よろしくお願いします。
シャーレ強行犯係。
それは先生が生徒達の親睦を深める為に思い付いた、組織である。
捜査員は先生と、今回は特別なチームを起用。
タスク・フォースを編成し、告発状の内容に応じて各学園からエージェントを呼び寄せて容疑者に真偽を確かめる。
今回のターゲットはミレニアムサイエンススクールのセミナーだ…
私とチーム岡っ引は移動中、容疑者はセミナー会議室にて会議の準備中だ。
そこに、ミレニアムの生徒が現れた。
「あ!先生だ!水鉄砲持ってる!」
「テレビでやってたアレかな?」
「本当にバカみたいなことやってるね…」
ピタッ…
「今なんて…?今なんて言ったの…?」
「ゴヨウダ!ゴヨウダ!」
声をかけられて、驚いたミレニアムの生徒達は…
「に、逃げろー!」
関わったらマズイと判断し逃げ出した…
「バカみたいなことじゃなくて、バカなことやってるって教える前に逃げられちゃったね…」
「…お姉ちゃん」
「…あ」
反応が遅れたが、とりあえず先生をピコハンで叩いた。
「次は逮捕状なしで逮捕しよっか」ピコッ!
今度は分かりやすかったので、ピコハンで先生の頭に令状を出した。
「チーム岡っ引!アイコンタクト!」
私は十手と提灯を装備した4人に声をかける。
「今回の相手は大物だ…君達にとってはジャイアントキリングとも言えるだろう」
気持ちを改め正面を向き、移動の合図を出す。
「絶対に負けられない戦いだ…ムーヴ!」
「「ゴヨウダ!ゴヨウダ!」」
「「ゴヨウダ…ゴヨウダ…」」
元気のいいゴヨウダと控えめなゴヨウダ、5人は移動を開始した。
セミナー会議室の近くに到着した。
エージェントは準備中で、容疑者と接触中に合流する予定だ。
通路に誰もいないかヘビカメラで確認、クリア。
セミナー会議室の扉まで移動、扉の隙間からヘビカメラを忍び込ませる…
容疑者を発見した、会議で使う資料の確認をしてる。
エージェントとはまだ合流出来ていないけど、これ以上は待てない。
やむを得ないので緊急突入を実行する。
そして…その扉は、今開かれる。
3…2…1…GOGOGO!!
私とチーム岡っ引は、セミナー会議室に突入した。
私は早瀬ユウカ、ミレニアムサイエンススクールのセミナー所属で会計をしてます。
今は緊急会議の準備中、会議で使う資料を確認してます。
議題は先生のことです、どうしてこんなことになってしまったんだろう…
あれはシャーレの執務室で、先生のお仕事を手伝っているときのことでした。
ついに来るべきときが来た、とでも言うべきでした。
先生が過労で倒れました。
残念でもないし、当然の結果でした。
外から来た先生の体が、キヴォトス基準の労働環境で働くのは無理なんてこと分かってました。
頼りになるから、頼ってしまった結果がこれです。
連日徹夜、サービス残業、休日出勤、休憩なしの労働…
先生が倒れたことを他校に悟られないように、救護騎士団と協力し機密性の高い病院へ緊急入院させました。
「いらっしゃいユウカ、今日もかわいいね」
「…は?」
病室のベッドに寝転がり、マンガを読んでる先生はこっちを見ずにそう言いました。
目が覚めた先生は、別人みたいです。
倒れる前の先生は、真面目を絵に描いたような人でした。
今の先生は、砕けた感じの一般人です。
ある天才一家の話、とある学校で有名な天才でした。
しかしある日を境に、頭の中で歯車やネジやバネがバラバラになってしまいました。
そして天才となんとかは紙一重、という状態になるというお話でした。
現実にそんなことが起こるなんて、あり得ないと思ってました。
ですが先生にも、そんなことが起こりました。
もしかしたら働き過ぎた先生は、似たような状態になったのではないかと思いました。
救護騎士団の団長ミネさんも、精神的な病かもしれないので原因の究明には時間かかります…と言われました。
先生は今でも目を覚まさなかった…かもしれない。
それを思うと私は…
私が先生を支えます。
私が先生を癒します。
それが私の、私達の罪滅ぼしになるのなら。
だからあのバカみたいな活動にも参加しました。
あの活動は現在2回、近々3回目やろうとか言ってた気がします。
あの活動がなんの解決になるのか、それでも先生の癒しになるなら良いのかもしれません。
ゲヘナ学園風紀委員会の委員長、ヒナさんに休暇が必要だと言ってましたね。
最も休暇が必要なのは先生、あなたですよ。
先生の限界が近いのかもしれないと判断し、この緊急会議で現状を洗いざらい話そうと思います。
1人で抱え込むよりも、仲間を増やして問題解決に動いた方がいいと思いました。
先生、もうすぐです。
もうすぐ、必ずあなたを助けますから。
セミナー会議室の扉が開かれました。
まだ会議の時間には、早いはずなのに…
そこに現れたのは、水鉄砲を構えた先生でした。
「シャーレ強行犯係だ!武器を降ろせ!全員だ!」
「「ゴヨウダ!ゴヨウダ!」」
「「ゴヨウダ…ゴヨウダ…」」
私とチーム岡っ引はセミナー会議室に突入、容疑者ユウカに水鉄砲を構えた。
「チーム岡っ引!散開!」
ユウカを囲むように十手と提灯を装備した、チーム岡っ引ことゲーム開発部の4人を展開させる。
「…」
ユウカは固まって、ピクリとも動かなかった。
あれ?そんなに意外だった?
