流星街に舞い降りた人造人間   作:女主人公スキー

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6.念を習得しよう!(レオリオ)

「悪いな18号、実は携帯が壊れちまってな。番号も忘れたもんで……」

 

 

 ウボォーギンは頭を掻きながら18号に釈明する。

 

 

「それで連絡できなかったのか……。で、何でここに?」

 

「探偵雇って突き止めた。男の家って聞いてちと焦ったが……まともそうな奴で安心したぜ」

 

「で、解決したのか」

 

「まぁ、何とかな」

 

 

 部外者のレオリオがいるから詳細は話せない。

当のレオリオは途中だった料理を仕上げにキッチンに立っている。

 

 

「それで、この1か月半はどうだったんだ?

そういや、金を巻き上げてくる金髪の女がいるとかいう噂を聞いたが……」

 

「それは……わたしのことだな。已むに已まれず……」

 

 

 18号はウボォーギンにこれまでのことをポツポツと話した。

特に高級ホテルで所持金を溶かした件については、悪いと思いつつ笑い転げた。

 

 

「あー、笑った笑った。計画性なさすぎでウケるわ。やっぱ保護者が必要か」

 

「黙れ……くそ、話すんじゃなかった……」

 

 

 18号はむくれて食卓に座り込む。

 

 

「おいレオリオ、まだ出来ないのか?」

 

「無茶言うな、一人前増えてんだぞ。なぁ、そいつのこと、俺にも紹介してくれんだろうな?」

 

「分かってる、手伝ってやるから早くしろ」

 

 

 18号は食器棚から食器を取り出し、出来上がったものからよそっていく。

コップを並べ、冷蔵庫から飲み物や必要な調味料を取り出していく。

その様子を見たウボォーギンは思わず目を細める。

 

 

「随分甲斐甲斐しく動くようになったじゃねぇか。あん時は置物だったくせによ」

 

「うるさい。客は黙って座ってな」

 

「へいへいっと」

 

 

 二人が軽口を交わしているうちにレオリオがメインディッシュを運んできた。

 

 

「お待たせさん。さ、メシ食いながら自己紹介といこうぜ」

 

 

 

 

「同棲してたってマジか。よく無事だったな、色々」

 

「わたしがコイツに遅れを取るなんてことはない。何かしたらすぐぶっ飛ばせる」

 

「実際、何度もぶん殴られたしな」

 

 

 ウボォーギンが昔を懐かしむように言った。

 

 

「それが一番信じられねぇなぁ。ホントにウボォーさんより強いのか?」

 

「ふん、見せてやろうか?」

 

「いや、今はいいさ。ウボォーさんが大人しくしてるだけで十分だ」

 

 

 食事を終え、18号は食器を片付け、キッチンで洗い始める。

ウボォーギンは珍獣でも見るような目で見たあと、レオリオに視線を戻す。

 

 

「レオリオって言ったな。お前、18号のことをどう思ってる?」

 

「そんな怖い顔しないでくれよ。別に狙ったりはしてねーって」

 

「あんな美人なのにか?」

 

「そりゃ18号は美人だけど、異世界の人造人間だぞ? 正直手に余る……それに」

 

「それに?」

 

「5年で帰っちまうんだろ? 恋人にするなら、ずっと一緒にいてくれる人がいいよ」

 

「はっ、それもそうだな」

 

 

 食器洗いを負えた18号が戻ってくる。

 

 

「何の話をしてたんだ」

 

「男同士の話だよ」

 

「なんだそれ、まぁいいけど」

 

 

 18号はテレビのザッピングをしながら、ソファに寝転んでくつろぎ始めた。

 

 

「ところでウボォーさん、ちょっと相談がある」

 

「……初対面の俺にか?」

 

「あんたは強そうだし、18号と違ってこの世界の事情にも詳しいだろ。

実は――俺、ハンター試験を受けようと思ってる」

 

「ハンター試験? お前が?」

 

「ああ、俺の夢のためには金がいる。

ハンターになれば出来ることが増えるし、最悪ライセンスを売ればそれだけで大金持ちだ」

 

「ふぅん……で?」

 

「その……俺、ハンター試験に合格できると思うか?」

 

「……何とも言えねーな。俺のダチにハンターがいるが、かなり過酷な試験らしいぜ?

