 

「ゾルディック……キルアの親族か」

 

「兄だよ。俺が長男、キルが三男」

 

「わざわざ家出した弟を連れ戻しに追いかけてきたのか?」

 

「彼、かなりのブラコンだから♥」

 

「否定はしないけど、なんかムカつくな」

 

「お前は……キルアをどうするつもりだ?」

 

「もちろん連れ戻すよ。キルは一流の暗殺者になれる。ハンターにはならせない。

資格としてはいずれ取ってもいいけどさ。こんな形では取らせない。それに」

 

「……それに?」

 

 

 突然早口になったイルミに引きつつ、18号が訊ねる。

 

 

「お前も含めて、キルとつるんでいる奴ら……許せない。

キルとあんなに親し気に話して……俺とはまともに話してくれないのに」

 

「筋金入りだな、コイツ……」

 

「でしょ♠」

 

 

 

 

 先へ進んでいくと正方形のリングがある広場に出た。

すぐに試験官らしき男の声がする。

 

 

『ようこそ、死の闘技場へ。君達はこれから死刑囚と戦ってもらう』

 

『しかもただの死刑囚ではない、全員念能力者だ』

 

『ルールは2つ。①相手を必ず殺せ。②全勝が突破条件、だ』

 

「多数決関係なくない?」

 

「確かにな。わたし達はさしずめ、都合のいい死刑執行人ってとこか」

 

「そういや、キミって殺しNGじゃなかったっけ?♠」

 

「別にNGってわけじゃない。殺したあとが面倒なだけだ……死刑囚なら問題ない」

 

「なるほど♥」

 

『では、誰が戦うか決めたまえ。それぞれにピッタリの相手を用意している』

 

「じゃあ、ボクが行こうかな♠」

 

「「負けたら殺す」」

 

「応援ありがとう♥行ってくるよ♦」

 

 

 

『44番、キミか。なら『ハンター殺し』、お前が適任だ』

 

「了解……」

 

 

 反対側の通路から出てきたのは細身だが筋肉質の男だった。

 

 

「ハンター殺し? 随分物騒な二つ名だね♣」

 

『この男はハンターライセンスを手に入れて売るために、多数の新人ハンターを殺害した。

故に『ハンター殺し』と呼ばれている』

 

 

ハンター殺しとヒソカはリングの中央に立って向かい合う。

 

 

『では、ハンター殺しの拘束を解除する。それと同時に死合開始だ』

 

 

 カチャ、という音がしてゴトリと巨大な手錠が外れる。

その音と同時にヒソカは隠を使った『伸縮自在の愛(バンジーガム』をハンター殺しに飛ばす。

しかし、ハンター殺しはそれを事もなげに躱す。

 

 

「もしかしてボクの能力バレてる?♦」

 

「試験官に聞いている。貴様とまともにやり合う気はない」

 

 

 ハンター殺しはそう言うと、ヒソカと大きく距離を取る。

そして、具現化した銃を構え、撃ち放つ。

 

 

「具現化系か♠」

 

 

 言いながら、ヒソカは初撃を躱して距離を詰めにかかる。

しかし、背中に銃弾を受け、思わず動きを止める。

 

 

「躱したはずだけど♦追尾性能でもついているのかな♥」

 

「正解。それもオーラに反応する追尾弾だ。さぁ、どうする」

 

 

 ハンター殺しは2発、3発と撃つ。

ヒソカは物は試し、と『絶』でオーラを消してみる。

すると弾丸の性質が代わり、今度は弾丸をオーラが纏いはじめる。

 

 

「絶をしても無駄だ。今度はオーラを付与した強化弾。『堅』をしなければ致命傷を負うぞ」

 

 

 ヒソカは言われた通り『堅』で銃弾をガードする。

『堅』ならば大したダメージは入らないようだ。

 

 

「ふぅん、なるほどね♦」

 

「この2つの弾丸から身を守るには『堅』を維持する、それしかない。

維持できなければ俺の勝ち……! ほら、どんどん行くぞ!!」

 

 

 ハンター殺しはそう言って、さらに銃を撃ちこもうとする。

 

 