「ユウカ…?どうしたの…?具合でも悪いの…?」
私はその様子が心配になって声をかけた。
しかし次の瞬間。
「あああああもぉぉぉぉぉ!!!!!」
ユウカは頭を掻きむしった。
「ええ!?」
私とチーム岡っ引は、予想外の反応に動揺した。
「…もう1回病院送りにした方が…」
髪がボサボサになったユウカはブツブツ言いながら、サブマシンガンの安全装置を外そうとしていた。
「え!いきなり?チーム岡っ引!防御陣形!」
チーム岡っ引のフォーメーションを組み直した。
〜5分後〜
「ユウカ大丈夫?落ち着いた?」
「…落ち着いたように見えますか?」
「鉛弾が飛んで来ないから、多分…?」
私とチーム岡っ引は、防御陣形でユウカの様子を伺っていた。
「ユウカ大丈夫ですか?ユウカは今…夜でもサングラスをかける頼れる仲間だったけど、実は黒幕のバイオウィルス研究者だった顔になってますよ?」
「アリス、それはどういう顔なのかな…?」
「フフッ(笑)」
アリスのよく分からない例えだったけど、少しだけいつものユウカに戻った。
「さてユウカ、私がここに来た…ということが何なのか分かってるよね?」
「…告発状が届いたんですか?」
「その通りだよ、そして真偽を確かめに来た」
「それはいいですけど、モモイ達はどうして連れてきたんですか?」
「紹介するよ…今回はユウカを呼べないからタスク・フォース、チーム岡っ引を起用した」
「ゴヨウダ!ゴヨウダ!」
十手と提灯を掲げてアピールするモモイに、ユウカは呆れていた。
「アンタ全然反省してないのね…?」
「うるさい!それとこれとは話が別!」
「あーそこはユウカに同意、何とは言わないけどモモイはあと50ぐらい頑張って」
「先生!?どっちの味方なの!?」
「いい質問だ、私は生徒の味方だよ」ピコッ!
裏切り者を裁くモモイのピコハンが、私の頭を粛清した。
ユウカも癖で叩こうとしたみたいだけど、手元にピコハンはなかった。
「私もピコハン、もらっていいですか?」
「容疑者に武器を与えるのはちょっとねぇ…」
「分かりました!今日は平手でやりますね!」
「すみません!ピコハン追加でお願いします!」
平手で素振りするユウカを見て、私は命の危機を感じダッシュで会議室の外にピコハンを取りに行った。
私がピコハンを受け取った様子を見たユウカは、既にエージェントが到着していると判断した。
「はいこれ、ソフトタイプのピコハンね」ピコッ!
本当にソフトタイプか確認する為に、ユウカは私の頭で試し打ちした。
準備も着々と整ってきたので、シャーレ強行犯係はユウカへの追及を開始した。
「今回は覚悟してよユウカ!」
モモイは十手をフェイシングみたいに構えた。
「前回檻に閉じ込められた恨みもあるんだ!お前をあの狭い檻に閉じ込めてやるんだから!」
「なっ!そんなの逆恨みじゃない!」
「あーそこはモモイに同意、ユウカが檻に入ったら面白…じゃなくて罪を償って反省して欲しい」
「一体なんの罪が…ていうか今面白そうって言いました!?」
「…なにも?」ピコッ!
今の妙な間はなんですか?とユウカは、段々温まってきたピコハンで先生の頭を熱暴走した。
「…このままだと議論は平行線なんで、告発状を読んでもらっていいですか?」
「えー今回は特別企画なんで、エージェントを先に紹介するね」
ユウカはエージェントの正体に心当たりがあった、今回のエージェントは2人。
「そういえば誰が来るか聞いてないですね…?」
「1人は…多分だけど…」
エージェントの正体に、ユズは気がついているみたいだった。
「ユウカはどう?誰だか分かる?」
「1人はそろそろ文句を言って来ると思っていたので…エージェント起用は都合がよく、もう1人は絶対に来ないと思ってます」
「大体あってると思うよ…じゃあ準備が出来たみたいだから呼んでみようか」
「エージェントの方々、お願いします!」
〜シャーレ強行犯係便利アイテム〜
十手と提灯
エンジェル24に売ってなかった…
百鬼夜行連合学院、忍術研究部のイズナにお願いして用意してもらった。
見返りとして、10分間モフモフよしよしチケット(イズナ用)と書いた手書きの紙を渡した。