死人は毎年2桁は出てるって話だ。400人いて、1人しか合格しなかった年もあるとか」

 

「ハンターって何だ?」

 

 

 テレビを見ていた18号が知らない単語に反応を示す。

 

 

「ハンターってのはこっちの世界の職業の一つだよ。

危険を顧みず、世界中のお宝や、未発見の生物、鉱物、etcetc...そういうのをハントする仕事」

 

「ふーん……稼げるのか?」

 

「本業で稼げるかは本人の実力とハント対象にもよるだろうが、

とは言えプロハンターってだけで一目置かれるし、引く手あまただ。

年収1億ジェニーも夢じゃない」

 

「一億……だと……。その試験、わたしも受けれるのか?」

 

「国家試験に相当する試験だが、身分証明書の類は必要ないから受けれるはずだ」

 

「よし……わたしも受けよう。で、レオリオを守ってやる」

 

 

 18号がそう宣言すると、レオリオは驚愕し、ウボォーギンは頷いた。

 

 

「ハンターライセンスがあれば最強の身分証明になるし、いい考えかもな。

……ただ、レオリオを守るってのはそう簡単じゃねーぞ。

試験内容によっては別々で受けることになるかもしれねーだろ」

 

「むっ、確かに……」

 

「俺としても女に守られるってのは……できれば自分で勝ち取りたいぜ」

 

「なら、やることは一つだろ。レオリオ」

 

 

 ウボォーギンは立ち上がってレオリオに指をつきつける。

 

 

「修行して強くなれ! で、あわよくば念を習得しろ!

まぁ安心しな、俺が師匠になってやるよ」

 

「修行!? それに念ってなんだよ??」

 

「よし、まずは座学だな。念っていうのはな――」

 

 

 

 

「日中8時間は肉体強化と戦闘訓練のトレーニングだ。

残りの睡眠時間を含めた16時間で瞑想して、オーラを捉える訓練。

こっちは休みながらでも出来るからな」

 

「オーラねぇ……全然分からんが……」

 

「そっちは気長にやればいい。とりあえず、肉体強化からだな。

まずは走り込みだ、行くぞ」

 

「うし……やるか」

 

 

 そう言ってレオリオは準備体操を始め、ゆっくりと走り出した。

ウボォーギンはバイクで併走している。

 

 18号は特にやることはない。

が、一人家に戻るのも嫌なので、ウボォーのバイクの荷台に飛び乗って腰掛けた。

 

 

「私も見学いいか?」

 

「おう、背中に抱き着いてくれてもいいぜ」

 

「誰がするか」

 

 

 

 

「次は戦闘訓練だ。まずは何でもいいから打ち込んでこい。

俺に攻撃をクリーンヒットさせるのが目標だ。よし、やってみろ」

 

「行くぞ……!」

 

 レオリオがウボォーギンに向かって走り出し、一気に距離を詰める。

自己流の格闘術でウボォーギンに次々攻撃を仕掛けていく。

 

 医者志望で勉強漬けだったはずだが、それなりに様になっている。

若い頃(今も若いが)に結構やんちゃしてたのかもしれない。

 

 レオリオは時折フェイントを入れたりして、ウボォーギンを翻弄しようと頑張っている。

もちろん、百戦錬磨のウボォーギンには通じるはずもないが。

 

 

 

 

 食事が終わり、レオリオはオーラを捉えるべく瞑想をしている。

 

 

「一日の流れはこんな感じだな。週に一日は休養をとってもいい。

俺が住み込みでずっと見てやってもいいが、そこまで暇でもない」

 

「だろうな。あとはわたしがやる」

 

「それがいいだろうな……。時間ができたらまた様子を身に来るぜ」

 

「そうしてくれ。念に関してはほとんど分からないしな」

 

「じゃ、またな」

 

 

 そう言って、ウボォーギンは出て行った。

何かしてくるかと身構えていたが、あっさりとした別れに少し拍子抜けする。

 

 レオリオは瞑想しながら時折うんうん唸っている。

オーラを捉えるのはなかなか時間がかかりそうだ。

 

 

 

 

 そんな修行の日々が1か月ほど続いた。

なんとレオリオは1週間ほどでオーラを捉え始めた。

そこから『纏』に昇華させるほうが時間がかかっていた。

 

「なんとか『纏』はマスターしたぜ……時間はかかったが」

 

「なかなか才能があるんじゃね? 瞑想で覚える場合、半年以上かかる場合もあるらしいぜ」

 

「マジ? へへ、だったら嬉しいが」

 

「まぁ、念能力はここからが難しいんだがな。

次は『練』『絶』『凝』の練習だな。ここまでならまだ18号でも面倒見れるはずだ」

 

「オーラは見えるからな。そこから先は無理だぞ」

 

「正直、そこから先はちゃんとした奴に教わったほうがいいぞ。

ハンター試験まではひたすら反復練習でいいだろ」

 

「分かった、そうしておく」

 

 

 そこからは修行をしつつ、レオリオは勉強も再開する。

時折ウボォーギンがやってきて、アドバイスしたりして去っていった。

 

 そうして――ハンター試験へ向かう日がやってきた。




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