「嘘だね♠弾丸に付与した力は3つだ♣違うかい?♥」

 

「何?」

 

「たぶん、3つ目の弾丸は『オーラの防御を無視する』んだ♠

『堅』でガードしてる相手は、油断してそれを受けてしまい、死に至る♦そんなとこだろ?♥」

 

「な……」

 

「なかなか良い念能力だけど、致命的な弱点があるね♣」

 

 

 ハンター殺しが4発、5発と撃ってくる。それをヒソカは躱す。躱し続ける。

 

 

「対処が簡単すぎる♠全部、当たらなければどうということはない♥」

 

 

 ヒソカは『絶』の状態で全ての銃弾を躱していく。

一発でも当たれば致命傷になるが、恐怖は全くないようだ。

 

 

「馬鹿なっ」

 

「そして、銃である以上はリロードが必要になる♠」

 

 

 カチカチ、と空しい音が鳴る。

 

 

「ま、待っ」

 

「はい、お死舞♥」

 

 

 『周』で強化したトランプを鎌のような形に繋げ、ハンター殺しの首に振るう。

ゴトリ、とハンター殺しの首が床に落ち、少し遅れて血しぶきが雨のように降った。

 

 

『44番の勝利だ。お見事』

 

 

「どうも♠」

 

 

 そう言って、ヒソカは18号とイルミの元に戻る。

 

 

「背中撃たれちゃったよ♠治して♥」

 

「30万ジェニー上乗せな」

 

「はいはい♣」

 

(安……)

 

 

『次はどちらが行く?』

 

「俺が行くよ」

 

『301番――ギタラクル、もといイルミ=ゾルディックか。

キミの詳細な能力は知らないが、操作系ということだけは聞いているよ』

 

「まぁ、そこは調べれば分かるからね」

 

『よって、君の対戦相手は『殺戮人形』が相応しい。出ろ』

 

「わ、分かった」

 

 

 反対側の通路から気弱そうな男がビクビクと震えながら出てくる。

 

 

『彼は親に言われるがまま念能力を作り、その能力で親の望むまま人を殺し続けた。

能力は操作系で、自己操作で実力以上の力で戦う。誰が呼んだか『殺戮人形』』

 

 

「自己操作かー(針人間にはできないな)」

 

「お、俺の能力はそれだけじゃない……。俺は最強なんだ……」

 

「へー。でも自分で最強って言うやつ、大体弱いよね」

 

 

 イルミの挑発に、男は激高しオーラを爆発させる。

 

 

「こ、後悔させてやる……!」

 

『では、死合を開始したまえ』

 

 

 開始の合図と共に男は能力を発動させる。

 

 

「『俺より弱い奴に会いに行く(ナーフ・ファイター)』……!」

 

 

 イルミは身体に異変を感じた。肉体ががくっと重くなった感覚。

 

 

(デバフ系能力? 他人に影響を及ぼす場合は、最低でも接触する必要があるはずだけど。

何か強い『誓約』でも課しているのかな)

 

「これで、お、お前は俺より弱くなった……」

 

「なるほど、それで?」

 

 

 イルミは身体の感覚を確かめながら訊き返した。

 

 

「この状態で、もう一つの自己操作&自己強化能力を使えばどうなると思う?

ふ、ふふ……怖いか?」

 

「いや……別に」

 

「その顔が恐怖に引き攣るのが楽しみだ……『絡繰り戦闘人形(デス・ドロイド)

 

 

 能力を発動させると同時に男は猛然とイルミに襲い掛かる。

男の戦闘スタイルは「敵を自分より弱くした上で、自身を強化し身体能力の差で圧倒する」というシンプルなもの。

だが、シンプル故に対処は難しい。

 

 

「死ね、死ね、死ね……!!」

 

 

「っと……ふっ……おっ……」

 

 

 男の猛攻にイルミは防戦一方のように見える。

だが、それでいてイルミにダメージはない。

 

 

「死ね……がっ!?……ぐふ……」

 

「キミね、能力に胡坐かきすぎ。修練不足じゃない?」

 

 

 隙を見つけて反撃されると、今度は逆に男にばかりダメージが累積していく。

そこそこのダメージだが塵も積もればで男は次第に追い詰められる。

 

 

「何が起きてるんだ?」

 

「オーラを見てごらんよ♥」

 

 

 疑問を呈す18号に、ヒソカが答えた。

言われた通りオーラを見てみると、それはおかしな動きを見せていた。

アメーバのようにオーラがうねうねと動き続けているのだ。

 

 

「オーラの攻防力移動♠『流』って言うんだけどね♦彼、それが病的に巧いんだよね♥」

 

 

 イルミは男の70のオーラを纏った攻撃には、80の防御で受ける。

防御はその逆――なのだが、男は防御のオーラ移動がいまいちで、攻撃は素通しに近かった。

 

 

「ば、ばがな゙……ぐぉぇ!!」

 

 

 大きな一撃を喰らった男は腹を押さえながら、ジリジリと後ずさる。

 

 

(まずい、このままでは、ま、負)

 

 

 その時、イルミの身体の重さがふっとなくなる。

 

 

「お、戻った」

 

「あ……ああああああああああっ!!」

 

 

 男が『俺より弱い奴に会いに行く(ナーフ・ファイター)』使用時に課した誓約は

「必ず相手に勝利すること。一瞬でも敗北が頭を過ぎれば能力は解除され、再使用はできない」。

 

 

「あー……つまんない人生だったね? ご愁傷様」

 

「ふっ、ふざけ――」

 

 

 イルミは制限されていたスピードを駆使し、男の攻撃を全て躱す。

そして『硬』で強化された貫手で『殺戮人形』の心臓を貫いた。

 

 

『死合終了。301番の勝利だ。素晴らしい』

 

「歯ごたえのない相手だったなー。というか、そもそも賞金首ハンターに捕まってる時点で……ねぇ」

 

「言えてる♣」

 

「弱体化する奴、多分複数相手には使えないんだろうな……」

 

 

 18号はそう呟いて、『殺戮人形』が捕まった理由を想像した。

 

 

『さて、最後はキミだな。406番』

 

「ん……」

 

『正直、こちらとしてもキミは底知れなくて困っている。

誰でも結果は同じだろうが、君を殺せそうな能力を選んでみたよ』

 

「どうでもいい、さっさとしろ」

 

『では『マッドガッサー』、出たまえ』

 

「ヒヒ、了解」

 

 

 対面の通路からは『マッドガッサー』と呼ばれた筋肉質の男が出てきた。

 

 

「こんな美人の苦痛に歪んだ顔が見れるとは、俺ぁついてるぜ」

 

「……気持ち悪い奴だな」

 

 

 とっとと終わらせようと独りごちて、18号は準備を始める。

 

 

『では、死合開始』

 

 

 開始の合図と同時に、男は口を大きく開けて、見えない何かを吐き出した。

 

 

「死になァ!! 『毒ガスブレス(くさい息)』!!」

 

 

 18号はそれを躱すと、右手の人差し指と中指を立てて、相手に向ける。

 

 

「『魔貫光殺砲』」

 

 

 開始前から密かに指先に溜めていた気を解放し、螺旋状のエネルギー波を飛ばす。

 

 

「……あ?」

 

 

 超高速で放たれるそれに反応できるはずもなく、男は成す術なく眉間を貫かれた。

 

 

「今の技、やば♥」

 

「あのスピード……回避も簡単じゃないね」

 

 

 ヒソカやイルミをもってしても、魔貫光殺砲を突然放たれたら何も対処できないだろう。

それほどの威力とスピードを兼ね備えた技なのだ。

 

 

『……』

 

「……? おい、私の勝ちだろ」

 

 

 その時、『マッドガッサー』の殺人への執念が、放った念を強化する。

毒ガスが意志を持ったように集まり、18号に直撃する。

 

 

『殺した後も気を抜かぬ事だ。『死後強まる念』というものもある』

 

「う……」

 

 

 18号は膝をつく。強烈な眩暈と吐き気に襲われる。

即座に治癒能力で自身を治療する。

 

 

「……治ったか。毒にも効くか不安だったが……」

 

『ふっ……406番の勝利だ。これで全勝、先へ進むがいい』

 

 

 リングの中央に下り階段が現れる。

それを受けてイルミとヒソカが駆け寄ってくる。

 

 

「危なかったね♠いやぁ参考になったよ♥」

 

「キミを殺すなら毒は有効なわけだ。強力な奴ならあるいは……」

 

「目の前で殺す算段を立てるんじゃないよ……わたしはお前らと違って善良な一般市民だぞ……」

 

「善良なのは認めるけど、一般市民はない♦」

 

「……」

 

「ほら、先へ進むよ」

 

 

 3人はトリックタワーを下っていく。

 

 

 

 

 そこからは様々な仕掛けや罠、仲間割れを誘う部屋など色々あった。

そして、18号は――

 

 

「なんか面倒になってきたな……」

 

「どうするつもり?♠」

 

「この辺、タワーの外側に近い。もう外壁から下に降りたほうが早いだろ」

 

「一理あるね。ボク達も連れてってくれるなら、それでもいいよ」

 

「ええー……♣ホントにやるの?♦」

 

「ああ、離れてなヒソカ」

 

 

 18号は両手で四角形を作る。

 

 

「『気功砲』」

 

 

 四角形の形で外壁が破壊され、外の風景が見えた。

 

 

「よし、行くぞ。手を掴んでろ」

 

「はいはい♠」

 

 

 18号達は壁から飛び出し、猛スピードで降りていく。

怪鳥がそれに気付き、狙いを定め急降下する。

 

 

「狙われてるけど」

 

「無駄だ、わたしのほうが早い」

 

 

 18号はあっという間に地面へ到達し、衝突寸前で浮き上がり、ふわっと着地する。

怪鳥が少し遅れて18号達に迫るが――

 

 

「『魔閃光』」

 

 

 18号の両掌から強烈なエネルギー波が放たれ、怪鳥は消し炭となる。

 

 

「すご♥キミ、いくつ能力持ってるの?♦」

 

「さぁな。それより、わたし達が一番乗りみたいだぞ」

 

「そりゃそうだろうね」

 

 

 そう言うとイルミは針を顔に指し、ギタラクルの姿に戻る。

 

 

「それじゃ、俺はゆっくり休ませてもらうよ」

 

「ボクも休もうかな♠四次試験が楽しみだね、18号♥」

 

 

 18号は二人の姿を見送ると、レオリオのオーラを探し瞬間移動する。

レオリオの元へ移動すると、そこは休憩部屋のようだった。

4人と見知らぬ小太りの男はそこで思い思いに過ごしていた。

 

 

「18号!?」

 

「休憩中か?」

 

「え、あ、いや……」

 

 

 レオリオはしどろもどろになっている。

 

 

「レオリオが女囚人の色香に惑わされてな。50時間のペナルティを支払わされているのだよ」

 

「おいクラピカ、言うなよ!」

 

「50時間ってまずくないか? 大丈夫なのか」

 

「あーまぁ何とかするさ。そっちはどうなんだ?」

 

「わたしはもうクリアした(ちょっとズルはしたが)」

 

「マジか……はえーな」

 

 

 レオリオの驚愕をよそに、18号は全員を見回す。

 

 

「瞑想中か。オーラは捉えられそうか?」

 

「オレより筋はいいと思うぜ」

 

「そうか……で、見覚えのない男がいるようだが」

 

「ああ、こいつはトンパだ。新人潰しのトンパ。俺らの足を散々引っ張りやがるクソヤローだ」

 

 

 18号はトンパに視線を向ける。

 

 

「新人潰しね……お前のせいで不合格になったら怪鳥の餌にしてやる」

 

「ハハ……心配しなくてもキミ含め、今年のルーキーは優秀だ。俺じゃ何もできないさ」

 

「ふん……。レオリオ、下で待ってるからな」

 

「おう、またな18号」

 

 

 18号はヒソカのオーラを探して、トリックタワーの麓に戻っていった。

 

 

 

 

 60時間後、タイムリミットが来て合格者が締め切られる。

レオリオ達5人は残り5分前で下まで辿り着いたようだ。

 

 

『タイムアップ!! 第三次試験、合格者は25名で締め切りとする!!』

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